■ 経済はズタボロでも史上最高値 ■
資産市場はリーマンショック後から「金融緩和」にしか反応せず、実体経済からは乖離しています。短期の値動きは各種指標に反応していますが、中長期では緩和マネーにしか反応しない。
この傾向はコロナ緩和で拍車が掛かり、今では各種指標との相関も薄くなっています。緩和マネーが増えるならばコロナだって大歓迎なのが今の市場です。
・・・これが異常な事は、個人投資家でも理解していますが、「上るから買う、買うから上がるという相場」はしばらく続きます。(これこそがバブル)
■ イエレン登場 ■
アメリカ大統領選挙もほぼ決着し(陰謀論者やネトウヨの夢は潰えました)、そろそろ新閣僚の名前が噂されています。
財務長官にイエレン氏の名前が上っていますが、彼女の場合は実力よりは「見た目のイメージ」が良い。上品な白髪で柔和な表情は、私も癒されます。
彼女に何か期待するというよりも、今の相場の守り神(女神)的な意味での登用になるのでは無いでしょうか。彼女はテーパリングを上手に乗り切りましたからその実績が「お守り」の様に市場に作用する・・・。
■ このクレージーな相場はいつまで続くの ■
トランプが大統領に選出された時も、市場は下落を予測していたのに相場は上昇しました。トランプの意外性に市場が期待した為とも言われています。
しかし、理由なんて何でも良いのです。資金が無尽蔵に追加される市場では、犬がオナラをしても相場は上層します。
こんな状況は異常だと誰でも分かっていますから、時々、理由を付けては調整(利確)はしますが、少し値を下げた後は再び上昇に転じる。後にはショートポジションを取った人達の屍が点々と残される。
では、このクレージーな相場はいつまで続くのか・・・・多分、コロナの収束が有る程度確実になって、緩和縮小が明確になるまでは続く・・・そう市場参加者の多くが予想している。
■ リスクがリスクで無くなる異常 ■
バブル相場に常識は通じません。
例えば「新型コロナワクチンで大量の副反応が出て接種が一時中断される」という事態が起きた時、普通ならば経済への影響を不安視して株価は下がります。ところがクレージーな相場では、「ヤッター、これで暫くコロナマネーが続く」と捉え、一時相場が下落した後は、上昇に転じる可能性が高い。
この様に「緩和マネージャンキー」の市場は、常識では考えられない様な動きを続け、いつかは崩壊します。
■ どこまで付き合うかが問題だ ■
市場は既にチキンレースとなっています。崖は確実に存在しますが、ギリギリまでブレーキを掛けなかった者が勝者・・・。
なかなか勇ましい話ですが、本当の賢者はチキンレースになど参加しません。せいぜい見物して楽しむ。但し、それも崩壊の後の生活が保障されていてこそ・・・・。