■ ユーロは1年半以内に崩壊する? ■
<2017.01.27 ロイターより引用>
前略
米国の駐欧州連合(EU)大使候補として名前が挙がっているテッド・マロック氏が英BBCに対し、ユーロは向こう1年半で「崩壊する」可能性があるためユーロはショートにすると発言。
後略
<引用終わり>
まあ、ポジショントークだとは思いますが・・・。
EU関係者が「EUは今後20年は安泰」と火消しに躍起になっています。
テッド・マロック氏はトランプ大統領と親しい実業家だそうで、個人的発言の域を出るものではありません。しかし、トランプ政権はアメリカ以外の国を「口撃」する事で、アメリカ国民の「アメリカン・ファースト」をアピールしており、彼の発言は一連のトランプ政権の戦略に反するものではありません。
■ 100回言えば本当になる? ■
トランプ政権の「口撃」ですが、私は効果は有ると思います。どんなにバカバカしい事でも、トランプ大統領や政権関係者が100回言えば、影響が無い訳有りません。
これ、権力や力を背景にした一種の呪術の様なものですが、現在の所、市場はトランプ氏の発言や発信、政権関係者の発言に右往左往しています。
■ アメリカ国内へ資金を誘導するトランプ政権 ■
今週はトランプ政権のムニューチン米財務相が短期的なドル高の悪影響を指摘した事で円高ドル安が進みましたが、ムニューチン氏は19日の米上院財政委員会の承認公聴会で「長期的に強いドルが重要だ」と述べており、長期的にはドル高に誘導して行くでしょう。
ただ、急激なドル高は「輸出振興」を掲げるトランプ政権のイメージを損なうので、過度なドル高を牽制しただけ。
■ 「画餅」の国内回帰 ■
トランプ政権のアメリカの国内産業振興は選挙のネタとは悪くありませんでした。しかし、それが成功するかどうかは別問題です。
そもそも、現状でもアメリカの失業率は歴史的に見ても非常に低い水準で、完全雇用に近い状況です。アメリカの白人達の不満は、賃金が低い事への不満で、その安い賃金すら移民と争わなければならない事への不満です。
自動車メーカーやウォールマートは雇用拡大を大々的に発表していますが、賃金を上げるとは言っていなかったと思います。そして、彼らは一時的の雇用を拡大しても、景気如何によってはすぐに雇用を縮小します。
結局、「かつての栄光」を求める貧困白人層や、没落した中間層を満足させる事は出来ません。
■ ドル高誘導で、金融で何かを仕掛けるであろウォール街 ■
多くの評論家がトランプ政権の「輸出振興」を理由にドル安を予想しています。しかし、トランプ政権を支配しているのはGSのOB達です。
ゴールドマンサックスの幹部だったムニューチン財務省が「ドル高」誘導するならば、そこにはウォール街の思惑が潜んでいるはずです。
製造業の衰退したアメリカでは、輸出を地道に促進するよりも、金融で一気に稼いだ方が、はるかに効率が良い。今はトランプ政権は国内の雇用確保など、国民向けの政策を打ち出していますが、次第に国民も「そう上手くは行かない」事に気づき始めます。
一方、GS出身者達が仕掛けるドル高で、新興国や世界のリスク市場からアメリカにドルが大量に回帰して来るはずです。これらのマネーは現在株式市場に流れ込んで、ダウ平均は2万ドルを超えました。
アメリカ経済が急激に回復している訳では無いので、これは「思惑や噂」で買っているの過ぎませんが、同時にアメリカ国内の投資資金が大量に流入している事を示しています。
■ 金利上昇でバブルは必ず弾ける ■
トランプ政権内のGSのOB達は単なるドル高によるアメリカの資産バブルで儲けたいだけなのか?
