人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

「無人島」に流される時に持って行きたいアニメ3作品を選らぶとしたら・・・

2015-01-31 10:16:00 | アニメ
 

■ もしあなたが無人島に流されたとして、持って行きたいアニメ3作品は? ■

少し前に上記の様な設問で、好きなアニメや本やCDの作品名を挙げる事がネットで流行っていました。(多分)

そこで今回は、私ならばこの作品を持って行く「ベスト3」のアニメ編。


■ 「みんな星になっちゃぇーー!」  『伝説巨神イデオン』 ■



1作品目は日本アニメ史上の最高傑作と疑わない富野監督の『伝説巨神イデオン』

『機動戦士ガンダム』を挙げる人が多いと思いますが、単なる戦記アニメのガンダムに対して、イデオンはSFとしての完成度が高い。そして、「人の業の深さ」を極限まで描き尽くした作品として、今後もこの作品を越える物は現れないでしょう。「イスラム国」などが現れ人々の憎しみをメディアが増幅していますが、そんな時代だからこそ、TV版と映画版の全放映を是非NHKで実現したい!!

神アニメとはこの作品の為にある言葉である・・・富野監督の最高傑作「伝説巨神イデオン」 

たとえ無人島に流されたとしても、最後はみんな星になっちゃうのだから諦めも付くというのものです・・・。


■ 最後は世界で1人・・・『ゼーガペイン』 ■



2作品目はわが町浦安(舞浜)を舞台にした『ゼーガペイン』

現実だと思っている自分達の世界が実はサーバーの中に構築されたバーチャルワールドだった。現実の世界はウィルスの蔓延で既に滅んでいた・・・。ここまでは『マトリックス』と大差の無い設定。ただ、バーチャルワールドがサーバーの容量の問題で入学から8月31日の間を延々に繰り返すのが切ない。何度も友達になって何度も喧嘩して、何度も和解して、何度も恋をして、何度も戦って・・・そして8月31日が来る度に全てが「リセット」される世界・・・。そして、主人公達は少しずつ情報を喪失して行く・・・。

この切なさはこの作品の真骨頂です。デビューしたての花澤さんの「棒」が最高の作品でも有ります。

揺らぐ「実存」に対するアニメ的な回答・・・『ゼーガペイン』は『エヴァンゲリオン』への回答

放映から10年近くが経ちますが、熱心なファンは毎年8月31日の24時を舞浜で迎えるとか(リセット祭り)。一般には無名な作品ですが、熱烈なファンを持つ作品でも有ります。

最終シーンを見ると、無人島に持って行くにふさわしい作品である事が分かります。


■ 彼女達が居れば寂しくない・・・・『輪廻のラグランジェ』 ■



無人島は寂しい・・・・。だから、楽しみが必要だ。彼女達が居れば、一人でも大丈夫・・・。


アニメ的日常とは・・・「輪廻のラグランジェ」

時代は鴨川・・・自転車に乗って「輪廻のラグランジェ」の聖地巡礼

『輪廻のラグランジェ展』 in 鴨川 ・・・ いつかは、きっと名作の仲間入り 


『輪廻のラグランジェ』はとても不幸な作品です。鴨川市とのタイアップを叩かれた事もそうですが、1シーズン目の1話の出来栄えが良すぎました。

新人バッターが初めての打席でいきなり初球ホームランを放ったしまった様な作品で、これで視聴者の期待度が不必要に高まってしまいました。2話目まではかなり良い出来なのですが、その後の日常回で失望したロボットアニメファンが多いと思います。

しかし、この作品はロボットだとかSF的設定よりも、女の子3人の日常に魅力が有って、その「日常を守りたい」という女性原理の戦いが見所の作品です。プリキュアに代表される「戦う少女」の見本の様な作品なのですが・・・・何故か世間には無視されています。

そんな不遇な作品だから、無人島に持って行きたい。



1分も迷う事無く3作品が決まりました。
3本ともロボットアニメというのが自分でも少し意外でした。


あなたらな、どんな作品を持って行きますか?



