Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

自覚ない殆どの日本人

2014-12-18 | マスメディア批評
右翼安倍政権の存続によって、それがなそうとしていることへの危険性について纏めている。先ずは、パシフィズムの九条と基本的人権を消し去ろうとしているのだという。その代りに愛国教育を施し、戦時下の日本の悪行を当たりの良い表現にして教えようとするばかりか、海外にもそれを広げようとする自民党の選挙公約を実施への恐れがこの選挙の勝利によって増したと報じる。

結果を受けて、コロムビア大学のジェラルド・カーティス教授は、選挙を分析する。なによりもワシントンにおける安倍内閣への憂慮が示される。それは「安倍が選挙結果を受けて、以前からの国粋的な過激な言動に弾みをつけるのではないかという危惧」である。「修正主義的な過去への考え方が日本の将来への彼の考え方であるという疑いがある」ということだ。カーティス教授に言わせると、「歴史認識が益々希薄になる」と歴史教科書の非の部分が益々省略されて、安倍は修正主義者を公に起用することで日本社会にも気づかれないうちに日本の過去の蛮行を否定して行っているというのである。

そうした傾向に手を貸しているのは、野党である民主党や大阪の維新の連中などの中に歴史修正主義者が多く居過ぎることで、更にマスメディアは第二次政権発足後には海外からの批判を伝えなくなったことだとする。だから日本は、極東で、アメリカで、欧州で孤立していることをほとんどの日本人は自覚していないのだと書く。

つまり民主党の中の多くの代議士は、安倍の歴史観を共有していて、それが攻撃的な言葉で表現されない限りは、多くの国民が同調していないのにも拘らず、それに従うという。維新の代議士にも当てはまるとなる。だから、国粋主義的な政策の安倍やその一派に強く対抗するのは共産党で、東京の若年層だけでなくて広く支持を集めた結果となったと分析する。つまり安倍の国粋主義への批判とみる。

この記事を読んで、普段は「パシフィズム」に懐疑的な我々でももはや改憲や九条改正に関しては口を閉ざすべきだとする意見が正しいことを確認するのだ。「護憲、九条」は「脱原発」などと同じで当面は悪影響を齎すものではなくて、それを掲げることでオールジャパンの体制を形づくれるといったことになるのだろうか。上にも指摘があったように、経済的なリベラリズムが必ずしも政党の要件として、リベラルとはならない維新などが存在して、そこに抜本的な構造改革へのアイデアがないことが馬脚するようになっているのであろう。

そこでは上の日本のジャーナリズム批判にも共通していて、あまりにも単純なマルキズムか追従者によって日本の学や文化が構成されていることが元凶となっているのだ。そもそも構造改革などでは、正しい現状分析と独創性が無ければできない事であり、日本の官僚組織の程度や日本社会の低脳化を示す無策でしかない。経済政策に関する社説も一面に載っているので、これも改めて纏めよう。(続く)



参照:
Abe will Japans Verfassung ändern, FAZ vom 16.12.2014
ゴミ箱を上手に扱うため 2014-12-15 | ワイン
日本右翼保守政権の計略 2014-12-14 | マスメディア批評
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