■ 自民党とアメリカの関係が変化したのは小泉政権以降では無いか? ■
最近、戦後の自民党とアメリカの関係を考察しています。
その中で気になるのが、小泉政権以降、
自民党とアメリカの関係が微妙に変化している事です。
これは、自民党や日本が変質したのでは無く、
アメリカ国内の支配権の争いに、変化があったのだと私は考えます。
■ ドル機軸体制の裏側 ■
アメリカは石油利権・戦争屋のロックフェラーと、
銀行屋のロスチャイルドが支配する国です。
この2者は、対立するばかりの関係ではありません。
お互いの利益が一致するならば、協力し合う関係でしょう。
第二次大戦後、世界の経営者達は、ドルを基軸通貨としました。
ドルは12の民間銀行が設立した、連邦銀行が発行する通貨です。
世界の支配者達は、ドルを通じてアメリカの利益の「上米をはねる」という
労せずして大儲けするビジネスを開始さたのです。
ドルの機軸通貨としての地位を確立させるのはアメリカの国力です。
特に、ニクソンショックによって金との兌換制を停止した後は、
ドルの価値はアメリカの石油支配によって確保されていたと言っても過言ではありません。
アメリカが石油を支配する為には、中東を支配する必要があります。
イスラエルは中東の対立を煽る為に作られてた国家で、
イスラエルを中心に中東で戦乱が起こる度に、
中東諸国は幾つかのグループに分かれて反目しあう様になります。
それぞれの国が疑心暗鬼となる背後で、
アメリカは甘言を呈して、いくつかの国家を取り込んでゆきます。
■ ドル防衛の為のイラク戦争 ■
俗に言う『修正ブレトンウッズ体制』は、ドルの価値を『石油の決済通貨』という形で支えています。
ですから、中東諸国が石油のドル決済を停止する事は
ドルにとって、あるいは、ドルから利益を得る勢力にとって死活問題です。
イランやイラク、リビアという国々が、何故アメリカに攻撃されるかと言えば、
原油の決済をドルからユーロやディナールなどに変更しようとしたからだと推測されます。
この点においては、石油の支配者たるロックフェラーと、
ドルの支配者たるロスチャイルドの利害は一致するのでしょう。
さらに、アメリカの戦争屋は、戦争が無ければ破綻する商売です。
ですから、10年に一度程度、戦争を起して来た歴史があります。
そこで、ドル防衛と戦争という目的でイラク戦争が起されたのだと思います。
■ 戦争にはキッカケが必要 ■
戦争を開始する為にはキカケが必要です。
例えば、アメリカの対日参戦のキッカケは真珠湾攻撃でした。
第二次世界大戦当時、アメリカ国民は海の向こうの日本との開戦を望んでいませんでした。
直接、アメリカ国民の脅威とならない国との戦争で、若者の貴重な血を流す事を好まなかった。
ところが、真珠湾を日本国に奇襲されて、アメリカ国民の愛国心に火が尽きてしまいます。
「リメンバー・パールハーバー」を合言葉に、国民が対日戦争を積極的に支持し始めます。
ところが、真珠湾攻撃の事実をルーズベルトは事前に知っていた。
そして、主力艦隊を事前に非難させ、老築艦をあえて攻撃させて、
真珠湾攻撃とアメリカの被害という既成事実を作り上げたのす。
アメリカの戦争の為に、巧みにキッカケを作って来た歴史があります。
ベトナム戦争のトンキン湾事件や
米西戦争(1898年)の米海軍軍艦爆破事件などの疑惑が取りざたされています。
■ 911という茶番が必要だった ■
アメリカが『テロとの戦争』を開始する為にもキッカケが必要でした。
911のテロによって、アメリカ人は「イスラム憎し」へと傾倒します。
しかし、その前にサミュエル・ハンチントンの 『文明の衝突』という論文が果たした役割は無視出来ません。
『文明の衝突』はアメリカ外交評議会(CFR)の発行する『フォーリン・アフェアーズ』という雑誌で発表されます。
アメリカ外交評議会(CFR)はロックフェラーの設立したシンクタンクで、
共和党、民主党の有力議員やキシンジャーなどの外交の重鎮が名を連ねます。
アメリカの外交は、国務省では無く、CFRが決定していると言っても過言では無く、
ヒラリー・クリントンもCFRのメンバーで、論文なども発表しています。
『文明の衝突』は1996年に発表されます。
冷戦終結後の世界の戦争は、「文明」と「文明」との衝突によって起されると主張します。
これを受けた様に、当時の新聞などの論調は、「世界は地域紛争の時代に突入する」と書き立てました。
私も朝日新聞の元旦のカラー刷りの特集を覚えていますが、
コソボを初め、世界各地の紛争地帯や、民族対立が丁寧に解説されていました。
当時は、こんなに地域紛争があるのかと、驚いたものですが、
今になって思えば、地域紛争の計画書の様な内容でした。
『文明の衝突』は、婉曲にキリスト教徒とイスラム教徒の衝突は起こるべくして怒ると主張したに等しく、
実際に、この論文の後に、アルカイーダのテロなどの背後説明に『文明の衝突』が引用されます。
見方によれば、キリスト教徒とイスラム教徒の対立は周到に準備され、
CIAの実働部隊、アルカイーダによって、対立を具体化してみせたに過ぎません。
そして、満を持して911が決行されたのでは無いでしょうか?
