人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ワクチンを接種した人は感染し易くなる?

2022-08-30 07:10:48 | 危険なワクチン

■ ワクチン接種者の方が感染率が高いとい厚労省のデータ ■

上のグラフは「ワクチン接種日が不明の人を未接種に含めるのはオカシイ」との指摘をうけて厚労省が「ワクチン接種日が不明の人を統計から外して」発表した5/2-5/8のワクチン未接種者と、2回接種、3回接種の人の感染率の年代別グラフです。40歳台、60歳代~70歳台で、ワクチン未接種者よりも2回接種の方の感染率が高い事が分かります。(5月1ヶ月のデータも発表されていますが、非接種者がグラフから外されたので比較が出来なくなりました。)

しかし、このグラフは正しく有りません。何故なら本来2回接種、3回接種に含むべき接種日不明のPCR陽性者(感染者)を統計から外しているからです。

ワクチン接種者数(2回接種、3回接種)は分かっているので、「接種日不明」のPCR陽性者を、2回目接種、3回目接種の全体の人数比率に従って分配して、上のグラフに加えたものが下のグラフになります。このデータの元はCBCテレビの「大石解説」だと思います。(ネットから拾いました)

 

補正後のグラフが完全に正しいとは言えませんが、厚労省の発表しているグラフよりも現実に即しているハズです。イギリスやイスラエルでも同様の傾向が見られます。

80歳以上以外の全年齢層で2回目接種の感染率が未接種者を上回ります。3回目接種で感染率が低いのは、接種後の時間がそれ程絶っていないので、中和抗体の効果がまだ残っていると考えられます。接種後、時間が経過すれば、3回目接種者の感染率は上昇します。(3回目接種の時期が早かった医療関係者などは、PCR陽性の人がどんどん増えています)

 

■ ワクチン非接種者は感染して抗体を獲得しているハズ ■

このグラフをして「ワクチンを接種した人の方が感染し易い」とは一概には言えません。このグラフはある1週間の新規感染者数がベースになっていますが、ワクチン非接種者は既に感染して自然免疫や抗体を獲得している可能性が高いからです。

ワクチン非接種者は若者に多く、彼らは高齢者程、新型コロナの感染を恐れていません。社会活動も普通に行っている人も多いので、感染率の高いオミクロン株は、これらの人を中心に感染を拡大しました。しかし、ワクチン非接種者の多くは、オミクロン株に感染しても軽症に終わるので、回復後にワクチンを接種する人は少ないと考えられます。結果的に、ワクチン非接種者の多くが免疫を獲得しているので、新規感染し難い状況になっていると思われます。

さらに、非接種者は多少の発熱や咳の症状でPCR検査を受ける事は無いので、感染者数を把握し切れないという影響も考慮する必要があるかも知れません。尤も、これらの人にとっては、オミクロンは既に「ただの風邪」になっています。多少ウイルスが変異しても、交差免疫が働くので、症状は軽く、一方で免疫は最新型にアップデートされて行きます。

 

■ ワクチン接種者が感染しても多くが軽症 ■

3回接種を済ませた医療従事者が簡単に感染してしまう事からも、2回、3回接種後2か月以上を経過すると、ワクチンの予防効果はかなり低下していると思われます。しかし、若い世代では、感染しても症状は軽い。PCRで陽性になっても発熱もしない人が多いそうです。

一方で、私達と同世代(50代)でワクチンを接種した方が感染して、症状が重かったという方も居る(身近に二人程)。軽症と言われるオミクロン株ですが、個人の免疫力によては、症状が重くなる事もある様です。

 

■ 新型コロナで亡くなるの人は実は少ない ■

毎日ニュースで「昨日の新型コロナ死者は〇〇人です」と発表されていますが、その多くが直接の死因は他の病気です。厚労省は「PCR陽性の死者は全てコロナ死者としてカウントする」という通達を出していますから、高齢者施設で誤嚥性肺炎で亡くなった方でもPCR陽性ならばコロナ死者となります。実際に、高齢者のコロナ死者の死因の多くが、ガン、心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎、感染性肺炎、老衰だとの指摘がされています。これ、普通に加齢によって亡くなっているだけ。ただ、高齢者施設にもオミクロン株は入り込んでいて、免疫の弱い高齢者は簡単に感染してしまうので症状が弱くともPCR検査で陽性になる可能性は高い。

