(承前)日曜日の朝はデジタルコンサートホールで始まった。なぜかそのアプリをベットの中で開いた。まだ七時前だった。就寝前に昨年のチャットのヴィデオをざっと観た影響があるのかも知れない。要するに整理整頓したいという要求はずっとあった。
その一つが12月のクリスマス前に急遽開かれたガザの紛争の人質や住民への緊急援助の募金演奏会だった。スクリーンショットなどを撮っていたのだが、思っていた様なアーカイヴ化が年内どころか一月中にもならなかった。無償のスター演奏家が多数登場していたので権利関係などが問題だったかとも考えた。
そして朝一番でその画面を見つけて驚いて、NASとPCを立ち上げて、再生方法を考えた。理由はアーカイヴではなくて以前観たものがキャッシュで残っていたのかなと思ったからである。幸い取り分け関心のあったフィナーレに演奏された「コルニドライ」が暗い部屋で流れた。そして通常のアーカイヴのハイレゾであることが分かった。
当然のことながら生中継ラディオは録音していたのだが、ハイレゾで映像も観たかったのだ。放送録音の方も二時間以上の番組を残しておくほどの気持ちはなかったので整理しなければいけないと考えていた。昨年末からの課題だった。これで心置きなく取捨選択が可能となった。
やはりハイレゾで聴くと尚の事その演奏が冴えわたる。なるほどチェロで演奏するのとは大分変わるのだが、ヴィオラの祈りがまた格別である。
そもそもドイツの新教徒の作曲家ブルッフがユダヤ教の最も高い祈りのメロディーに作曲するという行為自体が特別であり、この会のその特性を最も表しているように思われた。それはやはりドイツのあるべき姿であろう。
この曲がナチによって、作曲家が毛嫌いされて演奏されなくなったというのもその状況をそして今日の状況を色濃く映し出している。
無料で観れるアーカイヴ化に長く掛かったのは、室内楽部分での修正を各々の演奏家と合わす必要があったからだろうが、リハーサルでそれだけのテークを準備していたことにもなる。幸いこうして再会することが出来たのだが、それは2016年に同じフィルハーモニーで行われて、暫くしてアーカイヴ化されたものの比較的短期間に消去されたゲスト座付き楽団の収録が思い出される。
その時は特にアンコールの楽劇「マイスタージンガー」前奏曲の演奏中に生放送映像実況では技術的事故が起こり、出だしが欠けたりがあったために、完全版は見かけない。今回の会もであるが、いつものロシアの職人もなにも上げておらず、貴重な映像となっている。
しかし、その前の本プログラムの「家庭交響曲」は大名演であって、それは今回生中継されたベルリナーフィルハーモニカーの演奏を比較することで余計に際立った。ベルリンの聴衆は両方を聴いている筈なのだが、なにかチンプンカンプンの批評が出ているのが興味深い。(続く)
参照:
不死鳥の音楽的シオニズム 2023-12-17 | 文化一般
ユダヤの旋律「コルニドル」 2021-07-20 | 歴史・時事
その一つが12月のクリスマス前に急遽開かれたガザの紛争の人質や住民への緊急援助の募金演奏会だった。スクリーンショットなどを撮っていたのだが、思っていた様なアーカイヴ化が年内どころか一月中にもならなかった。無償のスター演奏家が多数登場していたので権利関係などが問題だったかとも考えた。
そして朝一番でその画面を見つけて驚いて、NASとPCを立ち上げて、再生方法を考えた。理由はアーカイヴではなくて以前観たものがキャッシュで残っていたのかなと思ったからである。幸い取り分け関心のあったフィナーレに演奏された「コルニドライ」が暗い部屋で流れた。そして通常のアーカイヴのハイレゾであることが分かった。
当然のことながら生中継ラディオは録音していたのだが、ハイレゾで映像も観たかったのだ。放送録音の方も二時間以上の番組を残しておくほどの気持ちはなかったので整理しなければいけないと考えていた。昨年末からの課題だった。これで心置きなく取捨選択が可能となった。
やはりハイレゾで聴くと尚の事その演奏が冴えわたる。なるほどチェロで演奏するのとは大分変わるのだが、ヴィオラの祈りがまた格別である。
そもそもドイツの新教徒の作曲家ブルッフがユダヤ教の最も高い祈りのメロディーに作曲するという行為自体が特別であり、この会のその特性を最も表しているように思われた。それはやはりドイツのあるべき姿であろう。
この曲がナチによって、作曲家が毛嫌いされて演奏されなくなったというのもその状況をそして今日の状況を色濃く映し出している。
無料で観れるアーカイヴ化に長く掛かったのは、室内楽部分での修正を各々の演奏家と合わす必要があったからだろうが、リハーサルでそれだけのテークを準備していたことにもなる。幸いこうして再会することが出来たのだが、それは2016年に同じフィルハーモニーで行われて、暫くしてアーカイヴ化されたものの比較的短期間に消去されたゲスト座付き楽団の収録が思い出される。
その時は特にアンコールの楽劇「マイスタージンガー」前奏曲の演奏中に生放送映像実況では技術的事故が起こり、出だしが欠けたりがあったために、完全版は見かけない。今回の会もであるが、いつものロシアの職人もなにも上げておらず、貴重な映像となっている。
しかし、その前の本プログラムの「家庭交響曲」は大名演であって、それは今回生中継されたベルリナーフィルハーモニカーの演奏を比較することで余計に際立った。ベルリンの聴衆は両方を聴いている筈なのだが、なにかチンプンカンプンの批評が出ているのが興味深い。(続く)
参照:
不死鳥の音楽的シオニズム 2023-12-17 | 文化一般
ユダヤの旋律「コルニドル」 2021-07-20 | 歴史・時事