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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「こども保険」には意味がある・・・幼児教育と所得再分配

2017-05-31 08:57:00 | 時事/金融危機
 

■ 過剰な大学と、不足する保育園 ■ 

「教育は国の基本」という発言を良く聞きますが、前回、前々回に書いた様に、日本の高等教育は十分に行きわたっています。むしろ過剰に供給される事で、「高等」とは言えないサービスを提供する結果となっています。

そもそも大学とは研究機関であって学校ではありません。現在の様に「学生がきちんと登校する様に教師が学生数人をグループにして指導する」なんて学校は、既に大学としての要件を満たしていません。そもそも大学は学びたい学生が自主的に通う場所であり、学ぶ意思が無い者が行く場所では無いのですから。

一方で、現在の日本で不足しているのは保育園です。共働きで育児をされた方は良くご存じかと思いますが、公立の保育園に入る事は「狭き門」です。認可保育園にすら入れないケースも多々あります。

ご存じ無い方もいらっしゃると思いますが、保育園の費用は結構高い。無認可保育園の場合、ゼロ歳児の月額費用は7万円を越えたりします。二人の子供を無認可の保育園に通わせたりすると、せっかく共働きしても母親の収入は保育園代に消えてしまいます。それでもキャリアの為の働き続けたいというお母さま方は多いのですが、子供はすぐに熱を出したりするので、途中で退職されるケースも多い。

保育園を諦めて私立の幼稚園に通わせると、今度は世帯所得が下がるのに、幼稚園の費用が園児一人当たり月額2万円以上掛かります。これは家計に大きな負担です。

■ 幼児教育の重要性 ■

一部の幼稚園では英語や漢字を教えるなど、幼児教育に力を入れています。実は幼児の学習能力は非常に高く、外国語も9歳児以下に学習させると所謂バイリンガルになり易い。(但し、幼稚園で遊びの様な英語学習では無く、外国語でコミュニケーションする環境が必要ですが)

英語も漢字も小学校や中学で勉強するのだから、何も幼児に教えなくても・・・と思われるかも知れませんが、脳の発達が著しいこの時期に脳を刺激してあげる事で、脳そのものの学習能力が将来的にも高まるのです。

勉強嫌いの大学生にコストを掛けて勉強をさせるより、幼児の脳を鍛えた方がコストパフォーマンスが圧倒的に高いのです。

■ 「こども保険」は所得再配分の一種 ■

幼児教育に補助を出す場合、大きな目的が二つある事には注意が必要です。

1) 保育園児、幼稚園児に一律に補助金を出す

   小泉進一郎氏が安倍総理に提言した「こども保険」はこれに当たります。
   
  ・所得税を0.1%上乗せして財源を確保する
  ・保育園児、幼稚園児に一人5000円/月ずつ支給する。
  ・将来的には負担率を0.5%に引き上げ、支給を25000円/月を目指す

これは税金同様の「所得の再分配」に他なりませんが、所得税を払える人の負担拡大で、選択的に子育て世代の負担を減らすものです。小さなお子様が居る世代は所得はそれ程高く無いので、月額5000円の支給でも助かります。私はこれは良い制度だと思います。

2)高度な幼児教育の為に幼児教育の在り方を変える

「幼児教育」といった観点からは、低額の一律支給はほとんど意味を持たないでしょう。むしろ、これはお金の問題と言うよりは、保育園や幼稚園の教育カリキュラムの問題です。
  
現在、保育園の監督官庁は厚生労働省で保育は教育ではありません。子供を健全に育てる事を目的としています。

一方、幼稚園の監督官庁は文科省で、一応「幼児教育」を趣旨としていますが、実際には園児達は「お遊戯」や「工作」などをして半日を過ごします。

保育園の保育士さんや、幼稚園の教諭の方は大人ですから、教えようと思えば英語でも漢字でも算数でも幼児に教える事は可能ですが、現在は「集団生活に慣れて小学校入学に備える」事が幼児教育の目的になっています。



■ 幼児教育は難しい ■

実際に子供に英語などを教える事が可能かどうかですが、遊びだと思わせる事が出来れば、子供達は喜んで学習するはずです。しかし、実際の所は相当難しい・・・。

私の母親も教育熱心で、小学校に入学した当時、高いお金を出してカセットレコーダー付きの英語教材(LL教材)を購入しました。これが役に立ったかと言えば・・・全く役立ちませんでした。勉強嫌いの私には「勉強」以外の何物にも感じられず、脳が「イヤ」と感じたら学習効果はほとんど有りません。(カセットレコーダーはラジオのヒットソングを録音するのに多いに役立ちましたが・・。上書き録音機能が在るので、アイドルとデュエットなど録音して楽しんでいました。)

