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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ユーロ危機という茶番・・・民主主義の本質を見せつける欧州

2011-11-30 10:12:00 | 時事/金融危機
 

■ ユーロ崩壊が秒読み? ■

とうとうドイツ国際の2/3が売れ残る事態となり、
「ユーロ崩壊が秒読み」などという見出しも見られます。

ところがユーロはちゃっかり財政統合に向けて大きく踏み出しています。
国債格付けの高い国で、ユーロ共通債を発行し、
それを元手に、ギリシャ、スペイン、イタリアを救済するという案が急浮上しています。

■ 財政統合に反対する国民と ■

ユーロ危機の茶番劇は、「民主主義など存在しない」事をまざまざと見せつけます。
平時には、EU統合に関する条約の批准は、各国でかなり国民の反感を招きます。
安い労働力に職を奪われる労働者などが反対して、
国民投票が何度もやり直されたりしながらも、EUは現在の姿に辿り付きました。

ユーロ参加に関しても、ドイツ国内では、
「強いマルクを捨てる必要はない」という意見も多く、
非常時には議会の決議でユーロを離脱出来る事を条件に、
マーレヒト条約を批准しています。

まさに今がその非常時で、ドイツ国民の多くは
「怠け者のギリシャ人をドイツが救う必要は無い」という意見です。

ところが、いざユーロを離脱使用としても
不可能な状況にある事に国民は気付き始めています。

1) ドイツの市場はEU諸国ですから、ユーロの崩壊でドイツは市場失う
2) ドイツの多くの企業が、他のユーロ圏諸国に工場などを進出している
3) ドイツの多くの金融機関がユーロ建ての債権や株を大量に保有している

■ 「民主主義」を無視して進む財政統合 ■

一方、ユーロの崩壊を目前にして、
EUの指導者達は、「民主主義」って何だっけ?くらいの勢いで、
EUの財政統合に向けて突き進んでいます。

ここには既に「国民の議論」などは存在せず、
「崩壊か、チャレンジかを選べ」という理論しかありません。
「崩壊」はさすがに国民も厭ですから、
当然「チャレンジ」しか選択肢はありません。

ここに「民主主義の本質」が露わになっています。

「民主主義は大事な事は何一つ決められない」のです。

国民の利害は、重要な事柄においては相反します。
だから、国家の行く末を左右する様な事態を前に、
民主主義は機能不全に陥ります。

そして、国家存亡の危機を前にした時、
各国政府は「非常事態」を宣言して、議会の権限を制約する事も出来ます。

■ 政治よやり方を熟知しているユーロ・エリート ■

共通通貨ユーロを採用した時点で、現在の窮状は予想されていた事態で、
それをも織り込んだ上で、彼らは通貨統合に踏み切っています。
その先の財政統合、そして政治統合を目指して。

ヨーロッパのエリート達は民主主義の弱点を熟知しています。
彼らは、各国国民が反対する「統合」を強行するに当たり、
だらだらとユーロ危機を煽り続けてきました。

「何も決まらない」のでは無く、「何も決めず」にいたのです。
そして「は有無を言わさぬ状況を見事に作り出したのです。

■ 「民主主義の幻影」に騙されるな ■

国民は集権がわが手にあると錯覚する事で、不利な条件も甘んじて受けます。
「民主主義」とは為政者が国民に与える「媚薬」なのです。

しかし、「何も決められない民主主義」よりも、
高い理念のもとに運営される「独裁」の方が、
国民に利益をもたらすのであれば、単純にそれを否定出来ない事も事実です。

■ 「強いユーロ」が誕生した時・・ ■

ヨーロッパは為政者も国民もなかなかシタタカです。

一方アメリカはどうでしょう。
アメリカの財政危機と住宅市場の崩壊による金融市場の破綻は、
ユーロ危機に隠されています。

ユーロを回避した資金は、ドルに還流しています。

さて、年が明けて「強いユーロ」が誕生した時、
ドルの真実が問われる事になります。

武田先生は間違っていない・・・まさに正論

2011-11-30 08:29:00 | 時事/金融危機
 

■ 反対の視点から見ても、正論を述べている武田先生 ■

本日の武田先生のブログを全文引用します。

<引用開始>

原発を再開し、または新設できる条件



福島原発事故の一つの原因が「地元に交付金(危険手当)をだしたこと」である。日本社会は「誠実、真面目」と思っていたが、よくよく考えてみると「乞食社会」でもあった。原発は安全という御札を床の間に貼って、首相から市長まで偉い人はすべて「原発は安全」と言い、本当は危険だから僻地に作って消費地まで延々と送電線を引き、地元に危険手当を出してなだめてきた。