令和4年の1月~3月の人口動態調査の速報値が発表されています。そこから死因別の人口十万人当たりの死者数を拾ってみます。

感染症及び寄生虫症    2,078

ガン(新生物)     33,641

循環器系の疾患     35,064

神経系の疾患        5,213

糖 尿 病   など      2,470

新型コロナウイルス感染という項目が無いので、「感染症及び寄生虫症」の中の「その他の感染症及び寄生虫症 554人/10万人当たり」に含まれていると思われます。日本の最新の「新型コロナの死者数=PCR陽性の死者数」が235人/1日、これを3カ月の人口10万人当たりに換算すると、16.94人/10万人となります。その他感染症の死亡者数(1月~3月)が554人/10万人たりですから、新型コロナの感染で亡くなる方が如何に少ないかが分かります。16.94人というのは厚労省が発表している速報値なので、「PCR検査陽性の死者数」で、直接的な死因が新型コロナとは限りません。

こうやって数字で比較すると、「PCR検査陽性の死者数」ですら、全体の死因の中でも「コロナ死」の少なさに改めて驚かされるかと思います。現在、日本人にとって新型コロナウイルスは、その程度のチンケなウイルスなのです。はっきり言って単なる風邪。

知り合いの医者は、「デルタは怖かった。本当に自分が受け持っていた高齢の患者が何人も亡くなった。でも、オミクロンは高齢者でもちょと熱が出て鼻水程度で治る」と言っていました。医療関係者の多くは「オミクロン=単なる風邪」という認識ですが、何故だかTVに出演される先生方は、「コロナは恐ろしい」と繰り返し語ります。

 

■ チンケなウイルスで、実権的な遺伝子治療ワクチンを接種し続ける必要が有るのか? ■

実はここからが本題です。

これまで書いて来た事より、新型コロナウイルスは、既に単なる風邪程度の毒性のウイルスである事はご理解頂けたと思います。(元々、日本人にとってはインフルより毒性の弱い風邪程度のウイルス)

その程度のウイルスに対して、実権的な遺伝子治療ワクチンを、子供まで含めた多くの国民に繰り返し接種する必要があるのでしょうか。

「ワクチンを接種しているから、この程度の被害で済んでいる」とおっしゃる方も多いかと思いますが、少なくとも、子供や40才以下の若年層にとってはワクチンを必要とする様な感染症でない事は明らかです。

そもそも、コロナ以前は、「ワクチン接種は自分が感染しない為に受ける」ものであって「大切な人を守る為」に接種するものでは無かった。コロナの初期には、「高齢者やハイリスクの人達が行動抑制をしている間に、感染による免疫を獲得した人を増やし、その後、ワクチンによって高齢者やハイリスクの人を守る」という作戦だったハズです。これは正しい。

ところが、ワクチンが登場すると「大切な人を守る為に、接種対象の国民全員が接種しましょう」に変わってしまった。これは世界中で、ワクチン接種の目的がすり替えられた。

 

私は始めは新型コロナウイルス騒動は「経済兵器」だと考えていました。ロックダウンや規制によって経済を破壊し、補助金のバラマキによって強引にインフレを引き起こす「グレートリセットの道具」だと。ワクチンに多少の危険性があったとしても、統計的に分からない程度の害で、製薬会社の金儲けに過ぎないと軽く考えていまいた。

しかし、新型コロナウイルスの実質的な危機が過ぎても、各国政府がワクチン接種に拘り続けるのは何故か・・・・。陰謀論者で無くとも、そろそろ、その異常性に注意した方が良いのではないか。

 

私は新型コロナウイルスが日本に入って来た初期に、PCR検査のハードルを上げて国民が知らず知らずの内に感染する様に仕向けた故安倍元首相を高く評価しています。ワクチン接種やロックダウンにも彼は消極的だった。彼の背後には保守の大物達が居ましたが、彼らは日本人を守ろうとしていたのだと思います。

