Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

秋のはじめの想いの数々

2009-09-05 | 
肌寒くなって、いよいよ長袖が恋しくなってきた。完全に秋真っ只中である。

八月の最終日曜日、5.6KMのコースを歩いた。始めて逆時計周りに辿った。朝はとても涼しく重い靴で思わず走り出してしまった。一キロほど走ったので、普段とは異なる無駄な脂肪が動き、蹴りで脹脛や太ももに堪えた。先ずはそれが限度であったが、何時か機会があればもう一キロ走ってみたい。脈拍150越えの苦しさ以上に、まともな靴を履かなければ身体を痛めそうである。まだまだ、余裕が無く神経が苦しい側にいるので、もう少し肉体を客観的に観察して動かせると面白いだろう。一キロほどを走っても歩くのとさほど時間は変わらないので、車まで帰ってくると結局一時間近く掛かってしまった。

グランクリュワインが解放になる前の週、2006年産のロバート・ヴァイルのグレーフェンベルクを開けた。瓶詰め後二年しかたっていないので、通常は後三年ほど待つリースリングであるが、あまり多くを期待出来る年度ではないので実力を試すために開けてみたのだ。

試飲した時にも感じたアルコールというか熟成度の強さからあまり鮮やかさもない。先日試したシュロース・ヨハニスベルクの格落ち商品との一騎打ちとなった。結果は、流石にエルステス・ゲヴェックスとしているだけあって、酸が十分には効かなくともそれだけの繊細さを出していて、あまり期待出来ないながらもまだ色々な成分が吹き出してくる潜在力は持っていた。

味の傾向は、どうしてもスレート臭さが出てくるのだが、下位のシャルタワインなどと比べると薄っすらと綺麗に出ていて、土壌の品の高さを感じさせる。梨のような筋の良さは、栗のようなヨハニスベルクの土壌よりも分厚くならないのが利点だろう。その二つの土壌の特徴をまったくそのスレート基盤と雑食砂岩基盤の組成を無視して喩えれば、ダイデスハイムの地所ホーヘンモルゲンとルッパーツベルクの地所ガイスビュールの差ほど異なる。好悪ではなくてその好みは別れるだろう。

もちろんシュロース・ヨハニスベルク醸造所のアルコール15%の商品はおそらく過熟成してしまった失敗作ではあろうが、醸造所として一流のローバート・ヴァイルではあの商品では販売できないだろう。しかし、2006年産の難しさは、なるほどグレーフェンベルクの斜面の上方でなんとか酸の効いた葡萄が出来たとオーナーが胸を撫で下ろしたぐらい、典型的な温暖化気候の中でのリースリングであった。

さてその価格30ユーロは高過ぎる。しかし、飲めないようなリースリングに20ユーロ払う事を考えれば、決して捨てるようなものでは無いのである。十分にそれだけの繊細さが分かり、尚且つ2006年産の難しさも分かるのだ。もちろん授業料としてそれが高いと思う人が普通であろうから、その価格で幾らでも他に旨いワインは飲めるので、人には薦められないグランクリュであった。



参照:
旨くない途轍もない将来性 2009-09-03 | 暦
Fシティーの垢抜け方 2009-08-11 | ワイン
腐れ葡萄にその苦心を窺う 2009-07-30 | ワイン
コメント
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