Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

切磋琢磨可能なパートナー

2014-06-16 | アウトドーア・環境
久方ぶりに石切り場で楽しんだ。待ち合わせていたのは、「農民」と「マラソンマン」だったが、結局「数学教師」と登った。先日知り合って、彼とは一度登りたいと思っていたがあちらも「数学専攻者」と「若いの」と一緒に来ていたので、丁度二人とも空いていて、登ることにした。

先ず彼が選んだのは、私が一番苦手としているルート「セラピーセンター」で、手足を開いても届かない凹角である、その為に一度もリードしたことがなかったのだが、彼がレッドポイントで登るのでこちらも都合上やってみるしかなかった。案の定、レッドポイントは不可能だったが、その核心部以外はレッドポイントを貫けた。

次に彼が選んだのは石切り場で最も美しい大割れ目登攀ルートだ。地質学的にも割れ目の左右合わせの落差がライン平野へと落ち込む断層として捉えられていて、石切り場の中では自然を謳歌出来るルートなのだ。数学教師も私と同じように楔を使って克服していた話を前回の車中していたのだ。だから私も片付けておかなければいけなかったのだ。核心部の肩まで入る割れ目は若干おっかないものの的確に越えた。只その上に立ち上がると息が上がっていた。そして初めてハーケンにぶら下って、第二の核心部を見上げ、幾つかの可能性を吟味していた。すると右横の小さな割れ目凹角で呻き声を上げて登っていたプファルツクライミングクラブのいつも単独登攀の男が声を掛けてきた。これだけで珍しいことなのだが、ヒントを与えてくれた。なるほどデュルファー登りでもなく、横の垂壁登りでもなく、割れ目登攀を選ぶことで割れ目登攀を楽しめるのだ。

しかしそのアドヴァイスのように手が綺麗に掛かるのは、少し上からのようで、最初の一歩だけはデュルファー登りで上がり、割れ目登攀に切り替えた。そしれ更に一息を入れてから、最後の割れ目を登り切った。5.10aであるから登れて当然なのだが、レッドポイントにはならなかった。それでもまあまあの出来で、最初からの登り方が決して悪くなかったからお声も掛かったのだろうと考える。素晴らしいルートだ。数学教師も最初の核心部は反対側を向いて登っていたが、結局そこで大休止をしていた。わたしのを見ていたので戦略的に有利だったに違いない。

それから、勢いで5.10cに向かい最初の核心部を何回か挑戦する。そこを超えるかどうかで第二の核心部は分っているので、最後まで行けるのだが、もう一つ乗らないので、彼にやってもらうが、断念した。次は突破できるだろう。消沈することなく、横の短いルートを教える。自分自身もリードするのは始めてであった。

最後に、壁が乾いているので、傾斜のある壁に向かう。5.10bであるが、比較的得意にしていたところなので、登ってみるとあまり満足の行くように登れない。更に今まで一度も感じたことがない最後のところでも苦労した。理由は分らないのだが、靴が当時とは変わっていて登り方がより本格的になっていることと、登り方と普遍性への拘りが強くなってきていることが影響していると思われる。

数学教師も同じように苦労していたが、最後のところはそれほど拘りなく解決していた。但し気になったのは最初の核心部のあとの息の上がり方で、若干安定性が欠けているのだろう。私と同じような安定度を確立していればそれはそれでたいしたものだが、技術的には立派なものである。

ここ暫く、全く希望も期待も出来ない年寄りや初心者と付き合ったりしていたものだから、数学教師と登るのはとても楽しく、ありとあらゆるクライミングに関するストレスから開放される思いだった。兎に角、彼がやることや試みることを見ていて、目を背けることがないのである。また彼以上に上手い者はいても、その技術的な体系や感覚が大分違っていて、これほど自分自身の問題としても共感できるパートナーは最近いなかったのだ。要するに一緒に登ることで技術的に切磋琢磨可能なパートナーと思い、彼の方もそのように感じているに違いないのである。



参照:
ひりひりするほどの痛み 2014-05-27 | アウトドーア・環境
もう一足は裸足にするか 2012-06-05 | アウトドーア・環境
災い転じてプレートを発見する 2010-04-07 | アウトドーア・環境
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デジャヴとは反対の現象

2014-06-15 | 雑感
木曜日は漸く涼しくなったので走った。月曜日に辛い感じがしたが、再び峠まで走った。最近は倦怠感と言うか体調が優れないのだ、週に二回も峠まで走りあがってしまうような事はあまり無かったことである。週末も峠まで上がればこれまでに無いほどの走り量になる。

峠で3392歩22分は、ゆっくりと走り始めた割には悪くない。そこまでの予想はしなかったのだが、降りてきて5725歩37分で。大汗を掻いた。摂氏20度であった。

前回の月曜日、下降路の後半の角を曲がるときに意識が無くなっていたのだが、そのことを思い出しているうちに、今回もふと気が付くと何処を走っているのか分らなくなった。前回の記憶があるので、駐車場に近づく最後の坂と勘違いしながら水平路を走った。その時、足元を調べて傾斜を調べたのにそのように思い込んだので、意識上では五分以上のタイムトリップがあったと勘違いした。そこでゴールスパートかと思うと足元の柔らかさや状態が違うのに気が付いて、何処に居るのかがゆっくりと理解できて来た。結局完全にタイムトリップしていたのはとても短い時間だったのだ。

その水平路は、木立を抜ける光も足元と同じように柔らかくて、気を抜いて走れるところなり、まるでパラダイスを彷徨っているような気持ちになる。気温のためか、なにかホルモンの影響かは分らないが、今年になって初めて経験するランニング中のニルヴァナ現象である。