家内も教育熱心で、子供達を英語や珠算などに通わせましたが、どれも身に付いたとは思えません。むしろ彼らが自発的に始めたバスケットボールの方が上達しましたし、将来的にも人生の糧となっています。

この様に子供に学習させる事は非常に難しいのですが、一方で9歳以下の子供を外国語環境に置くと母国語として外国語を自然に習得し、さらには3つ目、4つ目の言語の習得が早くなります。

幼児教育の研究は各国盛んになっていますが、優れたメソッドを実践した国は、将来的に優秀な人材を手に入れる事になるのでしょう。

いずれにしてもツマラナイ大学に補助金を出すぐらいならば、先端的な幼児教育を研究する機関にお金を掛ける方が国家として有益でしょう。

尤も、「勉強嫌い」が居なくなる訳では無く、あくまでもトップのレベルアップの話となりますが・・・。「皆が賢い国」なんて、恐ろしくて住めません・・・。

「大学ぐらい出ていないと」・・・画一的な価値観がミスマッチを生む

2017-05-24 22:51:00 | 時事/金融危機
 
 
■ 「大学ぐらい出ていないと」 ■

子供を大学に通わせる最大の理由は「大学ぐらい出ていないと、まともに就職が出来ない」というものでしょう。確かに就職の応募資格に「大卒以上」と書いてある会社は多い。

子供は子供で、「大学出の方が就職に有利だし、皆行くんだから俺も大学に行くか・・・」程度の気持ちで適当に受験勉強らしきものをやって、親に学費を出してもらい大学に進学します。


■ 大学を卒業したのに就職が出来ないのは何故? ■

多くの大学生が入学後はバイトとコンパに明け暮れます。最近は文科省が厳しくなったので、大学の授業数は増えていますが、それでも大学生には遊ぶ時間が山程あります。

そうして、何となくギリギリの出席日数と適当な成績で大学4年生を迎え、就職活動を始める学生も多いと思います。そんな学生が何社会社を受けても「お祈りメール」の山を築くだけです。何故なら、彼らは企業が求める「大卒」の要件を満たしていないから。

少子化の時代、企業は人手不足に陥っています。企業が求めているのは「優秀な人材」と「安い労働力」です。上位の大学でしっかり学び、しっかり人脈を築いた人達は「優秀な人材」として引く手あまたでしょう。

一方、中堅以下の大学で、何となく学生生活を送った人は「安い労働力」と見なされるので、ここで学生と企業の間に「ミスマッチ」が生まれます。「ミスマッチ」は妥協によって解消します。

現在の企業は「少数の将来の幹部候補」と「、適当数の即戦力となる経験者」と、「多くの安い労働力」を求めています。何社も応募して合格できない学生は、妥協の結果「安い労働力」を選択します。この多くがフリーターです。高卒資格でも就職できる職種は彼らのプライドが許さないので、「とりあえずフリーター」となって「確定」を逃れます。

■ 在学中から「安い労働力」として重宝される学生 ■

実はフリーターになる様な学生は、在学中から勉強よりもアルバイトに精を出します。現在の日本は若年労働者の不足で、アルバイトは引く手あまたです。

「安い労働力」の最たる学生アルバイトですが、現在の企業はある程度の責任を学生にも負わせています。遊ぶ金欲しさでバイトを始める学生がほとんどですが、責任ある仕事を任されると仕事にヤリガイを感じ始めます。

私の知り合いの息子さんは、大学を2回も留年しましたが、その理由が「バイトが忙しかったから」。バイト先の人手不足で、シフトを沢山入れられた様です。そんなバイトは辞めてしまえば良いのですが、学生ながらも責任を感じるらしく、学業よりもバイトを優先してしまった・・・。

わが娘も旅館でバイトをしていましたが、夕方から夜12時過ぎまで働く事も多い。同じ旅館でバイトする男子学生などは厨房を手伝っていましたが夏休みなどは2週間以上休みが取れなかった。「ブラックバイトだから辞めてやる」と言いながらも、「親方が休み無しで働いていて、俺が休む訳にも行かない」とバイトながらも責任感を持って仕事をしています。(リアル版『花咲くいろは』です)

