Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

先が見えぬ今日この頃

2021-01-12 | 歴史・時事
無事に朝のお勤めを果たした。氷点下4度はやはり寒い。地面の湿気が地中から凍っていて、表面が氷化して滑るのよりも硬い。更に放射冷却で乾いていて身体は軽く感じる。跳ね返りは大きいがそれなりに靴のグリップは効く。ゆっくりと走る癖がついていて行けないのだが、それ以上求めても仕方がない。パン屋と肉屋でも予定通り買い付けて、漸く新年の仕事始めのような感じである。

就寝前からミュンヘンのBR放送交響楽団の死亡した指揮者ヤンソンスの後任人事の話題が流れていた。元ベルリナーフィルハーモニカーの芸術監督で現ロンドン交響楽団の指揮者サイモン・ラトル卿が就任のようだとあった。情報源が怪しかったので信用出来なかったが、昼前に正式発表となった。

昨年から最も後任として下馬評にも挙がっていたのだが、長年のファンとしては今更ミュンヘンで何をするのだろうかという印象だった。実際にそこでの共演の放送などを聴いていても新天地というだけの期待は全くなかった。その点秋にデビューしたオクサーナ・リニヴにはとても大きな期待が掛かった。勿論新ホールを建設予定のミュンヘンとしては今迄の流れを一新するだけの衝撃が必要だった。

結果、工期が遅れている新ホール建設を当初の計画通り進めるにしてもビックネームを必要としたというのも頷ける。ラトルならば文化などに興味の無いゾーダー知事でもこれならば使えると思うからだ。そういう政治的な動きで嘗てはフィルハーモニカーにチェリビダッケを冠して新会場ガスタイクを人で埋めた。それ以上にベルリンに対してミュンヘンが同等若しくは上であるような顔をするのがミュンヘンの政治だった。今回もそうした背景があったことは間違いない。キングメーカーとなったバイエルン放送協会の支配人ヴィルヘルムはメルケル首相の片腕だった人物でその辺りの目利きはしっかりとしている。

さて我々音楽芸術に係る者としての視点はまた別の所にあって、ミュンヘンでのコンサートが大きな芸術的な意味をもってベルリンをも刺激するだろうかどうか。嘗ての捻者とは違いラトルは世界中にメインストリームとして君臨できるスターであるから、勿論ベルリンへの影響も大きいと思われるが、その芸術的な意味合いに関してはとても疑問である。

同様なことはこの間ロンドンで行っていたプロジェクトなどにも明らかで、こちらの大きな期待には応えてはくれなかった。それどころかロンドンでの新コンサートホール建設も宙に浮いているらしい。新コンサートホール周辺の地域文化構想と共にハッキリしたコンセプトが交響楽団にも求められる。

今迄の情報からすればラトルがベルリンでやったような大衆化が一つであるのだが、その音楽的なコンセプトと上手にマッチするかどうかは疑われるところで、その点は国立オペラにおける新支配人ドルニ-と音楽監督ユロスキーとの方が劇場を使って広く語り掛けるだけのコンセプトを持ち合わせていると思われる。

就任は2023年のシーズン開幕からであるからまだ二年半以上あるので、地区開発の話しと共に具体的な話しは出てくると思われる。今回の調印後の談話においても、BR交響楽団の過去の指揮者クーベリックを挙げて、更に今まで使っていたヘラクレスザールというボックスシュー型の話題が出てくるところに、ラトル自らもこの大きなプロジェクトに自らのあまりにも高いコミュケ―ション能力を行使しているのが明らかだ。

ルツェルンからメールが来た。内容は二月十九日になって夏の音楽祭は初めて注文の作業を始めるという事である。最初は一月には夏の情勢が分かると考えたのかもしれない。しかし、到底無理で、一月延ばす、そして一般発売とならないだろう。満席で売れるような状況は到底計れない。先ずは限られただけ売って、余裕があればという事にしかならないだろう。夏のマスクだけは御免だ。



参照:
壊れた30年物ミーレ洗濯機 2020-12-30 | 生活
コロナ陰謀論の非合法化 2020-12-04 | 歴史・時事
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