しかし所謂ランニングハイのそれではなくて、寧ろ血が頭から引いたような状態であるのが異なっているのだ。足元は比較的確りしているのだが、考え事をしたりしていて、全く外界から隔離されたような状態になっているのだ。気が付いたらゴールだと思ったら、月曜日に気を失っていた曲がり角に差し掛かった。

最近の倦怠感・無力感とこの意識喪失に関係があるのだろうか?心臓に問題があるとすれば、筋肉やら肩の痛みなどの理由になるだろうか?スポーツ能力が上昇している一方で、少し難しいような気がする。ありえるのは体幹を中心に筋肉が増強されている筈なので、そのために心臓に負担が掛かってきている可能性は無いことも無いだろう。

意識とその基準点の認知からトポロジー分析して、カタストロフの構造を研究した本を読んだのは十三歳の時だった。勿論それはデジャヴの分析であったのだが、そうしたデジャヴ感覚は認知の発達に伴って低年齢でもよく経験する感覚であるのだろう。しかし今回の感覚は、今まで経験したことが無いものである。なるほど木曜日のその場所に来る前に月曜日のトラップを前もって防ごうとしてそれを追想する内にトラップしてしまったのだ。デジャヴとの違いは、その経験の瞬間の時点での時の座標認識と、経験以前に先の時を繰り返して仮想経験としてしまって、座標認識を失ってしまうことだろうか。

要するに、意識を失っているときに、勿論未来は経験できないので、脳内で過去の経験を呼び起こしてしまうことからの錯覚といえるもので、丁度デジャヴとは反対の現象になるのだろう。



参照:
Mens sana in corpore sano 2004-12-31 | 数学・自然科学
記憶にも存在しない未知 2007-05-27 | 文化一般
力の抜けない未知の領域 2011-12-15 | 生活
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北の聖歌隊長と南の楽長

2014-06-14 | 文化一般
水曜日の文化欄にオルガニストのゲルト・ツァッハーの死が報じられている。月曜日エッセンで亡くなったとある。二十世紀後半のコンテムプラリー音楽に興味にある向きには良く知られていた音楽家である。シュナーベルやリゲティーやカーゲルの初演は、ジョン・ケージ作品の演奏などと並んで多くの献呈された作品とともに歴史に残るだろう。ヴェルゴレーベルの録音で馴染みがあるだけで、北ドイツの音楽家であり生に接する機会はなかった。ふいごモーターへの電源を切ったり入れたりしてのテクニックでのオーヴァートーン演奏など見事である。チェリストの故パルムなどケルン地方のあの当時の芸術を体現したような音楽家だったろう。手元のLPは、1967年のハムブルクの本拠地での録音で、そこのルター教会オルガニストの月一回演奏には世界中から多くの愛好家を集めたと言われる。そこからバッハの逸話を思い出すまでもなく、現代のブクステーデと記される。

指揮者デブルゴスの逝去はYAHOO日本ニュースで知った。晩年は日本で活躍していたようで、こちらでは殆ど名前を聞かなかったのは当然かもしれない。木曜日になって初めてツァッハー死去よりも小さく報じられていた。その内容を読んでなるほどと感じた。基本的には、マドリットでの出世とレコーディングの成果に比較して、90年代のベルリンでの活動も十分な成果はなかったとあり、管弦楽団とはヴィーンの交響楽団とのそれが頂点で、その後はキャリアとして下降線を辿ったことが書かれている。なるほど最後は極東だったのだ。

レコーディングキャリアとしては、探してみるとその頂点であるファリャ全集からの補作完成オラトリオのLPが手元にある。流石に生まれ故郷に因んでスペイン風の芸名を語っていただけに十八番のスペインものである。その音響は、小澤やラトルのそれとは異なって、如何にもドイツ人フリューベック氏らしい低音の分厚く構築感のあるものとなっている。しかし感覚的には、超一流の彼らとは異なり、またスペイン風の芸名から予想されるような華々しい感覚も無く、寧ろ鈍い。1970年代のEMI録音としてもスペインでの手間と費用をかけた制作となっている。新聞の訃報見出しのスペインのカペルマイスターと言うのが、含みのある表現となっていて、言い得て妙である。



参照:
近代終焉交響楽 2005-06-17 | 文化一般
多声音楽の金子織り 2005-10-20 | 音
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初物には無い割安感

2014-06-13 | ワイン
試飲して選んだロベルト・ヴァイル醸造所のオルツリースリング・キードッリッヒャーを開けた。試飲したときの印象と違わず酸の量感も残糖もアルコールも申し分無い。敢えて付け加えれば香りがあってもよいかと思うがこれが2013年産の最初の山の特徴である。

ミネラル感も低地のクロスターベルクのようなそれが感じられて決して悪くないのだ。価格は15ユーロであるから、他の一流醸造所の中間クラスのワイン価格である。ヴュルクリン・ヴォルフ醸造所のオルツリースリングと同価格帯で、ここに来て価格が並ぶどころか、完全に逆転したことになる。

当然の事ながら培養酵母を使って、木樽も使っていないワインと、天然酵母の自然発酵で木樽を一部使っているそれとは価格は違って当然なのだ。それでもラインガウの土壌感や木目細かな醸造が十分な魅力となっているのがこのキートリッヒである。

ヴァッヘンハイマーオルツリースリンクとの比較で言えば、そのベースとなる土壌は決して悪くは無く、高級感がお買い徳である。その酸の量感と質は、いづれ果実風味が開いてくるときに新鮮さを裏づけするに違いないのである。この酸はリンゴ酸の尖ったものではないから先があるのだ。二年後にも飲めるリースリングに違いない。

