Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

グローセスゲヴェックス解禁日

2012-09-03 | 試飲百景
なんだかんだと忙しくて、九月一日のグランクリュ解禁日には一軒しか立ち寄らなかった。試飲会に招待されていながら参加出来そうにないビュルクリン・ヴォルフ醸造所である。前日に駆け込みで三本ほど前注文をしておいた。そのお陰で入手は出来たのだが、どたばたさせられたと少し責められた。

売り切れてしまったのがウンゲホイヤーと聞いてびっくりした。一万五千本しか収穫だったそうだ。大分腐りを落としたということである。昨年の夏は雨が多かったから収穫時期に黴が繁殖したのだろう。しかしウンゲホイヤーは広大な土地に広がっており、何処の大手も十分な耕地面積を持っている。だから未だに信じられない思いである。

最高級品のキルヘンシュテュックが数が少なくて試飲不可なのは通常であるが、今年はウンゲホイヤーの試飲が出来ない。その他で試飲出来たのは、カルクオーフェンとホーヘンモルゲンとガイスボェールにペッヒシュタインであった。

PCクラスにおいても今年の出来は酸と糖の関係がギクシャクした感があって、なかなか飲み頃に出会えない2011年産であるが、やはりGCクラスも傾向はよく似ていて、比較的飲み易いのは単純なカルクオーフェンで、それにパワーを加えて複雑にしたのがホーヘンモルゲンである。

若干2005年産をも思い起こさせる傾向もあって、綺麗に熟成しそうなのは限られるような気がする。その意味からするとガイスボェールは無難であり、やはりペッヒシュタインはとても優れている。

減酸をとても丁寧に行った2010年産のような感動が無いのは、比較的凡庸な年度であったことから仕方ないのかもしれない。その意味からすると水不足で焼けが入っている葡萄の2012年の方が今後の進展によっては期待出来そうである。

2011年産に関しては、雑食砂岩のプファルツよりも、ザールやナーヘのリースリングの方が好ましく感じられるのは、やはり気象の影響があったとしか考えられない。その詳細はまだ掴みきれていないが、プファルツがもう一つうまく行っていない印象は正しいのだろう。酸は、寧ろザールやナーヘなどよりも鋭いのだが、分厚さが繊細さを壊しているという印象がある。来週はラインガウを試すので、その点もはっきりするだろう。



参照:
九月一日はグランクリュ解禁日 2011-09-04 | 暦
グランクリュ解禁の反響 2007-09-14 | ワイン
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