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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「左巻き報道」という名のガス抜き・・・注目すべきは報道の実効性

2015-08-31 13:30:00 | 時事/金融危機
 
■ マスコミが報道しなければ「認識」されない不思議 ■

今回の安保法制ですが、集団的自衛権が憲法違反であると憲法学者達が騒ぎ出してから、マスコミも世間も安保法案に反対の姿勢を強めています。

しかし、昨年末の衆議院選挙の前には安倍内閣は「集団的自衛権は憲法解釈上認められる」との閣議決定をしており、自民党は安保法制の整備を選挙公約に掲げていました。

国民が集団的自衛権に対してジャッジすべきタイミングは、まさに閣議決定後の昨年の衆議院選挙だったはずです。

しかし、マスコミはこの問題が争点になる事を避けていましたし、野党も追求はしたもののいつもながらの抽象的な論争しかしていません。当然、国民は「集団的自衛権」が選挙の争点で有るとは考えていませんでした。マスコミがキャンペーンを張らない限り、選挙の争点を自分達で見つける事すら出来ないのです。

現在、多くの国民がマスコミを「マスゴミ」としてバカにしています。しかし、バカにしている自分達が、依然としてマスコミの報道にコントロールされている事に気付きません。

■ 山本太郎という分かり易いガス抜き ■

ネットでは山本太郎議員の国家での安倍首相との論戦が話題になっています。アメリカの戦争犯罪を列挙して、その様な国と軍事行動を共にする事が日本の法律上許されるのかを鋭く追及しています。

一見、スカット胸のつかえが取れる様な国会質疑ですが、問題は彼の質疑が安保法案の成立の行方を全く左右するものでは無いと言う事です。既に衆議院で3/2以上の安定多数を与党が獲得した時点で勝負は付いているのです。

尤も、従来の野党議員は「アメリカの戦争犯罪を国会で具体的に追求する様な事」を避けて来ました。彼らの常識が有りますから、自分の政治生命を秤に掛けるからです。

山本太郎議員にあの様な国会質疑をさせているのは日本の左翼勢力かと思われますが、山本議員は上手に与えられた役割を演じています。彼の暴露した内容は、ネットなどで情報収集すれば容易に調べられる事ですから、今更国家の場で暴露されても政府のアメリカも痛くもかゆくもありません。

一方で安保法案があまりにもスルスルと国会を通過してしまっては、「民主主義のリアリティー」が薄れる恐れが有ります。

ですから、国民のガス抜きと民主主義のリアリティーを担保する為に山本太郎という存在を必要とするのでしょう。

メディアもここに来て安保法制に反対する姿勢を見せ始めましたが、本当に彼らが反対のキャンペーンを張るならば、衆議院選挙に合わせたはずで、始めから反対する気など微塵も有りません。ただ、「社会の正義」というポーズを付けるアリバイ工作を今になってしているだけです。

■ リアリティーを欠いた議論に意味は無い ■

「戦争を根絶しよう」「原発を停止しよう」「アベノミクスで日本を復活させよう」

この様な意見は「理念」としては立派だと思います。一方で、往々にしてこの様に主張される方の話には「リアリティー」が欠如しています。

「どうしたら戦争は防げるのか?」「誰が現存する原発の廃炉費用を負担するのか」「異次元緩和にもかかわらずGDPがマイナスになるのか何故か」

この様な現実的な検討を放棄し「理念」や「理想」を負い続けた戦後の日本人の多くが、「現実的に考える能力」を失ってしまいました。

私達は中国共産党の機関紙の人民日報を「御用新聞」だと笑いますが、中国人は「人民日報」などはなから信用していません。騙された振りはしますが、本当に騙される事は有りません。その意味において中国人や韓国人のメディアリテラシーは日本人よりも進んでいます。

日本人もさすがにメディアを盲信する事は無くなりましたが、実は「左巻き」の誘導に簡単に騙される傾向が有ります。私達が注意すべきは実は「左巻き」の誘導で、これを上手にコントロールする事で朝日新聞を始めとするメディアは戦後日本人をコントロールしてきました。

日教組は「反核」や「反戦」を子供達に刷り込んで来ましたが、アメリカを始めとする欧米諸国が最も恐れるのは、日本の核軍備であり、軍拡によって日本が西側諸国に対抗する事です。