危険手当を出すぐらいだから、危険なのに決まっている。地元も危険を承知で危険手当を貰ったのは間違いない。安全なのに危険手当を貰うということになると、乞食というより詐欺になる。


でも、このようなことが原発の安全議論をおろそかにし、事故を起こした。事故が起こってみると、交付金(危険手当)を貰っていないところも被害を受けることが明らかになった。このような不合理で不真面目な制度を残しておくとまた事故が起こるのは間違いない。


「原発を安全にする」というのは、1)耐震・耐津波設計をする、2)日本の気候風土にあった原発を設計する、3)御札主義を止めて事実を元に判断する、4)救命ボート(非常時の通報、避難、救助のシステム)を備える、5)被曝と健康の関係をハッキリさせるか1年1ミリの予防原則を堅持する、などが必要であるが、それに加えて社会システムの整備も大切だ。


まず、1)現在行われている地元への交付金、補助金の類を全廃すること、2)原子力基本法に定められた「自主民主公開」の原則を厳格に実施する、3)原子力安全委員会・同安全委員会の独立性を確保する(今の二つ委員会のメンバーは辞職し、あるいは傷害罪で取り調べが必要)、などを行い、「世界で初めて日本が通常運転時の事故を行った恥」をそそがなければならない。


・・・・・・・・・


もう一つ、これは機会を見て再度、取り上げたいが「推進派、国民一般、反対派」のいずれもが「アウトロー的な言動」を避けるということだ。原発を進めるかどうかは日本人、特に子供にとって大切なことだから、思想でものを言うことを後退させて、真摯な議論をしなければならない。


日本人の多くが原発に不安を持ち、同時に電気も必要と感じている。だから、その現実を直視して、「絶対推進」でも「絶対反対」でもなく、なにが問題なのか、どうしたらよいのかを前向きに議論するべきである。


少なくとも、「地震が起こらない外国では1つも破壊されていない」、「震度6では100%破壊した」という現実をよく認識することだ。チェルノブイリもスリーマイル島の原発事故も通常の運転をしている時ではない。その意味で、まずは事実を見るということにもっと力を注がなければならない。


東電が自分で放射性廃棄物をまき散らし、被害を受けたゴルフ場に対して屁理屈をこねて裁判に勝ったりしているので、ますます国民は原発から離れるだろう。電力会社はこれまでズッと威張ってきたから頭の下げ方を知らないのは仕方が無いが、このままでは国民はほとんど全部が電力を指示しなくなる。


(平成23年11月29日)

<引用終わり>

上の文章の赤字は私が勝手に赤字にしました。

この武田先生の文章一つ取っても、受け取る人が「何を信じているか」によって
180度異なる見解を持つはずです。

私の様に「低線量率の放射線に害は無い」とい視点で
悪意を持ってこの文章を読むと、
次の4つの項目が気になったりします。

1) 放射線と健康の関係を明らかにすべき
2) 明らかにならない間は、年1mSvを堅持すべき
3) 地震が起こらない外国では1つも破壊されていない
4) 震度6では100%破壊した

これを人力流に翻訳すると、

「地震国日本では1(mSv/年)というICRPの国際規約に則った原発運営は不可能なので、
 放射線と健康の関係を明らかにすべきである」


となります。

反原発の騎手と思われている武田先生は、
「放射線はそれ程危険では無い」という意見の私達から見ても、
意外と正論を述べられています。

本日はちょっと意地悪な引用のし方ですが、
「放射線は本当に怖い」と思いこんでいると、
意外に真実を見落とすのではないでしょうか?