私は学生がバイトをする事は非常に良い事だと思います。バイト先での人間関係は社会の縮図でもありますし、大人達から学ぶ事も多い。

一方で、長時間バイトをすると実入りもそれなりで、年間130万年を越えてしまい扶養家族から外れてしまって大慌てした知り合いもいます。

■ 地方都市では学生が経済活動の一部になっている ■

娘が住んでいる地方都市では、若者が少ないので学生は貴重な労働力です。多くの学生が「バイトのシフトを入れまくられた!!」なんていう状況になっています。

従来、大学を誘致する地方都市は、「消費者としての学生」を期待していましたが、現在においては学生は労働力としても欠かせない存在です。大学生は地域経済の主体の一部にもなっているのです。

■ 「大卒」は要らない? ■

この様に在学中も、卒業後も「安い労働力」の供給源となってる大学生ですが、それならば大学に行く必要があるのか・・・一部の人達にとっては大学は全く無意味でしょう。親がお金をドブに捨てたるけです。

一方、高校卒業時に専門学校を選択した人は、一応専門知識や技能を身に着けて就職する人が多い。学校も大学よりは就職支援がしっかりしています。

現在は美容師や服飾系の専門学校が人気です。この様なキラキラ職種は賃金も低く、土日も働く場合が多いので、離職率も高い一方で求人も多い。職場を転々としながらも40歳位までは業界に留まる人が多いでしょう。

意識を高く持った人達は「カリスマ」などと呼ばれ、将来は経営者になって行く。

■ 18歳になったら家を出る ■

実は我が家の教育方針はシンプルで、「18歳になたら家を出る」です。小学校の頃からこれを言い聞かせています。家の出方はどうでも構いません。就職するも良し。進学してアパート暮らしも良し。親にとっては相当な負担ですが、そこは家内がしかり貯金しています。

何故18歳になたら家を出るかと言えば、私も家内もそうだったから。家内は地方から東京の学校に出て来ました。私は東京近郊から地方の大学に進学しました。

そうして親元を離れた時期が、自分達の人格形成に多大な影響を与えた事を私達は良く知っています。引っ越した晩、まだ段ボールだらけの部屋で突然孤独感がドーーっと押し寄せて来た事は今も忘れません。月末、スッカラカンの財布を抱え、カップラーメンが続く日々なんて・・・良い思い出です。


息子も娘も喜んで家を出て行きました・・・。

こうして親の家計から形だけでも切り離しておけば、生活にお金が掛かる事が骨身に染みます。就職して定収を得る事の大切さも理解できます。


■ エリートは大変だから・・・ ■


「何をしてもいいから、一人で食べて行ける様になれ、出来れば好きな事をやって食べて行けたら最高だ。やるからにはその業界でトップ1割を目指さないと生き残れない」

「大卒のエリートは社会に出ても競争が激しくて大変だぞ、給料はイイけど」

このセットも子供達に良く言って聞かせました。そもそも勉強が嫌いな子供達が、下手に「大学に行きたい」なんて言わない為の方便ではありますが、勉強が嫌いな者が勉強で身を立てられるはずが在りませんから。


息子はチャラ男なので高校3年で部活引退後は近所の美容院でバイトをしていました。毎日、若いフタッフがトレーニングが終わる時間まで一緒にシャンプーレッスンをさせてもらったり、この業界の厳しさもしっかり教えてもらいました。

美容師の専門学校を卒業して原宿に努め始めましたが、同期の4人は1年で皆辞めました。薄給で長時間労働ですから離職率、転職率は高く、ナマジの覚悟では続ける事が出来ない業界です。休日はヘアショーなどの手伝いでほぼ潰れます。それでもカリスマ美容師の助手として学ぶ事は多い様で、仕事がツマラナイと言った事は有りませんし、楽しそうにヘアショーの御供で全国を飛び回っています。

娘はご存知の通り、田舎の大学に進学させました。東京に居ると遊びまわりそうなので、田舎に幽閉です。鴨川はリゾート地なので、近くの旅館に「バイト募集していませんか」と押しかけてゆき、2年間、色々な事を学ばせてもらった様です。「お父さん、私、イセエビを素手で捕まえるられる様になったよ!!」って、お前どういう女子大生だよ・・・。

