色々な人が色々な事を書いたり考えたりしているのは読むのは面白い。そこに営みがある。そしてそこに思いもしなかった事を遭遇するのが愉しい。
ワインの好みや嗜み方も人それぞれで、それだからこそ面白いのだ。BLOG「WEISS WEIN BLOG」にて、デキャンターの代わりに ぽ こ ぽ こ と瓶から注ぐ鴨の口状のものを使っていると言うワイン小話が語られる。
それを自分ではなぜか今まで使ったことがない。しかし、醸造所の試飲会ではなるほどそれが良く使われている。流体の力学に則ってくびれた部分で高速で流れ注がれて、急速な呼吸をすることでワインが開くと言うものである。所謂ヴェンチル効果を使っている。
それを見ていても今まで少しも気にならなかったのだが、なにも理論的に計算などしてみなくても、その条件にも依るだろうが十分に液体にストレスを与えることは直感的に理解出来る。
なにと比べるかと言えば、ワインの場合は瓶詰め作業におけるポンピングであろう。そこでどれぐらいの圧力が掛けられるかは知らないが、幾ら圧を落としても瓶詰めの後は数週間はワインシックになることは経験上知られている。
ワインを運送したりした場合も、あの位相がずれたステレオ効果のように発散・拡散してしまうのである。丁度人間が時差ぼけや長い移動で揺られた後に総ての感覚が焦点を結ばないあの感覚なのである。
さて、このワイン注ぎの長短は意外に語られていないようである。それはなぜなのか?一つには、試飲会で注がれるワインは新しいワインが多く、そうした短所があまり目立たないと言うことかも知れない。もう一つは、やはり家庭で熟れたワインにこれを常用している人は少ないのではないかということである。
私などは、試飲会ではけちけちしてあまり注がせないためにこれが使われていると未だに疑わない。実際鴨の嘴タイプでなく、細い上呂タイプもあるのだ。それなどは殆どさもしいとしか思わない。家で飲む時も同じで、手酌でごぼごぼと心置きなく注がなければ気がすまないのである。しかし、幾ら強靭なワインと言っても、やはり飲む前に出来るだけストレスを掛けたくないのが心情である。だからデキャンターと比べるどうしても抵抗がある。
しかしこんな事を愚だ愚だ述べるよりも、実証とまでは難しいことは言わないが、自ら瓶から直接に、またはデキャンタしてから、そしてぼこぼこと三種類を簡単に試してみて味見してみるのが最も正解である。全く差が出ないのか、それともワインによるのかなどなど、出来るだけ先入観無しに比較してみるのが良いだろう。
参照:
ふにゃふにゃしない加齢 2009-03-09 | ワイン
花園に包まれていたい 2008-03-04 | ワイン
月謝先払いする酔狂かな 2008-02-11 | ワイン
ワインの時の三位一体 2007-05-11 | 試飲百景
好みに主観は存在しない 2007-05-08 | 試飲百景
ワインの好みや嗜み方も人それぞれで、それだからこそ面白いのだ。BLOG「WEISS WEIN BLOG」にて、デキャンターの代わりに ぽ こ ぽ こ と瓶から注ぐ鴨の口状のものを使っていると言うワイン小話が語られる。
それを自分ではなぜか今まで使ったことがない。しかし、醸造所の試飲会ではなるほどそれが良く使われている。流体の力学に則ってくびれた部分で高速で流れ注がれて、急速な呼吸をすることでワインが開くと言うものである。所謂ヴェンチル効果を使っている。
それを見ていても今まで少しも気にならなかったのだが、なにも理論的に計算などしてみなくても、その条件にも依るだろうが十分に液体にストレスを与えることは直感的に理解出来る。
なにと比べるかと言えば、ワインの場合は瓶詰め作業におけるポンピングであろう。そこでどれぐらいの圧力が掛けられるかは知らないが、幾ら圧を落としても瓶詰めの後は数週間はワインシックになることは経験上知られている。
ワインを運送したりした場合も、あの位相がずれたステレオ効果のように発散・拡散してしまうのである。丁度人間が時差ぼけや長い移動で揺られた後に総ての感覚が焦点を結ばないあの感覚なのである。
さて、このワイン注ぎの長短は意外に語られていないようである。それはなぜなのか?一つには、試飲会で注がれるワインは新しいワインが多く、そうした短所があまり目立たないと言うことかも知れない。もう一つは、やはり家庭で熟れたワインにこれを常用している人は少ないのではないかということである。
私などは、試飲会ではけちけちしてあまり注がせないためにこれが使われていると未だに疑わない。実際鴨の嘴タイプでなく、細い上呂タイプもあるのだ。それなどは殆どさもしいとしか思わない。家で飲む時も同じで、手酌でごぼごぼと心置きなく注がなければ気がすまないのである。しかし、幾ら強靭なワインと言っても、やはり飲む前に出来るだけストレスを掛けたくないのが心情である。だからデキャンターと比べるどうしても抵抗がある。
しかしこんな事を愚だ愚だ述べるよりも、実証とまでは難しいことは言わないが、自ら瓶から直接に、またはデキャンタしてから、そしてぼこぼこと三種類を簡単に試してみて味見してみるのが最も正解である。全く差が出ないのか、それともワインによるのかなどなど、出来るだけ先入観無しに比較してみるのが良いだろう。
参照:
ふにゃふにゃしない加齢 2009-03-09 | ワイン
花園に包まれていたい 2008-03-04 | ワイン
月謝先払いする酔狂かな 2008-02-11 | ワイン
ワインの時の三位一体 2007-05-11 | 試飲百景
好みに主観は存在しない 2007-05-08 | 試飲百景