一方、岸田首相は官僚的ですから、財政的に日本の超高齢化社会が維持出来ない事に自覚的ですし、世界が同時にその解決に動くなら、彼はその流れに躊躇無く乗ると私は妄想しています。そして、私的にはそれを「悪」と断罪する気は毛頭無い。ただ、自分や家族、知人や、このブログの読者にその害が及ばない事を祈るだけです。


T細胞免疫を抑制するm-RNAワクチン・・・シュートウリジン修飾

2022-08-26 04:05:28 | 危険なワクチン

■ シュートウリジン修飾により実用化に至ったm-RNAワクチン ■

ファイザーに新型コロナワクチンはドイツのビオンテックが開発したものです。ビオンテックはm-RNAワクチン開発に特化したベンチャー企業です。モデルナも同様のベンチャー企業です。

 

m-RNSワクチンは1990年代から開発が始まりしたが、実用化までには数々の障壁がありました。その一つが挿入されたm-RNAによって細胞内で作られたタンパク質の立体構造が安定しないというものでした。m-RNAがコードしたタンパク質は最初は紐状ですが、これが複雑に折りたたまれて立体構造を作ります。タンパク質は、その立体構造によって様々な機能を発現する「ナノマシン」です。例えば、ヘモグロビンは電荷を帯びた窪みを持つ立体構造をしており、この窪みに酸素を収納する事で酸素を運びます。

m-RNAワクチンは、抗原となるタンパク質をウイルスが作るタンパク質と同じ立体構造になる様に作る必要がありますが、ウイルスの塩基配列をそのままコピーしても、立体構造の再現が上手く出来なかった。ファイザーとモデルナは、m-RNAのウリジンをメチル化して安定させたシュートウリジンで置き換える事で、安定して立体構造を作り出せる技術を確立しました。

 

■ 自己免疫を抑制するシュートウリジン修飾 ■

シュートウリジン修飾には思わぬ副産物も有りました。従来の人造m-RNAを細胞内に導入すると、人造m-RNAは遺物として認識され、免疫によって分解されてしまいました。その為にm-RNAワクチンの効果は著しく低かった。ところがウリジン修飾を施されたm-RNAは自己免疫を抑制する効果が有り、導入されたm-RNAが免疫によって分解されずに、効率的に抗原のタンパク質を生産する事が可能になりました。

ファイザーやモデルナのワクチンが接種され始めた当初より、様々な研究機関が「ワクチン接種後にT細胞免疫が不活性になっている」という報告をしていますが、これはm-RNAのシュートウリジン修飾の影響と思われます。

 

シュートウリジン修飾の免疫抑制効果は、自己免疫疾患の治療に使えると期待される程の効果を持つ事から、m-RNAワクチンを接種後にT細胞免疫が低下する現象は、起こるべくして起きていると言えます。自己免疫の抑制は、接種されたm-RNAが分解されるまで続くと考えられます。

 

T細胞免疫はガンを攻撃するなど、人体内の異物やウイルスを攻撃して健康を守る重要な役割を負っています。一時的とは言え、T細胞免疫が低下するのですから、ガン患者などには大きな影響が出ると予想されます。多くのガンの専門医が、「ワクチン接種後に患者のガンがコントロール出来なくなった」とか「若年者では10年に1人程度しか見た事が無い膀胱がんが増えている」などと発言しています。ガンの治療をされている方は、m-RNAワクチンの接種は命取りになる可能性が有ります。

 

さらにT細胞免疫の抑制によって、免疫によって抑えられていた水疱瘡ウイルスが活性化して帯状疱疹が増えたり、カンジタ菌やヘルペスウイルスが活性化したりします。ワクチン接種後に帯状疱疹を発症する人が増えている事はニュースでも報道されています。

 

