Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

日付が古い恋文を渡す

2014-06-01 | 
漸く、恋文を手渡した。彼女に出会ったのはもう一月前である。未だにその時の彼女の反応は十分に理解出来ないでいる。不機嫌というかそれまで見せたことがないほどだったのだ。

気が付かないような振りをして横を向いて通り過ぎようとするので「元気?」と声を掛けると、今回は前回一寸違って「自分こそどうなの?」と返してくる - 彼女は前回の彼女の態度の影響を十分に分っていたのだろうか。少し顔をしかめて「君がいなくて寂しくて」とせがむと、表情を崩して前を通り過ぎる。

今回は前回の母親同伴とは違って、お友達同伴であった。お決まりのように引き立てタイプの女友達だった。上背は平均的なのだが如何にも二十歳前後の女性にある小太りで、若干おぼこい感じの娘であった。テニスという感じでもないので、学校関係なのだろうか?その体型からしてなんとなく田舎臭い。なるほど彼女と欧州中を旅行したとするならば、本人も巧く化けていると、変質者ならば兎も角あまり若い男達のちょっかいも掛からなかったかもしれない。

前回とは大分違って雰囲気も柔らかなので、急いで車においてあった二週間ほど前の日付の恋文を取ってきて、彼女に渡したのだった。「日付が古くなっていて悪いけど、書き直そうと思っていたのだけで、今日時間が無くてね」と言い訳して渡した。

「ありがとう、どうもありがとう」と繰り返すので、「ありがとうじゃないよ、真剣なんだからね」と断っておいた。

久しぶりに確りと視線を絡ませるどころか、今までで最も物理的に近距離で話せた。これでフェロモンの働きが効かなかったら、男女関係とはなりえない近さである。

それにしても、若いから当然とは言いながら肌艶もよく、その広げた長く垂らした髪の美しさにの全体のプロポーションは小柄ながらとても綺麗であった。更に表情のとても柔らかくて温和な雰囲気が、明らかに母親とは違っていてとても素晴らしい。先十五年ほどの美しさの磨きの可能性を考えるととても楽しみになるのだ - 恋文には抽象的にではあるがそうした将来性への期待を表現したのだった。

万年筆の運びが気に食わなく、やや神経質で小ぶりな文字となったので書き直そうと思っていたのは事実なのだが、丁度気を抜いて、忙しくて書き直せなかったものだったのだ。



参照:
湖面に映る北欧の女神 2014-05-03 | 女
細かな仕事が出来るのか 2014-05-09 | ワイン
彼女のお母さんに出会う 2014-04-29 | 女
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