前日も涼しかったが、本日は寒い。衣替えである。一日中摂氏二十度にはならないようだ。流石に一ケタ台には落ちていないが、天気が悪く完全に十月から十一月の空である。気温の上がる日はあるだろうがパンツにTシャツの快適な日々は大体終了である。今年は冬支度も早くなりそうである。
先日SAARWEINEさんに持って来て貰った炊飯器が直ぐには使えないことが分ったのは既に輸送中のことだった。理由は、予定していた変圧器が使えないことを納屋から出してきて始めて気が付いたからである。そもそもその変圧器を平素使っていなかったのは理由があったからで、それをすっかり忘れていた。
そもそも変圧器は、日本からの駐在員家庭などには欠かせない白物で、日本で使っていた電化製品を公費で全て輸送する関係で、国外でも日本と同じ電化製品を使い続けるために必要なのである。その逆に、国外で購入した電化製品などを赴任の際にも使い続けるためにはまた変圧器が必要となる。安心して使える鉄にコイルを巻いた変圧器は重く、決して安くは無く貴重品でもあるのだ。
現在私の自宅で使用している日本の電化製品は、数は多くは無いが、それでもTEACのカセットデッキ、サンヨーの電気タイマーを使っている。そして三菱の炊飯器である。前のものは日本で愛用していた三十年ほど前の商品であるが、後者はこちらで使うために抱えて持ってきた商品で、それでも93年の訪日のときに抱えてきたものである。そして当時のマイコン付き炊飯器は五号炊きでも商品電力500W以下だったのだ。そのマイコンは電子変圧器を使ったお陰で帰宅後直ぐに日本からの食材に合わせて米を炊こうとして直ぐに吹っ飛んだのを覚えている。IC基盤だけを送ってもらって交換したのだった。
また上の大型変圧器は3000Wまで使えるのだが、今回改めて炊飯器とも200Vの出力で使っていた代物であった。だから普通の電化製品は使えない。リレハンメルの冬季オリムピックで公式時計のセイコーグループがメインテナンスグループのために持ち込んだものを買い受けたのだった。
興味深いのは、日本がこの二十年間ほどでオール電化とか叫び出して、高出力の電気製品を製品化して行った家庭であろう。なるほど日本以外の国に出かけた人は日本の100Vそのその電気事情に一種の貧しさを感じる人は少なくないかもしれない。そのような事情で高電圧化への計画もあったと聞く。そして起こったのがフクシマ禍であった。
今回入手した炊飯器も最大出力1200Wなので、手元にある600W相当の四つの変圧器では使えないのである。そしてその出力を見て電気代が心配になったのは事実である。インダクションヒーターなのである程度の電力は必要となるだろうが、それほどの価値があるのかどうかが、調べてみたいところなのである。
日本の成功は1980年ごろの省エネルギー対策による効率化であったと先日のラディオの討論番組でも触れられていて、最もエネルギー消費量を落とすには価格を上げればよいだけだと話があった。日本は当時はジャパンアズナムバーワンと言われた頂点であった。そしてその後今のように落ち込むことになるのは当時から分っていたことなのである。
面白いことに、SAARWEINEさんがビアーガルテンで水を注文して、その水で下痢をしたらしい。これなども何か今の日本を如実に表わしているようでおかしい。そもそも日本は水と人材だけは豊富で、只で軟水を楽しめたのである。それが今はどうだろう。ペットボトルを買わない日本人は少ないようだ。私などはここ二十年ほどは水を買わなくなった。地元の水道が葡萄の山の水になって軟水になったからである。そこに地元の豊かさがあると思っている。
郊外のレストランなどでも上水道の水を出すところが出てきている。そしてフランスで最も素晴らしい水もとても素晴らしい軟水なのである。それを喜んでミネラル水と称して石灰の多く入った水を ― 下痢は勿論マグネシウムの影響だろうが、飲みたがる日本人も増えてきているようっだ。
豊かであるためには、山の水が汚されないように殺虫剤などを一切使わないビオの環境が基本である。そうした積み重ねの構築されるのが脱近代の豊かさであることだけは間違い無さそうである。こうした意味で欧州は今後とも文明を開いていかねばならない。
参照:
へロー、タブレットと釜 2014-07-27 | 雑感