■ 打てば打つ程、コロナに感染し易くなる ■

シュートウリジン修飾とは別の作用で、m-RNAワクチンを打てば打つ程、新型コロナに感染し易くなるメカニズムも分かって来ました。ワクチン接種開始直後に理研は「良い抗体と、悪い抗体が作られるが、良い抗体よりも悪い抗体の方が長く生産される」と発表しています。悪い抗体とは「感染し易くする抗体」です。勿論、この研究が報道される事はありませんでした。

先日ドイツの研究チームが「良い抗体」と「悪い抗体」の定量的な解析を行いました。m-RNAワクチンを接種するとIgG1,IgG2,IgG3,IgG4という4種類の抗体が生産されます。この内のIgG1とIgG3は中和抗体で感染予防や重症化予防に役立ちます。一方IgG2とIgG4はT細胞の働きを抑制する抗体で、スパイクタンパク質を異物と認識させなくする抗体です。これは抗原抗体反応では一般的で、T細胞免疫を抑制する抗体が生産されないと、抗体が自分の身体の組織まで攻撃する自己免疫疾患を起こします。

問題はこれらの抗体の量の推移にあります。ワクチン接種直後は中和抗体が活発に生産されますが、60日後には中和抗体の生産はかなり低下します。一方、この頃から抑制抗体の生産量が増えて来ます。そうすると、ワクチン接種者はワクチン非接種者よりもコロナウイルスに感染し易い状態になります。アストラゼネカなどのDNAワクチンでは、免疫抑制性の抗体の生産は限定的なので、ドイツの研究チームは「m-RNAワクチン特有の現象」では無いかと推測しています。

「ワクチンを接種すればする程、新型コロナに感染し易くなる」事は、イスラエルやイギリスのデータでも明らかになっています。日本のデータだけが傾向が違っていまいたが、これは厚生労働省がワクチン接種の日付が分からないと答えたワクチン接種者を「未接種」とカウントしていた為で、国会で追及され、4月以降、厚労省はワクチン接種日の分からない人を統計から外しています。(本来は1回、2回、3回接種に入れるべきところを、未だ厚労省はデータを誤魔化しています)

世界の「正しいデータ」が示す通り、ワクチン接種を繰り返せば繰り返す程、感染率が上りますが、その原因はT細胞を抑制する抗体が接種後2か月すると増えて来るからです。娘は医療関係なので、職場の人達も3回目接種を早期に終了していますが、医者も看護師も見事に感染しています。可哀そうに日本の医療従事者は4回目のワクチン接種を強制されていますが、接種後2か月で彼らは再び感染する可能性がある。尤も感染しても風邪程度の症状なので、コロナ保険に入っている人は、仕事を休めてさらにお金が儲かってしまってウホウホ・・ゲフンゲフン・・・。

■ 運が悪ければ血栓か心筋炎で死ぬ ■

コロナワクチンによる死者の多くが心筋梗塞や脳血栓、或いは心筋炎ですが、これらは新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の引き起こす症状なので、感染してウイルスが体内で増殖しても血栓による影響が起る事が有ります。新型コロナのスパイクタンパク質は、TOL6受容体を刺激して、血小板凝固を引き起こすPF4の引き金を引く事が分かっています。

ただ、自然感染の場合は、自然免疫がある程度ウイルスの増殖を抑え込みますから、高齢者やハイリスクの人以外では重症化し難く、当然、体内でウイルスが製造するスパイクタンパク質の量も少ないので、普通の免疫力を持た人が感染で大量に血栓が出来るケースは希でしょう。

一方、ワクチンは自己免疫をすり抜けて体内で大量のスパイクタンパク質を製造しますから、血栓が出来やすい何等かの因子を持った人や、心臓や脳の血管が細くなったり、詰まり掛けている人は死ぬ危険性が高まります。昨年は世界的に心筋梗塞の患者が増えてWHOが警告を発していますが、この原因はワクチン接種だと私は邪推しています。

 

■ このワクチンを繰り返し接種する人あは勇者だ ■

私の知る限りでも、ワクチン接種後にガンが急激に悪化して亡くなった方、体調不良が続いている方、急激に20歳程見た目が老け込んだ方などがいらっしゃいます。一方で、ワクチンを4回接種してもピンピンしている高齢者も大勢居ます。但し、あくまでも短期的な影響しか現在は分かりません。

将来的にガンが増えたり、自己免疫疾患の人が増える可能性は、今の所ゼロではありません。

「大切な人を守る為に」というキャッチフレーズで子供にまで接種の「努力義務」が課せられた「治験中の遺伝子治療ワクチン」ですが、m-RNAワクチンについて調べれば調べる程、このワクチンを繰り返し接種する人は「勇者」に思えてなりません。


真夏の天空ライド・・・ビーナスラインへGO!

