■ 皆んな大好き「和田峠」に行ってみた ■
暑い!!くそ暑い。標高の低い千葉県を走ったのでは熱中症は確実です。
そんな訳で、本日も標高を求めて奥多摩方面に遠征です。
朝一番に武蔵五日市に到着する時間に浦安駅から輪行しますが、何と中央線は人身事故で不通。三鷹で折り返し運転の高尾行に乗り換えて立川で乗り換えるハズが、すっかり寝過ごして気付けば高尾。ホームで天狗さんがお出迎え・・・。
急遽、予定を変更して、皆んな大好き「和田峠」にGO!!
和田峠は甲州裏街道とも呼ばれる陣馬街道にある、東京と神奈川県の県境の峠。標高690mと大した高さではありませんが、最大勾配18%という激坂コース。風張林道が東京激坂の横綱ならば、こちらは大関。アクセスの良さもから、東京の自転車乗りが最初にチャレンジする激坂では無いでしょうか。
以前、ヤビツ峠の帰りに山梨側から登った事は有りますが、東京側から登るのは初めて。本日の自転車はクロモリのレモン君。フロントシングルのフロント42t、リア12-27tです。インナーxローのギアー比が1.55ですから、ノーマルクランクの39x25の1.56とほぼ同じギア比。昔の自転車乗りは、皆さんこのギア比、クロモリフレームで和田峠を登っていたので、登れて当然・・・のハズ!!
陣馬街道の前半は、川沿いの集落を巡りながら緩やかに標高を上がて行くコース。ここが東京都である事が信じられない「のどか」な景色が続きます。和田峠の激坂区間の始まりまではバスも通っています。休日のバス停は陣馬山に登るハイカーで賑わいます
陣馬山の登山口のバス停から先は激坂区間になりますが3.5Kmの区間の平均勾配は10.1%、最大勾配は18%。まあ、キツクなったらダンシングで凌げる感じでしょう。
バス停で一休みしてからトライ開始。気温が高いので足攣りしたら終わりです。無理にダンシングせずにシッティングで丁寧にペダルを押し込みます。途中、「コイツはヤバいぜ!!」って斜度は1か所だけ。そこが18%だと思いますが、ヘアピンのイン側を通らなければ、どうって事ありません。全力ダンシングで乗り切ります。
それよりも、道幅の狭い所で後ろから車が来た時の方がヤバかった。足付きはしたく無かったので、道幅が少し広くなる所まで全力ダンシングですよ・・・。まあ、坂道アルアルでは有りますが、軽く死にました・・・。
気温が低ければ「サタデーナイト走行=オールダンシング」も可能ですが・・・本日はシッティング中心でクリアしました。のんびり登ったので「血の味指数」は低め。
■ 裏和田から都民の森に行けるか?! ■
峠の茶屋でスポドリをガブのみしてから、裏和田を下ります。峠を越えると神奈川県相相模原市です。裏和田の集落の景色は「ザ・山村」。写真だけ見せられたら「信州ですか」と聞いてしまうレベル。
裏和田を下り切った辺りから、甲武トンネル経由で都民の森に行ける事は地図で確認出来たので、それらしき標識に従って進みます。・・・と言っても手描きで甲武トンネル14Kmと書かれているだけだけど・・。
ロールプレイングゲームならばトラップだよね、この看板。
小さな峠を一つ越え、集落に入って「上野原カントリークラブ」の看板に従って進みます。・・・進み・・。おい、何なんだよ、この集落の中の激坂。道、コンクリートの丸パターンじゃねぇーか!!10%軽々越えてるよね、パターン無いだけ、ヤビツの蓑毛の方がマシだよね!!