看護科の大学なので、国家試験の準備と実習で3年生からは旅館のバイトは辞めましたが、今度は近所のスーパーのに行きはじめました。「私、レジ向いてるかも知れない」なんて・・・おいおい。どうやら田舎のスーパーのレジは近所の社交場みたいになっているらしく、お客さんがレジで長話していくとか・・・・。(列で待ってるお客さんが怒らないのが凄いですが・・・)

我が家の子供達は子供達なりに大人の世界を垣間見ながら、人生を楽しんでいる様です。

「バカでもイイ、逞しく育って欲しい」・・・・って、丸大ハムのコマーシャルみたいなのが、私の望みです。



新たな利権を生むだけの教育国債・・・大学の学費無償化は愚策

2017-05-23 05:33:00 | 時事/金融危機
  

■ 大学は余っている ■

新たな国家戦略のカギとして、大学の学費無償化を安倍政権が検討しているという情報が流れています。

アホです。

確かに教育費が家計を圧迫する一般の家庭では「大学がタダになったら助かるわー」と思われる方が多い。家計の事情で大学進学をあきらめていた優秀な学生が大学に行ける様になる事も悪くは有りません。

ただ、少子化の日本において大学は既に過剰であり、Fランクなどと呼ばれる下位の大学では定員割れの大学も増えています。その様な大学では、入試試験は形式化しており余程のバカで無い限り入学費さえ払えれば誰でも大学に行ける時代になっています。

この様な大学の卒業生を企業が採用するかと言えば・・・ノーです。

大学の名前は入試時の学力を表しますから、企業の採用担当は大学の名前で学生を篩に掛けます。履歴書に名前も知らない様な大学の名前を書くだけで逆に篩い落とされてしまいます。

そもそも大卒の学歴を必要とする仕事は少なく、その少ない採用枠を奪い合う為に大学院卒の資格が必要な時代に、名ばかり大学の学歴など何の役にも立ちません。


■ 企業の採用者は出身高校をチェックしている ■


実は企業の採用担当は応募者の出身高校の名前をチェックしているとか・・・。最近は推薦枠やAO入試など一般の入試試験以外の方法で大学に入学する学生も多く、大学の名前が能力のバロメーターになるとは限りません。大学院はむしろ「学歴ロンダリング」に使われている。

そこで、企業の採用担当は出身高校の名前をチェックします。上位の高校の競争率は高く、入試は優秀な生徒の選別の機能を果たしているからです。

■ 勉強なんて大して役に立たないが、頭の良し悪しは重要 ■

私は大学の勉強なんて大して役立たないと思っています。専門知識を使って仕事をしている人以外は大学で勉強した事どころか、高校で勉強した事だって忘れてしまった方がほとんどではないでしょうか?

しかし、有名高校、有名大学を卒業した人達(頭が良い人達)は要領が良く集中力も有りますから、概して仕事も出来る。さらに向上心も高いので「出世競争」というシステムの中で成果を求め、結果的に会社に貢献します。

■ ユニークなドイツの教育制度 ■

各国の高等教育への進学率のデータを見つけました。

韓国   92.8%
イギリス 66.1%
日本   57.6%
アメリカ 54.5%
フランス 41.0%
ドイツ  26.5%

ドイツの大学進学率が低いのが目を引きますが、ドイツの教育制度は日本と大きく異なります。

1) 小学校は4年制
2) 小学校を卒業した時点で大学進学コース(キムナジウム)に進むか決める

3) キムナジウム(9年制)は総合大学の入試資格を得る為のコース
4) 総合大学を卒業後は研究職や管理職に就ける
5) 大学資格試験(アビトゥーア)の受験資格が得られる

6) 中等実科学校&中等商科学校(6年制)
7) 卒業後は職業学校である「専門上級学校」や「専門大学(カレッジ)」に進学できる
8) 将来は総合職や事務職になる

9) 基礎学校(中学校)は5年制
10) 卒業後は職業訓練や見習いとして働き始める

ドイツでは4年制の小学校卒業時には将来の職業がほぼ決まります。勉強が嫌いでも何故か大学に行く日本とは大きく異なり、実にドイツらしい合理的な制度です。

■ 勉強嫌いな子供が勉強が出来る様になる訳が無い ■

「勉強嫌いな子供が勉強を出来る様になる訳が無い」・・・これ当たり前ですよね。多くの親が勉強嫌いな子供にあの手この手で勉強をさせようと必死ですが、だいたい無駄な努力に終わります。

