Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

もう一寸濃いのが欲しい

2009-01-30 | 試飲百景
2007年産の飲みごろのワインが底をついて来たので年始参りをかねて出かける。特にキャビネットクラスの飲み頃のものがなくなってしまった。年始参りはお客さんがするものではないが、そこは一杯飲もうという魂胆が先行する。

残念ながら一軒目のフォンバッサーマン・ヨルダンでは、新しいものはアイスヴァインしかなかったので試飲しなかった。もう少し気の効く店員ならばお神酒代わりにハーフワイン38ユーロほどのそれを飲ましただろうが、新人はまだ駄目である。どういうややこしいお客さんかは流石に分かっているようだが、まだ修行すべきだろう。結局一セントも落とさずに退散したが、今年は三月に入ってしかそれもソーヴィニオンブランなどが出るだけで、今一つ客引きの方法を考えるべきだろう。

2007年産は、2008年産が本格的に出回る四月まではまだまだ楽しまなければいけないのだ。しかし、多くのキャビネットは谷に入りつつあって、新鮮さも失われつつ熟成もしていない状態となっている。

ダイデスハイムの地所の二箇所を陽の射す中を新調の見繕いで気持ちよく歩いてから、久しぶりにビュルックリン・ヴォルフを訪ねる。前回の訪問は11月に友人の買物につきあったときなので二月も出入りしていないことになる。責任は友人が送ったワインが無事二週間で到着した事を告げなかった無礼千万に尽きるのだ。お蔭でキャビネットクラスの興味ある商品ヴァッヘンハイマー・オルツヴァインをスェーデンの業者にさらわれて買い逃してしまった。

それでも、幾つか試飲する事が出来た。そして日本へ送付のコンディションの打ち合わせも出来た。郵便事情の話となると、どうしてもドイツとイーストアングリア地方との荷物のやり取りの話しになる。

「昔は、ロイヤルメールと言えば世界で一番早くて信用置けたのにな」と言うと、ノーリッチ出身の英国人は:

「民営化で駄目になっちゃったから、ブリティッシュ・レールでも遅れてばかりだし」と、「昔からと違う?」と切り返したかったが言葉を飲むと、

続けて、「オバマがいないからな。あれをやったのはゴードン・ブラウンだからな」と悲観するので、

「それは、色合いの深さが明らかに足りないよねー」の英国流の大笑いをする。

グーツリースリングとゴールドベッヒェルとゲリュンペルとそしてレッヒベッヒェルを試飲する。最初のものに比べて二つ目のものの酸が活きていて、それをゲリュンペルと比べるとやはり物足りなく丸まってしまっている。最後に飲んだものは薬草のようなペトロのような或いは渋味の塩気があって現時点では寝かすために買うのは憚られ、今楽しむよりも分からない先に期待したい気持ちになるリースリングであった。グーツリースリングを試しに二本とゲリュンペルを買うが、あとのものが今も新鮮で美味いのは当然であって、買い付けておきたいが先立つものがない。
コメント
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