彼らとて、これが一時的なバブルである事は理解していますから、むしろ問題はバブルの処理になります。一見悪影響しか及ぼさないと思われる大規模なバブルの崩壊ですが、リーマンショックが「金利」という概念を根底から変えてしまった様に、経済のシステムやルールの返還には、バブル崩壊の様なショックが必要です。
陰謀論者の私は、次のバブル崩壊は国債と通貨の信用危機を招き、世界は新しい通貨制度に移行すると妄想しています。電子通貨が利用されると思いますが、フィンテックの普及によって、世の中のマネーの流通速度は飛躍的に高まると思われます。
これまで銀行が仲介していた資金循環が、個人単位で起こる時代がやって来るのかも知れません。それこそ、通貨は「価値」の概念を離れ、「ゲームのスコア」の様な存在になるかも知れません。国家債務と通貨のリンクもここで切られるのかも知れません。
この過程において、従来の貨幣の信用は失われ、各国が積み上げた債務はインフレによって清算される・・・そんな妄想に浸っています。
冒頭のユーロ崩壊は、実は次なる金融危機の「引き金」の役割を担うのかも知れません。
■ TPP離脱やNAFTAの修正はより一層の市場の統合をもたらす ■
「アメリカに雇用を取り戻す」「メキシコ国境に壁を築く」といった勇ましい言動と、Twitterによる自動車メーカーのメキシコ工場進出牽制で、トランプは「反グローバリスト」とのイメージが出来あがっている様です。
しかし、彼の政策は「TPPはアメリカ企業の利益が十分に反映されず妥協の産物だから離脱する」「NAFTAはアメリカよりもメキシコやカナダに有利だから修正する」と言っている様に私には聞こえます。
日本をはじめとするTPP加盟国(標的は日本ですが)は、TPPの交渉の過程でガードを外された訳で、そこからさらに妥協を迫られる事は確実です。
カナダやメキシコの企業はのNAFTAのISD条項を使って米国政府を歌えてきます。米国政府は敗れはしていませんが、煩わしいし、米国企業の訴えが棄却されるのも面白く無い。
トランプが選挙戦で「アメリカ人の雇用を取り戻す」と掲げた政策は、微妙に修正されながら、アメリカのグローバル企業にとって有利なカードとなりつつあります。
■ ブレイグジットとNAFTA修正の類似性 ■
イギリスのブレイグジットとトランプのNASTA修正の本質は実は似ています。
イギリスは統合市場EUにアクセスする為にEUに加盟してきましたが、一方でEUのルールにより域内からの労働者の移動を抑止できません。結果的にイギリスは多くの移民を受け入れ、彼らがイギリス人から職を奪う結果となりました。
実はこれはイギリス人の労働者からだけの視点で、イギリス全体やイギリス企業からすれば「安い労働力」を手に入れた、「若い労働人口を確保した」という事になります。
イギリスをはじめとするヨーロッパの先進国は一時期現在の日本と同様の急激な少子高齢化に悩まされ、それが経済発展を阻害していました。さまざまな政府の少子化対策にも関わらず思うように子供は増えず、結局は移民が若い労働力を提供する結果になりました。
アメリカも同様で、アメリカは先進国の中で唯一、若い労働力が増える国ですが、これを支えているのは移民達です。アメリカの白人は戦後のベビーブーマーがリタイアする事で、労働市場あから次第に少なくなりつつあります。
結局EUの移民政策や労働者の移動の自由も、アメリカの移民政策やメキシコからの不法移民の見逃しも、国家や企業の視点からすれば、若い労働力の確保としては有効に機能しています。
そして、十分に若い労働力を確保したから、そろそろ門戸を閉じようか・・・と言うのがイギリスのブレイグジットであり、トランプの登場なのでは?
