Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

位相が発現するトリオ

2024-07-04 | 
長袖シャツで出かけた。三週間ぶりであろうか。まだ朝晩は気持ちがよい程度であるが、窓も早めに閉めないといけないかもしれない。来週はまた暑くなるだろう。蚊もいなくなり、洗ったジーンズも改めて履いた。裾はまだ傷んでおらず、太もも当たりもまだ異常はない。ウレタン1%混毛が耐久性にどのように影響するかが訝られたが、現在まででは柔軟性も高まって、悪い方向にはない。

2019年3月から履いているもので、五年経つがその間にコロナ騒動もあり、実質的にはそれ程は着込んでいないかもしれない。普段着に下したのは秋からだろう。そして、先日漸く洗濯した。あと二三年は普段着として使いたい。

因みに新しい方のジーンズは先月シュヴァルツヴァルトを訪ねた時に褒められた。色合いは選んだだけのことがあるのだろうと思う。なによりも細身のものを履けるようになったシェープアップが甚大である。十年以上週に10km程だけでも走り続けるとやはり違う。

指揮者エンゲルは11月にベルリンのコンツェルトハウスでそこの管弦楽団を振ってのライヴエレクトロニクスやオヴァ―トーンの歌の演奏会を指揮する。月末なので既に新しい車に乗り換えている筈だが、上の管弦楽の演奏会に危険を冒して迄出かける必要はないと考える。せめて同地の放送管弦楽団ぐらいであると出かけていただろう。それでも最近ではSWR管弦楽団以外ではバーゼルの室内管弦楽団とザルツブルクのカメラータアカデミカ劇場管弦楽団の演奏指揮しか聴いていないので興味はないことはない。

前夜に見つけたシュテンアンデルセンの「トリオ」再演の録音は予想以上に素晴らしかった。元々この曲は作曲家も一拍も新たな音符を書いておらず、既存の素材を組み合わせただけのようで、三人の指揮者もクリックノイズに合わせて正しい拍を刻むだけである。しかし、ドナウエッシンゲンでの初演の演奏とは全然異なる。そのことはボッフムでの演奏で確認していたのだが、こうして非圧縮の音源でフランスでの初演を改めて聴くと、素晴らしい音響として捉えられていて、まさしく作曲のコンセプトでもあった古い映像素材の音と今生まれる音との差異が明白化されている。

シェルヘンやチェリビダッケ、ショルティやクライバーなどの練習風景映像の音を生でリピートしたりするわけだが、そこに非ユークリッド的な位相が発現する。美学的にはメタムジークとされる音響とかのそれらの現象を多様なパラメーターで捉えた現象を表現するものであるが、それがこうした次元で捉えられた芸術的な表現は稀である。それゆえにこの作曲家の創作が今世紀の前半を代表するものと印象付けるものなのである。
TRIO excerpt #1 — 初演風景


そうしたメタムジークの下層に上のようなオーヴァ―トーンの音楽や見つけた金鉱にも録音があるポッペ作曲指揮の音楽なども位置づけられる。演奏者としてはその通り物理的音楽的にのみ解決しなければいけない課題が課せられるのであるが、メタムジークの演奏実践となるとやはりそこにはコンセプトを正しく再現できる知性とアイデアが要求される。そこから初めて、ありうるべき演奏行為が発生する。

金脈には様々な美学的様式の作品があるのだが、次には対照的な方向でいい音楽素材を試したい。これだけの素材のヤマならどのようなものも見つかる。名曲名演が見つかる。



参照:
タイヤ交換の予約完了 2023-11-25 | 生活
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