ちなみに今年大学生になる娘のセレクションは







・・・最後は「歌う少女アニメの元祖だよ」と娘は言っておりますが・・・・『魔法の天使クリィミーマミ』の存在を娘は知るはずも無く・・・。




ところでネットに見つけたこの画像・・・オイオイ、成長しているじゃないか・・。

「ドル」という「フィクション」・・「危機」も含めて利益を生み出す装置

2015-01-30 03:48:00 | 時事/金融危機
 

■ 「ドル」と金兌換制度 ■

第二次世界大戦後のブレトンウッズ会議で、世界の基軸通貨がドルと決められました。それまではポンドが基軸通貨の座に有りました。

これは、現代で言うば、新興国の中国がアメリカを凌ぐ国力を持ち、アメリカが戦争で国力を失ったから、中国の元をこれからの基軸通貨にしようと決める事に等しい行為だったと言えます。

ただ、そう決めるだけでは「信用」が無いので、ドルは金兌換通貨として「1オンス35ドルで金に交換できる」という「金の価値」で「物質的な価値」を裏打ちをされ、各国通貨はいつでもドルに換える事で、金に兌換出来るという間接的な金兌換で「通過という価値」が与えられました。

この為にはアメリカが金兌換に耐えうる金準備を保有している必要が有り、世界の金はアメリカに集められたのでしょう。日本やフランス、ドイツなどの金準備はアメリカのフォートノックスにある地下金庫に集められましたが、フランス最近、自国の金準備を戦艦でフランス国内に移送しています。

ドイツ国会も自国の金準備を国内に取り戻す法案を可決しましたが、実際にアメリカから奪還した金はほとんど無く、彼らは金準備を取り戻す事を放棄しました。

先般、スイスはスイスフランの20%の金準備を中央銀行に義務付ける法案を国民投票に賭けましたが(スイスは直接民主制)、これは否決されています。

この様に、単なる紙切れである通貨が信用を得る為には「金兌換」という方法が用いられて来ました。戦後のドルとてその例外では有りませんでした。

■ 経済発展を阻害する金兌換制度 ■

金は有限の資源であり、金兌換通貨であるドルは、金の量によって発行に上限が設定されます。これこそが、紙切れの通貨の価値を支えている理由でした。たとえ紙切れであっても、発行量が規制されていれば、不必要に増えて価値を失う事が無いからです。(さらにいつでも金に交換出来ますし)。

しかし、基軸通貨であるドルが金にペックしていると困る事が生じます。それは、世界の経済が戦後から復興して拡大する為に必要な資金の量が制限されてしまうのです。

ブレトンウッズ体制下では、各国の通貨は固定相場制でドルにペックしていましたから、ドルの量が増えなければ各国の通貨も増える事が出来ません。ドルが金の量で上限が決められていると、各国は勝手に通貨を増刷する事が出来ずに経済発展が妨げられます。

■ 金準備が減り続けてたアメリカ ■

戦後しばらくすると、ドイツや日本が工業国として発展します。これらの国はアメリカを始めとする世界に大量に輸出を行い、その対価としてドルを手に入れました。このドルは当時金に交換する事が出来たので、アメリカの金準備は減り始めます。

アメリカの金準備が減ればドルの量も減らざるを得ないのですが、経済発展を続ける世界は、大量のドルを始めとした通貨を欲する様になります。

1971年8月15日にアメリカ大統領リチャード・ニクソンは、一方的にドルの金兌換を停止する事を宣言します。これを「ニクソンショック」と呼びます。同時に従来の固定相場制を廃止してドルを各国通貨に対して切り下げる事も発表されます。

今まで金兌換によって価値が裏打ちされていたドルが、いきなり「紙切れ」になった瞬間でした。この発表を事前に知っていたのはニクソンの側近の4人だけだと言われています。(そういう事にしておこう・・・という意味でしょう)

ニクソンの発表を受けて世界は震撼します。当然ドルは売られ強い値下がり傾向を示しまいた。日銀はニクソンショックから10日間で40億ドルのドル買い円売り介入をしますが、結局1ドル360円というレートを維持する事が出来ずに、円は変動相場に移行します。その後、固定相場への復帰が検討されますが、結局世界は変動相場に移行してゆきました。