2022-08-16 11:53:48 | 自転車/マラソン

 

 

夏は暑い。

自転車乗りの夏はさらに暑い。

そこで、標高の高いと所を目指す訳だが

千葉県の最高標高は400m台・・・これは山国では平地以下の標高だ。

 

そこで、長い時間、1500m以上の場所を走れるコースを探しました。

見つけた!!

霧ヶ峰と美ヶ原を結ぶ「ビーナスライン」が1500m以上を20km以上走れるコースだ。

 

 

そこで、「真夏の天空ライド」に行って来ました。

皆さん、画面で涼んで下さい。


自転車キャンプでヤビツから道志へGO!

2022-08-05 09:05:12 | 自転車/マラソン

夏の平地は自転車乗りにとっては灼熱地獄と化す。アスファルトの照り返しと、横に並ぶ自動車の排熱で、市街地は40℃を越える事も。真夏のツーリングは如何にして暑さから逃げるかがポイントになる。

 

1)深夜や早朝に市街地を抜ける

2)涼しい時間帯に標高を上げておく

3)暑い日中は休憩するか、のんびり走る

4)涼しい所まで、車か電車で移動する

 

だいたい、こんな方法で真夏でも自転車を楽しんで来ましたが、最近は自転車キャンプが楽しみに加わりました。涼しい所まで行って、キャンプ場に一泊して、翌朝は涼しい時間帯に、下り基調で帰って来れるのがポイントです。

 

今回は昨年の東京オリンピックのロードレースの観戦同様に、ヤビツ峠を登ってから、道志村のキャンプ場を目指します。昨年は裏ヤビツが通行止めで、ヤビツ峠から秦野に下り、伊勢原から日向薬師経由で宮ケ瀬に登り返し、道志みちに入りましたが、酷暑の時間帯に宮ケ瀬にヒルクライムしたので、足が攣りまくって道志みちは「デスロード」と化しました。

今回は裏ヤビツの通行止めが解除されているので、涼しい時間帯に道志みちに入りました。浦安を始発で出発して、ヤビツを8時に登り始め、1時間で峠に到着。10時25分に道志みちに入りました。ここからは、山間部と言えども暑さとの戦いです。水を頭からジャンジャン掛けながら、熱中症を防ぎます。塩飴を2粒、3粒同時に口に放り込み、ポカリをがぶ飲みして足攣りに備えます。

神奈川-山梨 県境の両国橋の登り返しさえクリアーすれば、後は長閑な景色の中、道志村まで極上夏ライドを楽しみます。

 

では、動画をお楽しみください。

 

 


『ゆるキャン△』とは女子高生のドロドロの人間関係を描く作品だった 

2022-08-03 03:06:36 | アニメ

『映画 ゆるキャン△』より

 

■ 『映画 ゆるキャン△』に賛否両論 ■

『映画 ゆるキャン△』に賛否両論が巻き起こっています。

女子高生がキャッキャ・ウフフとゆる~いキャンプをする作品を期待していたファンからは「社会人のシリアスなドラマは観たく無い」とか「キャンプシーンが少ない」などの苦情が出ています。

一方で「成長した彼女達の姿を観れて最高」とか「社会人である自分は、彼女達の気持ちが痛い程分かる」といった肯定的な評価も多い。そして、この作品の本質を理解しているレビューは概ね「名作認定」しています。

 

