Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

羊と鶏にベーアラウフ

2006-06-01 | アウトドーア・環境
熊が出た話。イタリアのチロルで鳥の檻を荒らしたのが、五月四日。そこから北へと移り、ザンクトガーレンキルヒで羊が襲われたの同月十日。翌日にはガルゲレンでやはり一頭が襲われる。十四日には、あのスキーのメッカ、ザンクトアントンに現われて、また一頭。成る程この時期の世界のスキーリゾートは閑散期である。

更に北上して十八日には、フッセンから国境を越えた町ロイッテで発見される。ついに十九日には越境してエッットタールのグラスヴァングで三頭の羊を餌食とする。そこから山沿いにガルミッシュキルヘンの方へと移動。レッヒ渓谷のファルハントに二十一日、二十二日にはオバーグライナウでそれぞれ四頭の獲物をせしめ、鳥の檻を襲う。そこから東へインタールの方へと、一路高速道路を目指し、ローファン山地で発見されたのが先月二十五日である。

一日略30キロメートルの行程である。オーストリアには現在三十頭ほどの野生の熊が確認されているということで、これも初耳であった。既に隅々まで人の手の入っている西欧からは絶滅していると思っていたからである。

しかし今回の不良熊に大変興味がもたれている。、家畜を襲うなどして不良な素行が身に付いたので、野生としての更正は難しいらしい。こうした問題熊は、1972年以降オーストリアでは三頭目であるという。僅か二歳ぐらいのオスとしては珍しい事のようである。専門家の間では、合法的な罠か麻酔銃での生け捕りが試みられている。捕まえた場所によって、そこがオーストリア領地ならばヴィーンのシェーンブルン動物園、ドイツ領ならばミュンヘンへと収監が決るらしい。

時期柄、ベアーラウフと羊の生肉に時々鶏肉で美味そうで結構とは思うが、既に被害届けが出ていて、種の保存のためのつがいを求めた行動と看做されない場合、合法的に射殺される可能性もあるので、WWFの専門家は心配している。



参照:
熊が出没!? [ 生活・暦 ] / 2005-04-01
尻を捲くり立ち留まる [ 歴史・時事 ] / 2005-10-29
衣替えの季節 [ 生活 ] / 2006-04-22
コメント (2)
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