ヴァイルのグランクリュ、グレーフェンベルクは予約しておいた。割安である。しかし、ヴュルクリン・ヴォルフのグローセスゲヴェックスは今年は先行予約割引が無い。収穫量が少ないからである。その分、質はとても高い。一本50ユーロ以上のグローセスゲヴェックスを発注した。十年に一度ぐらいの価値があると予想したからである。今年からPCのランゲンモルゲンがGCと格上げとなったが、その石灰の混じった土壌からすれば、価格ほどの期待できないと思うので、その初物の注文はしなかった。



参照:
初の13年ラインガウ試飲 2014-05-31 | 試飲百景
リースリングの賞味期限 2014-05-29 | ワイン
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ジャストフィットな色合い

2014-06-12 | 雑感
注文していたズボンが届いた。先週マンハイムで試して比較的満足の行った製品の色違いで、一つ小さいサイズである。現在普段使っているのが同じ48サイズのキュロットだが、カットが全く異なっているのであまり参考にならない。フィットさせてどれぐらいかは履いてみないと分らないからだ。生地の伸び具合や厚さで全く感じが代わるからである。

早速足を通してみた。ウェストは丁度だが、太ももなどは生地が張っている。それでもフィット感は、50を履いたときよりも良い。破れやすくなるのかもしれないが、生地がジャストフィットしていないと生地が滑る感じがするのがこれまた良くなかったのだ。その点、この大きさだと結構肌にくっ付いているから下に重さをあまり感じない。

ソフトシェルのクライミングパンツの最大の問題点は、膝下の重さ感だと思うので、生地は出来るだけ薄くて軽いものが良いが、ストレッチを入れると破れやすくなる。果たして今回のパンツも履き続ければ一年ももたないと思うが、長いパンツがどうしても必要なときだけに使うことにすれば、使用は限られるかもしれない。二シーズン使えれば、安売りの99ユーロは受け入れられようか。

このパンツの良いところは、カッティングやナイロン生地だけでなく、補強や裾が広く開けられ、更に裾を締められるなどの細かな配慮が使いやすそうなところだろうか。膝まで捲り上げて、そこでニッカーのように留めることも、必要なときには使えるだろう。ソフテックと名付けられたマムムート社のオリジナルのナイロン生地は、これまた使ってみなければ語れないが、乾きやすそうで通気性の良さは見て取れる。暴風効果がどれほどか、濡れたときの冷たさや動き難さなどは経験してみないと結論は出ない。

今回只一つ売れ残っていた2013年モデルのオンタリオと称する青緑は黒よりも良い色である。スポーツスラックスは黒を選ぶことが多いが、今回のこのスラックスの生地感にはなぜかこの色が合うような印象である。



参照:
e commerce新ガイドライン 2014-06-06 | 生活
フリーなキュロットの魅力 2013-10-03 | アウトドーア・環境
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暑い聖霊降臨祭の夜

2014-06-11 | 
聖霊降臨祭の月曜日も暑かった。夕方少し涼しくなって来たのでボールダーに行こうとすると、車の車外気温計が摂氏36.5度を指していた。室内よりも大分暑い感じなので躊躇したが、車で森に近づくと29.5度まで下がった。

ボールダーの高度は海抜450Mほどだが、気温はあまりその高度によるのではなくて森の向きや斜面に大きく影響されるようだ。実際車を停めたところから、陽射しのある斜面を降りると熱気が昇ってきた。空気が動いているぐらいであるから、とても乾燥していて、そして温度が下がっていくことも予想できた。

車を停める場所から斜面の下を覗き込んでいる親仁が居たが、案の定斜面の途中で出会った。初めての訪問で視察のようだったので、色々と情報を教えて上げた。

冷やしたハーブティーを持参して飲んだが、汗を掻くよりも、あまり力が出ないというのが正確で、到底スポーツ的な成果は出せないと自覚した。ここ暫く暑さ負けのような風情があって、色々と不安になっている。

試したのは、ホーヘプラッテの座って始めるフォアシュピールとトラヴァースで前者は手掛かりが全くつかめずで後者は手が滑りそうで怖い、ミクロブローのシニスターフットウェアーもあとで調べると最初の足掛かりが分らなかった。ショーツ姿で上の足を置いたので滑って膝の下を打って、傷となる。初めて挑戦したダッハラインのオーヴァーハング乗り越しは膝を内側の倒しこまなければ行けないようで、これまた傷を作りそうだ。ライステンヴァントの座って始める下部はどれも難しい。新たに分ったのは、ロコモティーフのボーデンハルトュング第二の乗り越しの難しさだ。今まで上が湿っていて右に逃げていたので知らなかった。可也怖いのクラッシュパッドを置いて再挑戦である。

例年、この時期はマーラーの第八交響曲やジョスカン・デュプレの「来たれ精霊よ」のような季節ものが皿に登るのだが、今年は「指輪」のラインの黄金となった。短くてあまりにも四部作のプロローグ的な存在なので、ジークフリート以降のそれらと比べて、じっくりと研究することはあまり無かったのだが、最初の抜いた三和音など、なるほど第九などの歴史の流れ中で、楽匠がなかなか上手くやっていることに気が付いた。

帰宅途中21時に迫っていたが、室外温度27度以下にはならず、自宅室内はそれよりは明らかに暑かった。ヴァイツェンビアーを引っ掛けて、シャルドネーで、焼き腸詰をペアー食した。もう一杯、ビールを飲もうかと思ったほど酔いが廻っていたのだが、思い留まってアイスクリームにした。なにも二日酔いになるほど祝い事もなかったのである。



参照:
カモならず七面鳥を喰らう 2014-06-10 | 料理
やったと思う体の浮揚感 2014-06-05 | アウトドーア・環境
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カモならず七面鳥を喰らう