■ 戦後のアメリカの金融抑圧政策 ■

日本やドイツを始めとした輸出国は、貿易で得たドルを米国債で運用していまいした。現金のドルで保有するよりも金利が得られるからです。これは現在も変わりません。

ただ、ドルが変動相場で切り下がると、米国債の価値も同時に切り下がります。要はドル安はアメリカにとって過去の債務の負担が減る事を意味するのです。

アメリカは第二次世界大戦後に大量の国債を発行して、戦時国債を償還します。1951年の「財務省・連邦準備アコード」が発表されるまで、アメリカの国債金利はFRBの買いオペによって2.5%程度にほぼ固定されていました。しかし、1951年以降は、米国債金利は市場に委ねられました。

米国債金利推移

http://indexfund.nomura-am.co.jp/viewpoint/school/07/01_02.html より

米国債の対GDP比

http://indexfund.nomura-am.co.jp/viewpoint/school/07/01_02.html より

アメリカは第二次世界大戦で国内の生産設備が破壊されていなかったので、戦後復興で経済が急速に拡大します。戦後のインフレ率も10%近くに達します。一方で国債金利は2.5%に固定されていたので、結果的に国債負担は軽減します。(金融抑圧政策)

1950年頃からアメリカのインフレ率は低下します。戦後復興で各国の国内生産力が上がり、世界的に供給力が回復した事が原因と思われます。インフレ率が低下したので、米国債金利を市場原理にゆだねても金利は低く押さえられます。そこで、1951年にアメリカは金利を自由化したのでしょう。

米国債はドルと並ぶアメリカの主要輸出品目です。日本はドイツの輸出の増加は、ドルや米国債の需要を押し上げました。米国債需要の高まりは、米国債金利を低く抑制します。

アメリカは戦後大量に発行した国債の償還を順次迎えますが、旺盛な海外の米国債需要が償還を支えたと言って良いでしょう。一方でアメリカの経済発展は高いインフレ率と税収の増加を支えました。


http://amesei.exblog.jp/7696913/

■ 米国経済の陰りとベトナム戦争 ■

アメリカのインフレ率は1960年事に低下しています。この時ベトナム戦争が発生します。

実は上のインフレ率のグラフを見ると、こんな関係が見えて来ます。

1940年・・・デフレ傾向・・・・1941-45 第二次世界大戦
1950年・・・デフレ傾向・・・・1950-53 朝鮮戦争
1960年・・・デフレ傾向・・・・1960-75 ベトナム戦争

どうもこの時期アメリカはデフレ傾向が発生する度に戦争をしている様に見えます。戦争による軍需産業の活況は、アメリカ経済を回復させます。要は、アメリカにおける戦争は公共事業に等しいのです。

一方で公共事業は国債の大量発行とセットになっています。アメリカは10年毎に10年債の大量償還時期を迎える事になります。

■ ベトナム戦争の国債償還をドルの切り下げで乗り切る ■

ベトナム戦争で発行した10年債が順次償還を迎える1970年以降、アメリカは米国債の償還コストを削減する方法を取ります。

それがニクソンショックという強引な通貨の切り下げです。これによりアメリカ国外が保有する米国債の価値は実質的に目減りします。

同時にアメリカ国内は輸入コストが増大するのでインフレが進行します。

■ ドルを支えた中東戦争 ■

ニクソンショックによってドルは「紙切れ」になりますが、しかし、ドルは基軸通貨の座を滑り落ちる事はありませんでした。

これに貢献したのが中東戦争に端を発する「石油ショック」です。



当時石油はドルで取引されていましたが、1973年の第一次石油ショックで2ドルか
ら20ドルと、原油価格は10倍に跳ね上がっています。さらに、1979年の第二次石油ショックで20ドルから50ドルに跳ね上がりました。

これにより旺盛なドル需要が生まれ、ドルは基軸通貨の座を守る事になります。ドルは金』兌換紙幣から、石油兌換紙幣になったのです。

これを「修正ブレトンウッズ体制」と言います。

中東戦争が軍前発生したのか、それとも石油価格の操作の為に発生したのかは定かでは有りませんが、結果を重視する陰謀論的には、イスラエルの存在は・・・。

■ スタグフレーションの発生とレーガノミクス ■

原油価格の高騰は、世界中でインフレを進行させました。一方で原油価格の上昇は生産コストを高めるので経済は停滞します。

この時期、日本は高度成長期だったので、オイルショックでも経済は拡大していましたが、アメリカやヨーロッパでは景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションに陥ります。