■ 『ゆるキャン△』の本質は、女子高生のドロドロとした人間関係 ■

私は『ゆるキャン△』を高く評価していますが、それは私がキャンプ好きだからでも、女子高生好きだからでもありません。私は『ゆるキャン△』は「女子高生の微妙な人間関係」を、かなりリアル描いた稀有な作品だと思っています。

志摩リン(しま リン)はソロキャンプが好きな無口な女子高生。そんな彼女が本栖湖でキャンプをしていると・・・キャンプ場のトイレの前で各務原なでしこ(かがみはら なでしこ)が寝ている所に遭遇します。風邪を引かないかと気にはなりますが、リンは彼女を起こそうとはしません。ナデシコは夜、寒さで目覚め、リンに助を求る。こうして二人の関係が始まりますが、人懐こいナデシコにリンはどう接して良いか分からない。多少迷惑に感じても居ますが、するりと間合いに入って来るナデシコとの関係に、心地よさも感じ始めます。

リンはある種の「コミ障」で、又ある種の「厨二病」でもある。彼女は一人を好み、他人と深く関わろうとはしませんが、それを苦にする事はありません。価値観もだいぶズレていて、祖父の影響を強く受けているので同年代とは合わない。そして、彼女は決定的に言語表現が苦手です。モノローグでは結構饒舌ですが、美味しいものを食べた時のモノローグを聞くに「言語表現のセンス」というものを全く持ち合わせていません。故に、同年代の少女達と、フワフワとした会話のキャッチボールをする事が出来ない。即答を求められる様なケースでは「考えておく」と答えるしかありません。

一方、ナデシコは天真爛漫な子供キャラですが、「共感力」のバケモノです。相手も気付いていない「相手の求めるもの」を見付ける天才とも言えます。ナデシコはリンのパーソナルエリアの内側に一瞬で踏み込みます。一瞬でリンの障壁を中和してしまうのです。リンは、利口を装っていますが、実は論理的思考は苦手です。むしろ感覚的。そんなリンにナデシコは相性が良い。ナデシコの言葉は「ウワー、キレイだねリンちゃん」と言った様に「単純で感覚的」ですが、実はリンがモノローグで捏ねくり回す言葉よりもリンの感じている本質に近い。だからリンはナデシコを通じて自分の本当の気持ちや感覚に気付かされている。

一方で「野クル」のリーダーである大垣千明(おおがき ちあき)とリンの相性は非常に悪い。TVシリーズの冒頭の方で「大垣千明か、私、あいつ苦手なんだよね」とリンは口にします。チアキは積極的で多弁なキャラに見えますが、実はかなり論理的で思慮深い。女子高生の中では、大人とも言える。そんな彼女が同年代の少女達に上手く接するには、「明るい女子高生キャラ」を演じる必要が有ります。他人とのズレを埋める努力をしないリンと、他人とのズレをキャラ設定によって埋めようとするチアキは対象的です。しかし、チアキはキャンプの師としてリンに興味が有りますし、一人の人間として孤高を貫こうとするリンにも興味を持っています。リンの「脆い純朴さ」を尊いものと理解しながらも、リンに他人との交流を持たせる手助けもしたい。リンに嫌われている事を自覚しながらも、リンと友達になりたいとチアキは願っている。そして、ナデシコを介して、リンとの関係を結びます。高校時代のリンとチアキの関係は、ナデシコという触媒無くしては成り立ちません。

チアキには中学時代からの親友が居ます。犬山あおい(いぬやま あおい)は関西弁のおっとりキャラ。チアキとアオイは同じ中学校出身ですが、アオイは転校生という事もありあまり友達が居なかった様です。一方、精神年齢が同級生に比べて高いチアキも浮いた存在だったでしょう。アオイは多弁ではありませんが、洞察力に優れ、精神年齢も高い。そんな二人が親友になるのは必然とも言えます。チアキは世話焼きですが、自身にアンバランスな危なっかしさが付きまといます。自分が他人を傷付ける事にも自覚的です。そんなチアキが本心を明かすのはアオイだけですが、アオイにはそれを受け止める包容力がある。

