キリル・ペトレンコの年末年始のスケデュールが出てきた。連邦共和国ユールオーケストラとのツアーのようである。ミュンヘンでのオテロ上演が12月21日までだから、年末年始に練習に入るに違いない。全くこの楽団との関係は気が付かなかったのだが、2009年の同じ時期にオネガーの「パシフィック」、タンの「ペーパーコンツェルト」、ストラヴィンスキーの1910年版「火の鳥」で、ツェレ、エッセン、シュヴァインフルト、ヴィーン、ベルリンと回っている。
今回のプログラムは、バーンスタインの「ウエストサイドストーリー」、ウィリアム・クラフトのティムパニ―コンツェルト、ストラヴィンスキーの「春の祭典」となっている。本人のコンサートプログラムの拡充も兼ねているのだろうが、イスラエルからストラヴィンスキーが続いていて、とても期待されるストラヴィンスキーである。
メディアではなにも分からない記者が、先日のベルリンでのプログラムを称してフルトヴェングラーへの回帰と語っていたが、ペトレンコの脳裏にフルトヴェングラーなどが浮かぶ筈がない。今まで最も意識していたのはカラヤンとアバドぐらいだろう。クラシックモダーンの充実は当然であり、取り上げる曲取り上げる曲が決定的な演奏実践になって行くとは思われるが、そのこと自体は話題になることではない。
今回のベルリンでのプログラムに関しては、SWRが今後のバーデンバーデンでの祝祭に関連して、上手な売り方への提案をしていたが、反対にどうも新監督就任を気持ちよく思っていない一派からはこうした満席にならない状況への非難めいた発言が出ている。実際にルツェルンでの同プログラムも大変苦戦しているのは事実でベルリナーフィルハーモニカーのコンサートがルツェルンで売れ残っているのを知らない。せめてアボにはこちらの方を乗せるぐらいにすればよかったのではないかと思った。しかしその通向きプログラムだけに原因があるとは言えないのは、大名曲でありながらあまりにも鳴らないシェーンベルクの協奏曲のプログラムもあまり動きは無い。一方ランランの方は舞台から遠くの席残り数十席となっているが、これもそれほどペトレンコのバーデンバーデンデビューの時とそれほど変わらないので、希望者が復活祭の二回目の演奏会に集中してしまった帰来がある。よって、シェーンベルクの方はいづれ可成り話題になってくると思われるので、寧ろランランの計画されているキャンセルで、最後の最後まで動きがありそうだ。
これに関連して興味深いのはBBCのプロムスが今後ザルツブルク、ルツェルンの後に入ってくるようで、再来年には隔年のブカレストのエネスコ祭りが入ってくるとすれば、もう一件ぐらい欧州のどこかのフェスティヴァルが組み込まれそうな気がする。勿論ワンの弾く方のプログラムの売れ行きは悪いだろうが、これもツアーが動くうちに変わってくるかもしれない。ペトレンコのコンサートプログラムは、演奏家だけでなくて、ジャーナリストや聴衆が試されているようなところもあって、なるほどSWRが言う様に教育を考えていかなければいけないのだが、それこそ音楽ジャーナリズムの使命で仕事だと思う。キリル・ペトレンコ指揮バイエリシェスシュターツオーケステルの申し出を無名の指揮者として断ったBBCのようだが、流石にフィルハーモニカーの申し出は断れなかったようだ ― 如何にBBCの担当の連中が業界の人でないかが分る。一晩ぐらい売り切れなくても文句も言えなかった事情も分かる。要するにツェッチマン女史は二回セットでしか売らなかったのだ。そこに指揮者のコンセプトも見え隠れしないか。ツアーの最後で演奏の質は上がるだろうがあの会場や聴衆ではあまり期待出来そうにもないのも現実だ。
ランランがルツェルンでのカムバックを楽しみにしているとのテュイートをしているのを見かけた。その真意は分からないが、本当にカムバックするとなると、その先のペトレンコとの協演まで組み込まれていることになり、彼のキャンセルは腕の負傷よりも他の原因という事になる。所謂隠れトレーニングという可能性も否定できない。まともにランランのピアノを聞いたことは無いので確信は持てないが、技術的に修正することでまともに音楽が出来るようになる可能性はあったのだろうか?もしそういうことがあればペトレンコとの共演も実現することになる。ワン自体も見る限り以前よりも苦労しているにも拘わらず批判が高まってきていることを考えるとなかなか容易ではないのだが、もしランランがとても器用な人であるならば技術的にも音楽を手を入れることは可能なのではなかろうか?
