件のSTAP細胞偽造問題はFAZ紙でも何度も扱われている。科学欄でのそれしか知らないが、論文撤回前の五月の時点でホワイトヘッドバイオ医学研究所のルドルフ・ヤェーニッシュ教授にインタヴューをしている。
彼が言うには、「STAPの内容は信じ難くても、共著者の若山照彦、丹羽仁史、笹井芳樹などの名前を見ると、信じざるを得なかった」となるようだ。更にネーチャーのオースティン・スミスが校正者だったこともある。
要するに、比較早い時期から若山教授は、マウスの遺伝子の相違から論文の撤回を申し入れており - 最新の会見でこれが証明された -、教授は間違いない仕事をしていたと思われるとある。勿論、校正者も不正が行われたとは思っても見なかったに違いないというのである。
しかし、再三に亘って三通りの追加説明が口裏を合わせたようになされており、一方ヴァーカンティー教授のハーヴァードでは調査すら行われていないのいは内容を把握していない証拠だとされる。そして不正が発覚してからも、スミスが沈黙して、また共著者同士が表向き協調して対処していないのは不思議だと言われる。
最初は汚染が疑われた、結局マウスが取り替えられていたことから実験のでっち上げであったとの結果となったが、それをたとえ期待されて任務に就いたとは言いながら、笹井などのその方の一流専門家の目を騙してこれだけ大胆なすり替えが出来た訳はないであろう。
最初の記者会見やら広報からしてもマスメディアがそこに絡んでいる構造は、奇しくも偽ベートーヴェンなどと同じで、まさかと思ったが、これだけパテントなどの権益があることであるから、学術医学と言っても大きな金や市場が動くことになっていたのだろう。最新の政治家や官僚の動きからその利権構造が垣間見える。
しかし、積極的に捏造に関わっていなくとも、見て見ぬ振りをすることになっていたからこそ、若山教授が早めに足抜けをしようとしたようであるが、捏造といずれ分ることに名を成した研究者もしくは組織が間接的に関与して、どうしようとしようとしたかは、上のインタヴューで例を挙げていることから察しが付く。
MAPC細胞と呼ばれるやはりネーチャーの論文で、それによってスタンフォードで大きな投資が行われたとある。なるほど、こうした狙いがあったのかと、納得できるのではなかろうか。正直、最初のお祭り騒ぎの日本の報道からおかしいと思っていたが、まともな論文ではないことは直ぐに認識できたとしても、捏造と言う犯罪行為が、恐らく組織的な体質の中でネーチャーを含むマスメディアを巻き込んで行われていたとは思わなかった。末端の「良い子ちゃん」は、日本流に意を汲み取って、もしくは取らされる形で、実行犯に追いやられたと言うような図式がはっきりしてきたようである。その背後には、何時までも金が動けばよい式のまさしく実体の無いところに投資する当市市場の虚構の学問のようなものが存在しているのだった。
参照:
Von den Stammzellen bleiben nur Tränen, JOACHIM MÜLLER-JUNG, FAZ vom 11.5.2014
手練手管の質やその価値 2014-02-21 | 数学・自然科学
学会よりも出版やメディア 2014-03-20 | マスメディア批評
彼が言うには、「STAPの内容は信じ難くても、共著者の若山照彦、丹羽仁史、笹井芳樹などの名前を見ると、信じざるを得なかった」となるようだ。更にネーチャーのオースティン・スミスが校正者だったこともある。
要するに、比較早い時期から若山教授は、マウスの遺伝子の相違から論文の撤回を申し入れており - 最新の会見でこれが証明された -、教授は間違いない仕事をしていたと思われるとある。勿論、校正者も不正が行われたとは思っても見なかったに違いないというのである。
しかし、再三に亘って三通りの追加説明が口裏を合わせたようになされており、一方ヴァーカンティー教授のハーヴァードでは調査すら行われていないのいは内容を把握していない証拠だとされる。そして不正が発覚してからも、スミスが沈黙して、また共著者同士が表向き協調して対処していないのは不思議だと言われる。
最初は汚染が疑われた、結局マウスが取り替えられていたことから実験のでっち上げであったとの結果となったが、それをたとえ期待されて任務に就いたとは言いながら、笹井などのその方の一流専門家の目を騙してこれだけ大胆なすり替えが出来た訳はないであろう。
最初の記者会見やら広報からしてもマスメディアがそこに絡んでいる構造は、奇しくも偽ベートーヴェンなどと同じで、まさかと思ったが、これだけパテントなどの権益があることであるから、学術医学と言っても大きな金や市場が動くことになっていたのだろう。最新の政治家や官僚の動きからその利権構造が垣間見える。
しかし、積極的に捏造に関わっていなくとも、見て見ぬ振りをすることになっていたからこそ、若山教授が早めに足抜けをしようとしたようであるが、捏造といずれ分ることに名を成した研究者もしくは組織が間接的に関与して、どうしようとしようとしたかは、上のインタヴューで例を挙げていることから察しが付く。
MAPC細胞と呼ばれるやはりネーチャーの論文で、それによってスタンフォードで大きな投資が行われたとある。なるほど、こうした狙いがあったのかと、納得できるのではなかろうか。正直、最初のお祭り騒ぎの日本の報道からおかしいと思っていたが、まともな論文ではないことは直ぐに認識できたとしても、捏造と言う犯罪行為が、恐らく組織的な体質の中でネーチャーを含むマスメディアを巻き込んで行われていたとは思わなかった。末端の「良い子ちゃん」は、日本流に意を汲み取って、もしくは取らされる形で、実行犯に追いやられたと言うような図式がはっきりしてきたようである。その背後には、何時までも金が動けばよい式のまさしく実体の無いところに投資する当市市場の虚構の学問のようなものが存在しているのだった。
参照:
Von den Stammzellen bleiben nur Tränen, JOACHIM MÜLLER-JUNG, FAZ vom 11.5.2014
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