EU域内でフランスの国民戦線などが選挙に勝てば、彼らは移民問題から最初に修正するでしょう。これに他の国が追随すれば、EUから離脱したり、EUを解体するよりも、移民や労働力の自由な移動に制約を掛けるという方向で修正が起きるはずです。
■ 中国と経済戦争を始めるトランプ政権 ■
アメリカの貧しい白人労働者が敵視しているのはアメリカの貧しい移民です。しかし、トランプ政権はその怒りの矛先を中国に向けようとしています。
実はアメリカの貧しい人達の生活は、安い中国からの輸入品無くしては成り立ちませんが、中国のこれ以上の経済発展は、中国の軍事力の拡大と国際社会での発言力の拡大からアメリカにとって好ましく無い。
冷戦時代はソ連を、近年もロシアを敵視していたアメリカですが、これからは中国を仮想敵国にロックオンするはずです。当然、米中間の軍事的緊張も高まるはず。
そうした中で、米国輸出で中国が経済発展する事は好ましく無い。そこで、中国製品の米国への流入に関税などで制限を掛けると思われます。
第二次大戦後、アメリカからの技術移転で日本の工業はアメリカの脅威となる程成長しましたが、アメリカはバブルの崩壊を仕掛けて日本企業を株式から支配し、利益を得る様になりました。
これと同じ事を中国に仕掛けると考えている方は多いと思いますが、私はむしろ東西冷戦の時の様にアメリカが中国を封じ込め、新たな冷戦構造を構築する可能性が高いのでは無いかと考えています。
敵の存在が国家を結束させ、同盟の絆を深くするからです。貿易交渉で多少不利益があっても、アメリカとの軍事同盟とのバランスで妥協せざるを得なくなります。
■ 軍事的緊張とブロック経済 ■
オバマからトランプへの政権移行は、カーターからレーガンへの政権移行によく似ています。
カターは国際融和路線を掲げ、キャンプデービット合意を実現しています(実際にはすぐに合意は破られますが)。一方で中東外交は弱腰で、彼の任期中にイラン革命が起こり、イラン大使館が占拠され大使館員が人質になります。これに対してカーターは話し合いでの解決に拘り、支持率をどんどん低下させてゆきます。
弱腰のカーターに対して、偉大なアメリカを取り戻すとして選挙で勝利したのがレーガンです。レーガン政権は「強いドル」「強いアメリカ」を旗印にします。
1) 国内の減税を行う一方でインフレ抑制の為に1981年から1985年の間は高金利政策
2) ドルの独歩高が発生し、世界の資金がアメリカに集まる
3) 一方で巨額の貿易赤字、財政赤字が発生する
4) ジャパンバッシングが激化し、日本との貿易協定でアメリカの要求が高まる
5) プラザ合意でドル高が強引に是正されるまでドル高が続く
6) この間、対ソ連政策としてスターウォーズ計画を進める
うーん、まるでデジャヴの様に現在の状況に似ています。ただ仮想敵国がソ連から中国に代わるのでしょう。
■ アメリカの保護主義は、高金利政策への布石では無いか? ■
こう考えると、トランプの保護主義政策は、高金利による輸入超過を牽制している様に思えてなりません。
1) リーマンショック以降、安いドルが世界にばらまかれる
2) 特に新興国金利は高かったので、金利の安いドルが調達通貨となっていた
3) ドルの金利上昇で新興国から一気にアメリカに資金還流が起こる
4) 一時的にアメリカの経済は急激に回復する
5) さらなるドル高、金利高の循環になる
6) アジア通貨危機と同様の状況が発生する
7) ドル高で輸出に不利になる米国企業を、トランプの不平等貿易協定で救済する
8) 輸入関税を掛けて海外製品を牽制し、国内産業を保護する
■ アメリカの独り勝ちとなるのか? ■
ここまでの雑な考察では、「アメリカの独り勝ち」となりそうな気がします。
しかし、グローバル金融やグローバル貿易の時代には、新興国の大規模は経済危機は、世界全体の金融市場に大きな影響を与えます。
そもそも、世界もアメリカ国内の金融機関も、既に金利の低すぎる資産を大量に保有していますから、金利上昇に耐えられる状況にはありません。
「偉大なアメリカ」の夢が膨らみ掛けた所で、アメリカは現実に引き戻されるでしょう。そして、トランプの夢から醒める時、きっと次なる金融危機が発生するはず。
そこらへんをゴールドマン出身のトランプの経済閣僚達がどう料理するのか、楽しみでもあり、怖くもあります。