アメリカは不況を克服する為に財政を拡大します。ケインズ政策です。

しかし、ここでジレンマが発生します。不景気対策として金利を抑制すると、原油高によるインフレが加速します。金利を上げてインフレ率を抑えようとすると国債発行コストが増大します。

1980年にロナルド・レーガンが大統領に就任します。

レーガン大統領就任の時期に最も重要な経済の課題は、インフレの抑制でした。ベトナム戦争からオイルショックと続く不景気で米国政府は財政を拡大し続けましたが、これは同時にインフレを拡大する事になります。この時期、アメリカのインフレ率は12%にも達し、米国債金利は3カ月物で20.2%に達していました。

レーガンは最初歳出削減に手を付けますが、不景気下での歳出削減でむしろ米国の不景気は深刻化します。

そこで彼が取った政策は・・・

1) 福祉支出の削減(小さな政府)
2) 軍事費の拡大(強いアメリカ政策)
3) ドル高政策(利上げによる米国投資の促進)
4) 富裕層の減税(投資ブームの育成)

■ ニクソンショック以降の弱いドル政策からの転換 ■

ニクソンショック以降、ドルは減価し続け、同時にインフレが進行します。この過程で戦後発行されたアメリカ国債は、安いコストで償還された事になります。

一方で弱いドルの弊害が高インフレとして米国経済を苦しめていました。

そこで、レーガンは金利を引き上げてインフレ率を抑制すると同時に、高金利によって海外のマネーを米国投資に向かわせたのです。当然、米国債金利も高くなり、米国債の商品としての魅力も高まります。

一方で、富裕層を減税する事で、米国内の投資ブームを煽ります。資産市場に資金が流入して米国では商業不動産を中心にバブルが発生します。

■ バブル経済の始まりと、ドル高・ドル安 ■

米国経済は不死鳥の様に復活しますが、その原動力は「バブル」です。

80年代後半は商業不動産バブルが発生します。
これが弾けると、今度は90年代初頭にITバブルが発生します。
ITバブルの後は、住宅不動産バブルが発生し、リーマンショックに繋がります。

この様にレーガン政権以降、アメリカ経済はバブルとその崩壊を繰り返す様になります。

バブル崩壊後はドル安になり、アメリカへの投資は割安感が生まれます。そこで資金がアメリカに集まり出すとドルが値上がりを始め、さらに世界の資金を引き付けて次なるバブルが成長します。

しかし、このバブルは2年程度で崩壊し、世界のマネーは米国内で棄損して消えてしまいます。ドルも下落するので、投資資金はアメリカから逃避しますが、やがては底を打ち、米経済の回復と共に、ドルが上昇し始め、世界の投資が再びアメリカに集まります。

こうして、レーガノミクス以降、アメリカ経済は周期的にバブルとその崩壊を繰り返し、ドルはその度に上がったり、下がったりする用になります。

■ 「ドル」という「フィクション」 ■

ニクソンショックによって金から切り離されたドルは、レーガノミクス以降の金融の自由化で、従来の「物を買う」という通貨の役割から離れ、金融市場の中でゲームのスコアーの様な存在に変化しました。

これは「ドル」が「フィクション化」していると言えるのかも知れません。

様々な危機が起きれては消えて行く過程で、ダイナミックに市場が動き、その中でドルが一部の人達に都合の良いツールとして使われています。


一方で、ツールとしての通貨の発行コストは金利の消失で限りなく低くなっています。

これは一種のパラダイムシフトなのかも知れません。


通貨は既に実体経済を離れ、金融市場というフィクションの中の幻にお金になってしまったのかも知れません。そして、フィクションの中から滲み出たお金が実体化して、実体経済を支えている・・・。


戦後、ブレトンウッズ協定によってドル基軸体制が発足して70年余り。その短い間にも通貨の概念やそれを支えるシステムはどんどん変化しています。

実は通貨という物自体、世界の人々の共同幻想であり、フィクションなのかも知れません・・・。


世界的な国債金利の低下・・・リスクオフ?