2014-06-10 | 料理
またフィッシングメールが入ってきた。一度遊んでしまうと中々仲間から外してくれない。メールと名前が分っているだけで貴重なカモになってしまうのだ。それほどの情報ではないと思っても欠けているのはパスワードだけとなる。一度それを変更したが、目星を付けられると不安である。以前は推測可能なパスワードを使用していたので大変危険性が高かったのだが、そのときは何事も起こらなかった。

eBayの口座なのでログインされてしまうと、口座から送金されてしまうのである。それ以外にもカードなどを使って限界まで商品等を購入されてしまうシステムとなっている。だから大変危険なのだ。現在のパスワードは氏名等の情報から関連性は見つからないのだが、それほど長くは無いので不安でもある。

いづれにしても前回の時点でなにも起こらなかったのは、マニュアルで一軒一軒を虱潰しにやれるほどのカモの数ではないようにも思えるが、ソフトウェアーを利用してパスワード探しをすればログイン出来るようにも思う。恐らくそれではログインが出来ないようなシステムになっているのだろう。

兎に角、日曜日は暑かった。今年のハイライトではないかと想像する。飲み物を初めて冷やした。一リッター作ったがオツカツだった。午後から晩に掛けて、ビールを飲まない限り、もう一リッター要りそうだ。この暑さも二三日で収まりそうだが、予想されていた雷雨が来なかった分もう少し暑さが激しくなりそうだ。

夕食はサラダに七面鳥の細切り焼肉を乗せてたらふく食した。それに合わせて、南フランスから買って来て貰ったシャルドネを開けた。二本目である。アヴィニョンに近いニームの産地の外れである。平野部で、原発からの高圧線が通っているような地域で、近くにはガルデュ渓谷が走っている。但し盆地に近く石灰の砂土壌であるので土壌はたいしたことは無い。本来ならば重いワインになるところが、ここのワインは比較的軽いのだ。そして20111年に比較すると酸が効いていて清々しい。味は、二年前に比べると強く掛けているようで、その理由は分らないが、気持ちの良い上質なワインとなっている。それが一本5ユーロ以下なのでフランスワインは安くてお徳の証明でもある。アルコール13%の完熟白ワインで、バリックしたて、ドイツではありえない格安価格である。



参照:
フィッシングメールをかわす 2014-05-16 | 生活
つまった苦味に合わせる 2013-12-18 | 生活
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リースリングで揉み解す

2014-06-09 | 生活
連休の夏日和なので、朝から普段見かけない人々が森を走っている。いつもの様に、火曜日の朝までを考えてパンを取りに行って、その序に峠まで走った。その道には、マウンテンバイクもハイカーも誰も居なかったからだ。ゆっくりとマイペースで走り出して、徐々にペースを上げていったが、峠に近づくと暑さもあるのか疲れてきた。24分、3580歩だ。下って、39分、5900歩、車の室外気温は摂氏21度とそれほど高くない。しかし、陽射しがあると可也堪えた。それほどの運動でもないのに峠に近づく頃には可也の発汗をしていたのだ。

アルプスのシーズンも本格化している。予定のアルプス行きに我ライヴァルも参加すると聞いた。更にマラソンマンも参加することになったので、最初に予定されていた陣容とは大分異なってきた。私自身も町医者についていく心算だったのだが、その本人も一度不参加を表明していたので、残るは御婦人二人で、どうしてもチームの実力は期待できなかったからである。しかしここに来て、我セクションでは強いチームになろうとしている。

最近はトレーニングの疲労が慢性疲労となって、それが怪我となっているのかもしれない。筋肉の疲れを感じるのでそれを出来るだけ早く解すビタミンなどの摂取も考えなければいけないかもしれない。

気温の関係もあるが食事が細くなってきていて、疲れも出易く、粘りが効かなくなってきている印象がある。食事と同じように消費量が落ちているのはワインに違いない。毎週缶ビールを最低三つ購入するので、その分酒代は圧縮されるが、健康に害のようだ。結局、できるだけ上質のリースリングを毎日楽しむような食生活を送らなければ病気になる可能性があるということだ。

筋肉の疲労と強化は専門的な課題で、容易には処方箋を出すことは出来ないようだが、足腰のそれを含めて、ブレーキを掛ける必要性も感じてきた。結構実際的な筋力などが鍛えられている中で、もう少し自由自在になるそれを考えることで、慢性疲労を防ぐようにしたいのである。出来る限り上質のリースリングを欠かさないようにして、健康に留意したい。

肩の調子は、鎖骨の上の筋肉が指で強く挟めるようになっているので、少しでも解していくと肩から下椀までの故障も完治するような気がする。その証拠に、金曜日から土曜には肩の痛みに苦しむことなく就寝できたからである。それが揉み解せないほど凝っていたとしたら、当然の事ながら思うように動かせなかったのは当然であったろう。



参照:
割れ目登攀の煩わしさ 2014-06-08 | アウトドーア・環境
やったと思う体の浮揚感 2014-06-05 | アウトドーア・環境
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割れ目登攀の煩わしさ

2014-06-08 | アウトドーア・環境
金曜日に写した写真や動画などを本人に送った。そして資料を改めて調べた。数年前に後続かトップロープで登った割れ目である。その難易度評価が分り難いからである。実際リードして登ってみると予定よりも大分苦労した。理由は中間支点の設置に疲れた。本来ならばこれほど容易な割れ目が無いのだが、自分の一セットしかもっていなかったので、必要な大き目の複数目が欠けた。だから下の機械式楔を回収して上に設置していく形で労力と神経を使った。

