ある新聞記事の中に、ノーベル賞を受賞した真鍋さんの発言に「私は一度も計画書などは書いたことがない」と述べておられる。
これを聞いた日本の研究者は耳を疑ったのではないでしょうか。
少なくとも、日本の研究者は、立場や、実績などによって程度の差はあると思いますが、成果を出すための計画書、予想効果、や経過報告など、直接、研究内容の成果発表と関係のない書類作りが仕事の三分の一から五分の一は占めるのではないでしょうか。
「好奇心に基づく研究が一番大事なこと」は研究したことがある人なら誰しも思う事ですが、日本では三十年位前から、パワーの集中と効率化が叫ばれ、企業では、終わりが見える課題の選択を要求され、得られる成果が見えない研究・開発には金と人は回されなくなっている。
という事は業務内容が良く分からない、人事管理をする上司が、一つ一つの課題について、効率化されているか、適正な課題が取り上げられているか、成果がどれくらいかなどについて、理解できる説明と資料がないと金と人は出さない仕組みになっている。
スタートから、皆に分かりやすい、目先に絞り込まれた課題をやっていては、ろくな成果は得られない、
そして、これからの日本の技術の将来は暗澹たるものになってしまう事でしょう。
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