「やっぱ、罠じゃねぇーかーーーー!!」と心で叫びながら、暑さで意識を持って行かれる寸前に自販機を発見。地獄に仏とはこの事。頭から冷たいミネラルウォーターを被って、木陰で一休み。道が有っているかネットで確認すると、ここ「上野原カントリークラブの激坂」で有名なポイントでした・・・。そして、自販機の直ぐ先がカントリークラブの入り口で、坂道のピーク・・。
カントリークラブの入り口って、どうして激坂の上の有るのでしょう?読売カントリークラブとか・・・。
そこから甲武トンネルの分岐までは、広々とした景色が広がります。冬ならば富士山が見えるでしょう。
ここ、神奈川県です・・・。
」
矢印にチョロリと生えたヒゲがキュート!
■ 風景ハンターの血が左折しろと囁いた・・・鶴峠って何? ■
右折すると武甲トンネル経由で都民の森に行ける交差点。でも何故かハンドルを左に切ってしまいまいた。「そっちの方が楽しいよ!」って本能が叫んでいるから。
少し下ると三叉路に出ます。「多摩川源流 小菅村」という看板が「こっちらよ、こっちだよ」と手招きしています。「源流」って言葉、チョーそそられるじゃないですか!!気付けば、ここは「山梨県」。本日、既に県境を二つも越えています!!
山梨県の県道18号線で、奥多摩湖の上流に出るらしい道は、鶴峠という「通好み」の峠に繋がっているらしい。奥多摩湖に出て、都民の森に上って武蔵五日市に出るコースにチャレンジしてみます。
標識に書かれた、「村」とか「源流」とか、ワクワク・ワードには抵抗出来ません!
山も谷も深い。秘境感がパナイっす!!
この道、大正解です。川沿いの集落を巡りながら、細かなアップダウンを繰り返して、標高が徐々に上がっ行きます。鶴峠の手前に「田和峠」というのが有る様なのですが、どれが峠なのか分からずに「西原」という集落に入ります。
蕎麦屋さんに車が沢山停まっていたので、ここでお昼にします。この先、多分、補給が出来なくなりそうですから。時間も丁度12時。
パンにしようか、蕎麦にしようか迷いましたが、蕎麦に決定。
店内にはクーラーは有りません。全開の窓から、爽やかな風と、様々な虫が入って来ます。お客さん、虫を無視です。流石は田舎・・・?
夏だなぁーーー。
食事の後に、ちょっと西原の集落を散策します。水車という看板に誘われて、川沿いの激坂を登って行くと、木立の影にひっそりと水車小屋が佇んでいます。パイプで水車の上の水を導いて回転させる仕組ですが、今は水は止まっています。この水車で挽いた蕎麦粉を蕎麦屋では使っている様です。
粉挽き様に現在も使われている水車。
「ザ山村」的な風景!!
一宮という神社を見付けたので寄って行きます。中世に武田氏が興した神社として伝わっているそうです。山梨屈指の杉の巨木(御神木)を始めとした巨木に囲まれ、小さな社が建っています。
御神木は山梨県屈指の巨木です。
■ 鶴峠って何処? ■
西原の集落を抜けると、道は再び登りになります。確実に斜度10%越えのヘアピンを曲がると冬季通行止めのゲートが出て来ます。ここから先は峠まで民家は無いのでしょう。
ゲートのヘアピンをスマホ撮影しようと、10%越えで片手運転。スマホをポケットから取り出して、ホームボタンをタップして、指紋が認証出来ないから暗唱番号を片手で入れて、カメラを起動して、ビデオ撮影。よゐこは真似しないでね・・・。
西原の集落が眼下に小さく見えます
しばらく登りを繰り返すうちに「小菅村」に到達しました。峠は越えていないと思うのですが・・・。ただ、「鶴峠って分かり難い」とはネットに書かれていたので、もしかして越えてしまったのかと不安になります。ただ、道は登りが続いているので、峠は越えていないハズ。
小菅村に入りました
気温は30℃を越えていますが、朝夕が涼しいのでしょう。ススキの穂が出ていました。標高は800m程度と思いますが、秋は一気に訪れるのでしょう。
冬季ゲートを過ぎましたが、小菅村に入ると民家が現れます。村内は除雪されるのでしょうか?