我が町のエネルギーミックス 2014-02-15 | アウトドーア・環境
二人の阿保のミックス 2014-01-06 | マスメディア批評
先日SAARWEINEさんに持って来て貰った炊飯器が直ぐには使えないことが分ったのは既に輸送中のことだった。理由は、予定していた変圧器が使えないことを納屋から出してきて始めて気が付いたからである。そもそもその変圧器を平素使っていなかったのは理由があったからで、それをすっかり忘れていた。
そもそも変圧器は、日本からの駐在員家庭などには欠かせない白物で、日本で使っていた電化製品を公費で全て輸送する関係で、国外でも日本と同じ電化製品を使い続けるために必要なのである。その逆に、国外で購入した電化製品などを赴任の際にも使い続けるためにはまた変圧器が必要となる。安心して使える鉄にコイルを巻いた変圧器は重く、決して安くは無く貴重品でもあるのだ。
現在私の自宅で使用している日本の電化製品は、数は多くは無いが、それでもTEACのカセットデッキ、サンヨーの電気タイマーを使っている。そして三菱の炊飯器である。前のものは日本で愛用していた三十年ほど前の商品であるが、後者はこちらで使うために抱えて持ってきた商品で、それでも93年の訪日のときに抱えてきたものである。そして当時のマイコン付き炊飯器は五号炊きでも商品電力500W以下だったのだ。そのマイコンは電子変圧器を使ったお陰で帰宅後直ぐに日本からの食材に合わせて米を炊こうとして直ぐに吹っ飛んだのを覚えている。IC基盤だけを送ってもらって交換したのだった。
また上の大型変圧器は3000Wまで使えるのだが、今回改めて炊飯器とも200Vの出力で使っていた代物であった。だから普通の電化製品は使えない。リレハンメルの冬季オリムピックで公式時計のセイコーグループがメインテナンスグループのために持ち込んだものを買い受けたのだった。
興味深いのは、日本がこの二十年間ほどでオール電化とか叫び出して、高出力の電気製品を製品化して行った家庭であろう。なるほど日本以外の国に出かけた人は日本の100Vそのその電気事情に一種の貧しさを感じる人は少なくないかもしれない。そのような事情で高電圧化への計画もあったと聞く。そして起こったのがフクシマ禍であった。
今回入手した炊飯器も最大出力1200Wなので、手元にある600W相当の四つの変圧器では使えないのである。そしてその出力を見て電気代が心配になったのは事実である。インダクションヒーターなのである程度の電力は必要となるだろうが、それほどの価値があるのかどうかが、調べてみたいところなのである。
日本の成功は1980年ごろの省エネルギー対策による効率化であったと先日のラディオの討論番組でも触れられていて、最もエネルギー消費量を落とすには価格を上げればよいだけだと話があった。日本は当時はジャパンアズナムバーワンと言われた頂点であった。そしてその後今のように落ち込むことになるのは当時から分っていたことなのである。
面白いことに、SAARWEINEさんがビアーガルテンで水を注文して、その水で下痢をしたらしい。これなども何か今の日本を如実に表わしているようでおかしい。そもそも日本は水と人材だけは豊富で、只で軟水を楽しめたのである。それが今はどうだろう。ペットボトルを買わない日本人は少ないようだ。私などはここ二十年ほどは水を買わなくなった。地元の水道が葡萄の山の水になって軟水になったからである。そこに地元の豊かさがあると思っている。
郊外のレストランなどでも上水道の水を出すところが出てきている。そしてフランスで最も素晴らしい水もとても素晴らしい軟水なのである。それを喜んでミネラル水と称して石灰の多く入った水を ― 下痢は勿論マグネシウムの影響だろうが、飲みたがる日本人も増えてきているようっだ。
豊かであるためには、山の水が汚されないように殺虫剤などを一切使わないビオの環境が基本である。そうした積み重ねの構築されるのが脱近代の豊かさであることだけは間違い無さそうである。こうした意味で欧州は今後とも文明を開いていかねばならない。
参照:
へロー、タブレットと釜 2014-07-27 | 雑感
我が町のエネルギーミックス 2014-02-15 | アウトドーア・環境
二人の阿保のミックス 2014-01-06 | マスメディア批評