私も含め「日本はアメリカの殖民地だ」と主張する人は多く居ますが、実はそれを素直に認め、その現実の中で日本がどうあるべきかを真剣に考える事がこれからの日本には重要になるのでは無いでしょうか。そして、安倍首相を始めとする大物政治家や官僚達は、日々葛藤の中で日本の将来を掴みとろうと模索していると・・・信じたい。

存在するけど存在しない日本の「空母」

2015-08-31 09:21:00 | 時事/金融危機
 



■ 報道されなければ「存在」しないも同然 ■

コメント欄に「いずも型」ヘリコプター搭載護衛艦の2番艦「かが」の話題を頂いたのでちょっと取り上げたいと思います。

上の写真は日本のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも型」の写真ですが、誰がどう見ても空母(航空母艦)です。全長は248m有ります。これは戦艦大和の263mに迫る大きさで、第二次世界大戦当時の日本の空母「赤城」とほぼ同等の長さを持ちます。



■ 着実にヘリコプター空母部隊を構築しつつ有る海上自衛隊 ■

自衛隊が本格的なリコプター搭載護衛艦を配備し始めたのは2004年の「ひゅうが」からですが、当時は災害時の物資輸送が目的などと説明されていました。

しかし、「ひゅうが型」よりもさらに大型の「いずも型」が二隻も建造された事から、日本が着実にヘリコプター搭載空母部隊を保有しつつ有る事は明らかです。防衛計画は中長期に策定されますから、既に10年以上も以前より、海上自衛隊は空母を要する実戦型の外洋艦隊に進化する事が予定されていたと言えます。

「いずも型」は巨大な艦なので運動性能など交戦時の能力は低く、自艦を守る最低限の火器しか搭載されていなことからも、複数艦での任務遂行が前提となると思われます。

搭載機はヘリコプターとされていますが、これにはオスプレーも含まれると思いますので、作戦半径はそれなりの広さを持つはずです。さらに、次期主力戦闘機となるであろうF35の艦載機バージョンならば、短距離離着陸が可能ですから将来的には戦闘機搭載空母としての運用も可能になります。

■ 対潜哨戒に特化する空母部隊? ■

現状ヘリコプター空母として運用されるであろう「いずも型」ですが、実戦となればその巨体が故に敵の恰好の標的となります。戦闘機を搭載していない事から、対空空防御がザル状態です。実戦で運用される場合は、イージス艦やミサイル巡洋艦などと艦隊を組む事が前提となります。

搭載されるヘリコプターの役割は、物資の輸送のみならず、対潜哨戒が主な役割となると思われます。現代の艦隊にとって最大の敵は潜水艦です。実際にアメリカと敵対する国家は米空母機動部隊に攻撃型潜水艦を張り付けています。

いざ有事となった場合、空母機動部隊に打撃を与える事は非常に重要です。現代の戦争は制空権を確保すれば決着が着くとも言えます。ですから湾岸戦争以降の戦争では、開戦と同時に艦船から発射されたトマホークなどの誘導ミサイルが敵のレーダー網や防空官制網を破壊し、続く艦載機爆撃で敵の対空装備などを潰して制空権を奪います。開戦と同時に敵のすぐ近くから巡航ミサイルや艦載機を発進させて一瞬でケリを付けるのです。

これに対抗する手段は、敵艦隊を破壊する事、あるいは航空母艦を艦載機の航続距離より遠くに後退させる事が有効です。

仮に中国とアメリカや日本が戦争を始めた場合、中国近海に中国軍の潜水艦がうようよ居たら、如何米海軍と言えども容易には中国本土には接近出来ません。ですから、対潜哨戒が非常に重要な任務になる訳ですが、自衛隊は米ソ冷戦の時代から対戦哨戒を得意として来ました。軍隊の規模に対して対潜装備の比率が非常に高いのです。

この様に、自衛隊は自前の戦闘機搭載の空母を持たないので攻撃力は高く有りません。しかし、イージス艦を始め対潜哨戒など防衛能力に長けた戦力を有するので、米軍との一体運用でその能力は最大に発揮されるとも言えます。米ソ冷戦の時代から、米軍と一体化した集団自衛は日本の防衛の大前提だったとも言えます。

