楽譜さんへのコメントが長くなったので
プラスミドは大腸菌などに見られる環状DNAですが、他の細胞のDNAに取り込まれ易い事で知られています。
ワクチン製造時に、mRNAの雛形となるプラスミドを用いてmRNAを量産しますが、本来ワクチン精製時に、遠心分離機などを用いて極力除去しなければいけません。
ところが、プラスミド、或いはその断片がmRNAの35%もの量でワクチン中に残留していた。
コレらのプラスミッド或いはその断片は、LNPに包まれて細胞中に導入されると、確率的に細胞のDNAに取り込まれます。
ヒトのDNAのどの部分に取り込まれるかは、決まっていないの、取り込まれたプラスミドが必ずしもタンパク質合成に関与するとは限らりませんし、仮にタンパク質合成に関与したとしても、そのタンパク質が必ずなんらかのの悪さをするとは限りません。
実は、人間のDNAの中にはウイルス由来のDNAが相当数含まれています。コレらの殆どは、何ら具体的な機能を果たす事なく、無駄なデータとしてDNA内に存在していることが多いですが、確率的に「機能」して細胞に影響を与えます。多くの場合は以上細胞として免疫系に変異細胞は駆逐されますが、稀に生き残る細胞が癌の原因になったり、何らかの影響を身体に与えたりします。
ワクチン製造に使われたプラスミドが丸ごとヒトのDNAに取り込まれた場合、スパイクタンパク質を作る細胞が出来ますが、コレは免疫系の標的となるので、私は俗に言う「スパイクタンパク人間」が生じるケースは、稀だと思います。
むしろ問題は、DNAのランダム位置に取り込まれたDNAの断片が、癌の発現や抑制に影響を与えてしまうケース。
或いは、プラスミド遺伝子に複数あると言われる異常プリオンをコードする塩基配列が、異常プリオンタンパク質を製造して、長期的にプリオン病(ヤコブ病や狂牛病)を引き起こすケース。進行がゆっくりで5年10年後に発病するので、ワクチンとの因果関係を証明する事は不可能でしょう。
この様に細胞内へのDNAの導入には「遺伝子汚染」と言う潜在的な危険性が有るので、多くの国がmRNAワクチンを選択しました。(アストラゼネカのワクチンやロシアのスプートニクはウイルスベクターワクチンです。)しかし、ワクチンに製造時のプラスミドDNAが大量に残留していたのでは「m RNAワクチンは遺伝子に取り込まれないので安全」と言う、緊急承認の前提が崩れ去ります。
尤も、私たちは日々細菌やウイルスに感染し、組織内や細胞内でウイルスは自分の RNAやDNAを量産している訳で、生物の遺伝子は、その様な「遺伝子汚染」に元々耐性があるのかも知れません。
ただ、ウイルス感染の場合、感染細胞の表面にウイルスが提示されるので免疫系がマークし易いのに対して、断片的なDNAの取り込みでは明確な抗原が細胞表面に現れないので異常細胞の生存確率が高まる可能性が有る。但し、細胞は異常タンパク質を細胞外に排出するので免疫系がこれに反応する可能性も有ります。
何にしても「遺伝子治療」「遺伝子ワクチン」は「治験」が始まったばかりで、短期的にも、中長期的にも、どの様な問題が生じるかは誰にも分かりません。
結局「よく分からないものを身体に入れたくない」と言うプリミティブな拒否反応でワクチンを接種しなかった人達の「感性」が生物としては正解で、「科学的」と言う言葉を理性的に信用してしまった人達は、生物としての本能が退化しているのかも知れません。
「反ワクチン」に低学歴の人が多いと言う報道が繰り返され、比較的高学歴の方達が「反ワクはバカで非科学的」と言う優越感に浸っていた時期が有りましたが、今ではネットでの反ワクに対する「上から目線の攻撃」は、すっかり影を潜めています。
コレからはワクチンや政府を信用していた良識的な人達が「政府は信用出来るのか?」と言う陰謀論のドアノブに手を掛け、扉を開けるか逡巡するフェーズに入るのでしょう。
どれだけの人が扉を開ける勇気を持ち合わせているか興味が有りますが、既に陰謀論者が「世界は陰謀で満ちている」と宣伝する時期は過ぎたと感じています。
「コレだけの「状況証拠」が揃っているのだから、後は自分で調べて、自分で判断してね。」と言うのが、今の私のスタンスです。