911を境に、アメリカ国内は、尖閣対立後の昨今の日本の様に、
一気に好戦的雰囲気に支配されてゆきます。
FOXテレビなどのメディアが、イラク攻撃を徹底的に煽り立てて行きました。
■ 戦争屋のイラク戦争とは別の作戦が進行していた ■
イラク戦争当時、戦争屋の戦争遂行の裏で、
アメリカ社会では、もう一つの大きな改革が進行していました。
それは、『金融革命』です。
金融革命自体は1970年代から始まっています。
これは金との兌換停止によって、大量のドルが発行可能になった事と不可分では無いのですが、
証券化や複雑なデリバティブ取引、債権市場などが活況を呈するのは、1980年代以降です。
小泉改革の時代、アメリカは『構造改革要望書』において、
日本の金融市場の改革と開放を再三に渡って求めます。
最大の要望項目が、『郵政民営化』であり、
さらには『時価会計』の導入など、日本企業の買収が容易になる戦略を盛り込みます。
これらの要望は、アメリカの銀行屋勢力の要求であった事は、想像に難くありません。
■ 反中、反韓、イラク戦争で戦争屋に奉仕し、郵政民営化で銀行屋に奉仕した小泉政権 ■
小泉純一郎氏は、靖国参拝で中国韓国を刺激し、
イラク戦争に自衛隊を派遣するなど、従来の自民党の政策から一歩踏み出した姿勢を示します。
その一方で竹中平蔵氏を先頭に、金融自由化と郵政民営化を遂行します。
小泉純一郎氏は大蔵族の議員ですから、
郵政民営化は金融監督権の一本化を願う大蔵省の悲願であったとも言えます。
■ 小泉時代にアメリカでは銀行屋が台頭している ■
小泉時代、アメリカの最大の変化は、金融革命の進行です。
この時代を境に、アメリカの製造業は衰退し、
代わりに、投資銀行やヘッジファンドを初めとする金融業の台頭が顕著になります。
日米の政治対立も、貿易摩擦から、金融市場の開放に移って行きます。
当然、自民党内でも旧来の金融システムを守りたいグループと、
アメリカの要求を受け入れて、政治的に優位に立とうとするグループに分かれます。
これは、既得権を持つ議員から、既得権を奪う闘争とも言えます。
『大樹』を初めとする特定郵便局は自民党の有力な集票機関ですが、
郵政民経過の結果、郵政族議員などは、離党を余儀なくされます。
「自民党をぶっ壊す」という小泉氏の発言は、
「自民党議員の既得権を奪い取る」と言い換えた方がシックリします。
■ 安倍晋三氏や、福田康夫氏、麻生太郎氏らは既得権を継承している ■
小泉政権の後を引き継いだ、安倍、福田、麻生政権は、
小泉改革を後退させます。
小泉時代の行き過ぎた改革は、自民党の基盤自体を揺さぶるものでしたから、
当然、後続の首相達は、反動的に行き過ぎを是正し、
郵政民営化も後退します。
しかし、これらの政権に対するアメリカの圧力を相当強かったであろう事が予想されます。
アメリカの要求は次の3点がメインだったのでは無いかと思います。
1)郵政民営化
2)金融市場の開放
3)官僚制の解体
安倍政権は、北朝鮮に対する強硬姿勢で国民の支持を得ていましたが、
アメリカが北朝鮮との二国間協議を再開した為に、梯子を外された形となります。
アメリカは、対日要求の進捗が進まない安倍政権との協調よりも、
中国を含み東アジアの関係の中で、北朝鮮との二国間協議を選んだのでしょう。
福田政権も、麻生政権も、党内基盤は盤石ではありませんでしたから、
アメリカの容易を丸呑みすれば、党内の反発は必至でした。
さらに、安倍、福田、麻生氏ともに、自民党の歴史の重みを知る存在です。
ですから、父親や祖父達が必至に築いた日本を守りたかったのだと私は勝手に想像しています。
■ 小沢氏にポリシーは無く、あるのは政権撹乱のみ ■
自民党の末期政権は、マスコミとの戦いでした。
マスコミは自民党政権をボロクソに非難し、
一方で民主党を持ち上げます。
当然に如く、民主党への政権交替が発生します。
マスコミの裏には当然、某米支配層の影がちら付きます。
彼らは、『弱い首相』を武器に、短命政権作戦でアメリカの要求をかわす自民党に匙を投げたのでしょう。
小沢民主党に振られた役割りは、官僚制度の解体だと思われます。
小沢氏は、事務次官会議を廃止するなど、官僚依存体質の脱却を図ります。
一方で小沢氏や鳩山氏は、親中国、親韓国路線によて、
表面上はアメリカとの距離を取ります。
しかし、普天間問題など、当然解決出来ない問題をあえてクローズアップする事で、
