Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

平静を装う日本の支配層

2012-09-14 | マスメディア批評
日本の支配層はまるで何も無かったかのように平静を装っていると日本維新の会の結党についてFAZは報じている。特に政治エリートの中でもその頂点にいる安倍元首相がこの新しい動きの抱きこみを試みていることを上手に示している。

橋下徹なる人物についても、チンピラやくざの子息として子沢山の家族の長として、TVで弁護士で名を挙げたとあり、ある程度はネットで漏れ聞いていてもとっても興味深い話だ。

そして、そうした人物が国政にてあらかじめ予想されていた以上の350人規模の立候補者を用意していて、250人の過半数を目指すことを目標としていることからも分るように、従来の支配層にとっては最大の挑発となっている。

そのためか、明白なコンセプトの無い橋下の政治ながら、経済性の重視で日本では一般的ではない競争論理と自由化、さらに東京のイモリ野郎達や中央政府に対して地方の強化を押し出すその政治は、東京の政治エリートからはポピュリズムでファシズムと呼ばれる所以なのである。

実際に、政治学者らは、近づいている橋本の権力奪取は、長年既得権益を護って来た政治支配層を一網打尽にすると予想されているようだ。なるほど、こうした人物がなぜ人気を集め勃興してきたかを考えるのは、その不可解な支離滅裂の個別の政策を吟味するよりも、なるほど価値がある。

なるほど橋下の首班指名を避けて、旧守層の支配の構造を護り抜くためには、大連合は当然のことであり、新聞が称するようにミニ自民党の野田政権がそれを準備して、石原の息子もそれに向かうのは当然であろう。しかし冒頭に触れたように本当の旧守派である安部元首相が抱き込もうとしているのは面白い。手を変え品を変え、橋下の権力掌握を阻止しようとする。

橋下の方も、総理大臣となる首班指名を受けるよりも党首として市長に留まるとしているが、それでも新聞は大阪市長ポストは、日本を変えるには彼には余りに小さ過ぎると締めくくる。当然の観照であろう。



参照:
Als wäre nichts gewesen, Carsten Germis, FAZ vom 12.9.2012
大阪のポピュリストを回避 2012-08-17 | マスメディア批評
非核を推し進めるのか、否か? 2012-06-04 | マスメディア批評
コメント (2)
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