2015-01-27 03:46:00 | 時事/金融危機
 

■ QE3終了の影響で下落する商品市場 ■

原油価格の下落が止まりません。



原因として、世界的な景気後退による実需の低下や、サウジアラビアのシェールオイル潰しなどが挙げられています。しかし、商品市場は原油のみならずほぼ全ての価格が下落しています。

長期的な原油価格の推移を示す上のグラフですが、90年代に抑制されていた原油価格が2000年代になると急騰している事が分かります。これは実需を反映したものでは無く、投機マネーが原油市場に流入した事を示しています。

特にリーマンショックの前の数年間に顕著な伸びを示していますが、これはFRBがITバブル崩壊の影響を緩和する為に金利を下げ、さらに日銀が量的緩和を実施していた時期で、リーマンショックの原因となったアメリカの住宅バブルの拡大期と一致します。

リーマンショックで一旦暴落した原油価格は、中央銀行がバラまいた緩和マネーの流入を受けて再び上昇しています。要は、原油を始めとする商品市場はバブル状態が続いていたのです。

原油価格が下落し始めたのは昨年の8月頃からでした。この時期、FRBはQE3を段階的に縮小、そして終了間際となっていました。これはFRBの資金供給量が減った事を意味します。緩和マネーに支えられていた市場は、緩和マネーの減少に単純に反応して相場が下落していたのです。

■ 商品市場から株式市場、そして国債市場へとリスクオフの連鎖 ■

商品市場から流出した資金は株式市場に流れ込み、今年1月初めにダウや日経平均は高値を付けています。しかし、日経平均は18000円、ダウの18000ドルに達した瞬間の下落して、なかなかその水準を抜けずにいます。

一方、並行する様に下がり続けたのが国債金利です。日本国債は日銀の支配する相場なので特殊ですが、米国債もヨーロッパ諸国の国債も等しく金利が低下しています。これは、国債市場の大量の資金が流入している事を示します。

■ 日銀の追加緩和やECBの量的緩和で市場は回復するのか? ■

リスクオフの流れはFRBの資金供給量が減る時期に半年先だって繰り返されて来ました。今回もQE3終了という実質的な資金量の低下と、今年半ばと見られる利上げを予測したリスクオフが発生したと見るのが妥当でしょう。

それに対して日銀は昨年10月末に追加緩和を発表し、ECBも先日22日に量的緩和に踏み切る事を発表しています。

本来ならば、市場への資金供給が増える量的緩和の拡大は、市場価格を押し上げるはずですが、既に市場は量的緩和の拡大を織り込み済みで動いていたようなので、株式市場の反応も鈍いものに終わっています。

むしろ、アメリカが利上げをスタートするまでは、過度なリスクテイクを避け、国債市場に資金を移している様です。その影響で南欧債ですら金利が低下し、ドイツ国債に至っては金利がマイナスに突入しています。

日本国債も金利がマイナスですが、マイナス金利の国債に投資する程市場のマインドは冷え切っています。ただ、ヘッジファンドなどはマイナス金利からでも利益を出している様です。要は金利が変動すればマイナス金利でも利益が出るのす。

■ FRBの利上げ後に爆上げするであろう市場 ■

QE3のテーパリング開始時もそうでしたが、だいたい半年前からリスクオフが始まり、実際のテーパリングが始まる頃には市場関係者は利益を出したくてウズウズしていました。テーパリング開始で大した混乱が無い事を確認した後、一気にリスクテイクに舵を切っています。

今回のFRBの利上げを凝視して市場は停滞していますが、実際にFRBの利上げ幅は微々たるもので資金需要が急激に減る様なものでは無いはずです。さらに日銀とECBがしっかり資金供給を拡大しているので、FRBの利上げは多分成功するでしょう。

これを見極めた後、市場は「爆上げ」する可能性が大きいと思います。

■ リスクオフで国債市場は混乱するのか? ■

問題はリスクオフの過程で、国債市場から資金流出が起きる事だと思います。国債金利が極端に低下している現在、裏を返せば投資家達は各国国債を高値掴みしている訳で、リスクオンの気運が高まると、国債価格が下落する事は免れ得ません。

