Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

マニュアルとか、法制化とは

2012-01-27 | 歴史・時事
承前)引き続き東京電力福島原子力発電所における事故調査の中間報告書を読む。「Ⅶ これまでの調査・検証から判明した問題点の考察と提言」からの注目点は以下の通り。

5 被害拡大を防止する対策の問題点(PDF13ページから)

「(1)原発事故の特異性」にて、「国民や国際社会への情報提供等の問題点」などと報告するが、その実は政府の情報公開の姿勢とマスメディアとの癒着関係の弊害でしかないことは明らかだ。

「(2)初期モニタリングに関わる問題」の「a 初期モニタリングに見られる問題点」として「100KM以上も離れた地域」ホットポイントがあるとするが一体何処の地域を想定しているのだろう。三郷市などはどう見ても200KM以上である。

「c モニタリングデータの活用の問題点」として、「原災本部事務局がその一部を公開しただけ」として最初の五日間に住民に納得いくデータを供給できなかったとしているが、本当にオフサイトセンターの通信手段の問題だけだったのだろうか?挙句の果ては、異常な値のデータを公表することに規定が無かったので関係者は当惑したとある。安全委員会は、官房長官の発表ゆえに、評価を3月25日まで発表しなかったということだ。

「(3)SPEEDI活用上の問題点」については、先に書いたのでここでは繰り返さないが、そもそも官僚の制作するマニュアルや法制化こそは如何になんら判断をせずに責任逃れをするかの手練手管であって、それならば政治家に一任の裁量権を大幅に与えればよいのだが、そうなると官僚の旨みがなくなるのだ。(PDF16ページから)

「(4)住民避難の意思決定と現場の混乱をめぐる問題」の「a 避難指示の意思決定をめぐる問題」でSPEEDIがたとえ五階の原災本部に伝えられていても「避難範囲についての結論は同じ」との報告をしているがそもそも前提が大分外れている。(PDF18ページから)

「b 地方自治体および住民の避難の問題点」ではまるで原爆後に逃げ惑うような汚染の高い方へと転々とする住民の姿が描かれているが、それは自治体の責任かそれともマスメディアの情報の問題かを明白にすべきだろう。

「c 住民避難の問題点と今後の課題」では、公的な啓蒙活動などと提案しているが、それ以前に本当のジャーナリズムを確立すれば足りることなのである。

「(5)国民・国際社会への情報提供」では、「避難住民や国民の立場」からの懐疑が報告されており、引き続き調査するとある。ここはオフサイトにおけるこの事故調査の最重要点であることは間違いない。(PDF21ページから)



参照:
中間報告 (東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会)
市民の意識環境を明文化 2012-01-25 | マスメディア批評
セシウムも降り注ぐマイホーム 2012-01-07 | アウトドーア・環境
コメント
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