12~13%のヘアピンを幾つのクリアーして、箱根の七曲りを登っている気分になる頃、突然、公衆便所が出現します。そして、その先のヘアピンを曲がると「鶴峠」というバス停がポツリと立っています。
周囲は木々に囲まれ、バス停が無ければ、ここが峠とは分からない様な「存在感の薄―い」峠。奥多摩の外の峠に比べて人気が無いのも理解出来ます。だって、記念写真スポットが無い。
奥多摩周遊道路に比べてバイクは圧倒的に少ないですが、それでも時折、爆音を残してバイクが走り去って行きます。バス停の表紙が、ここが「鶴峠」である事を証明していますが、駐車場も無いので、車もバイクも、ただ走り過ぎるだけ。
峠を越えると、道路にローリング族(今は死語かな)のタイア後がベッタリと残されています。「頭文字D]みたいな兄ちゃんが、夜な夜なドリフトで峠を責めているのでしょう。
■ 鶴峠を越えても登り返しが結構ある。 ■
鶴峠を越えたら奥多摩まで一気に下るのかと思いきや、結構な登り返しが有ります。これは精神的ダメージが結構大きい。
しばらく下ると国道139号線に突き当たります。左は大月、右は奥多摩の表示が。一瞬、左折しようかとも思いましたが、山並みを見て、登りが有りそうなので止めにします。後で地図で確認したら、結構長いトンネルで峠をくぐり抜ける様です。その上を九十九折れの旧道が走っています。元気ならば、旧道のルートも面白そうです。
小菅の集落を抜けると、河を渡ります。多摩川の支流の一つ、小菅川です。鶴峠からの下りの途中から、河が道に並走していましたが、多摩川の源流域の一つ、白沢川というらしい。もっと秘境チックなイメージがあったので、ちょっと肩透かしですが、鶴峠が相模川支流の源流と、多摩川支流の源流の分水嶺になっている様です。源流域の風景としては、相模川の支流の鶴川の方が趣が有ました。
」
多摩川の支流の一つ、小菅川。マス釣り場として、賑わっていました。
■ 奥多摩周遊道路経由で都民の森は、涼しくなってからにしよう ■
奥多摩湖が見えて来ると、先週通った道です。途中、奥多摩周遊道路から都民の森へ登って、武蔵五日市経由で帰ろうか迷いましたが、明日が月曜日なので、涼しくなったらトライしてみます。15kmの登りですが、斜度が6~7%なので、脚的には十分に残っていました。(ただ、暑さで相当参っていますが)
東京都都内に入ると道幅も広くなります。奥多摩駅までノンストップで乗用車の後ろに付いて走ります。ダムを越えた辺りから渋滞が始まります。本日を先週よりも人手が多い様です。
東京都に戻って来ました。
15時以降に雨マークが付いていまいたが、天気は問題無さそう。
■ 檜原街道で都民の森に行くよりも、タフで景色の変化に富んだ素晴らしいコースだった ■
電車を寝過ごして高尾に行ってしまった事が幸いし、図らずも「和田峠」と「鶴峠」を堪能してしまいました。涼しければ、フロントシングルで全く問題の無いコース。(スピードは望めませんが、自転車は不便な方が面白い!!)
都民の森は、「整備された道路」で風景も単調です。それに比べて鶴峠を通る県道18号線は、深山と山間の集落が適度にバランスしていて、さらに景色も素晴らしい。タイムアタックとは縁の無い私としては、バイクがケタタマシク通り過ぎ、自転車乗りだらけの檜原街道よりは、断然、鶴峠の方が楽しい。
足付きしたく無いなんて考える事も無い。雄大な景色を眺め、集落の中の激坂に寄り道し、素朴な蕎麦を食べる。最高のコースです。
本日の最難関は・・・上野原カントリークラブの激坂。和田峠以上に応えました。いきなり蓑毛の坂道が住宅地の中に現れるのですから、ヒルクライムに心の準備がいかに重要か、思い知った一日でした。
重要事項なので、最後のもう一回言います。「鶴峠」最高です!!