都市国家としての大阪の魅力を問う・・・大阪市長選と橋本新市長

2011-11-29 02:26:00 | 時事/金融危機
 



■ どうも良く分からない ■

関東者からすると今回お大阪ダブル選挙はどうも良く分からない。
何が争点なのかも、イマイチはっきりしない。
「大阪都構想」と言われても・・???

良く分からないながらも、大阪人の持つ危機感は何となく伝わってきます。

■ 古い関西をぶっ壊すのか? ■

東京者には理解しずらいのですが、関西は古い社会が生きています。
「同和問題」など、江戸時代の問題を未だに引きずっています。

伝統や古い価値観が生きている事は、傍から見れば魅力ですが、
そこで生活する人達にとってもれば、結構煩わしい事も多いのでしょう。
京都でラディカルな建築家が生まれたりするのも、
伝統を重んじる文化へのカウンター的な動きだったりします。

橋本新市長は「大阪をぶっ壊すのでは無く、大阪市役所をぶっ壊す」と言っています。
小泉元首相を彷彿とさせる発言ですが、
大阪市役所が抵抗抵抗勢力という事なのでしょうか?

■ 政治と行政 ■

日本の公務員は特殊な職業です。
三権分立という意味では本来行政に専念すべき公務員が、
政治的決断をする事は、中央省庁の官僚にも横行しています。

かつて、田中真紀子と激闘を演じた外務省や防衛省を例に出すまでも無く、
政治家と行政を預かる公務員の関係が徹底されておらず、
民主主義の原則が守られているとは言えません。

公務員は選挙民に選出された訳では無いので、
公務員や官僚が政治的判断を下す事は、一種の違憲行為です。

公の選挙で有権者に選ばれた首長の指示を、
行政を担当する公務員がボイコットするのでは、
民主主義の原則は成り立ちません。

国政においてすら、「政治主導」が確立出来ない日本において、
古い地域社会が残る「地方政治」においては、なおさら「政治主導」は難しいでしょう。

■ 科挙や官吏という伝統 ■

「民主主義」や「法治」という概念は明治時代に西洋から導入されました。
現在の様な「国民主権」が確立するまでに、
多くの事件が起こり、多くの命が犠牲になるなど、
日本の民主主義とて、ポンと与えられただけの存在ではありません。

しかし一方で日本の民主主義は形骸化しています。
これは日本の行政システムが、
科挙や官吏といったアジア型の統治システムの伝統と無縁では無いからでしょう。

中国では皇帝の権力は絶大ですが、
広い国土を統治する為に、有能な才能を持った者を「科挙」という試験制度で集め、
在る程度の権限を持った「官吏」として行政に当たらせました。

日本の公務員にもこれと似た傾向が見受けられ、
優秀な人材は、国家公務員のキャリア職を目指す傾向があります。
地方においても公務員は一番の人気職種で、
優秀と言われる人材がこぞって公務員を目指します。

■ 利益誘導型の政治家 ■

一方、政治家は選挙によって選ばれますが、
古い社会基盤を背景に行われる選挙では、
「理念」や「政策」よりも、「利益誘導」が重視されます。

東大出のエリートと、地元の土建屋のドラ息子が選挙で戦うと、
土建屋のドラ息子が勝利するのが、日本の地方選挙に実態でしょう。
国政選挙においても、地方ではこの傾向が見られます。

■ 政治と行政のネジレ ■

学生時代には成績優秀だった「公務員」が、
小学校では劣等生だった「議員」の決めた政策に従う・・・。
これは一種のネジレ構造で、公務員達は議員達や首長を内心は見下しています。

さらにコネ社会が残る地方や関西では、
公務員は世襲化しており、一種の選民意識すら持っています。
かつての地方公務員は給与も低く、「公僕」的職業でしたが、
現在の地方公務員は民間よりも給与も高く、
地方の優秀な人材が、益々公務員に集中する傾向は顕著です。