そのように下の楔を外して上に移動させることで、上の楔が完全に効かないと地面まで落下する危険が増えてしまうのである。それゆえに新たに上に設置する楔には完全が求められる。するとそれだけ腕力や脚力、体全身を使って不安定な場所での作業となり、体力が消耗していく。

だから仕方なく上からのザイルの張力を利用して休むことが必要になる。落下とは異なってある程度はぶら下がることが出来る状態だからである。最初から戦略的に、複数個の同じ大きさの楔を用意していたならば、上にひっかっけて休まずに登れたのであるが、全てが悪循環となる。それでも地面に叩きつけられるよりマシなので、確りと中間支点を設置してゆく。なるほど数があればそれを引っ掛けて、それにぶら下れば簡単なのだ。

さて核心部はいつものように被り気味で、割れ目の下の方に掛けていたのでは被りが抜けた上に立ったときに戻ることが出来なくなるのだ。そこに立つのが核心部であり、あまり良い足場が無いのだ。だから更に上に架け替える。左手で割れ目の右側の縁にある手掛かりを引っ張って、右手で外の手掛かりを掴み、思い切って右足を出来るだけ上に上げて、左足を安定させようと思うがそこまで立てないのだ。

再び今度は左手を割れ目に突っ込んで、何とか上に立つが、次の手掛かりは右手で割れ目につっこまなければいけない。それで漸く左手で割れ目の左縁の手掛かりに届いたと記憶する。基本的には丸い足場と割れ目に突っ込んだ手で登る登攀なのである。

しかし、そうした情報を持たずに、嘗ての記憶もなく、下から見上げて、一セットだけとの情報で登ると、一気に登るのは可也無謀に感じたのである。結局時間も掛かり、体力も使いながら核心部を超えて、最後の割れ目の盛り上がりは始めて小さな楔を掛けて、最後の最後に更に小さなものを使っただけなのである。

記憶を手繰れば、可也オーヴァーハング的な印象があって、それを割れ目に突っ込んだ手で息絶え絶えに登っていたようだ。マラソンマンはザイルを架け替えするだけで登ってきたので楽だったろうが、アンカーの農民は苦労していた。書かれているように容易に中間支点を確実に掛けられるならば彼らにリードを試してもらう心算でいたのだが、二人とも今年は無理かもしれない。

なるほどザイルにぶら下れば技術的には容易であるが、レッドポイントとしてザイルに頼らずに一気に登るとなると十分に作戦を立てておかないと難しい。

このお陰でその後疲れたが、それほど酷いことにはなっていない。肩が、気温が30度を超えて上がってきているためか、痛みが増していないので、治る傾向にあるのだろうか?



参照:
技術的な断層を登る 2014-06-07 | アウトドーア・環境
ひりひりするほどの痛み 2014-05-27 | アウトドーア・環境
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技術的な断層を登る

2014-06-07 | アウトドーア・環境
金曜日の晩に南プファルツに出かけた。BASFの「マラソンマン」に登って貰うためである。石切り場に行く予定にしていた「農民」も遣ってきた。後者はそこを先週やったので他の私の課題から始めたが、少し反省材料があるので、改めて纏めよう。

そこのより難しい割れ目の後続を含めて、マラソンマンは動きがとてもよかった。それほど走っていないようで、先週は高等技術学校の自転車ツアーをやっていたということで、理由は分らないが前回の同行時に比べても動きが良い。

我々の協会セクションの中で登れる一人になりつつある。冬の室内シーズン中に新しい靴を勧めて購入させたが、それをうまく使いこなして足で立つ技術を身につけて、摩擦登攀にも大分慣れてきている。

特に第二ピッチの根気の要るあまり中間支点の取れないところでも、可也上の方まで上がってから支点を取っていた。自信を持っているのだ。なるほど段と段の間隔が大きいので小柄な者にとっては乗り移るのが厳しいが、彼にとっては楽に立ち上がれるのだろう。それにしても若干気になっているのは、その全身のバネを使いながら登る登る方で次の段階でネックになるのではないかと感じた。

当然の事ながらバネを利用することで腕力を節約できて、摩擦を上回る力を掛けなければ動的に解決できるので、登る速度も速くなるのである - ビッグウォールでは登る速度よりも確保地点つくりなどの時間が遥かの重要であることも付け加えた。しかしそこで落とし穴となるのが、ルートファインディングを含めた中間支点の設置の煩わしさを避けようとする傾向であり、あとの祭りとなる墜落事故などである。

二年前の事故を状況を語ったので、その真意は分って貰えたと思うが、技術的には静的に登る難しさと、中間支点設置の体力や技術力に尽きる。特にボールダーを始めてから静的な登攀の必要性と難しさにより目覚めたのだが、自分自身がそうであったようにそこに技術的な断層があるような感じがする。



参照:
講習会の代わりに指導 2014-06-03 | アウトドーア・環境
十分な合格点に満足 2014-05-06 | アウトドーア・環境
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e commerce新ガイドライン

2014-06-06 | 生活
EUのガイドラインで若干ネットショッピングが変わるようだ。今後は商品交換の場合に購入者がその費用を支払うことがガイドラインとなる。今までも40ユーロ以下であれば購入者が支払い、以上であれば販売者が返送料を分担することになっていた。一見、販売側に不利と思えるようなガイドラインであったが、クーリングオフの二週間を待たずに素早く交換や返品が為されることで商品へのダメージを防ぐ目的や効果があったようだ。

今後も大手のアマゾンなどは従来通り返送料負担を続けるようだが、小さな商店などは返送料を求めるようになるのだろう。カードなどで支払うものにとっては正直小さな料金の云々が面倒であり、少なくともDHLが取り扱う限り、返送無料が大変便利であるから、大手の業者にとって有利になるのではなかろうか?

