潮時だった。ここ暫く悩んでいた。人に勧められてミル入りの海の塩を購入してから大分経った。そして中身が無くなった。勧められた人に蓋が開かないと入れ替えが出来ないと言われて、どうしようかと思っていたのだ。そして、キッチンで使っている小さな塩の入れ物も壊れた。小さな入れ物を採用してから、料理に使う量が加減できるようになった。容れ物が壊れたので、同じような大きさのヨード入りのものを購入した。そして食卓用にはミルを探した。しかし、ネットで探しても、こしょう用のものは数あるが、塩のミルは限られていて、高価なもの以外にはあまり良いものは見つからなかった。そして、気になっていたミルの塩が無くなったので、蓋を弄り回した。その開け方が漸く分かった。これで上から注入できることが分かった。
いそいそと詰め替え用の同じ粗い塩を探した。ミルの横にあった。一キロ入りで、ミルの百グラム入りと同じ価格だ。キロ1.99ユーロなのである。中身だけ考えれば十分の一の価格だ。そこで今使用しているあと三種類の塩の価格を見た。ヌードルなどを煮るために捨てるヨード・フッ素塩はキロ0.39ユーロである。その上のヨード入りの岩塩はなんとキロ1.99ユーロだった。そして、海の塩の顆粒はもっと高かった。喜び勇んで粗い海の塩を購入した。ミルを使って塩を振るなどは特別なことだと考えていたのだが、この価格をみて、とんでもない、経済的にも理に適ったものだと初めて分かったのだ。これで、食卓の塩はミルを使い、料理には顆粒やヨード入り岩塩を少々、捨て塩には安い塩と決まった。
最初からこうした塩を使っていればよかったと思った。そもそも岩塩が珍しかったのでそれを使ったり、ヨード入りを使ったりしていたが、海の塩を使うようになったのは、メリハリをつけて工業塩を捨て塩に使うようになってからである。あまりにも使う量が多かったので、安くて質の良いものを購入するようになって、逆に料理や食卓塩は良いものが必要になったからである。
実際、海の塩は潮騒の香りがして美味いのだ。辛いのでなくて美味いのだ。嘗ては日本でも普通に天然の海の塩が使われていたのだろうが、これだけ粗いものを細かくして使った覚えはないのだ。顆粒よりも良い味がするのは理由があるのだろうか。岩塩は特別な味はないが、少なくとも工業塩よりは良い印象がある。日本で塩が専売になっているのは江戸時代からの影響があるのだろう。ネットで調べると赤穂の塩が198円とあった。価格はよく似ている。
ご進物用にグローセスゲヴェックスの購入を頼まれた。昨年はドイツで最も高価なリースリング「フォルスター・キルヘンシュテュック」を七本購入した。今年は同じビュルクリン・ヴォルフ醸造所の「ルッパーツベルガー・ガイスビュール」となった。予算を落として、今飲み頃のグローセスゲヴェックスを選ぶとこうなった。そして、十月に誕生日の贈り物とした時の割引をしてもらったので、現在の価格からすれば比較的割安に購入できた。それでも、他の醸造所のグローセスゲヴェックス並みの価格である。それは高度で近代的な技術を駆使した天然酵母醸造であることを考えれば当然である。
依頼主がバラバラでご進物に使うので、二つの発送用の箱を都合して、また自分がグローセスゲヴェックスの整理に役立てたいので、六本入りの木箱に入れて貰った。これでビュルクリンヴォルフ醸造所の三つの木箱に2001年からのグローセスゲヴェックスが収まった。その大半は「フォルスター・ペッヒシュタイン」であるが、「ダイデスハイマー・ホーヘンモルゲン」や「フォルスター・ウンゲホイヤー」も含まれている。その他に前述のキルヘンシュテゥックや「ダイデスハイマー・カルクオーフェン」などが転がっている。通常の大きさの瓶しか購入していないので、適当な時期に飲み干すことになるだろが、リースリングのグローセスゲヴェックスが二十年後にもぺトロール香もなく新鮮なまま楽しめることが実証されれば、ボルドーの最高級品価格まで上昇することだろう。早めに見極めをしなければ購入できないものなのだ。
2012年は酸が弱いので、それほど長い将来は期待できない。ウンゲホイヤーなども四五年経過したときに一度見極めなければ、フィルンになってしまう可能性はないことはない。古酒と称して、そのあとを楽しむ向きも少なくはないだろうが、究極の目標はそのワインが瓶詰後最も美しい時期に飲み干すことである。瓶詰後の時期にどれほど美味くとも、それだけの価格を出して綺麗な瓶熟成をしないようではその価値はない。その価値の高さは、どこまで美しく、どこまで若々しく、熟成していくかに尽きるのだ。
