Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

足元の覚束無い散歩道

2009-01-04 | 
いつものように床屋に行くと年明けであるからか二時間後に来てくれという。初めから散発前に歩く予定だったので、時間を潰せるかどうか考えて車を動かす。歩く予定にしていた谷間に車を止めると、坂の上から霜が凍り付いている。

強い陽射しではあるが温度は低い。足元の覚束無い塗装道路を離れてワイン地所へと踏みいる。流石に作業車も走れないので静かである。凍結の可能性があれば、なにも傾斜のある地所で仕事をする必要はない。

用心深く道路を渡りながら地所から地所へと繋いで行く。誰もいない太陽の下の静けさに雪の山間を想起する。耳を澄ますと人の声や歩く音が響く。天気が良いと皆考える事は同じで、足元が悪いにも拘らず山の静けさのようなものを求めにやって来る。

写真を撮るなどしている内に、無事車のところへ帰ると、思いの他時が経っている。一時間半ほど厳寒の中をうろついていた事になる。天気が良ければ三十分で戻って来れる範囲であった。凍り付いているため、普段は通過し難い小川沿いの泥濘の道を通ったり出来るのがなかなかおつである。

床屋に行くにはまだ早いので、車を動かしてあまり行かない平坦な地所の方へと向う。陽射しが一面に降り注いでいるのを愉しみたい。そこに車を止めて歩き出す頃には急に陽射しが弱くなって、またもや足元が覚束無いのだが、それはそれで雰囲気がある。いよいよ身体も冷えてきたので、床屋の椅子に腰を降ろして、新聞に速報が載っていた「チューリンゲン首相がスキー場で女子大回転スキーヤーと衝突して重態となり女性が死亡した話」を始める。
コメント (2)
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