マンハイムにTシャツを購入に行った。久しぶりに近所で日通のトラックを見た。運転手の顔は確認できなかったが、知っている運転手でないかと思う。この当たりで日本との貿易関係がある会社は限られていて、醸造所関係かそれに付随する荷物の搬送ではないかと思われる。日本人家庭の引越し荷物も限られる家庭しかない。恐らく時期からすると醸造所からのワインの搬送だったのだろう。ダイデスハイムからの荷だったに違いない。

さてマンハイムでは、重い長く大きくなり過ぎたパンツか、綿の3/4長のクライミングパンツしかないために、アルプスでの登攀のために長いパンツを物色した。マムムートの50サイズ、ナイロンものと、ラ・スポルティーヴァの48M、ノースフェースの48を試した。最後のものはサイズが小さくて参考にしかならなかったが、カットはマムムートのものが身体に合う。真ん中のものも若干もさもさした感じだった。生地が薄く軽いのがなによりも良いのだ。そして長いパンツでも膝まで捲し上げられるものが欲しかったのでマムムートは比較的気に入った。

帰宅してから、ネットで調べると、色違いの更に一つ小さい48ものが40ユーロ引きで出ていたので、発注してみた。小さ過ぎなければジャストフィットするかもしれない。小さ過ぎたら無料で送り返すだけである。

お腹が小さくなって足腰が絞まってくるとだぶだぶしたパンツは運動の邪魔になる。特にクライミングのときは下半身を保護するだけで、生地が纏わりつくような感じが厭なのだ。綿では濡れると厳しく、向う脛を出していると小さな落石などで大出血となる可能性があり、やはり隠すことの必要性も考えたのだった。長いパンツであっても歩くときはショーツだけで歩くので暑くないのだ。



参照:
軽く赤いポロシャツを購入 2014-04-24 | 生活
フリーなキュロットの魅力 2013-10-03 | アウトドーア・環境
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やったと思う体の浮揚感

2014-06-05 | アウトドーア・環境
ポッペルナシスと称する課題を解決した。今まで解決した課題の中で最難関かも知れない。しかし出来てしまうとそのようには感じない。前回解決した課題よりも難しいかもしれないが、それよりもなにより三週間ぶりの成果がとても嬉しい。その間に怪我などの苦悩があり、課題が難しくなっていく中で動機付けに影響が出てくるところだった。評価としてより易しい課題すらも解決出来ずにいるので苦闘しているのだ。月曜日、その苦悩のあとで疲れ果てた帰り際に試すと、すんなりと右手が上の辺に吸い付いてくれた。

先ず両手で、上から二段目のチョークの痕の段の場所に手を掛ける、右手が今までに無くきっちりと掛かって呉れたので不思議に思ったぐらいである。それから、左足を下部の斜めの足場に押さえつけて、身体を左に捻って、右足を自由にする。その右足を上から三段目の上着の掛かった左側の足場に掛ける。ここで問題となったのが、踵の掛け易さの問題であるが、今回は自然につま先を斜めに広く押さえつけることで、右手を自由にした。そうすると驚いたことに腰が浮くように上昇力が得られた。

そこで何度も試しているように右手を最上段の白い所に置くと、驚くほど身体が浮いた。確りと右手が摩擦で固定されたのだ。これが今まで出来なかったのは、右足の押さえがこれほど効いた事が無かったから、身体が浮かなかったために、十分に右手が静的に伸びなかったからである。その瞬間これは何が何でも登りきらないといけないと思った。

こうした「やった」と思う瞬間にボールダーリングの醍醐味があるのだ - 大きな壁でならばアドレナミンが発射されるときであろう。その後もそれほど容易ではなかったが、そこまで行くまでの苦労と繰り返しに比べるとなんでもないことだった。「やった」と叫びながらはちさけそうな鼓動を感じた。

痛めた右足首が使えて、痛めた右手が使えるようになっていることに感謝する。解決するまで二週間掛かった。その間に体幹を鍛え、足のフック技術を練習した。これでまた新しい技術を身につけた。



参照:
疲労困憊の継続性 2014-05-30 | 雑感
前日のリヴェンジで片付ける 2014-05-20 | アウトドーア・環境
フィッシングメールをかわす 2014-05-16 | 生活
詰め将棋のような運動 2014-05-10 | アウトドーア・環境
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自意識の有無の認識

2014-06-04 | 
京都丹後への米国のXバンドレーダー設置への関心は日本ではどの程度なのだろう。日本政府が欧州の安全保障会議でお披露目をした記事はFAZで大きく扱われていた。要するにミサイル防御システムの一環を担うとするポーランドのあり方と同じだからだ。ポーランド政府は対ロシアもあるが対西欧を強く意識しているので、そこに米国の力を利用する。イラク戦争然り、自国の安全保障政策の一環として攻撃目標ともなる防御システムの一役を担うのである。しかし、京都が攻撃目標となってもそれだけの覚悟があるような安全保障の考察が日本で為されているとは思えないのである。

ポーランドと日本は比較的その文化程度が似ている国として捉えているが、そうしたポーランドから来ている出稼ぎ労働の人々ですらフクシマ以降の日本の情報操作などに、嘗てはワルシャワパケットの国で僅か二十年ほどの民主主義の経験が無い彼らが驚いているのだ。日本はもっとましな西側先進国であると思っていたとである。今回のXレーダーの設置も粛々と進んでいるようで、日本の民意の低さを改めて思い知らされる。