参照:
価格に注目して貰いたい 2013-10-16 | ワイン
ご進物の決定プロセスの紹介 2010-12-10 | 試飲百景
持続可能な環境の誕生会 2014-10-11 | アウトドーア・環境
いそいそと詰め替え用の同じ粗い塩を探した。ミルの横にあった。一キロ入りで、ミルの百グラム入りと同じ価格だ。キロ1.99ユーロなのである。中身だけ考えれば十分の一の価格だ。そこで今使用しているあと三種類の塩の価格を見た。ヌードルなどを煮るために捨てるヨード・フッ素塩はキロ0.39ユーロである。その上のヨード入りの岩塩はなんとキロ1.99ユーロだった。そして、海の塩の顆粒はもっと高かった。喜び勇んで粗い海の塩を購入した。ミルを使って塩を振るなどは特別なことだと考えていたのだが、この価格をみて、とんでもない、経済的にも理に適ったものだと初めて分かったのだ。これで、食卓の塩はミルを使い、料理には顆粒やヨード入り岩塩を少々、捨て塩には安い塩と決まった。
最初からこうした塩を使っていればよかったと思った。そもそも岩塩が珍しかったのでそれを使ったり、ヨード入りを使ったりしていたが、海の塩を使うようになったのは、メリハリをつけて工業塩を捨て塩に使うようになってからである。あまりにも使う量が多かったので、安くて質の良いものを購入するようになって、逆に料理や食卓塩は良いものが必要になったからである。
実際、海の塩は潮騒の香りがして美味いのだ。辛いのでなくて美味いのだ。嘗ては日本でも普通に天然の海の塩が使われていたのだろうが、これだけ粗いものを細かくして使った覚えはないのだ。顆粒よりも良い味がするのは理由があるのだろうか。岩塩は特別な味はないが、少なくとも工業塩よりは良い印象がある。日本で塩が専売になっているのは江戸時代からの影響があるのだろう。ネットで調べると赤穂の塩が198円とあった。価格はよく似ている。
ご進物用にグローセスゲヴェックスの購入を頼まれた。昨年はドイツで最も高価なリースリング「フォルスター・キルヘンシュテュック」を七本購入した。今年は同じビュルクリン・ヴォルフ醸造所の「ルッパーツベルガー・ガイスビュール」となった。予算を落として、今飲み頃のグローセスゲヴェックスを選ぶとこうなった。そして、十月に誕生日の贈り物とした時の割引をしてもらったので、現在の価格からすれば比較的割安に購入できた。それでも、他の醸造所のグローセスゲヴェックス並みの価格である。それは高度で近代的な技術を駆使した天然酵母醸造であることを考えれば当然である。
依頼主がバラバラでご進物に使うので、二つの発送用の箱を都合して、また自分がグローセスゲヴェックスの整理に役立てたいので、六本入りの木箱に入れて貰った。これでビュルクリンヴォルフ醸造所の三つの木箱に2001年からのグローセスゲヴェックスが収まった。その大半は「フォルスター・ペッヒシュタイン」であるが、「ダイデスハイマー・ホーヘンモルゲン」や「フォルスター・ウンゲホイヤー」も含まれている。その他に前述のキルヘンシュテゥックや「ダイデスハイマー・カルクオーフェン」などが転がっている。通常の大きさの瓶しか購入していないので、適当な時期に飲み干すことになるだろが、リースリングのグローセスゲヴェックスが二十年後にもぺトロール香もなく新鮮なまま楽しめることが実証されれば、ボルドーの最高級品価格まで上昇することだろう。早めに見極めをしなければ購入できないものなのだ。
2012年は酸が弱いので、それほど長い将来は期待できない。ウンゲホイヤーなども四五年経過したときに一度見極めなければ、フィルンになってしまう可能性はないことはない。古酒と称して、そのあとを楽しむ向きも少なくはないだろうが、究極の目標はそのワインが瓶詰後最も美しい時期に飲み干すことである。瓶詰後の時期にどれほど美味くとも、それだけの価格を出して綺麗な瓶熟成をしないようではその価値はない。その価値の高さは、どこまで美しく、どこまで若々しく、熟成していくかに尽きるのだ。
参照:
価格に注目して貰いたい 2013-10-16 | ワイン
ご進物の決定プロセスの紹介 2010-12-10 | 試飲百景
持続可能な環境の誕生会 2014-10-11 | アウトドーア・環境