■ 存在する空母が存在しない日本 ■

日本が空母を保有する事は厳然たる事実ですし、中韓は日本の空母保有にかつてから疑念を表明していました。

ところで、日本が空母を保有している事をどれだけの日本人が知っているでしょうか。「ひゅうが」などはテレビで取り上げられる事も有りましたが、その際は「ヘリコプター搭載護衛艦」と呼称され、災害救助を迅速に行う艦船だと説明されて来たと思います。

少し軍事に興味の有る人ならば、「ははーーん」と思う所ですが、一般の視聴者は「甲板が大きく、トラックなどを大量に輸送出来る船」という認識しか持たないはずです。

現在日本が保有するヘリコプター搭載護衛艦は、艦隊護衛という目的からは「護衛艦」と言う名称が妥当です。しかし、将来的にF35などを搭載すれば打撃力の高い空母としても運用が可能です。

我が国に現状空母打撃群は存在していません・・・。


<追記>

中距離弾道弾の精度が高まった現代において空母機動部隊は恰好の標的です。中国は対艦弾道ミサイルを実戦配備していると言われますが、衛星による精密誘導で、空母甲板にマッハ10の落下速度で精密着弾させる能力が有る様です。

これに対して空母機動部隊はイージス艦に搭載されているSM-3で対抗します、SM-3は高度160km以上で飛行速度マッハ3程度の弾道ミサイルに体当たりする迎撃ミサイルです。これまでに実験が重ねられ80%の迎撃率を有すると報道されています。特に、弾道ミサイルが正面から飛来する対艦防御は成功率が高くなるはずです。

ただ、模擬弾の発射を確実に探知出来る実験での命中率なので、これが実践でどの程度維持出来るかは不明です。実戦での迎撃率が50%ならば、4発の対艦弾道弾で空母の飛行甲板は使用不可能になるでしょう。(ただ、対艦弾道弾の命中精度も100%では無いので・・・)

この様な攻撃手段が確立した現代でも、運用に兆円単位のコストが掛る空母機動部隊が配備されている所が現代の不思議でも有ります。現代の戦争は既に「フィクション」なのかも知れません。


注1) 
落下速度マッハ20のICBMの迎撃実験は一度も成功していません。弾道弾はチャフ(電場攪乱材)などを装備したり、ダミーを含めた多弾化で迎撃を無効化しているはずですから、その迎撃は限りなく不可能に近いのです。


中国とのデカップリングは可能か・・・対中戦争の現実性

2015-08-28 11:12:00 | 時事/金融危機
 

■ チャイナフリー ■

りマンショック以前、アメリカでは生活に関連する多くの商品が中国製となりました。その反動として「チャイナフリー」という言葉が生まれました。

中国はアメリカの仮想敵国ですから、もし中国と戦争になって中国製品の輸入が途絶えた時に、アメリカ人は中国製品無しで生活出来るかを問うたのが「チャイナフリー」です。結果、一日の生活出来ないという結論に達した人が多かったと思います。

アメリカで売られている物の多くがウォーマートの日曜雑貨から、99セントショップのシャンプーに至るまで中国製に席巻されていたのです。

アメリカは中国を仮想敵国としながらも、莫大な投資と技術移転を行って、中国を自国の工場に作り変えていました。そして、アメリカの低所得層の生活は、安い中国製品によって支えられていました。

■ 新たなチャイナフリー ■

世界の工場へと成長した中国ですが、最近では人件費の高騰によって製造業が流出しています。最初は技術力を必要としない繊維産業が東南アジアの後進国やアフリカの国々に流出します。

日本人は東南アジア製の服を目にする機会が多いのですが、ZARAなどヨーロッパ系のファーストファッションブランドはアフリカで安い人件費で製造しています。

この様に10年前には不可能と思われていたチャイナフリーですが、後進国のキャッチアップによって不可能では無くなりつつ有ります。

■ リーマンショック後のリフレ政策は新興国のインフラ整備が目的だった ■

リーマンショック後、世界の中央銀行は「リフレ政策」という名目で大量の低金利の資金を世界に供給して来ました。これらの資金の多くは新興国投資へと向けられました。

新興国投資は政情不安などリスクが高いので、通常の資金量では新興国経済に資金は流れて行きません。当然、新興国の開発は進みません。しかし、リフレ政策でばら撒かれた過剰流動性は金融市場に吸い上げられた後、金利を求めて新興国やシェールガス開発といったハイリスク・ハイリターンの投資へと流れて行きます。