FRBの利上げが成功するかどうかは、米国債の金利をどれだけ緩やかに上げて行けるかに掛かっていますが、多分、利上げ時に日本の多くの資金、例えばGPIFやゆうちょ、かんぽの資金が全力で米国債を支える事になるでしょう。

米国債金利の上昇を上手く凌げれば、当分はリスクオンが続き、アメリカで次なるバブルが膨らむ事になります。


これが、アメリカの「勝利無き、勝利の方程式」です。勝利した所でバブル崩壊がセットになっているのですから・・・・。ジム・ロジャースは2017年頃のバブル崩壊を予測していますが、これが多くの市場関係者の予測でしょう。但し、予測は良くも悪く絶えず裏切られるのが世の常。


後は野となれ山となれ・・・中東や中露関係の仕込みが意味を持つのかも知れません。

日銀の遠い「出口」・・・池の中のクジラ

2015-01-26 05:24:00 | 時事/金融危機
 

■ 2%のインフレ目標 ■



異次元緩和の目的は「2%のインフレ率を安定的に実現する事」です。

当時2年程度で実現するとされていた2%の安定したインフレですが、現在のインフレ率は低下傾向です。

上のグラフは日本のコアCPI(生鮮食料品を除いた消費者物価指数)ですが、消費税増税後から伸び率が低下しています。

1) 消費税増税による消費減退の影響を受けた
2) 世界的な原油価格値下がりの影響を受けた
3) 世界的な景気後退の影響を受けた


原因はこの三つが挙げられるでしょう。どれも間違っておらず、日銀の取っては非常に不都合な状況になっています。

■ 円相場はドルやユーロに揺さぶられる ■

原油価格が下落して思う様に物価が上がらない事から、日銀は昨年10月に追加緩和を発表します。





日銀の物価目標はエネルギーコストを含むコアCPIを採用しているので、原油価格の下落の影響が無視出来なくなったからです。

一方で、エネルギーコストも覗くコアコアCPIを見てみると、消費税の影響を除けば、ほぼ横ばいです。

消費税増税の影響を覗くと、為替の動きにコアコアCPIの動きは連動している様に見えます。この事から、異次元緩和以降、日本の物価上昇に円安が大きく寄与している事が分かります。一言で言えば、「円安で輸入物価が上がった」のです。

円安の動き自体は2013年11月頃から始まっており、安倍政権の発足と時を同じくしています。安倍政権はリフレ政策に積極的だと予想されたので、為替市場はそれを先取りして動いています。

この時期、同時にユーロ危機がひと段落して、円からユーロに資金が流れた事も円安に一役買いました。

以外にも日銀の異次元緩和の影響は顕著では無く、むしろ異次元緩和を発表した後に、ヘッジファンドなどが利確して円相場が反転したりしています。

ドル/円相場で顕著なのは、昨年末に2014年にアメリカの利上げが予想された事で、ドルが上昇し円が下落しています。市場が先読みで上昇した後、日銀の追加緩和で一層の円安になるかと思いきや、円安にブレーキが掛かかり始めました。

この原因はユーロ安です。

1) アメリカの利上げ予測で円安が進行する
2) 異次元緩和でさらに円安が進行する
3) ギリシャやロシア問題などでユーロの懸念材料が噴出する
4) ユーロが下落を始める
5) ユーロの下落により円安に歯止めが掛かる

■ 日本のインフレ率上昇の脚を引っ張るECBの異次元緩和 ■

ECBが量的緩和を実行する事が22日に発表されました。日銀以上の規模の緩和量です。これで明らかにユーロは安くなりますから、円安の進行は抑制されるでしょう。

これは日銀にとってはバットな状況です。
日本の物価は円安によって上昇していたので、円安が止れば物価上昇も止ってしまいます。

ただ、アメリカが利上げに成功した場合、ドルの独歩高で円もユーロも対ドルで下落するので、対ドルで円安が進んで輸入物価を押し上げる余地はありそうです。


■ 日銀の追加緩和は有るのか? ■

ここに来て、日銀のさらなる追加緩和予測が出ています。確かに停滞気味の物価を上昇されるには、さらなる円安が必要となるからです。

しかし、新発国債のほぼ全量を買い入れている状況で、さらに日銀が国債の購入量を増やせば、市場から既発国債も減って行きます。

こうなると理由はどうあれ、「日銀は財政ファイナンスしている」という見方が強まる恐れが有ります。現在の5年未満の日本国債の金利はマイナスにまで低下しているので、国債発行コストは限り無くゼロに近付いています。市場を介在させているとは言え、日本円は政府紙幣の様な状況に結果的になっています。