ひょんなことから、ブロンドの彼女の写真をネットで見つけた。現行の写真で、その髪の長さのときを良く覚えている - 当時彼女は化粧や髪の手入れなどを試していたのだ。今年になってからだろうか。そしてその写真が掲載されていたサイトを見て驚いてしまった。なんと十日前ほどの選挙に彼女はキリスト教民主同盟の候補者として出馬していたのだった。出馬と言っても小さな共同体のリストの尻から二人目ではあるが。

その顔ぶれを見て、彼女の父親とお祖父さんらしきを見つけた。なるほど顔つきが似ている。彼女も間違いなく元ローランド・コッホヘッセン州知事で首相候補と同じくCDUの青少年グループに属しているのだろう。親子三代を見るとドイツにも地盤と言うものがあるのだろうかと感じた - これについては改めて祖父さんなどに尋ねてみたいものである。なるほど我が家の下の未婚の御母さんも弱小政党の候補者になっていた。そして彼女の父親の恐らく政治活動をしているのだろう。政治活動と言っても町内会に近いもので、地元の商工業者などがそこの中心になっているのだ。

なるほど、あの機嫌が悪かったときに「時間が無い」と無碍に私の誘いを切り捨てたが、選挙が迫っていたのだった。親父さんは当選していたが、彼女もなんだかんだと仕事があったのかもしれない。

残念ながら選挙ポスターの彼女の写真はおかしく写っていて、悪い方に修正してあるのではないかと疑わせる出来だが、ここ肝心の写真の写りの悪さになにか彼女の個性を感じてしまうのである。私が撮っていたなら最も素晴らしい瞬間を固定化できただろう。

それにしても私が最近彼女に感じていた、イングマル・ベルイマン監督の「処女の泉」におけるプロテスタンティズムの北欧の処女像を彼女に見出すようになったのはさしずめ間違いではなかったと確認したのである。

カトリック系の環境に育った女性には馴染みがあるが、プロテスタント系の女性の付き合い難さのようなものが、これで大分解消されるような気がする。先ず、なぜ付き合い難いような感じがするのかも、その自意識や思考形態などは子供のときからのもので、なかなか理解すると言うものではないからである。



参照:
日付が古い恋文を渡す 2014-06-01 | 女
湖面に映る北欧の女神 2014-05-03 | 女
中途半端な印象の大韓民国 2010-06-27 | ワールドカップ06・10
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講習会の代わりに指導

2014-06-03 | アウトドーア・環境
土曜日はBASFの「農民」と登りに行った。若い仲間が計画した中間支点の設置講習が流れたからだ。そこで、他の参加予定者にも声を掛けたが最終的には農民と町医者が来た。ご本人がまだ登っていない近場で選んだ。前回出かけた場所であるが自分自身にとっても課題は十分にあるので通うのだ。

近くて人気の奇岩であるから、人出を気にしていたが、案の定沢山の車が停まっている。基部まで上がると冬の室内壁の支部の連中だった。沢山のトップロープが掛かっている隙間を狙って、登って貰う。クラシックな1950年代のルートであるから、斜めにバンド状に登る凹角にそって前衛壁の頭に上るルートである。前回二回登っているので都合今年で三回目である。躊躇しているので、前回登らせた町医者に行かせようとしたらトップロープの方が良いといって我々とは別行動となった ― 登れば登るほど下手になっていくので五年経っても初心者であり続けて、幾ら難しいところを我武者羅に登っても簡単なところを正しく登ることが出来ないのだ。両手が空かないから中間支点など設置出来ない。

結局農民が登り始めるのだが、彼の問題点もルートファインディング能力で、誰の助けも無しに最も良い解決策を探していく能力と経験に欠けている。それでも難易度にしては彼にとっては十分に容易であり、核心部は唯一のボルトが埋められているので安心して見ていたが、彼が設置した中間支点はもう一つ完璧ではなかった。理由は、加重方向と反対に下から上へと差し込む形で機械式楔などを設置する癖が付いていないからである。正しくそれを習う講習会だったのだが、中止になって残念である。

そして、第二ピッチの上部を続けて登らずに、一度降りてもう一つ難度の高い壁を登って貰おうとすると、先に行けと言うことになって、結局二年ぶりに自分で登ることになる。技術的には全く不安も無いので、完璧に登ろうとするが、三本もあるボルトの前後に中間支点を設置するのはそれほど容易ではなかった。綺麗に支点を取れるところを探して、核心部を完璧に超える。前回はボルトに登りつこうとして指を掛けたりした場所などである。流石に御手本を示せれたが、最後の乗り越しの前の支点の設置場所を見つけるのに苦労した。上への見通しが効かない場所になるので、その前の見渡せる核心部よりも自分自身としては綺麗な中間支点が欲しかったのである - しかしこれで詳細に分った。お蔭で、ある程度の技術の人には安心して指導出来るようになった。

そして一度降りて農民にリードして貰おうかと思ったら、後続で登ると叫んだ。技術的には克服出来る筈なのだが、彼にとっては結構オツカツになるのだろうか。実際後続してくるのを見ているとリングに手を掛けたりして、二年前の私よりも悪い登り方をしている。やはり技術的に欠けているところがあるのを自覚したようだ。上から押さえる手掛かりが無いと、横方向へのサイドグリップ的な手の使い方以上に、身体の左右のバランスをとらなければいけないのだが、どうもまだそれが身についておらず、自覚したようだ。

彼を無理してボールダーに誘わないのも、その加重の仕方を習得する前に、ボールダーの小さな手掛かりなどに馴染むと、町医者のような「登れば登るほど下手になる悪循環に陥る」可能性があるからだ。要するに5.10を克服する基礎がまだ足りないのだろう。

そのあと続いて、先に登らなかった第二ピッチをリードして貰った。流石に我慢強いので、確りと中間支点を設置しているように見えたが、今回の課題であったように機械式楔などの設置がやはり同じように十分ではなかった。それでも摩擦登攀を我慢する経験も体力もあるのは流石であった。

