





ベベンコビッチさんが、荒川温泉の港で釣りをしている風景がテレビに写ったので、
荒川温泉で店をやっているみっちゃんのことを思い出した。
長崎や高島で世界遺産をめぐった後、
長崎港から五島の福江港に向かった。
初めて渡る福江島にワクワクしながら接岸を待った。
次の日、電気自動車で12の教会をめぐった。
浦頭、堂崎、宮原と教会をめぐったが、
半泊までは道も狭く、かなりの山道を進まなければならなかった。
軽自動車とはいえ、満タン充電で100キロちょっと。
急速充電器がある場所までバッテリーを温存しなければならない。
残り半分くらいになったところで、急速充電器がある玉之浦の荒川温泉に車を停めた。
「 車を充電している間に人間も 」 と、
唯一の食堂 「 さんさん 」 に行ったところ、臨時休業の貼り紙が・・・
「 うっそやろ~ 」 って思いながら中を覗くと、
数人の男たちが昼間からビールを飲んでいた。
そこで、ガラッと戸を開け、
「 何か食べるモンは出来ますか? 」 って言うと、
「 何でんよかね。それなら出来るよ。 」 って言い、
「 今日は暑かったろ~ 」 って、カウンターにお冷をコトリと置き、
「 これでも食べて待っといて 」 って、南蛮漬けを出してくれた。
カウンターに紅白の餅が置いてあったので、
「 棟上げで餅まきがあったん? 」 って訊くと、
「 そう、それで昼は閉めとったと。 」 って言う。
そんな会話をカウンター越しにしていると、
それまで他の話をしていた漁師さんが、
「 みっちゃん。このお客さんば前から知っとるとね? 」 を訊くと。
みっちゃんは 「 今はじめて会ったとよ。ネぇ。」って、
ボクに相槌を打ったので、
ボクも 「 うん。はじめて 」 と答えた。
この時、この人は ” みっちゃん ” って言うんだと知った。
漁師さん曰く、 「 もう何年も前から知り合いのごとあるばい。 」 って言ったが、
もちろん、お互い初対面だし、ちょっと前に会ったばかりである。
でも、不思議とそんなことは微塵も感じなかった。
12月に、玉之浦港防砂堤灯台で頭から波をかぶってビショ濡れになった帰りに、
おみやげを持って、みっちゃんの店に立ち寄ったら、
「 来るって言ってくれたら綺麗にしていたのに 」 と、みっちゃんは言ってハニカンだ。
コッテージスモーキに行く時間もあったし、
寒かったのですぐに店を出て、車に乗り込もうとすると、
「 今度、いつ来ると? 」 って訊かれて、
「 春になったら。 」 って答えて半泊に向かった。
ちなみに ” みっちゃん ” は、倍賞美津子さん似で、
その倍賞美津子さんよりもちょっと年上かな?