私も勉強が嫌いでしたから、家で机に向かった事が在りません。特に数学と英語が苦手で、大学の数学のテストは、問題なんて無視して覚えてきた数式を書いて「勉強したんだけどね・・」とアピールしてました・・・。英語もヒドイもので、今でも英語で会話する時は7割日本語ですが、これでもナマジの英語よりも何故か通じるから不思議です。

そんな自分の経験があるので、長男の高校受験の時は中途半端な進学校を受験したかった息子の意思に反して、生活指導がしっかりしていて、部活に力を入れている高校を無理やり受験させました。結果的に息子は部活に励み、高校時代には将来の職業を決めていました。息子は今では私に感謝しています。

「大学ぐらい出ていないと・・・」という親の思い込みが、勉強嫌いの子供への無駄な投資を生み、結局は就職もせずにフリーターなどという結果を生み出しているのです。

■ 職業学校の道を歩み始めた大学 ■

卒業生が就職出来ないというのは下位の大学が共通に抱える問題です。そこで下位の大学は専門学校同様に職業学校の道を選び始めています。

高齢化で人手不足となる看護師や理学療法士の育成コースが人気ですが、それ以外でもある種の職業に特化したコースの新設が目立ちます。

これ、いわば大学の専門学校化であり、ならば大学と専門学校の違いは何?って感じになっています。

大学と専門学校の違いは「一般教養」が在るか無いかで、大学生は高校で勉強した事を再度学んだり、体育なんて授業の為にお金を余分に払っています。ならば、2年間の間に専門性を叩きこまれる専門学校を選んだ方が良い・・。(尤も看護師などは管理職になる為には大卒の資格が必要になっているみたいですね。)

■ 大卒に意味があるとするならば・・・ ■

大卒と高卒に違いが無いならば、多くの人にとって大学は不要となります。

ただ、実は社会に出ると大卒と高卒はずいぶんと違います。それは人との距離感と言うか接し方です。

私の経験では高卒の方は人との接し方が「ダイレクト」です。それに比べ大卒の方は相手との間に一定の距離を取る傾向が強い。

大学に入学する18歳という年齢は、子供が大人になる過渡期で、自我が固まって来る時期です。自分と他人の差を自覚しその距離感を調整する事を覚える時期に大学生というある種のモラトリアムの時期が在る事は決して悪い事ではありません。

学生同士の付き合いや、サークルの先輩後輩などの関係の中で、社会人としての人との付き合い方を自然に学んでゆきます。

一方、高卒で就職する場合、「未熟な大人」が大人の社会にいきなり放り込まれるので戸惑う事が多い。大人と彼らは対等ではありません。だから人間関係の調整を学ぶ事が難しい。命令するかされるか・・・結果的に「ダイレクト」な人間関係が職場を支配しています。

まあ、私が考えるに大学を出て役立った事って、この程度かな・・・。

■ 勉強嫌いは幼児教育で治せるのか? ■

世界的には大学教育より、幼児教育に注目が集まっています。

小学校就学以前の幼児の学習能力が非常に高い事は、森友学園の幼稚園児が教育勅語を暗唱している事でも分かります。

「脳の発達する時期に「学習」を植え付ければ、その後勉強嫌いになる事も無く、向学心旺盛な子供に育つ」というのが幼児教育が重視される理由で、教育コストに対する効果が高等教育に比べて高くなります。

確かにその通りなのですが・・・・個人的には「頭の良い悪いは先天的なものが占める割合が高い」と感じまています。

保育園児は幼児期に同世代の園児と過ごす時間が長く、幼稚園児の様に親と接する時間は短い。彼らは保育園では遊びに専念しているので、脳が発達する時期に勉強を詰め込まれる事が無い。

確かに保育園児は子供らしく、一方、幼稚園児は大人の様なもの言いの子供が目立ちます。しかし、息子や娘と同窓の保育園児達の進学高校を見ると、幼稚園児と大差は見出せません。

保育園でも利口だった子は優秀な学校に進学しています。不思議なのは、ちょっとボーとしていた子が意外に良い学校に行っていたりする事。こういったちょっとボーとして見える子は、実は頭の中で色々と思考を巡らしているのかも知れません。

一方、子供らしく大騒ぎしたり喧嘩したりしていた子は・・・そのまま成長していて・・・学力も程々・・・。(わが子2人はこの部類)