これでさらに日銀が追加緩和に踏み込むならば、「異次元緩和」を越える「超次元緩和」と呼ぶ方が良いかも知れません。政府の負債が次元の彼方に消えて行くのですから。

■ 日本国債から締め出される日本の金融機関 ■

陰謀論者の私は、異次元緩和の発表当時から、その本当の目的は「財政ファイナンス」と「米国債への資金流出」だと指摘しています。

しかし、日本の金融機関の米国債へのシフトはなかなか進まず、政府はGPIFの運用比率を変更して数兆円の米国債枠(実際には外債枠)を増やしています。

しかし、さすがに、日本国債の金利が10年債までゼロに近付くと、生保各社も日本国債で利益を上げる事が難しくなります。そこで、米国債シフトが必ず起きるはずです。

米国債はドルに次ぐ安全資産と考えられています。さらに、日米金利差が開けば、為替リスクを考慮しても米国債投資は魅力的になります。

こうして従来、日本国債で運用されていた生保や中小銀行、ゆうちょやかんぽなどが、日銀によって日本国債市場から締め出されています。

そして、締め出された資金の多くは米国債に向かうはずです。

■ 既に出口など信じていないであろう日銀 ■

ほぼ日銀が支配する日本国債市場で、日銀が国債の購入を止めたり、ましてはそれを売却しようとする動きを見せれば、国債金利はポンと跳ね上がります。

既に日銀は日本国債市場で「池の中のクジラ」となってしまったので、クジラのちょっとした動きの変化も、池に大波を立ててしまいます。

・・・・そもそも海から切り離された池には、最初から出口など無いのです。

三島神社に行ってみた・・・房総ライド183km

2015-01-25 14:18:00 | 自転車/マラソン
 
■ 久しぶりにクロモリのレモン2号君で出撃 ■

土曜日は自転車の日。本日は久しぶりにクロモリのレモン2号君で出撃。

追い風に乗って、調子に乗って、常代の交差点まで70Kmをノンストップ。メーター読みのAVは30.4(km/h)は新記録。巡航速度は車と並走、やや追い風で35(km/h)。調子に乗り過ぎでほぼ脚は売り切れ状態。

竜宝寺ルートからはアウター縛りでシッティング主体にグイグイと回して22分で頂上バス停へ。ここで止まらずに展望台で一休み。

■ 三島神社に立ち寄る ■



鹿野山から鴨川に抜ける国道410号線。丁度中間当たりにこんな立派な木造の鳥居が道端に建っています。三島神社の鳥居ですが、以前から気になっていました。本日は脚が売り切れ状態なので、少し寄り道をして行きます。

三島神社は秋のお祭りで「棒術」「鞨鼓舞(かっこまい)」が奉納され、共に県の無形文化財に指定されています。


http://blogs.yahoo.co.jp/kara084/31476145.html よりお借りしました。


三島神社の棒術と鞨鼓舞(千葉県教育委員会)より

「鞨鼓舞」は腰に付けた打楽器の鞨鼓を叩きながら踊る獅子舞で、千葉県では三島神社の他に近くの愛宕神社にも伝わっています。雨乞いの踊りだった様で、かつては雨の神様とされていた鹿野山の白鳥神社にも伝わっていたそうです。

■ あれあれ、参道が無いぞ・・ ■



木製の鳥居から300m程進むと、丹塗りの鳥居が現れます。こちらは一般サイズ。

鳥居をくぐると杉林の下に水溜まりが点在する未舗装の道が続きます。神社の林と言うには杉が細く、植林された林の様で少しガッカリします。しかし、しばらく進むと杉の巨木が生い茂る、いかにも古い神社の佇まいに変わります。





