Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

安倍が欧州に教えること

2014-12-20 | マスメディア批評
欧州は安倍に学べるか?と言った社説が載っていた。つまりそのマネタリズムの金融政策から、罵倒されるメルケルの緊縮政策をみて、危機管理とは?、貨幣と景気策とは?、を学ぶというのだ。日本の二十年以上の失われた時に対して欧州のこの十年間は、南欧の金融崩壊ではなくて、ドイツが周りの国に対しての収支超過の破局なのだという。ポール・クルーグマンが強調するように、この間にこの輸出大国の貿易量の三分の一は欧州外へと向かい、その一方彼が推奨する金融政策はそのまま貿易量の増大へと導いたことには触れない。クルーグマンの市場へのドーピング効果は、ユーロ安誘導の金融政策となって、圏外への輸出量を増やし、副作用は危険性を上回ったことになる。少なくとも銀行と投資家は現在のところ流通量の増加の恩恵を与っている。

こともあろうにそのクルーグマンは、日本の失われる時を警告していて、なんとケンジアンの処方をウォールストリートから発信していた。二十年以上も長く激しい金融緩和策がとられた日本は、その結果経済発展することなしに財政赤字が膨らみ、日本はケンジアンの処方を受け入れることはなかった。安倍の日銀は、国債を購入して、円安を誘導している。それをクルーグマンは欧州に勧めているのである。

安倍は、最近クルーグマンを東京に呼んで、それに従うことにしている。効果が無ければ更に増大させよというのである。しかしその効果は表れていない。日本を救えないアドヴァイスは、欧州も救えないのである。それでも欧州中銀もEUもこれに従おうとしていて、国債の買い付けへと歩みだしている。

クルーグマンの金融政策は、消費あってのものであり、金があれば消費するので成長するという、しかし実際日本ではどうだ。財政危機のその財政をさらに赤字化することで、日本人は安心して生きていくというのである。日本に見るように、金融政策には限度があることが、単純に解決策を見出したい人々にはなかなか受け入れられないのである。

安倍は、先任者たちと同じく構造改革の掛け声だけで手を付けようとはしない。しかし経済の歴史から、行政によって需要に火がつくよりも、リスクを顧みないイノヴェーションの企業家によってはじめて成長がなされること知れるのである。



参照:
Was Japan Europa lehrt, Holger Steltzner, FAZ vom 16.12.2014
自覚ない殆どの日本人 2014-12-18 | マスメディア批評
安倍が解散に打って出る話 2014-11-15 | マスメディア批評
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