■ 利権の温床となるであろう教育 ■

話が逸れてしまいましたが、要は今の日本に必要なのはエリートであって、大卒という資格でな無いということ。

そんな事は文科省も政治家も十分に理解しているハズですが、何故か大学無償化などというバカな案が出て来ます。

その理由は、このまま少子化が進行し、親の所得格差が広がると大学進学者が激減しして、ほとんどの大学の経営が行き詰るからに他なりません。

文科省の天下り先の多くは大学です。ですから彼らは大学を作り続け、天下り先を確保しています。

一方、加計学園問題にも透ける様に、大学新設は政治家にとってもオイシイ。大学の新設は認可制ですから政治が介入し易い。さらには広いキャンバスの用地取得にも政治の介入するすき間があります。

そして、広大なキャンパスと様々な施設の建設には、多くの土木工事業者や建設会社が群がり、ここからもオイシイ汁が吸える・・。

財政がひっ迫する中で無駄な箱物や巨大なインフラ工事が少なくなる日本で、「教育」を言い訳にすれば2兆円の教育国債の発行だって国民は支持します。それが如何に無駄で、結局は文科省と政治家の利権を増やすだけの結果になったとしても・・・。


本当は優秀な学生を政府が援助するシステムを作るだけでイイのですが・・・平等を求める庶民が許さない・・・。



「怪文書」は何故出てくるのか・・・加計学園問題

2017-05-18 10:12:00 | 時事/金融危機
 

■ 森友問題よりも深刻 ■

安倍総理の友人が経営する加計学園が愛媛県今治市に獣医学部を来年4月に新設する問題、特区の認定や文科省の認可に「忖度」があったのでは無いかと囁かれていました。

国家戦略特区制度を担当する内閣府が文科省に対し、「総理のご意向だと聞いている」と回答したとする内容の文書が飛び出して来て、マスコミ各社ももの問題を取り上げ始めています。

加計学園が獣医学部を今治市に設立する問題では、日本獣医学会も文科省も四国においては獣医学部は既に足りており、学部新設は認められないとの方針でした。しかし、国家戦略特区の制度を用いて半ば強引に学部新設を押し通したというのが今回の事件の根幹。

今治市は学部新設に当たり、約17万平方メートルの敷地を整備し学園に無償譲渡しました。これは森友学園なんて比べ物にならない事件に発展する可能性が有ります。

ネットや雑誌では以前から問題とされていた加計学園問題、とうとう「怪文書」まで飛び出して来て国民の多くが知る所となりました。

■ 「怪文書」が何故出て来るのか? ■

「怪文書」の出どころは多分文科省でしょう。

現在の日本は政府、正確には菅官房長官が官僚人事を握っている為、安倍内閣に不利になる文書が省庁内部からリークするのは不自然な事です。会議の出席者を当たれた、だいたい誰が作成したkメモか目星は付きますから、そんなリスクを冒してまでリークする官僚は普通に考えれば居ません。

では、「怪文書」が偽物かと言えば、多分本物でしょう。

「省内に保存されていた議事録を関係者以外の省内の誰かがリークした・・」こんな方法ならば、リーク者を特定する事は難しくなります。或いは関係者がリークしても、口裏を合わせて「俺じゃない」と言い張れば、誰がリークしたか分からなくなる・・。

ところで、リスクを冒してまで省内の文書がリークされる原因は何なのでしょうか・・・・陰謀論者としては、安倍総理が事件に関わっているかどうかよりも、こりらの方が気になります。

■ 安倍政権内部で権力闘争が起きている? ■

安倍政権を牛耳る実力者は二人とされていました。一人は閣僚人事や自民党内の閣僚人事を支配する菅内閣官房長官。

そしてもう一人は、安倍総理のブレーンを務める経産省出身の「今井 尚哉」内閣秘書官。今井秘書官は通産省時代はエネルギー問題を担当していまいした。今井氏の父親は医者でしたが、叔父は新日鉄会長から経団連会長を歴任した今井敬氏というサラブレット。

先日の日ロ首脳会談も今井氏が準備をしたものとの噂が流れていますが、北方領土返還にプーチンが合意出来なかったのは、土壇場になって外務省が米軍基地を北方四島に建設しないとは確約出来ないと言い出した為だとか?要は対米従属の外務省に今井氏は煮え湯を飲まされたらしい。

そんなこんなで、政権内の今井氏の力が弱まり、菅官房長官が政権を牛耳り始めた事を面白く思わない人たちが居るのではないか・・・。官僚の中にもそういう人達は居るはずです。