そう言えば、私が設置した完璧な機械式楔を回収しようとして苦労していたので、楔外しハーケンを使うように声を掛けたのだが、初めはその理由が分らなかったようである。その機構をエンジニアー的に観察すればどのように使えばよいのか理解出来るはずなのだが、なぜか彼にはそれが経験とはなっていなかったのである。昨年ドロミテで登っていても、彼のオリエンテーリング等の問題点は気が付いていたのだけれども、そうした基本的なことも身についていなかったのに驚いた。それだけこちらの中間支点の設置が巧妙になってきていることもあるのかもしれない。もはや初心者や素人では後続するのも厳しくなってきているようだ。

またまた自分自身の課題には触れられなかったが、結構疲れてしまった。流石にその前の日曜日のように疲労困憊ではないが、夜中に肩が痛むなどしてそれはそれなりに無理が来ているのを感じる。大変不甲斐ないのだが、我慢するしかないのだろう。少なくとも昨年とは全く技術程度は違ってきていて、指導が出来るほどになっているのは事実であり、シーズンはまだ長いので焦る必要ないと思っている。



参照:
ひりひりするほどの痛み 2014-05-27 | アウトドーア・環境
疲労困憊の継続性 2014-05-30 | 雑感
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素晴らしい変わり者の味

2014-06-02 | 試飲百景
金曜日はレープホルツ醸造所の試飲会であった。いつもの裏口のドアを開けようとすると娘さんが出てきた。「裏から失礼するよ」、通うようになってまだ六年ぐらいにしかならないが、流石に馴染み客になってきた。

冬に来た時には、2013年の収穫の問題を旦那に話すと、「全然問題なんかじゃないんだ」と、結構むきになっていたのだ。さて、試飲を始めよう。

リストも事前に送られて来ていないので、葡萄が足りずに大分葡萄を他所から調達したのではないかと言う怪訝があったので、ジルファーナーから慎重に試飲した。甘さが落ちた分苦味が強いかと思ったが、酸が効いていて比較的良かった。

さてグーツリースリングだ。思った以上にしっかりした味がしていて、ミネラルの表現は無くとも飲み甲斐のあるリースリングとなっている。不思議に思って尋ねると、全て自分の葡萄のようで、その分昨年はあったオルツヴァインの一部が無くなっているのだ。

結局リースリングは、グーツリースリング、オェコノミラート、フォム・ブントザントシュタイン、フォム・ムシャルカルク、ガンツホルン、イム・ゾンネンシャイン、カスタニアンブッシュの甘口二種となっている。腐りが酷かったのだろう、2006年を髣髴させる。

さて、注目のオェコノミラートを口に含むと、その活き活きとした酸が嬉しかった。試飲しても美味しくないこのリースリングが我が家のスタンダードワインとなって久しいが、出かける前に試飲しても美味しくないワインを買う因果であり、もし不作で質が落ちていたらと躊躇していたぐらいだ。それがどうだろう、初めから良いではないか。これだけ良かった年度は2007年以降無かっただろう。ヴィルヘルム・ヴァイルが語るように「最初から美味くて末永く楽しめる2013年産」となる。

同じように上位のフォム・ブントザンドシュタインの出来はなんということだろう。開いているではないか。問題は価格である。17.50ユーロはこの早い時期に空けてしまうワインとしては高価過ぎる。

ムッシャルカルクはあまり特別な印象は感じなかった。必ずしも悪いわけではないだろうが、酸がそれほど生きた感じがしないのは石灰土壌だから仕方がないのか。

要するに、ビルクヴァイラーの北側斜面は厳しかったことになるが、対向する南に向いたゾンネンシャインの空気は腐りを避けれたのだろう。

その他ではムスカテラーが素晴らしかったが、料理などを考えると手が出ない。ゲヴュルツトラミナーは若干残糖を感じさせて、ソーヴィニオンブランも例年より優れているとは思われない。グラウブルグンダーに酸が効いているので良いと思ったが、ヴァイスブルグンダーよりは価値があっても態々購入する動機とはならなかった。毎年のことである。

日本人らしき人たちを見かけたが、お待ちかねの17時から始まるレープホルツの講話が始まる前に立ち去ったので声を掛ける機会もなかった。今回は、2013ロゼーに始まり、2010ムスカテラーと2013が比較され、同じような酸の傾向で三年後にも楽しめると言うことだった。1990ゲヴュルツトラミナーが続き、2013と2004グラウブルグンダーの垂直試飲。そこで氏の愛する2008フォム・ブントシュタインが示されるが、正直私が飲み干したときよりも落ちていた。最後の2013のそれも二年後の方が期待できるのだ。

日本の駐在風の人々は恐らくリースリングでなく、ブルグンダーを選択したと想像する。この醸造所の特徴が分れば講話前に立ち去ることなど不可能だ。この変わり者の醸造所に付き合うにはそれなりの覚悟が必要なのだ。

結局、ガンツホルンと無くなるといけないフォム・ブントシュタインを予約して、いつものオェコノミラートを購入する。このリースリングの傷はアルコールが11度しかないことで、娘曰くサマーワインとなるのだ。娘さんに「親父さんがむきになってね」と話しておいたそのご本人に「2013年産、満足だ」というと「ワインが一寸分っている人は気に入る筈だ」と強い握手を交わしたのだった。やはりレープホルツの親爺は変わり者だ。それと強い握手する私も変わり者に違いない。



参照:
質の独、量の仏の13年 2013-11-22 | ワイン
忙しかった週末を回想 2013-05-14 | 試飲百景
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