結果的に後進国と呼ばれていた地域のキャッチアップが進み、これらの国々は「ポスト中国」としての地位を確立しつつ有ります。

■ メキシコの次の労働力供給地となるであろうキューバと中南米 ■

アメリカとキューバの国交回復が話題になっていますが、キューバはアメリカに安い労働力を提供する役割を担って行くはずです。(短期的にはリゾート開発バブルが起きそうですが)

アメリカはカナダや中南米諸国というパックスアメリカーナという単位で捕えると、資源と安い労働力を抱えた一大経済圏を作る事が出来ませす。南米は欧州との結びつきが強いので、アメリカの影響力が排除される傾向に有りますが、米CIAは昔から中南米で政権転覆を画策するなど、これらの地域を自国の影響下に置こうとして来ました。イギリスもフォークランド紛争でアルゼンチンと正面切って戦争するなど、この地域へ固執しています。

現在、メキシコやカナダ経済はアメリカと不可分の状態になっていますが、今後中南米の国々とアメリカの結びつきは益々深まって行く事でしょう。TPPに参加しているチリなどは、その一歩を既に踏み出しています。

■ 市場としての中国 ■

中国の経済成長によって中国は世界の工場から、世界の大消費地に変化しつつ有りませす。日本も中国人の爆買い無くしては都心の百貨店の経営が苦しくなります。各百貨店は中国人目当ての改装を進め、中国語の出来る店員を揃えています。

日本のみならず、フォルクスワーゲンやフランスの有名ブランドまで、中国人の所費の拡大で利益を増やしています。

しかし、最近中国では習政権が「贅沢禁止令」を出し、海外の一流ブランドを締め出す動きを見せています。さらに、食品や生活用品など中国ブランドが確立して、訴訟によって海外メーカーを国外に追い出しています。ダノンやネッスルなど、コピー商品を持つ中国企業の提訴されています。

スマホもiPhoneは中国で苦戦し始めています。中国製のスマホは安くて十分な機能を持ち始めているので、ブランド志向で無い一般人は中国製スマホを選びます。結果的にappleの思惑程は中国でのiPhoneの売り上げは伸びていません。

■ 中国バブルの崩壊が市場としての中国の魅力を失わせる ■

中国経済の減速が隠し切れなくなっていますが、いかに社会主義経済の中国と言えどもバブル崩壊は避けられません。多分、中国は徳政令の様な方法でバブル崩壊処理を短期に終わらせ、再び緩やかな成長軌道に復帰すると思われますが、短期的な景気の悪化は避けられません。

結果的に中国の富裕層の資産が吹き飛び、現在日本に来日しているようなプチリッチな人達は一時姿を消します。バブル後の日本の様な状況になるはずです。

こうなると、中国市場の魅力は一気に無くなります。中国人は高い輸入品や海外ブランドから安い自国商品を選ぶ様になるからです。中国バブル崩壊の過程で、多くの海外ブランドや海外企業が中国市場から撤退するでしょう。

■ チャイナフリーによって可能となる対中戦争 ■

チャイナフリーが達成されたならば、アメリカや日本が中国に譲歩する理由が無くなります。アメリカは中国に大量の米国債を購入してもらっていますが、いざ有事となればこれを凍結する事が出来ます。返済義務が消失するのです。

一般にはアメリカへの牽制と思われている中国の米国債保有ですが、いざ有事となればその効力は消失します。(中国がこの事を理解していない訳は無いので、裏で米中が結託しているのは想像に難くありません)

この様にチャイナフリーが達成されたならば、対中戦争の現実味が高まります。

■ 国内の混乱を戦争で誤魔化そうとする中国 ■

中国バブル崩壊が起きた場合、中国政府は戦争を欲します。それは国内の不満を海外に向けさせ政権を維持する目的が有るからです。「戦時体制」を名目に国内の暴動を強引に鎮圧すると共に、国民の怒りの矛先を日本やアメリカに向けさせます。