ロシアとの国交正常化を今井氏が仕切っていたとするならば、その目的はサハリンやシベリアの資源のはずで、エネルギー安全保障をアメリカに握られている現状を良く思っていない官僚達が背後に居るはずです。これを対米従属の連中が邪魔しているという対立構図となるのですが・・・。

■ 内部から瓦解が始まった安倍政権? ■

森友問題にしても、加計学園問題にしても本来ならば大手マスコミが報じる事が無かったであろう問題です。

それが大々的に報道され始めた裏には・・・安倍政権の官僚やメディアへの影響力が弱まっている、或いは安倍政権に揺さぶりを掛ける勢力が台頭している・・・そういう妄想がチラホラとネットに出始めました。盤石な政権が瓦解するのは内部からだと。

陰謀論者の私としては、メディアの支配者はアメリカだと妄想していますから、安倍政権を恫喝しているのは他ならぬアメリカのジャパンハンドラーだと考えます。

これがプーチンに接近した安倍総理へのお仕置きなのか、あるいは憲法改正への尻叩きなのかは・・・多分、ここ最近の安倍総理の改憲への前のめりの姿勢からは後者では無いかと・・。


このフレームを探していた・・・NEILPRYDE ZEPHYR

2017-05-15 10:09:00 | 自転車/マラソン
 
■ 念願のフレームが手に入った ■





GWの中日。ネットを徘徊していて念願のフレームを安く手に入れました。中古の美品が売られているのは以前から知っていましたし、何度もポチっとなしては買い物かごをキャンセルしていました。それが在庫一掃セールで半額の税込7万円(定価24万円)。躊躇無くポチっとなしてしまいました。

ただ・・・先日、ヤフオクで格安の3.5万円でIZALCO DONNAのフレームを買ったばかりですが・・・こちらは、ドナドナする予定。

■ NEILPRYDE はヨットのセール(帆)の世界的なメーカー ■

Nelprydeはニュージーランドに本拠地を置く自転車メーカー。(今年からイギリスに本拠地を移転)。

実は自転車に参入したのは2010年と比較的新しい。元々はヨットのNZ代表選手だったニール・プライド氏しが1970年にヨットのセールを作る為に興した会社。当時はグラスファイバーの出始めで、ニールプライドは世界最大のヨットのセールメーカーに成長します。1980年代からはウィンドサーフィンに注目し、やはり同時期に登場するカーボン素材にも着目します。そして、この分野では世界に君臨するトップ企業となります。

ルックやタイムが自転車用のカーボンパーツを開発する前からカーボンを扱い、その特性を熟知いしている企業ですが、創業者の息子が大の自転車ファンで、高いカーボン技術を自転車に転用しようと2010年に自転車部門を立ち上げます。

デビュー作のディアブロは後発メーカーとは思えない仕上がりで話題を集め、その後軽量モデルのビューラーSL、エアロモデルのアリーゼ(現ナザレ)とシリーズを増やしファンを広げました。

ニールプライドのバイクの特徴は、乗り味が素直で良く進む事。決して際立った個性を強調する訳では無く、全体としてのバランスが整っている(らしい)。

カーボン製品の先駆者としてカーボンの質には拘りがあり、東レのカーボンを使用しているので、他社に比べて品質に対するコストパフォーマンスも高い。

そのニールプライドが長距離用のバイクとして開発したのがZephyr(ゼファー)。とにかく、風によるセイルのしなりを推進力に換えるセイルの技術を応用したフレームは、「フレームをしならせながらペダリングの力を全て推進力に変換する」という不思議なバイク。

■ フレームの一部の強度を下げたエンデュランスバイクは「踏んだら負け」 ■

フレームの一部に柔軟性を持たせた長距離用のフレームは沢山あります。或いはカーボンの弾性(質)を下げてしなるフレームも在ります。私が先日組み立てたFOCUSのIZALCO DONNAもシートステイとチェーンステイを積極的にしならせて縦方向の柔軟性を高めたバイクです。

しかし、フレームの一部の強度を意図的に抑えたバイクは振動吸収性は高いのですが、強い力でペダリングするとフレームがパワーに負けます。入力がフレームの変形に浪費される傾向が在る様です。だから、「モッサリして進まないバイク」という印象を受けます。