リンと、チアキとアオイという本来ならば接点を持たないであろう人達を、ナデシコは自然に結び付けて行きます。それは「皆で一緒ならばもっと楽しい」という純粋な願望による行動です。そして、リンも「一緒は楽しい」という自分でも知り得なかった感情に徐々に目覚めて行きます。

一方で、人との関わりを持てないキャラも存在します。野クルメンバーとキャンプに行く斉藤恵那(さいとう えな)はリンの友達ですが、積極的な友人関係と言うよりは、他人と距離を置くという点においての「共犯者」的な慣れ合いの関係です。エナの対人スキルはリンに比べて高いので、一見、友達付き合いが上手に見えますが、実は彼女は他人に興味が持てない。作品の中では「マイペースな人」として描かれますが、女子高生達の中では異質な存在です。そんな彼女は人間よりも飼い犬のチクワとの関係を重視しています。そして、チクワを介して友達と付き合っている。キャンプにチクワを同伴するのは、チクワ無くしては、他人と繋がりを保てないからとも言えます。

■ 不気味で特異なキャラ ■

『ゆるキャン△』は女子高生だけで無く、教師や家族も丁寧に描かれます。そんな大人キャラの中で、彼女達に影響を与えるのはリンの祖父、ナデシコの姉、顧問のグビ姉の3人です。

この3人のキャラは、大人として彼女達の成長を見守る役を負っていますが、それぞれ少し不気味です。特にナデシコの大学生の姉は、大人っぽいと言うよりは他人を寄せ付けない鋭利さを持っています。彼女はリンにある種のシンパシーを感じていますが、それは孤独が好きな面が引き合うからでしょう。しかし、リンとナデシコの姉の決定的な違いは、友達が居るか居ないか・・・いえ、要るか要らないかでは無いか?ナデシコの姉は、ナデシコの様な友達が出来なかったリンの将来の姿、或いは、陽気キャラを演じる事を捨てたチアキの将来の姿とも言えます。

リンの祖父は、「カッコイイ大人」のアイコンとして描かれているので、キャラクターの奥行に乏しい・・・と言うか敢えて奥行を描かない事で、アイコンとして孤高です。これはこれで良い。

面白いのはグビ姉と呼ばれる顧問です。彼女は「大酒飲み」というキャラが与えられて、物語に笑いを生むネタ的なキャラクターです。一方で、普段の彼女は真面目で消極的ですが、顧問としてナデシコ達の活動を見守り、サポートします。リンの祖父や、ナデシコの姉の対極として「ダメな大人」として描かれるグビ姉ですが、作品における彼女の存在は小さくありません。精神年齢の高いチアキやアオイも、グビ姉を大人として、そして姉的な存在として慕い、頼りにしています。

 

■ リアルな女子高生の関係は20代後半ではどう変化するのか ■

『映画 ゆるキャン△』は女子高生だった彼女達の10年後?を描く作品です。実はこの設定は「キャラクター物」としての漫画やアニメでは異例です。『ゆるキャン△』は日常系の作品ですから、『サザエさん』や『チビまるこちゃん』の様に普通はキャラクターは成長しません。仮に成長したとしても、高校を卒業する程度までが普通。

TV版『ゆるキャン△』では成長した彼女達が夢として描かれますが、それは単なるエピソードに過ぎません。様々な作品のエピローグに登場する「数年後の主人公達」みたいなネタに過ぎません。

「キャラクター物」にとって「成長」はリスクです。ファンは「キャラクター」に愛着を持っていますから、成長して反抗期になったタラちゃんには共感を持てません。成長して良いのは『渡る世間は鬼ばかり』の「えなりかずき」や、『北の国から』のジュンとホタルだけです。おっと、『大草原の小さな家』のローラを忘れていました。(これらの作品は、成長を描く日常作品ですし、生身の俳優は実際に成長してしまう)

話が逸れましたが、「キャラクタ物」としてリスクを伴う「成長」を描いた事は『ゆるキャン△』という作品の本質に関わる問題です。『ゆるキャン△』の原作者や、スタッフは、単なる女子高生のキャッキャ・ウフフのキャンプを描きたかったのでは無く、リアルな女子高生の人間関係を描きたかった。だから映画版で成長した彼女達の姿を、原作者やスタッフは「見たかった」。