鳩山氏は自ら、政権を手放す様な結果に陥ります。
ここら辺が、小沢氏や鳩山氏の分かり難い所で、
郵政民営化の停止は、小泉改革の弊害に気付いた国民を見方につける戦略だと思われます。
実際に、自民党時代の小沢氏は、郵政民営化論者でした。
分かり易く亀井氏を郵政担当大臣に就けますが、
この時期、ゆう貯銀行の運用における米国債保有は自民党時代よりも拡大しています。
さらに、小沢氏、鳩山氏が政権を退く事で、
民主党内の対米従属派が、民主党の実験を握ってしまいます。
結局のところ、政権を取るまでは小沢氏は、国民の耳サワリの良い政策をダシにして、
いざ、政権を取ると、対米強硬派的な姿勢を見せながらも、早期に政権を手放し
結果的にアメリカに全く反論できない政権が出来上がっています。
■ 小沢氏の後ろ盾のジェイ・ロックフェラーはロックフェラーを代表する存在になる ■
小沢氏の後ろ盾はゴールドマン・サックスオーナーのジェイロックフェラーです。
日本郵政時代は、郵政のATMはシティーバンクと提携していました。
ところが、現在の郵政のコンサルタントはゴールドマン・サックスです。
これは、小泉時代から継続しています。
アメリカの財務大臣や、FRB議長が近年ゴールドマン出身者で占められている事から、
アメリカの金融界を支配しているのは、ゴールドマンサックスだとも言えます。
小沢氏は、その忠実なエージェントだとも言えます。
アメリカではデビット・ロックフェラーが高齢ですが、
ロックフェラーを後継するのは、正等な継承者でさるジェイ・ロックフェラが有望視されています。
本来、4代目であるジェイ・ロックフェラーが継承すべきロックフェラー財閥を、
伯父であるデビット・ロックフェラーが継承した所にアメリカ国内の支配のネジレが生じています。
ジェイ・ロックフェラーはロスチャイルドと結託して、
リーマンショックを用いて、伯父であるデビットを追い詰めたのでしょう。
■ ジェイコブ・ロスチャイルドは英ロスチャルド家を継承出来ていない ■
一方、小沢氏と親交の深いジェイコブ・ロスチャイルドは、
イギリスロスチャイルド家の嫡流でありながら、
イギリス・ロスチャイルドを継承できませんでした。
イギリス・ロスチャイルドを継承したのはフランス家のダビット・ロスチャイルドです。
この捩れた関係も、小沢一郎の立ち位置を見え難くしています。
小沢=ロスチャイルドとは一概には言えず、
小沢=反ロックフェラーと言う様に考えた方が良いのかも知れません。
尤も、ジェイ・ロックフェラーがロックフェラーの家督を継げば、
どうでも良い事になってしまうのでしょう。
■ 欧米勢力の後ろ盾でしか安定政権を維持出来ない日本の悲劇 ■
いずれにしても、マスコミが国民世論を操作してしまうので、
政権を安定維持しようとすれば、アメリカの後ろ盾を必要とするのが現在の日本の政治です。
尤も、自民党は党内対立を上手に利用して、
アメリカの影響をかわして来ましたが、
民主党の党内対立は、アメリカ依存を強め方向に働いています。
そこら変が、「面従背反」を得意として来た自民党と、
社会主義の崩壊によって、政権奪取とその維持だけが目的化した社会党の残党である民主党の違いなのでしょう。
■ 私は安倍氏の方が、小沢氏よりも余程信頼できる ■
いずれにしても政局によってポリシーをコロコロ帰る小沢氏の実績は、
政局を発生させて、結果的に現政権の対米依存を高める事だけの様に思えます。
それに比べれば、アメリカの強い圧力で体調を崩して首相を退いた安倍氏の方が
100倍、信用に値すると思われます。
■ 何故、小沢氏は叩かれるのか ■
小沢氏はメディアに叩かれます。
しかし、小沢氏は叩かれる事で、ネットの支持を獲得しています。
さらには、叩かれるからこそ、首相にならずに済んでいます。
現在の日本では、首相になった途端、政治生命が絶たれます。
ところが、首相にならない小沢氏は、いつまでも影響力を行使し続け、
いくつもの政党を作っては、壊してゆきます。
その過程の中で、小選挙区制を実現するなど、
日本の政治の複雑性を排除して、対米抵抗力を削いで来たとも言えます。
尤も、逆から見れば、小沢氏こそが日本の政局を流動化させ、
日本の政治を複雑にしていると見る事も出来、
そこら辺が、小沢氏を完全にクロと認定できない点でもあります。
結局、安倍氏は単純で分かり易く、
小沢氏は、最後まで良く分からない・・・・。
ダラダラと書いてきて、結論は持ち越しです。