■ 利益誘導か、官僚政治か? ■

利益誘導型の選挙で選ばれる議員や首長と、
学力優秀な公務員のどちらがマシかと聞かれると、
私はどちらかと言えば、公務員の方がマシだと考えます。

しかし一方で、役所は変化を嫌う組織という事も事実です。
滞りなく行政を執行する事を最優先する職場において、
さらに転職などの人材的流動性が欠ける組織において、
内部改革は事実上困難です。

従って、社会が大きく変革する時、
官僚制はその変革のスピードに追い付けません。

■ 優れた政治主導とは何か? ■

民主党は「政治主導」を旗印に政権を獲得しましたが、
「政治主導」は実現していません。

「小沢ー鳩山」時代に改革に芽を感じましたが、
現在は官僚主導型に逆戻りしています。

小沢一郎は「政治的ビジョン」を語る一方で、
その選挙スタイルは旧態然としたものなので、
結果的に「利益誘導」のばら撒き型政治となってしまいます。

小選挙区制は本来、2大政党制によって、
利益誘導から、政策中心に選挙の体質を変革するものと期待されましたが、
結局、有権者の政治観が利益誘導型を脱していないので、
結果的に、集票の為のばら撒き政治が温存されます。

■ 橋本氏の挑戦 ■

橋本氏の掲げる「大阪都」構想は、
地方分権のダイナミックな改革です。(内容は良く見えませんが)

当然、中央官庁からの支配意識が抜けない行政機関は抵抗を示します。
これは田中康夫元長野県知事のケースでも見られた現象です。

大阪人は横山ノックを知事に選ぶような選挙民ですから、
今回の選挙結果が、はたしてどれだけ大阪の民意を反映しているかは不明です。
受け狙いで、思わず流行に乗っただけの投票行動の様にも見えます。

だいたいにおいて、「大阪都構想」の意味を、
ほとんどの有権者は理解していないのではないでしょうか?

■ 都市国家としての生き残りを掛ける大阪 ■

日本は狭い国土に人口が密集し、東京以外にも大規模な地方都市が存在します。
しかし、中央集権の強い日本では、東京の一極集中が顕著です。

景気が縮小する中で、地方の中小都市から始まった衰退は、
大阪などの大規模な地方都市に波及しようとしています。

一方アジアに目を移せば、上海や香港やシンガポールなどの
魅力的な都市がどんどん出現しています。

TPPの時代にあった、ビジネスや産業の分野で国境が不明確とれば、
日本の諸都市は、アジアやその他の地域の諸都市との競争を迫られます。

その時、東京中心の中央集権体制では、
変化のスピードに乗り遅れ、
地方はさらなる衰退の危機にさらされます。

とかく「二重行政の弊害」の排除として語られる「都構想」ですが、
行政区分をシンプルにして政策実行をスピーディー化を促進したり、
市と県という垣根を取り払う事で、政策実行範囲を広域化する事で、
従来の細かな行政区分では出来なかったダイナミックな試みなども可能になります。

「大阪都」構想は、国の管理をある程度離れて、
「大阪」の判断で政策実行をするには有望な方法です。

問題は国税を都税に振り替えられるかどうかです。
財布を財務省に握られていたのでは、
「大阪都構想」は絵に描いた餅となります。

■ 道州制との違い ■

日本の地方分権の流れとしては、
本来は自民党や中央官庁が推進していた道州制が存在します。

道州制はアメリカの構造改革要望書に記載されています。
これは、アメリカにとって道州制が都合が良い事を暗示します。

アメリカの市場開放の要求は、中央省庁の巧妙な妨害工作で阻止されてきたので、
道州制によって地方の権限を拡大し、
騙し易い地方の行政単位から切り崩す作戦だったのでしょう。

あるいは「合州国」アメリカが併合するには、
日本は大きすぎるので、「州」に分割するのでは無いかと勘繰ってしまいます。

いずれにしても、橋本改革は、従来の地方分権とは異なる動きで、
今後のアジア情勢を踏まえても、注目に値すると私が思います。

・・・尤も、「東京者」に「大阪」の本質はなかなか理解出来ませんが・・・・。
・・・あ!私は千葉県人でした。

<追記>

世間では官僚制の弊害をメディアなどが書きたてていますが、
私は中央省庁の官僚機構は、アメリカの無理難題から日本を守ってきたと思います。

近年の首相は、アメリカから無理を押しつけられる毎に、
退陣して、その要求をかわし続けていますが、
そんな芸当が出来るのも影の内閣としての官僚制度が盤石なおかげです。

