人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ヒーローの背負った宿痾・・・コンクリート・レボルティオ

2015-10-31 03:03:00 | アニメ
 


■ 昭和世代のハートを直撃 ■

今季アニメの最注目作品はBONSの『コンクリート・レボルティオ』でしょう。

サイボーグ、ロボット・巨大宇宙人、魔女っ娘、お化け、妖怪・・・・これら「昭和的キーワード」がごった煮になった作品で、昭和40年生まれの私などは「そうそう、昔のアニメってこうだったよね」と、思わず喝采を送ってしまいます。「昭和テイスト」をプンプンと匂わせる作品です。

若い視聴者には「懐古主義」と受け取られるかも知れない作品ですが、が、「アニメとは何か」という問題に、永年アニメの世界に携わって来たベテランが正面から挑む快作です。

■ 「昭和的」=「アニメ的自由」 ■



近年マンガ界では昭和を代表する漫画家の再評価が進んでいます。かつての名作のリバイバルだけで無く、その続編やスピンオフを現代的視点で再構築する良作が登場している事も
注目されます。『ヤング・ブラックジャック』『バビル二世リターナー』など素晴らしい作品も登場しています。

アニメでも「昭和」的作品が多く放映されています。30年振りに復活した『ルパン三世』や、前述の『ヤング・ブラックジャック』、『おそ松さん』、『カリメロ』なんてタイトルが並んでいます。

これらの作品は、私的には「誰得なの?」と頭をひねってしまう。原作のネームバリューでリスクを回避しようとする狡さが見え隠れします。

一方、『キルラキル』や『健全ロボ・ダイミダラー』の様に明らかに永井豪を意識していながらも、現代の作品としてしっかりと自立した良作も生まれています。これらの作品に共通する特徴は、「昭和的」という記号を、「アニメ表現の自由」と捕えている事にあると思われます。

昭和の時代、特に昭和40年代はアニメは「子供の観るもの」でした。だから「子供が見て面白れば何でもアリ」という一種のアバンギャルドな表現が許されていました。永井豪や赤塚不二夫のアニメ化作品などにその傾向が強く、ちょっとエッチな表現から、ナンセンスまでがごった煮のグツグツでした。

ビルから落ちても地面に人型の穴が開くだけで主人公はピンピンしている・・・こんな表現が昭和アニメには溢れていました。これこそが、アニメが実写と違う表現様式である事の見事な活用(元はマンガだったりしますが)なのですが、現代の高度化したアニメ表現は、こういう一種の記号は排除されています。

昭和の時代のアニメは「記号」が多く活用されていました。「驚く」と目が飛び出す。「焦る」と汗が噴き出し青くなる。落下する時には髪の毛が空中に残っている・・。どれも「漫画」が生み出した表現ですが、絵を動かす技術が高度化していないこの時代のアニメは、漫画的記号化をそのまま動画に世界に持ち込んでいました。(アメリカのアニメからの流用も見られますが)

この様な「非現実的」な表現に溢れた昭和アニメは、リアリティーこそ在りませんでしたが、「自由」が溢れていた様に思われます。現代の様に「作画がどうとか、こうとか」言うファンが居なかったので、作家達は思い思いの方法で、様々な表現の実験を繰り広げていました。

■ 「子供だまし」から生まれた「シリアス」 ■

アニメや特撮など「所詮は子供が見るもの」でしたが、作り手がいい加減に作っていたかというと、そうでは有りません。いえ、皆さん、本気で作品と向かい合っていました。

『ウルトラマン』のメインライターであった金城哲夫は、「何故、怪獣は倒されなければならないのか」という問題に突き当たります。彼は『ウルトラセブン』で敵役を「悪い宇宙人」に設定する事で、この問題を回避しようとしますが、やはり「何故宇宙人が倒されるのか」という問題から逃げられませんでした。彼が沖縄出身であった事も影響したと言われますが、彼の作品の根底には「倒される者、虐げられる者への憐憫」が流れています。円谷プロを去った後、金城は沖縄に戻り、二階の窓から落ちて変死します・・。

