こうした郊外に住んでいると所謂広範な外国人と出会うことは少ない。ポーランド人、トルコ人や、イタリア人やギリシャ人などEU内外国人を除いてである。
今日は違うタイプの黒髭の男がやってきた。「あんたは日本人か」と聞くので、「あんたはどこからだ」と聞くと、「パキスタンからだ」と言った。カイザースラウテルン方面からやってきて、バートデュルクハイムは初めてだと、ダルムシュタットを拠点にしてトラックの運転手をやっているのである。
このあたりはワインかと聞くので、「あんたのとこもベルクシュトラーセを南下すればベンスハイムなどからワイン栽培地域だね。でもこちらの方が美味いよ」というと、「宗教の関係で酒は飲まないんでね」と答えるから、「まあ、それは残念だ」と哀れんだ。
十年ほどいるらしいが、眼鏡を掛けて気さくな感じの男であった。受け応えを見ていれば、イスラム過激派とは程遠い人物とは思えるが、当局からはどうしても狙われるのだろう。第二次世界大戦中の収容された合衆国の日系人のようにである。私もイスラムの人間とは付き合いがないので、そうした外見の人柄ではなんとも「この人は危険思想の人ではないですよ」と言い切れないのが辛い。
先日は例のアフリカ人が荷物を取りにやってきたが、前回と同じように「(地図に載っている)ドイツワイン街道は分かるがワイン街道が分からない」と言う電話を受け取って、「またここにも同じようなアフリカ人がいるものだ」と、これは教育やその地域の文化的背景があるのかと訝しく思った。そうしてやって来たのが三回も同じ過ちを犯す人間だと分かると流石に呆れて、「あんた同じ事を繰り返しているね」と冷笑すると、「途中でこれはなにか覚えがあるなと気がついたんだよ」と照れずに白い歯を見せながら額に汗を吹き出させる。
それからがまたいつもの三文劇場の始まりである。先ずは、「車を持って来なさい」と命じると、「軽いから持って行くほうが楽なんだ」言うので勝手にしろと思い。これとこれと見せると、手伝えと抜かすばかりか、依頼を受けた一つしか知らないから本部に電話をかけるから待てとのたまうのである。前回は箱の傷みを態々直させたのだった。
電話がなかなか繋がらないので、「表まで行ってかけ直せ」と言っても、ぐずぐすとやっているのである。此方も奴の受け取りのサインを先にとっているものだから、勝手にしろとその場を離れて荷物を任せた。様子を上から見ているとやっとのこさ電話が繋がり納得したようで、二つの荷物を軽々と一人で持って帰った。
この間略十五分ほど仕事時間をごたごたしていて過ごした事になる。それにしても、これだからアフリカの夜明けは遥かに遠い。
参照:
アフリカ人気質を感じる 2009-07-24 | 雑感
「おれを信じなさい!」 2008-12-16 | 生活
大馬鹿者たち-試飲百景 2005-06-18 | 試飲百景
今日は違うタイプの黒髭の男がやってきた。「あんたは日本人か」と聞くので、「あんたはどこからだ」と聞くと、「パキスタンからだ」と言った。カイザースラウテルン方面からやってきて、バートデュルクハイムは初めてだと、ダルムシュタットを拠点にしてトラックの運転手をやっているのである。
このあたりはワインかと聞くので、「あんたのとこもベルクシュトラーセを南下すればベンスハイムなどからワイン栽培地域だね。でもこちらの方が美味いよ」というと、「宗教の関係で酒は飲まないんでね」と答えるから、「まあ、それは残念だ」と哀れんだ。
十年ほどいるらしいが、眼鏡を掛けて気さくな感じの男であった。受け応えを見ていれば、イスラム過激派とは程遠い人物とは思えるが、当局からはどうしても狙われるのだろう。第二次世界大戦中の収容された合衆国の日系人のようにである。私もイスラムの人間とは付き合いがないので、そうした外見の人柄ではなんとも「この人は危険思想の人ではないですよ」と言い切れないのが辛い。
先日は例のアフリカ人が荷物を取りにやってきたが、前回と同じように「(地図に載っている)ドイツワイン街道は分かるがワイン街道が分からない」と言う電話を受け取って、「またここにも同じようなアフリカ人がいるものだ」と、これは教育やその地域の文化的背景があるのかと訝しく思った。そうしてやって来たのが三回も同じ過ちを犯す人間だと分かると流石に呆れて、「あんた同じ事を繰り返しているね」と冷笑すると、「途中でこれはなにか覚えがあるなと気がついたんだよ」と照れずに白い歯を見せながら額に汗を吹き出させる。
それからがまたいつもの三文劇場の始まりである。先ずは、「車を持って来なさい」と命じると、「軽いから持って行くほうが楽なんだ」言うので勝手にしろと思い。これとこれと見せると、手伝えと抜かすばかりか、依頼を受けた一つしか知らないから本部に電話をかけるから待てとのたまうのである。前回は箱の傷みを態々直させたのだった。
電話がなかなか繋がらないので、「表まで行ってかけ直せ」と言っても、ぐずぐすとやっているのである。此方も奴の受け取りのサインを先にとっているものだから、勝手にしろとその場を離れて荷物を任せた。様子を上から見ているとやっとのこさ電話が繋がり納得したようで、二つの荷物を軽々と一人で持って帰った。
この間略十五分ほど仕事時間をごたごたしていて過ごした事になる。それにしても、これだからアフリカの夜明けは遥かに遠い。
参照:
アフリカ人気質を感じる 2009-07-24 | 雑感
「おれを信じなさい!」 2008-12-16 | 生活
大馬鹿者たち-試飲百景 2005-06-18 | 試飲百景