官僚は政治家と異なり顔の見えない存在です。
さらには、適当な年齢で退官して入れ替わります。
省庁間の移動などもありますし、
アメリカが官僚を掌握しようとしても、実態が掴めないでしょう。
年次改革要望書にしても、政策実行される段階では骨抜きになっています。

メディアもこの日本独特のシステム維持に一役買っています。
首相退陣の世論を造るのはメディアです。
アメリカの目がありますから、表面上は小沢一郎を叩いたりしていますが、
決定的に追い詰めるような事はしません。

適当に国民のガス抜きをしながらも、
国政の根幹を担う官僚制を温存しています。

但し、官僚制の限界は、ダイナミックな変革が出来ない事です。
尤も、あまり派手に立ち回ると戦前の日本の様に目を付けられますから、
目立たない様に。こっそりと実を取るのが、日本のお家芸なのでしょう。

20年も不景気が続きながらも、決定的な崩壊が起こらない事が、
逆に日本のな官僚機構の優秀性を証明しています。

一方、地方行政においては、議会と役所は癒着しており、
お互いに利権をむさぼっています。

「公務員改革」とは、夜中の2時3時までオフィスで働く中央省庁の職員から
都内の官舎を奪う事では無く、
大した仕事もせずに高級を食む、地方公務員の給与を2割から3割削減する事を目的とすべきです


フィンランド債の金利上昇・・・ゴールドマンのポートフォーリオ

2011-11-28 04:25:00 | 時事/金融危機
 



毎度おなじみのゴールドマンサックスの毎月分配型債券ファンド「妖精物語」の
10月末日付けの主要保有債権の票です。

ファニーメイはお付き合いで買っているのでしょうが、
不可解なのは欧州関係と韓国、フィンランド、南アフリカ、英国の債券。

どうもこのチャートに登場した国は、調子が悪くなる様で、
有望投資先なのか、それとも「死亡フラグ」なのか分からない票です。

今回、欧州、韓国に続いて国債利回りが上昇しているのフィンランド。
北欧諸国は金融危機後も安定しているイメージだったのですが、
実は北欧諸国は結構エグイ金融商品を作り出す事で有名です。

昨年頃もスエーデンの銀行だったと思いますが、
香港株と連動して5%程度の金利の付く商品を発売していたと思います。
5%という金利に引かれてしまいますが、
契約書には、香港株式市場が60%まで下げたら、返金されないと書かれています。

昨今の香港市場の状況を見れば、60%の下げも充分に現実的で、
たった5%の金利を得ようとしたばからに、元本を全額持っていかれるハメになります。

そんな北欧諸国の一つ、フィンランドの債券金利がじりじりと上昇しています。
誰かが売りを仕掛けているわけで、GSか?!などと疑ったりしてしまいます。
上記のチャートは市場の2ヶ月前を反映している様で、
先月末のデータがネットに載る頃に、異変が発生します。

もし「死亡フラグ」が本当であるならば、
次に危ないのは、南アフリカとイギリス?

尤もこちらは長期債ですので、
むしろ「生き残り組」としての投資でしょうか?
イギリス、南アフリカ共に、イルミナティーの本拠地ですね。



<再録シリーズ>中東アスランの政変・・・・エリア88

2011-11-28 03:34:00 | マンガ
 

鍛冶屋さんが好きそうなので、こんな記事を<再録>してみました。

<2011・02・01から再録>




■ アスランで政変勃発 ■

中東の小国「アスラン」で政変が勃発

「アスラン国軍は、隣国ブラシリアとタンドリアに侵攻し、スエズ運河に迫ろうとしたが、国王アブダエル・ヴァシュタールと対立する第一王子サキ・ヴァシュタールが率いる反政府軍が反攻を開始。反政府軍はタンドリアでスエズに侵攻する地上戦力を阻止すると共に、首都に侵攻を開始したと多くの通信社が報じた。アスランの首都では、アブダエル国王に反対する市民が蜂起し、市内各所から黒煙が立ち上っている。王宮でも戦闘が開始された模様で、市民の多くが王宮に不時着するハリアー戦闘機を目撃との情報も伝わっている。

アスランでは先代の国王の死後、兄アブダエルと弟ザクの間で政権を巡る内戦が続いていた。数年前に反政府勢力であったアブダエルが西側諸国の支援を受けて政権を奪還。国王の弟ザクと、国王の第一王子のサキ・ヴァシュタールが反政府軍を率いる形で、肉親同士の対立が激化。伝統的なアスランの継承を望んむアブダエルと、先進国の支援でアスランの発展を目指した弟ザクをそれぞれ支援する国々が、武器と資金を供与する形で内戦は泥沼化していた。

アスランは中東の小国であるが、水にも恵まれ比較的豊かな国であったが、政情が不安定なタンドリアやブラジリアと国境を接し、大国の利害の対立から内戦の収拾の目処は立っていなかった。

未確認であるが、現国王アブダエルと第一王子のサキが戦死したとの情報もあり、今後は亡命中のアブダエルの第二王子リシャールが政権を担うとの観測がある。」

■ エリア88 ■

知っている方は「ハハァーン」とお思いでしょう。
ご存知無い方は、今朝の新聞を読み直している方も?・・・

ゴメンナサイ、これはマンガの話です。

「新谷かおる」が「少年ビックコミック」で1979年から1986年まで連載した「エリア88」は素晴らしい作品でした。

中東の小国アスランの内戦を背景に、空軍基地「エリア88」に集う外人傭兵部隊の活躍を描く群像劇、クールでスタイリッシュでそれでいて人情に溢れていました。

親友、神埼の裏切りで図らずも外人部隊に所属する事になる風間シンは、日本に残してきた恋人涼子に生きて再会する為に、日々の戦闘を生き延び、エリア88のエースパイロットとして敵機に向かってトリガーを引き続けます。

一方シンを裏切った神埼は涼子と大和航空を我が物とする為、謀略を巡らせますが、失敗に終わります。復讐に燃える意神埼は、武器商人と資本家達の集団「プロジェクト4」に接近し、やがてそれを牛耳る立場までのし上ります。

「プロジェクト4」は中東やアフリカで終わる事の無い内戦を発生させ、そして双方に武器を売る事で永遠に設け続けることをビジネスモデルとしています。

「プロジェクト4」は一方で政府に資金援助し、一方で反政府軍に武器と傭兵を供与して内戦を泥沼化させ、さらには、隣国へ侵攻するなど戦闘の大規模化を画策し、地球規模での戦争ビジネスを構築していきます。

神埼はシンと同じ孤児院で育った親友ですが、シンとの間にある出生の秘密を彼だけが知っています。彼はシンを親友としながらも、一方でシンに対する私怨の情が膨らみ続けます。
神埼という一人の男の復讐が、世界を戦乱に陥れていきます。

■ もう一つの主人公 ■

「エリア88」の主題は肉親や友人の愛憎です。しかし、それだけでは韓国ドラマになってしまいます。

「エリア88」のもう一つの主人公は中東の砂漠の空を飛び交う戦闘機達です。

補給を考慮しれば、戦闘機の機種は限定しなければなりませんが、そこはマンガの話。補給を担当する武器商人のマッコイは、世界各地から中古や新品の機体や部品をかき集めてきて、外人部隊のパイロット達に売り付けます。
一人ひとりのパイロットの性格に合わせた、様々な戦闘機が登場し、物語に色を添えます。

シンの機体は、F-8クルセーダー、サーブ・ドラッケン、F-20タイガーシャク、グラマンX-29と追撃される度に乗り替えていきますが、どれもスマートで旋回性能を重視した機体です。

