・・・奈良の国立博物館で開かれていた正倉院展は終わり、先日の新聞に勅使が宝物が正倉院に戻されたのを封印したというニュースが流れていた。
正倉院に収められている宝物は聖武天皇の遺物を光明皇后が756年にころに納められたものである。
であれば1264年前の物であり、博物館などに展示されている同時代の古墳等から出る遺物はボロボロで、
これを現状のまま保存するには、たいそうな設備を作って保存している。
ところで、正倉院遺物は約1300年前から、今の正倉院の校倉造の倉に納められ、新品同様の姿で現在に至っているわけである。
コストや信頼性からも、現代においても、今の時代に合った校倉造の保管設備を研究して国宝級遺物の保管庫を作ればと思うのであるが、今までそんな設備は、聞いたことがないのが不思議である。
さて、奈良正倉院の校倉造の蔵と宝物が入っている、唐櫃は杉板で作られていることが長く保管できた秘密だそうです。
上の図は新聞の切り抜きですが、杉材は放湿・吸湿効果が優れていて蔵の唐櫃に収めてある美術品は外の湿度が変化しても、常に最適湿度に保たれているそうです。
図中のグラフは外気の湿度変化とその時の蔵内の湿度と唐櫃内の湿度が示されています。
記事によると、グラフの外気の湿度変化は10~100%で、蔵内の湿度変化は50~80%だったそうで、実際に美術品が収められている杉財製の唐櫃内の湿度変化は60~70%だったそうです。
一般に言われているのは、書物等に要求される湿度変化は40~70%が望ましく、70%以上ではカビが生えるそうです。
こんな素晴らしい保管装置が1300年も前に作られていたとは、その技術力の高さに驚きです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます