Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

無兜・飲酒への恐怖

2009-01-08 | マスメディア批評
スキー用のヘルメットが完売しているようだ。先程のチューリンゲン首相の関わった死亡事故が大きな着用への推進となっているらしい。

四人の子供をそこに残して亡くなったスロヴェニアのスキー選手のご主人は、政治家主体に事件が語られている事に怒りをぶつけている。楽しい休暇中の思いもかけぬ出来事には同情以外のなにもない。

事件の原因や責任は未だに分からない。視界の利く広いゲレンデの青コースと赤コースの合流点での衝突の瞬間を見たものはいない。それでも多くの人が合流の立て札を隠すように休止していて、広い初心者コースを降りてきて死亡したスポーツ選手と赤コースを滑ってきた政治家が、青コースのネットの近くで激突してそのまま二人とも飛ばされたことが目撃されている。

実際、こうした広い場所ではそのような衝突も目撃した事もあれば、接触経験もあるような気がする。スピードに乗っているのは初心者コースを滑ってきた腕達者なスキーヤーであるのが普通だろう。

政治家本人は、地元の病院のICUで既に食事を採っているようだが、ヘリで移動中に脳内出血の症状の悪化から人工コマに落とされて、衝突の瞬間も覚えておらず、現在の状況もまだ十分に認識していないと言われる。今週中には地元イェーナの病院に搬送されるかも知れないと言われているがどうだろう。

FISの世界ルールもゲレンデのルールとして重要視されるが、それでも車の交通の様には優先権が明確にされていないことから、今回の事件が起きたのではないかと言われている。更に双方の当事者の血液検査もされて、飲酒の可能性も除かれなければいけない。

政治家は、事故直後意識があり、女性の救急医療を優先させたと言われる。それに比べて女性の方は数箇所に渡り頭蓋骨が陥没しているということで、ヘルメットの威力が見直された。何年も普及運動はあったに違いないが、決定的な影響を与えたのは政治家アルトハウスという事になる。安全を指導する広報活動として仮に州首相がいくら呼びかけていても効果が表れなかったものが、こうして自らの事故で絶大な影響を与えた事になる。

地元左派党の代表が、死亡者の出た事故責任を問うているが、真面目にスポーツをしている政治家のようなので、飲酒運転で志望したハイダー博士とは違うだろう。飲酒による事故の責任が問われるのはなにも運転だけではない。幾ら温まるとは言ってもスキー中にアルコール入れる者は馬鹿である。

そこで社会学的に考察がされる。年末年始のスキー休暇での事故は他人事ではないので共感を呼んだ。護衛が付いていたとは言っても政治家の山の中での休暇はもっとも典型的で人気のある過ごし方であるから意外性も少なく、多くの市民が自己と重ねる事も出来るのである。だからヘルメットの重要性も自らの安全と考える。こうして政治は情動的なのがマスへの有効なコミュニケーション方法にも示される。



参照:スイスの蒼い空の下で [ 歴史・時事 ] / 2004-12-17
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