親友のミッキーは米海軍出身だけあって、F-14トムキャットに拘りますが、なんせ燃料は食うし、パーツは高いしで、外人部隊では維持費がかさみます。

アフリカの小国の王子キムの機体は垂直離着陸機のハリアーです。ハリアーはその機動力から様々な作戦で活躍します。

政府軍が採用しているのは、イスラエルのデルタ翼機、クィールです。これはフランスがイスラエルにミラージュの販売を中止した事から、モサドがミラージュの設計図を盗み出し、別の機体のエンジンを積み込んで完成したという機体です。政府軍がイスラエル製の戦闘機を採用している事からも、アスランを支援しているのがアメリカとイスラエルである事が分かります。アスランのモデルはヨルダンあたりでは無いでしょうか?

一方、反政府軍は最初はMIG19などソ連製の古い戦闘機を使用しています。古いとは言え、MIG19は旋回能力に優れた名機です。西側の新鋭機を相手に互角以上の戦いを繰り広げます。

■ 戦闘機が戦闘していた時代の戦争 ■

F15イーグルが出現するまでは、戦闘機はドッグファイトで敵機を追撃する能力が求められました。

しかし、F15に代表される第四世代戦闘機は長距離射程のミサイルを搭載し、視認すら出来ない射程からお互いに空対空ミサイルを打ち合うスタイルに戦闘が変化します。これらの戦闘で問題になるのは、レーダーの探知範囲の広さと、敵機のレーダーに捕捉されない機体形状です。

「エリア88」では、空対空ミサイルの打ち合いも描写されますが、やはり手に汗握るのはドッグファイトです。空戦がマンガとして成立する最後の時代のマンガなのかもしれません。

■ 第五世代戦闘機 ■


F22・ラプター

史上最強と言われたF15も、第五世代戦闘機の時代には性能不足です。

先日中国が発表した「殲20 」は第五世代戦闘機の試作機です。第五世代戦闘機に要求されるのはステルス性能です。長距離レーダーで敵を捕捉し合う現代の戦闘では、レーダーに捕捉されないという事が大事な性能になります。

第五世代戦闘機は機体を平面で構成し、レーダー反射を拡散すると共に、フェライトなど電波吸収剤を塗装してステルス性能を高めています。ミサイルも機内に収納するなど、極力機体の凹凸を無くしている事が特徴です。

アメリカは第五世代戦闘機の切り札としてF-22ラプターを開発しますが、情報漏えいを防ぐ為、友好国にも機体を供与できない事から、生産コストが莫大になり、結局F-22は187機しか生産されない事となりました(予定750機)。

その代替として、F16の後継機として開発していたF-35ライトニングを今後採用していく予定です。F-35は海軍の艦載機として短距離・垂直離着陸機を開発するなど、多用途の展開で機体コストの低減を図っていますが、F22が航空支配戦闘機という位置付けだったのに対して、F-35は従来の戦闘攻撃機です。

アメリカはリーマンショック後の財政難で、第五世代戦闘機の配備での圧倒的優位を失おうとしています。

■ 無人機こそが次世代戦闘機 ■


米海軍が開発中のステルス無人戦闘攻撃機 「X-47 ペガサス」

アメリカはイラク戦争やアフガン戦争で無人機を本格的に投入しています。

無人機にはいくつかの利点があります。

① パイロットの生命維持の為の装置が不要で小型軽量化できる
② 高い加速度(G)が発生してもパイロットが失神しないので
  運動性能を高める事が出来る。
③ パイロットの養成には高額なコストが掛かるが、無人機なら
  パイロットの消耗が無い。

このような利点から米軍は今後、無人機開発に主軸を移していくものと思われます。
血なまぐさい戦闘のコントロールは、地球の裏側のラスベガスの基地で行われる時代の到来です。

ドッグファイトの様に、0.1秒が生死を分ける戦闘とは違い、現代の戦闘は遠くからミサイルを打ち合う戦闘です。遠距離コントロールでも充分に対応可能です。

■ 非対称の戦闘 ■

快適なクーラーの効いたコントロールルームに繋がる無人機の照準の先には、熱砂の砂漠で生きる人々が居る・・・こんな、マンガの様な状況が現実に起こっています。

トリガーを引く兵士達に、命を絶っているという実感はどれだけあるのでしょうか?