■ アメリカの大統領はアクターである ■
私はアメリカの大統領で積極的に政策立案に関与していたのはカーター氏とパパ・ブッシュまででは無いかと妄想しています。
カーター氏は在任中は失策も多く(イラン大使館事件など)不人気の大統領でしたが、大統領を退いた後は世界の紛争地帯を飛び回り、鳩山由紀夫氏同様に現職時代よりも存在感を増した感があります。
カーター氏は「ピーナッツ畑の農場主から大統領」というシンデレラストーリーで選挙戦を戦いましたが、実はアメリカ外交問題評議会のメンバーだったとも言われ、元々あちら側の人だった可能性が高い。だから、引退後に北朝鮮などに何回も足を運ぶ役回りになっている。
一方、パパ・ブッシュはブッシュ家の当主ですから、元々アメリカを支配する側の人(ハリマン銀行など)。彼は湾岸戦争時の大統領ですが、出来が悪いと言われる息子もしっかりイラク戦争を開始しています。
それ以外の最近の大統領は、「役者」だった可能性が高い。特にレーガンは「強いアメリカのシンボル」を演じたる役回りでトランプに似ています(レーガンは本当にハリウッドの役者出身でしたが)。
「CHANGE」とひたすら叫んで大統領になったオバマ政権は、実質的にはヒラリーが裏で暗躍して中東に混乱を生み出しました。オバマは米軍の撤退をクリーンなイメージで実行し、その空白にISが入り込んで行った。
■ 大統領より閣僚人事に注目すべき ■
私はトランプが大統領にされた最大の理由は、彼が「天性のアジテーター」で「天性のイカサマ氏」だからだと考えています。要は、国民を騙す役割に最適なのでしょう。
現に、トランプ政権の閣僚の顔ぶれを見れば、彼が選挙戦で訴えた「国民の為」とは真逆の顔ぶれが揃っています。とくに経済閣僚と大統領に影響力を与えるポストがゴールドマン出身の人材で固められています。
トランプ政権の裏でキシンジャーの姿がチラチラしていますが、エクソン・モービルのCOEを国務長官に推挙したのはキッシンジャーだと言われています。さらに、ロシアとの融和路線を指南したのも彼だとか。
■ アメリカとロシアの石油カルテル ■
トランプ政権とロシアを結びつけるものは「石油」です。エクソンモービルを始めとする米国の石油メジャーとロシア、そしてウォール街が仕掛けたシェールビジネス。彼らの共通の利益は原油価格の上昇です。
では、原油価格を引き上げるにはどうしたら良いか?OPECにその力はありません。原油の生産地は世界に分散しているので減産の足並みは揃いません。
しかし、中東で戦争が起きれば原油価格は否応なしに上昇します。
■ CIAでのスピーチでISの殲滅を主張 ■
ISはCIAなどアメリカの諜報機関が作った組織だという事は広く知られる様になりましたが、トランプはCIAの職員を前にISの殲滅を指示したと伝えられています。イラクやシリアに混乱と荒廃をもたらしたISですが、その役割は終わったのでしょう。
トルコ空軍がロシア空軍と共同でシリア国内のISを攻撃したと伝えられていますが、トルコのエルドアン大統領の息子はISの原油で儲けていましたから、ロシア軍機を撃墜する程、トルコとロシアの関係は悪化していました。それが手のひら返しで和解して、IS殲滅の共同作戦を行っているのですから、ISの役割は完全に終わったのでしょう。
トランプ政権の国防閣僚の顔ぶれは、海兵隊の現場組のトップ経験者で占められていますが、彼らはISの殲滅に積極的なはずです。
■ 石油利権の山分け? ■
ロシアとアメリカの接近の背景には、シリアの石油利権の調整という課題があるはずです。基本は利権の山分けなのでしょうが、利害が共通の間は両国は融和ムードでしょう。
■ 中東有事 ■
このままISが殲滅されてシャンシャンでは、陰謀論として収まりが悪い。原油価格コントロールの観点からも、中東で何かが起こりそうな気配がします。
中東で残された勢力は、イスラエル、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランといった所ですが・・・イランはサウジとイスラルと対立しています。一方、敵の敵は味方とばかりに、サウジアラビアとイスラエルは距離が縮まっています。ロシアが仲介している感もありますが、シーア派イラン VS スンニ派+イスラエル という対立構造が出来つつあります。
