週末は再び試飲会だ。しばらく続く。最初の日曜日には予約していたグローセスゲヴェックスを取りに行った。勿論試飲して来た。レープホルツ醸造所に夕方手早く出かけた。予約しておくと少しでも安くなるので欠かせない。逆に予約していないと手が出難くなる。それでも結局試飲してみると予約したものが一番いいのだ。
この醸造所には三種類の土壌とその傾向に各々三ランク以上の商品が用意されているが、自身のリースリング嗜好からすると雑食砂岩しかない。要するに石灰が混じっていると薄っぺらくなってその場では楽しめても飽きがくるのだ。そして貝殻石灰土壌では直ぐに黄色くなってくる。この辺りもフランスの柔らかいワインとの相違で、飽く迄もエッジの立った固いぐらいのリースリングが好事家には愛される。なにかこの辺りも独仏の両文化のイメージをそのまま反映しているようで面白い。
そしてもう一つが赤スレートに近いロートリーゲンデン土壌のその名もカスタニアンブッシュというグランクリュワインで、この醸造所ではリースリングとして一番高価なのだが、その系統は他所の産地に更に良いものがあるのでここでは買わない。実際に今週末にナーへで予約した六本を回収しに行く。
暑い夏の間忙しくて、あまりワインも開けないことからナメクジにやられた。グローセスゲヴェックスが軒並みエティケットを齧られている。それを発見してからもまだ犯人を特定そして捕獲できていない。それも合成ノリをあまり使わないような少量生産品から喰われた。以前は地面に滑りがついて光っていたりしたので、移動を掌握して塩を撒いたりしたのだが、今回は地面も乾いていて意味が分からない。恐らく暑さで活動が取り分け盛んだったのだと思う。二週間ほどで軒並みやられたと思う。オークションにかけるのではないからよいのだが、大事に寝かしているものをぐちゃぐちゃにされて怒り心頭だ。それでも不思議なことに表面でなくて瓶の裏側で舐められているのもあるので不思議だ。
マンハイムへの車中で南ワイン街道で昨年起こった殺人事件の判決が話題になっていた。殺人犯がわずか八年の判決という事で、「ドイツであり得ない」とか「終身刑でないと」とかの感情的な町の声がラディオで流れた。犯人が少年で、シリアからの難民で殺されたのはトルコ系のドイツ人だったとされる。その事件以降毎週カンデルではケムニッツと同じように練り歩きが行われるらしい。それを町の人が迷惑していて、これでは止まないと怒っている。典型的な今連邦共和国で話題になっている現象だ。勿論ケムニッツとは町の大きさも違い、東ドイツではない。それでも我々の北ワイン街道沿いとは違って、経済的にもあまり良くない場所がらで、ライン河対岸のカールツルーヘの者からはその車のナムバーだけで嫌がらせを受けるような地域なのだ。ダイムラーのトラック部門などは州境のこちら側なのだが皆がそこで充分に富を得ている訳ではない。要するにAfDに走り易いような自意識の低い層が多い。ここ暫く政治的にも注目されるかもしれない。
放送では引き続き、イスラエルのラディオ局でヴァークナーの曲が流されて、始末書ものになったと報道があった。ヴァークナーが未だにナチの音楽であることに関連して、夜のベルリンからのコンセルトヘボー中継でもブルックナーの音楽の政治利用も話題になっていた。三番のそのメロディーもファンファーレとしてナチに利用されて、ゲッベルス博士のブルックナー賞賛の録音が流れていた。勿論ブルックナーのオリジナルの音楽だけでは到底プロバガンダには使い物にならないが編曲されている。だから注視しなければいけないのはそうした方向でのアレンジメントだったり、演奏解釈だったりのイデオロギーであろう。ニュースは、直接ヴァークナーの音楽で嫌な思いをした生き残りが生存している一方、ワーグナーを愛しているイスラエル人も少なくないと伝えていた。正直のところ、未だにこうしたニュースを聞かされて今更と思う反面、なるほどそうした音楽愛好の姿勢も存在するのだと再認識した。ブルックナー愛好家と称されるような人々がおかしな認識をしていないか、バイロイトの初代音楽監督の演奏実践やその発言の真意を引き続き監視して行かなければいけないと肝に銘じた。