テロという「非対称の戦争」に対するアメリカの返礼は、無人兵器という「非対称の戦闘」です。

ベトナムにしても、アフガンにしても、イラクにしても、兵士達の命が失われる事が、国民の厭戦感情に繋がります。

「兵士の死なない戦争」は戦争への障壁を低くし、戦闘を長期化するでしょう。

■ マンガは絵空事では無い ■

「エリア88」は架空の物語です。しかし、作品には「プロジェクト4」が投入する無人兵器が多数登場します。

それはまさに、現代の状況を先読みしていたとも言えます。

大国は自国経済の為に戦争を引き起こし、敵味方双方に武器を売って設ける。
戦闘で死ぬのは他国の兵士と、無垢の市民達。

1980年代に書かれたマンガが30年後の現代をこれほど予見しているとは・・・。
あるいは、世界は当時と何も変わっていないのかも知れません・・・。


■ チェニジア、エジプトそして中東全域へ ■

チェニジアの政変は、エジプトに飛び火しています。

アメリカの傀儡であるムバラク政権の30年の歴史に幕が下りようとしています。
エジプトは今後、イスラム勢力が台頭し、イランやトルコと連携を深めてゆくでしょう。

中東に広がる革命の波は、ヨルダンやサウジアラビアの政権を脅かしています。イエメンにも飛び火するかもしれません。

中東は元々、遊牧民の部族社会です。植民地が独立する際にイギリスが適当に直線の国境を引いて、適当に有力部族の頭首を「国王」に置いただけで、王権の正当性は極めて希薄です。

サウジアラビアなど王族は、石油利権を手中に収め、国民はそのオコボレに預かって生活してきました。

タダ同然の石油と、安定した食料さえあれば、一般市民は満足するものです。

■ 溢れかえるドルがももたらしたもの ■

アラブ諸国はアメリカと対立している様に思われますが、その政権の多くかアメリカの傀儡政権です。

中東諸国は石油決済をドルで行い、自国通貨はドルにペックしています。

リーマンショック後、米ドルはまさに津波の勢いで世界中にばら撒かれています。中東諸国はドルペックを維持する為に、中国と同様に米ドルと同じ規模で通貨を増刷し続けました。

その結果、インフレが発生し、食料価格が高騰しています。
同時にカーギルなどのアメリカの穀物メジャーと金融資本が、先物市場で売買を繰り返して穀物価格の高騰を引き起こしています。

食べ物は生活の基本です。いつの時代にも「食料」が人々を暴動に駆り立てます。

■ 急速に薄れるアメリカの利権とイスラエルの安全 ■

中東の大国エジプトのイスラム化は、中東におけるアメリカの利権とイスラエルの安全を脅かします。

しかし、その一方でロシアやEU諸国はパレスチナの独立を承認するなど、イスラム化を支援するかの様な動きを見せています。

アメリカ自身、食物の高騰を仕掛けてで中東や途上国情勢を不安定にしています。
イスラエルを含めた中東情勢は急速に悪化しています。

■ イスラエルの暴発 ■

ヨーロッパ諸国のパレスチナ承認はイスラエルを刺激しています。
さらにエジプトのムスリム同胞団はパレスチナのハマスを支援しています。

イスラエルは激変する中東情勢にどこまで我慢できるのでしょうか?

イスラエルが暴発する時、中東核戦争の危険が高まり、そして原油は一気に高騰するでしょう。

■ 温暖化問題の意味するもの ■

原油高騰で一気に息を吹き返すのが「温暖化問題」です。
IPCCの捏造疑惑(クライムゲート事件)で一気に勢いを失った「温暖化問題」ですが、その真の目的は、石油危機時の代替エネルギー開発です。

温暖化を理由に立ち上げてきた環境ビジネスが、原油高騰で一気に花開く時が来ました。

日産の電気自動車も「お買い得」に感じる時代が到来するのかも知れません。

・・・・最も、2012年に世界が今のままの姿でいられるかは???