追い詰められたかに見せかけて、ISがイランに対して暴走するなんてシナリオも無くは無く・・・。
ただ、中東情勢の予測はプロでも難しいので、「きな臭い」とだけ・・・。
■ 中国への強硬姿勢は、国民へのアピールと中国バブル崩壊が目的? ■
トランプの中国への強硬姿勢は「国民へのアピール」だと見る事が出来ます。これは日米貿易摩擦の様に、国民のガス抜きに使われそうです。
既に中国の工業製品は価格が上がり過ぎていますから、対米輸出国の東南アジア諸国にシフトしています。アメリカの製造業は衰退してしまいましたから、結局は中国以外からの安い輸入品に頼らざるを得ません。
それとは別として、ゴールドマン出身の閣僚達の動きが気になります。日本のバブル崩壊を仕掛けたのはCIAとソロモンブラザーズでしたが、きっと中国にもバブル崩壊が仕掛けられると思います。
これにより世界経済は混乱するでしょうから、ゴールドマンの収穫祭が始まりそうな予感がします。政権内部で彼らが何をするのか‥‥気になります。
■ トランプの言動にあまり気を取られない方が良い ■
今のところトランプの言動に右往左往するばかりの投資家ですが、私はトランプの発言や発信にあまり惑わされない方が良いと思います。大統領就任演説も「煙幕」程度に考えた方が良い。
あくまで、米国金利、中東情勢(原油価格)の二つに注目して、政権内部の微妙な空気を読む事が肝心かと。
さらにはキッシンジャーとその子分の動きにも要注意。外交的にはとトランプよりも、ティラーソン国務長官の言動に着目しています。
本日は「にわかテッチャン」の記事。
いつもの事ながら自転車で鴨川に出かけて行きました。すると外房線の線路傍にカメラの三脚が並んでいます。「何かイベントでもあるのですか?」と聞くと、「今日と明日、SLが走るんですよ、客車を曳いて」とのお返事が。
早速、娘を誘って見に行こうとすると・・・「あ、それ・・毎日学校から見てる」とのつれない返事。どうやら一週間程、試運転をしていたらしい。
K-Popのミュージックビデオに夢中の娘を残し、私一人でSLを見に行く事に。場所はやはり「あそこ」しか無い。
内房線の江見駅と太海駅の間、道の駅オーシャンパークのすぐ近くに線路が入江の鉄橋の上を走る場所があります。googleマップで確認すると、入江の砂浜の上を線路が通っているのが分かると思います。
この「山生(やまめ)橋梁」は鉄道橋では日本初の鉄筋コンクリートT型梁形式の橋梁であり形式もアーチから桁・梁構造へと進化する記念碑的な意義を持つ橋梁で「土木遺産」に登録されています。
現代的な建築方式の橋梁は、見た目は「普通」ですが、実は歴史的に価値のある建造物なのです。
この橋の素晴らしいのは、ロケーションです。狭い入江で山が海に落ち込む場所に建てられていますが、隣を国道128号線が並走しています。こちらは海の上に架橋されています。
下の砂浜からがフォトロケーションとなります。砂浜には国道の館山寄りの海側から急な階段で下りる事が出来ます。
浜に降りると既に鉄道マニアや近所の方が大勢カメラを構えて場所取りしていました。
実はこの入江、砂浜の岩がゴツゴツと露出しているのですが、黒い岩や、灰色の岩や、白い岩が有ります。これ、海底で出来た泥岩、左岸、凝灰岩が隆起したものですが、非常に複雑で面白い。
そんな砂浜を探索しているうちにも遠くに機関車の煙が立ち上り始めました。風に乗って汽笛の音の聞こえてきます。人々の期待が高まった時、モクモクと黒煙を吐いて、黒光りする鉄の塊が橋の上を疾走してきました。
カシャカシャカシャカシャとカメラのシャッターが連鎖される音が響きます。フゥォーーーーンと機関車が汽笛を高らかに鳴らします。車窓の乗客達が手を振っています。浜辺の人達も手を振ります。
機関車(D51)は一気に橋梁を渡り後に客車が続きます。最後尾には赤いディーゼル車が連結されています。転車台(ターンテーブル)が無いので、館山からは機関車はバックで最後尾に付きます。この時はディーゼル機関車が先頭で牽引するのです。
ほんの一瞬の光景でしたが、多分一生記憶に残るでしょう。
尤も、SLは母の実家の在る静岡県金谷町の大井川鐡道で子供の頃から見慣れているのですけどね・・。