■ 経済の崩壊を戦争で誤魔化そうとする先進国 ■

次なる世界経済の崩壊は、現在の金融システムや中央銀行制度を根底から壊してしまう規模になるかと思われます。

先進国の中では、その責任を問う機運が高まり、各国の政府は政権維持が難しくなるかも知れません。

この様な状況で、中国やISなどが軍事行動を起こす事は、先進各国にとって好都合です。尖閣諸島や南沙諸島に中国が侵攻して来たならば、日本を始めとする海洋アジアの国々やアメリカと中国の対立は決定的になり、場合によっては限定的な戦闘も行われるかも知れません。

これは「戦争状態」なので、「戦時体制」の法整備によってバブル崩壊の処理が強引に進められるかも知れません。

・・・荒唐無稽と思われるかも知れませんが、第二次世界大戦は各国の経済の破綻をウヤムヤにする為の戦争でした。

■ 戦争が出来る国 日本 ■

安倍政権の元、集団的自衛権の確立が急がれるのは、近い将来アジアで戦争が起きる事を想定しているはずです。(シナリオとも言います)

本来は憲法改正を行うのが正当な手順ですが、戦後平和主義に洗脳された日本人は「戦争は起こらない」と無根拠に盲信しています。戦争を起こそうとする人達の存在を完全に無視しているのです。

この様な日本で憲法9条の改憲は事実上不可能ですから、安倍政権は「解釈改憲」によって憲法9条のクビキを外したのです。憲法学者がどんなに反対しても「確信犯」なのですから政府は怯む事無く、粛々と安保法制を整備し、「戦争の出来る日本」を準備します。


安倍首相夫人のスカンダルが暴露されたり、ここに来て政府に揺さぶりをかける動きも見られますが、大手マスコミにこれに乗らない所を見ると、「戦争」の現実味は増している様に感じられます。

・・・・世界はかつてもその様にして姿を変えて来ました。ただ、「核の抑止力」が支配する世界では先進国間の大規模な全面戦争は絶対に起こり得ません。

セレモニーとしての紛争が行われ、その後直ぐに停戦に至りますが、しかし、「冷戦構造」が発動され、世界はしばらく「分断」される状態が続く思われます。


そして、軍事ブロックと経済ブロックの統合が進み、国民国家という枠組みが薄れて行くのでしょう。



本日は陰謀論で言う所の「ニューワールド」を、少しリアルに妄想してみました。

米国債金利の低下・・・利上げの地均し

2015-08-26 04:30:00 | 時事/金融危機
 

■ ようやく反転した株価だが、V字回復とはならずに続落 ■

世界的株安がオーバーシュートに発展するのかが注目されています。昨日の日経平均は一時持ち直したものの、その後再び下落に転じ「落ちるナイフ」を握ってあわや血まみれ・・なんて方もいらしたかも知れません。

一方、ダウは本日持ち直して始まりましたが、後場にかけてダラダラと下落気味・・。結局6日連続の続落で終わっています。今朝の日本市場で反転できるのか・・・GPIFと日銀の踏ん張りどころです。(彼らが空気を読んでいるとのウワサも・・・)

■ 米国債金利が低下しているが・・・ ■

さすがにここまでリスクオフの動きが高まると米国債金利も低下して、10年債金利が2%を瞬間的に切っています。ただこちらも利上げを控え、すわ安全資産の米国債買いとはなり難い状況で、金利が低下するに従って資金流入は停滞するかも知れません。

■ 7月にゆうちょ銀行が米国債を2兆円買い増しした? ■

日銀の異次元緩和でゆうちょ銀行は日本国債を7月に2兆円売却した可能性が指摘されていますが、その資金で米国債が購入された可能性が有ります。

アメリカは利上げを前に米国債金利の上昇を押さえ込む必要が有り、異次元緩和で炙り出された日本の資金や、元安誘導で中国が購入したドルが米国債市場に流入していると思われます。

そして、バーナンキショックの再来とも言える今回のリスクオフで、新興国市場やリスク市場から米国債への資金移動を促しています。

■ 米利上げ前に「日銀追加緩和」のダメ押し ■

中国が景気失速を理由に「追加緩和」に追い込まれていますが、これらの資金の一部はアメリカにキャピタルフライトする可能性が有ります。中国富裕層は元が切り下げられる中で資産保全に走るはずです。