参照:
ランランは引退するか? 2017-10-19 | 雑感
演奏会発券当日の様子 2018-03-07 | 雑感
先の準備を整える 2018-03-16 | 生活
2019年復活祭の座席確保 2018-03-21 | 文化一般
今回のプログラムは、バーンスタインの「ウエストサイドストーリー」、ウィリアム・クラフトのティムパニ―コンツェルト、ストラヴィンスキーの「春の祭典」となっている。本人のコンサートプログラムの拡充も兼ねているのだろうが、イスラエルからストラヴィンスキーが続いていて、とても期待されるストラヴィンスキーである。
メディアではなにも分からない記者が、先日のベルリンでのプログラムを称してフルトヴェングラーへの回帰と語っていたが、ペトレンコの脳裏にフルトヴェングラーなどが浮かぶ筈がない。今まで最も意識していたのはカラヤンとアバドぐらいだろう。クラシックモダーンの充実は当然であり、取り上げる曲取り上げる曲が決定的な演奏実践になって行くとは思われるが、そのこと自体は話題になることではない。
今回のベルリンでのプログラムに関しては、SWRが今後のバーデンバーデンでの祝祭に関連して、上手な売り方への提案をしていたが、反対にどうも新監督就任を気持ちよく思っていない一派からはこうした満席にならない状況への非難めいた発言が出ている。実際にルツェルンでの同プログラムも大変苦戦しているのは事実でベルリナーフィルハーモニカーのコンサートがルツェルンで売れ残っているのを知らない。せめてアボにはこちらの方を乗せるぐらいにすればよかったのではないかと思った。しかしその通向きプログラムだけに原因があるとは言えないのは、大名曲でありながらあまりにも鳴らないシェーンベルクの協奏曲のプログラムもあまり動きは無い。一方ランランの方は舞台から遠くの席残り数十席となっているが、これもそれほどペトレンコのバーデンバーデンデビューの時とそれほど変わらないので、希望者が復活祭の二回目の演奏会に集中してしまった帰来がある。よって、シェーンベルクの方はいづれ可成り話題になってくると思われるので、寧ろランランの計画されているキャンセルで、最後の最後まで動きがありそうだ。
これに関連して興味深いのはBBCのプロムスが今後ザルツブルク、ルツェルンの後に入ってくるようで、再来年には隔年のブカレストのエネスコ祭りが入ってくるとすれば、もう一件ぐらい欧州のどこかのフェスティヴァルが組み込まれそうな気がする。勿論ワンの弾く方のプログラムの売れ行きは悪いだろうが、これもツアーが動くうちに変わってくるかもしれない。ペトレンコのコンサートプログラムは、演奏家だけでなくて、ジャーナリストや聴衆が試されているようなところもあって、なるほどSWRが言う様に教育を考えていかなければいけないのだが、それこそ音楽ジャーナリズムの使命で仕事だと思う。キリル・ペトレンコ指揮バイエリシェスシュターツオーケステルの申し出を無名の指揮者として断ったBBCのようだが、流石にフィルハーモニカーの申し出は断れなかったようだ ― 如何にBBCの担当の連中が業界の人でないかが分る。一晩ぐらい売り切れなくても文句も言えなかった事情も分かる。要するにツェッチマン女史は二回セットでしか売らなかったのだ。そこに指揮者のコンセプトも見え隠れしないか。ツアーの最後で演奏の質は上がるだろうがあの会場や聴衆ではあまり期待出来そうにもないのも現実だ。
ランランがルツェルンでのカムバックを楽しみにしているとのテュイートをしているのを見かけた。その真意は分からないが、本当にカムバックするとなると、その先のペトレンコとの協演まで組み込まれていることになり、彼のキャンセルは腕の負傷よりも他の原因という事になる。所謂隠れトレーニングという可能性も否定できない。まともにランランのピアノを聞いたことは無いので確信は持てないが、技術的に修正することでまともに音楽が出来るようになる可能性はあったのだろうか?もしそういうことがあればペトレンコとの共演も実現することになる。ワン自体も見る限り以前よりも苦労しているにも拘わらず批判が高まってきていることを考えるとなかなか容易ではないのだが、もしランランがとても器用な人であるならば技術的にも音楽を手を入れることは可能なのではなかろうか?
参照:
ランランは引退するか? 2017-10-19 | 雑感
演奏会発券当日の様子 2018-03-07 | 雑感
先の準備を整える 2018-03-16 | 生活
2019年復活祭の座席確保 2018-03-21 | 文化一般