ただこの手のバイクは上手く設計してあげると、しなりがペダリングをスムースにして少ない力で良く進みます。私が組んだIZALCO DONNAも女性用のフレームという事もあって、少ない力で信じられない位い良く進みました。平地だけなら100Kmの自己最速記録を叩き出しています。それも恐ろしく疲労感が少ない。フレームのシナリとペダリングのタイミングを合わせると、下り坂の様にペダルが勝手に回転して、脚が追い付かない感覚すらあります。ただ、ペダルの回転に脚を添えるだけ、そんなイメージでクルクルとペダルを回すと、力を入れずとも平地35km/h巡行が長時間、楽に出来てしまう・・。ただこれは平地と無風(追風)限定です。

上り坂や、向かい風ではどうしても力を入れるペダリングになりがちです。すると、DONNAは途端に進まなくなります。ただ、ペダリングの回転維持すれば、楽に坂道は登ってゆきます。速くはありませんが、相当に楽です。これは脚力の弱い人には有難い。ただ、ダンシングを多用する様な人にはストレスが溜まります。まさに「踏んだら負け」のフレームです。

■ 重いペダルを踏む快感!! ■

NeilprydeのZephyrは真逆のフレームで、ペダリングのフィーリングはズシリと重い。軽いギアーを掛けて発進してもペダルは重い。しかし、確実に進む。ペダリングの力を一旦フレームに蓄えて、をれをイーブンペースで放出し続ける感じがします。

だから、どんなガムシャラは踏み方をしても確実に推進力に変換されるし、どんな重さのペダルを踏んでも進む。これ不思議な感覚で、ギアーの選択に非常にルーズなフレームです。8速あれば問題無く進む。

それでいてフレームが柔らかでフニャフニャという訳では無く、芯が硬くて、振動もカドは取れても魔法の絨毯という感じではありません。

丁寧に回しても走るし、ガムシャラに踏んでも走る。これ、昔のガチガチカーボンのレモン1号君や、極太クロモリチューブのMTBのラレー君の乗り味に似ています。ただ、リアバックの作りが上手なので、どんなペダリングをしても確実に推進力に変わります。そして、後輪はペタリと地面に吸い付いている。

試走の日曜日はなんと小雨だったのですが、濡れた白線の上でも安心してペダリング出来ましたし、ウェットな下り坂でも後輪がスリップする事は有りませんでした。




この走りを生むんが、多分、シートポストと一体化した様な形状の極細のシートステイ。しなやかに3次元的にカーブしながら、リアエンドにと繋がっています。




そして、通常よりも1cm程、後ろにオフセットしたリアエンドが路面の振動を上手に逃がしてくれます。



実は今回、こっそりとクランクをカンパの4アームにしてみました。これ、バットマンの武器みたいで、欲しかったんですよね。完全に自己満足の投資。

カンパのクランクは未だに以前の5アームが美しいという方が多いのですが、今回、5アームと4アームをフレームに付けてみて、4アームの姿を見た後に5アームに戻すと超ダサい。そこだけ時代遅れの感じ・・・。Zephyrはどちらかと言うとクラシカルな細身のフレームですが、細部の造形が複雑なので、4アームクランクの方がデザイン的なマッチングは高い。

■ 養老渓谷まで爆走した後に、ノンストップで鴨川に到着 ■

小雨なので、下りも平地もスリップ注意の安全運転ですが、それでも養老渓谷には27.4km/h(AV)で到着。途中、チーム練習の後ろに少し付きましたが、37km/hペースでトレインから離れて付いて行くのは50歳親父にはちょっと無理でした。

それでも、トレインからこぼれた人を拾いながら養老渓谷の到着して、そのまま清澄の登りに入っても脚が売り切れる事はありませんでした。

さらに、適当な調整での試走だったので、フロントがインナーに落ちないというオマケ付き。53tアウター縛りですが、意外と53t-27tでグイグイとダンシングで坂を登ってゆきます。さらには「ダンシングが売り切れない!!」。

そんなこんなで、ウェットな路面で下りを自制しながらも鴨川到着へは26.3km/h(AV)、ほぼ4時間で到着しました。何気に、下りも最速62.8km/h出てました。路面が乾いていた清澄の下りだと思います。フレームが細身の丸パイプなので、角のメガボリュームのIZALCO DONNAよりも空力が良い様です。


新しい自転車を組んで、初日の走行で雨でドロドロになりましたが・・・晴れの休日が楽しみです。