一方、日本の経済も管製相場の日経平均が崩された事でアベノミクスの粉飾が木っ端微塵になりました。年末に掛けては、補正予算は勿論の事として、日銀に対して「追加緩和」の要求が高まると思われます。

「アベノミクスを後退させてはならない。ここが正念場だ」といった「戦中の精神論」の様な理由で日銀が10月末にも「追加緩和」に踏み切る可能性は高いと思われます。

どうして10月末かと言えば、FRBのテーパリングの援護射撃が2013年のハロウィーンだったから。12月の利上げに対して、9月では早過ぎますし、直前では実効性に欠けるのでは無いかと。

FRBや各中央銀行はFRBの利上げに際して、テーパリングのデジャブを見せる事で、市場の安心感を作ろうとしているのでは無いでしょうか。

■ 利上げは資金需給に確実に影響を与える ■

FRBの利上げ幅は極々小さなものになるでしょうから、市場が過剰に反応しない限りは資金需給に大きな影響は与えないでしょう。日銀を始めとする「さらなる量的緩和」がこれをサポートします。

問題はFRBが利上げ後に金利を正常化できるかどうかです。金利が徐々に正常化される過程で、ゼロ金利で成り立っていた資金需給が耐えられなくなるはずです。どこかの時点で資金の巻き戻しが起きた時、一番リスクが軽視されていた市場がから連鎖的に崩壊が始まり、リーマンショック以降の「超緩和的金融政策バブル」が終焉を迎えます。

2017年頃かと妄想していましたが、ジム・ロジャースは2016年中になるかも知れないと発言しています。

■ 陰謀論の悪い所は、「悪い事を期待してしまう」こと ■

いずれにしても短期的には強気ですが、中期的には弱気・・・

ただ、私の様な陰謀論者は「悪い未来を期待する」傾向が強いので、現実よりもリスクを過大に評価する傾向が強いかと思います。通常は市場はもっと楽観的で、その楽観を受け入れられる人達が利益を拡大します。

まあ、そんな悲観的な私ですが、今回の世界的株安に対しては「楽観」しています。

その理由は単純で、「まだまだ色々と仕掛けが残っている」から。せっかく色々仕込んでいるのですから、花火大会の暴発で終わるのはツマラナイ。

注目点は中国を巡る東アジア情勢。日本が集団安全保障体制に参加できる状況が整うまでは、危機の引き金は引かれないと見ています。

株安・・・膝の屈伸みたいなもの

2015-08-24 12:43:00 | 時事/金融危機
 

■ 世界同時株安 ■

世間は「世界同時株安」だと大騒ぎですが、年末の利上げをい前にした膝の屈伸かと思います。

十分にストレッチしてからダイブするのは年末から来年に掛けてかな?

■ GPIFもそろそろ支えられなくなって来る ■

日本株の注目点はGPIF。そろそろ運用比率上限に25%に迫ろうとしているので、運用比率を改定しなければ買いたくても買えない事態も起こりえます。ただ、上下の乖離が10%まで認められていますから、日本株暴落を海外勢が本気で仕掛けるまでには、未だ今回の様なプチ暴落を難解か演じて、GPIFの乖離上限枠一杯まで追い詰めてから本気の勝負は来年以降でしょうか?

■ 現在の下落は、一部の人達の利確 ■

私は世界経済の大崩壊は来年以降と推測していますが、今回の下落は一部の人達が利確して売り抜けている事を暗示しています。一部の人達とは・・・危険な市場で運用する義務を負わない人達。

ヘッジファンドや投資銀行などは、他人から運用を委託した資金を運用して利益を上げています。様は運用し続ける義務がある訳です。(どうしようも無い状況ではファンドを解散しますが)。ですから彼らはリスクが遠のけばリスク市場で資金を運用せざるを得ません。

一方、一部の資産家などは自己資金を運用しているので、リスクが見合わなければ投資を手仕舞いして資産保全に入ります。金や現物資産としてどこかに隠すのでしょう。金価格が下落している今こそが、彼らの資産保全には最適です。当然、彼らはペーパー金では無く、現物金で資産をb保全します。