『映画 ゆるキャン△』で、社会人となった彼女達の描き方はリアルです。リンは名古屋の零細地方紙の記者として働いていますが、「自分らしい企画」を作る事が出来ずにいます。ナデシコは東京でアウトドアのショップ店員をしていますが、これは天職の様で、「他人の欲している物を感じ取る能力」を存分に発揮しています。チアキは東京でイベント会社に勤めた後、地元に帰り観光振興協会で地元のPRをしています。アオイは鰍沢の小学校の教諭になっていますが、学校は廃校が予定されている。エナは横浜でペットのトリマーとして犬に囲まれた生活をしています。

それぞれのキャラクターが、「まさに、この職業しか考えられない」という職業に就いているだけで、原作者やスタッフのキャラクターに寄せる思いの強さを感じます。

就職して、住む場所もバラバラになった彼女達は、いつしか一緒にキャンプに行く機会も無くなり、LINEやインスタで近況を報告しあう仲となっています。高校の友人のアルアルです。そんな中、チアキが突如として名古屋のリンの元を訪れます。相変わらず迷惑キャラのチアキですが、チアキがナデシコ抜きでリンを訪れる事に、10年の歳月が積み上げた二人の関係が垣間見れます。リンは「相変わらず迷惑なヤツ」と感じながらも、チアキに普通に接しています。まあ、その後、タクシーで山梨まで拉致されるので、迷惑には変わり有りませんが・・・。

リンが拉致された先は、山梨県富士見町にある廃施設。そこをチアキはキャンプ場にしようと画策しています。当然、仕事の一環として。そこでキャンプに詳しいリンの意見が聞きたかったのです。こうしてゆるキャン△メンバー達のキャンプ場作りが始まります。草刈りや整地といった慣れない作業に戸惑い、さらには、思わぬ事態も発生して、挫折を味わう彼女達ですが・・・大人となった彼女達は諦めません。色々な策を練って、目的の実現の為に努力し、そして勝ち取る。

普通の社会人が日々の仕事の中で行っている、工夫と努力を、社会人となったゆるキャン△メンバーも普通のやっている・・・これは素晴らしい事です。高校時代に「ゆるキャン△」を読んでいた、或いはアニメを観ていた人達も、既に社会人となった人達も居るでしょう。彼女、彼らには、この物語は刺さります。いえ、50代後半の私にも刺さります!!

■ 白眉は廃校となった小学校の校庭でのチアキとアオイ ■

2時間という長めの映画ですが、全く飽きる事無く、観客を山梨の山村に連れ去ります。どこを取っても名シーンですが、どれか一つを挙げろと言われたら、廃校式が終わった小学校の校庭でのチアキとアオイのシーンが白眉。

学校の荷物を持って出て来たアオイを車でチアキが迎えに来ます。雨が降っている・・・。ちょっと物思いに耽るアオイをチアキが肩で小突いて傘から追い出します。ニシシと笑うチアキ。「ちょっとシンミリした・・・・。うそやでぇ~~」と言うアオイだが、表情には影が有る。アオイの口癖を見事に使いながらも、二人の信頼関係の深さと、二人の成長を見事に描いています。「映画的な名シーン」と言えます。

■ 「彼女達は実際に身延に居る」という確信を抱かせる事 ■

『ゆるキャン△』ファンが作品に登場したキャンプ場や、身延の街へ聖地巡礼に訪れるのは、「そこには彼女達が居る」と思わせる「実在感」を作品が作り出したから。それは、ある種のドロドロした女子高生達の人間関係を丹念に描いた成果であるとも言えます。

『映画 ゆるキャン△』に失望した人の多くが、この作品の「表面的な可愛さ」しか見ていないのでしょう。そういうファンが支える作品だと知りながら、敢えて期待を裏切った『映画 ゆるキャン△』のスタッフ一同には、心からの拍手と感謝を送りたい。名作です!!