二番目の丹塗りの鳥居が現れますが、その前に2本の杉の巨木が立ち塞がっています。この杉の間が参道だとすると、その幅は1mも有りません。不思議です・・・。





その奥の石段も石灯籠も真新しく、社殿も建て替えられたばかりの様です。古い建物を期待していたので少しガッカリします。

拝殿の横に建て替えの経緯を記した石碑が建てられています。三島神社の来歴は、古い社殿が焼失した時に記録が失われて明らかでは無いようですが、「三島の棒術」の由来は、かつて源頼朝が安房の地から北上し、当地を通過した折に、一部の家来がこの地に土着し、武道に励みながら三島神社で奉納試合を行った事が始まりであると伝えられています。」




古い社殿は上の写真の様に趣の有るものだったのですが、老朽化が激しく3年程前に建て替えられました。石碑には、過疎化と高齢化が進む三島地区で資金を集めるのに3年を要したとあり、その苦労がしのばれます。

是非、秋の大祭にお邪魔して棒術と鞨鼓舞を拝見したいものです。



小櫃川に掛かる三島大橋の欄干の上には、鞨鼓舞の小さな像が乗っかっています。

■ 房総の山をナメタラあかん!! ■

国道410号線を走ると、橋の多さに驚きます。自転車だと、橋で川を渡る度にアップダウンを繰り返すので結構ゲンナリします。



実はこの川は君津で東京湾に流れ込む小糸川1本だけなのですが、房総特有の柔らかい堆積岩を川が浸食して穿入蛇行という曲がりくねった川筋を形成しています。柔らかい堆積岩は浸食され易く、谷は深く刻まれます。





房総の山は300m以下の標高のものがほとんどですが、実は浸食による谷が多く刻まれていてその地形は複雑です。以前、清澄山系の麻綿原で、中高年のグループが道に迷って一晩山中で過ごした遭難?事件が有りましたが、下手に動き回ると谷から落ちたりするので、房総の山は標高の割に危険だったりします。畑の先がいきなり深い谷だったりするのです。

上の写真は「ロマンの森共和国」周辺の断崖です。ここ、本当に千葉県?って感じの風景が続きます。

■ 鴨川は曇天 ■



適当に観光していたら脚もだいぶ復活して来ました。長狭街道に出れば鴨川までは下り基調。快調に飛ばして13時50分に鴨川到着。ここまで116Km。AVは26.7Km/h。

しばらくサーフィンを見ながら休憩した後、天津小湊のコンビニでお昼タイム。



レッドブルを一気飲みして、勝浦タンタン麺のカップ麺で空腹を満たします。腹が一杯になったら後半戦のスタートです。

■ お腹が燃えている!! ■

誕生寺の先のトンネルを出て左折すると、岩高山の200mのヒルクライムが始まります。最初はなだらかな坂道は次第に斜度を上げ、最後は10%越えのヘアピンカーブの連続となります。本日はアウター縛りなので、53-28tまでしか使いません。はたして、足着き無しでの登れるのか・・・。

ヒーコラ、ゼーゼーと立ち漕ぎで登りますが、もうお腹の中でレッドブルと勝浦タンタンがグチャグチャになって、燃えてます。マジで。なんか、口から火を噴きそうな状態で、坂道をクリアー。クロモリは坂道がきつい。

ここからはゆるやかな登りが会所トンネルまで続きますが、左脚が攣り始めています。誤魔化しながら走っていると、今度は右足の太腿の裏が攣りました。

こういう時、止まってしまうと筋肉が冷えて余計に攣るので、だましだまし走り続けます。すると次第に痙攣が収まって来るので、人間の体は不思議です。



養老渓谷の駅でちょうと150Km。時間は16:04。16:00までに160Kmを走ればセンチュリーライド達成でしたが、ちょっと寄り道が多すぎました。

養老渓谷からは通い慣れた道。さらに下り基調なので一気に八幡宿まで走って日没終了。脚は浦安まで後40Kmは余裕で残っていますが、夜間走行は怖いのでここから電車で一路浦安へ。

本日はクロモリのレモン2号でのロングライド。

183Km
所要時間 9時間50分。
実走時間 7時間15分
平均時速 メータ読みのAVで、25.5Km/h

鹿野山から後ろはダメダメですね。
アウター縛りは達成しましたが。