■ 危機の顕在化から本格的な危機の進行までにはタイムラグが有る ■

リーマンショックの元となったサブプライム層の住宅ローンのバブル化は、2006年頃には相当指摘されていましたが、実際にサブプライムショックとなって影響が出始めたのは2007年の秋頃からです。そして、それがMBSやCDO市場を通して世界に伝播するまでに1年を要しています。

市場は時にピーキーに反応してパニックを起こしますが、実はパニックが起きるまでは意外にも鈍感です。一つの理由としては「リスクヘッジが機能している」という幻想が機能しています。

現在は様々にリスクヘッジの方法が編み出されていますから、価格変動は片側で損をした人が居れば片側で得をする人も出て来ます。しかし、ヘッジファンドの業績は、ダウや日経平均の上昇率を昨今では下回っています。多分、リスクヘッジを厳密にすると、収支がどんどんトントンに近づいてしまうのでしょう。リーマンショックの前の様にバリバリにレバレッジを効かせ、無謀とも言えポジションを取らなければ巨大な利益は出ません。

ただ、リーマンショックの教訓は、どんなにリスクヘッジをしても、金融市場や現物市場そのものが崩壊に瀕した場合は、リスクヘッジがどれだけ役立つのかは・・・。

■ 100%起こる事でも、今起きなければ無視する市場 ■

市場の特徴としてもう一つ上げられることは、100%発生するリスクでも、それが今起きなけれ無視して投資が進められるということでしょう。特に「金融システムの崩壊」の様な大きなリスク程無視する傾向が有ります。あまり巨大なリスクを仮定すると、投資先が無くなってしまうからです。

結局、市場は仔細なリスクに敏感に反応する割りに、巨大なリスクを見逃してしまいます。

■ 現在の株価下落は仔細なリスクが原因である ■

現在の株価下落が今後リーマンショックの様な大きな危機に繫がるかと言えば、答えはNOでしょう。市場は「利上げ」という心理的プレッシャーによって、中国経済の減速などネガティブな理由に過剰反応しているに過ぎません。

何となく、皆がリスクを整理し始めたから自分も整理しないと・・・こんな連鎖が始まっているのでしょう。

■ 本当の危機は意外な所から表れる ■

危機とは「損をした人の見方」に過ぎません。危機を仕掛けた側は莫大な利益を手にします。それ故に、本当の危機は誰もが予想をしなかった姿を取って表れます。これを人々はブラックスワンと呼びます。

尤も、ブラックスワンは以前から存在し、人々の目にも触れているのですが、人々がそれをブラックスワンだと認識していなかっただけなのかも知れません。「オオーー、ここにブラックスワンが居るぞ」と誰かが大騒ぎする事で、ブラックスワンの脅威は初めて発生するとも言えます。

危機を仕掛ける側としては身構えられてしまっては利益が減るので、なるべく地味なブラックスワンを育て、そしてある時そいつのケツを突いて大騒ぎさせます。

■ ムズムズ病に支配される世界 ■

今後、小さな危機や下落が何回か訪れるでしょう。しかし、その度に相場はストンと落ちて、m、又ズルズルと回復して行きます。本当に危機のタイミングを事前に知っていれば、下落相場は又とない好機です。しかし、「知っている」と思っている彼らが本当の事を知っているとは限りません。知っていると思わされる事で、ムズムズ病を患った投資家達のエサを演させられているのかも知れません。

■ 安保法制の整備が済めば、日本のバーゲンセールの時は近づく ■

私は自民党清和会など爪の先程も信じていませんから、アベノミクスも巨大な釣り針だと信じて疑いません。

安保法案さえ可決してしまえば、アベノミクスのルアーに仕込まれた釣り針がノドに突き刺さるかも知れません。岸辺でにんまりしているのは・・・・。


投資をされている方々は不安な土日を過ごされたと思います。今後も日経平均はGPIFを丸裸にするまで何回も外資の売りが仕掛けられるでしょうが、その都度、2万円を回復する状況が続くでしょう。ただ、ここで底値を拾って一儲けしようとする場合は・・・・いつかババを掴むかも知れません。