参照:
ドレスデンの先導者 2018-08-29 | 歴史・時事
脳裏に浮かぶ強制収容所 2016-10-11 | 歴史・時事
この醸造所には三種類の土壌とその傾向に各々三ランク以上の商品が用意されているが、自身のリースリング嗜好からすると雑食砂岩しかない。要するに石灰が混じっていると薄っぺらくなってその場では楽しめても飽きがくるのだ。そして貝殻石灰土壌では直ぐに黄色くなってくる。この辺りもフランスの柔らかいワインとの相違で、飽く迄もエッジの立った固いぐらいのリースリングが好事家には愛される。なにかこの辺りも独仏の両文化のイメージをそのまま反映しているようで面白い。
そしてもう一つが赤スレートに近いロートリーゲンデン土壌のその名もカスタニアンブッシュというグランクリュワインで、この醸造所ではリースリングとして一番高価なのだが、その系統は他所の産地に更に良いものがあるのでここでは買わない。実際に今週末にナーへで予約した六本を回収しに行く。
暑い夏の間忙しくて、あまりワインも開けないことからナメクジにやられた。グローセスゲヴェックスが軒並みエティケットを齧られている。それを発見してからもまだ犯人を特定そして捕獲できていない。それも合成ノリをあまり使わないような少量生産品から喰われた。以前は地面に滑りがついて光っていたりしたので、移動を掌握して塩を撒いたりしたのだが、今回は地面も乾いていて意味が分からない。恐らく暑さで活動が取り分け盛んだったのだと思う。二週間ほどで軒並みやられたと思う。オークションにかけるのではないからよいのだが、大事に寝かしているものをぐちゃぐちゃにされて怒り心頭だ。それでも不思議なことに表面でなくて瓶の裏側で舐められているのもあるので不思議だ。
マンハイムへの車中で南ワイン街道で昨年起こった殺人事件の判決が話題になっていた。殺人犯がわずか八年の判決という事で、「ドイツであり得ない」とか「終身刑でないと」とかの感情的な町の声がラディオで流れた。犯人が少年で、シリアからの難民で殺されたのはトルコ系のドイツ人だったとされる。その事件以降毎週カンデルではケムニッツと同じように練り歩きが行われるらしい。それを町の人が迷惑していて、これでは止まないと怒っている。典型的な今連邦共和国で話題になっている現象だ。勿論ケムニッツとは町の大きさも違い、東ドイツではない。それでも我々の北ワイン街道沿いとは違って、経済的にもあまり良くない場所がらで、ライン河対岸のカールツルーヘの者からはその車のナムバーだけで嫌がらせを受けるような地域なのだ。ダイムラーのトラック部門などは州境のこちら側なのだが皆がそこで充分に富を得ている訳ではない。要するにAfDに走り易いような自意識の低い層が多い。ここ暫く政治的にも注目されるかもしれない。
放送では引き続き、イスラエルのラディオ局でヴァークナーの曲が流されて、始末書ものになったと報道があった。ヴァークナーが未だにナチの音楽であることに関連して、夜のベルリンからのコンセルトヘボー中継でもブルックナーの音楽の政治利用も話題になっていた。三番のそのメロディーもファンファーレとしてナチに利用されて、ゲッベルス博士のブルックナー賞賛の録音が流れていた。勿論ブルックナーのオリジナルの音楽だけでは到底プロバガンダには使い物にならないが編曲されている。だから注視しなければいけないのはそうした方向でのアレンジメントだったり、演奏解釈だったりのイデオロギーであろう。ニュースは、直接ヴァークナーの音楽で嫌な思いをした生き残りが生存している一方、ワーグナーを愛しているイスラエル人も少なくないと伝えていた。正直のところ、未だにこうしたニュースを聞かされて今更と思う反面、なるほどそうした音楽愛好の姿勢も存在するのだと再認識した。ブルックナー愛好家と称されるような人々がおかしな認識をしていないか、バイロイトの初代音楽監督の演奏実践やその発言の真意を引き続き監視して行かなければいけないと肝に銘じた。
参照:
ドレスデンの先導者 2018-08-29 | 歴史・時事
脳裏に浮かぶ強制収容所 2016-10-11 | 歴史・時事