昭和の時代にヒーロ物を量産した代表作家は石ノ森正太郎です。彼の諸作に共通するテーマは「人造人間の悲哀」です。「ヒーローの孤独」と言い換えても良いかも知れません。

『仮面ライダー』も『サイボーグ009』も『キカイダー』本人の意思とは無関係に「肉体改造され、悪と戦う事を余儀なくされます」。

彼らは社会からは「異質」な存在で「阻害」されていながらも、「社会の為に戦う」という「矛盾」を課せられています。昭和のヒーロ達はある種の宿痾を背負わさた存在でした。



■ 石ノ森章太郎の世界を現代に再構築する『コンクリート・レボルティオ』 ■



『コンクリート・レボルティオ』は、厚生省の超人課に配属された超人を中心に物語が進行します。彼らの目撃は「超人の保護」です。社会から孤立しがちな超人を登録し、監視し、保護しているのです。

第一話は、「良い宇宙人と悪い宇宙人」の戦いが描かれます。「良い宇宙人」は宇宙船が墜落して瀕死の所を、正義感溢れる人間の警官と一体化する事で延命しています。まんま、ウルトラマンの設定です。しかし、悪い宇宙人の目的は、「母星の位置を知られたくなかった」という、彼らにとっては至極当たり前のものというオチが付きます。



これだけなら、「そうそう、こういう感じだったよね」で終わってしまう作品ですが、超人課のメンバーたるや、肉体改造された主人公、主人公の恋人の妖怪、魔女っ娘、お化け・・・ですから、「オイオイ、なんなんだよ、このごった煮は!!」と、思わず突っ込みを入れてしまいます。宇宙人と戦う魔女っ娘なんて初めてだよ!!

まあ、「突っ込んだら負け」的な作品では或るのですが、一筋縄では行かないのが、各人のキャラクターを物語の構成に最大限に生かしている点でしょう。

第二話は「お化けのフウロウタ」が主人公です。彼は子供のお化けで、子供達と遊ぶのが大好き。ただ、歳を取らない彼を置き去りにして子供達は成長して行ってしまいます。そんな彼は不思議な少女と知り合います。そんな折、昆虫人達が国会議事堂を占拠します。超人課に配属されたフウロウタは、良いと所を見せて超人課で認められようと、昆虫人を殺すウィルスを持って敵の元に潜入し、見事昆虫人を殲滅します。

後日、フウロウタは昆虫人に襲われます。彼を襲ったのは、成長した少女。彼女は実は昆虫の女王だったんのです。仲間をフウロウタに殺された復讐に来たのです。古来より日本に住む昆虫人は、住処の森を開発で追われた事に抗議して国家議事堂を占拠したのでした。彼らは当然の権利を主張し、それを知らずにフウロウタは彼らを殺してしまった・・・。何とも後味の悪い結末です。まさにウルトラマンのトラウマ。

改造人間、サイボーグ、超人と言ったキーワードは、まさに「石ノ森章太郎」ワールド。『さるとびエッちゃん』や『がんばれロボコン』なんて作品まである石ノ森章太郎の作品世界をごった煮にすると、『コンクリート・レボルティオ』が生まれるのでしょう。


■ 「アニメとは何か」を総括する意欲作 ■

『コンクリート・レボルティオ』を観た多くの若い視聴者は、「又BONSが実験的な作品を作っている・・・」と模様眺めを決め込んでいると思います。

しかし、昭和40年生まれの私にとって、この作品は「アニメとは何か」という問題を、「表現様式」と「内容」の両面から追求する快作に見えます。

「ヒーローの背負った宿痾」に正面から挑むのは、私と同じ歳の脚本家の會川昇と、一つ年下の水島精二

會川昇は数々のアニメや戦隊物の脚本を手掛けています。水島精二は『鋼の錬金術師』のカ監督ですね。

まさに昭和アニメや特撮で育った彼らが、単なるオマージュでは無く、「昭和アニメや特撮って何だったのか」を真剣に総括する『コンクリート・レボルティオ』から目が離せません!!

ガンの温熱療法・・・補足

2015-10-29 07:09:00 | 分類なし
 

人間の細胞は42.5℃に加温されると死滅します。これは正常な細胞もがん細胞も一緒ですが、正常な細胞組織では加温に対抗する為に血管を拡張して血流を増やす細胞の温度上昇を防ぐ機能が働きます。一方、がん細胞はこの機能が働かない為に選択的にがん細胞が駆逐されます。

温熱療法には全身を加温する方法と、ガン組織周辺を局所的に加温する方法が有ります。体表に近いがんは局所的にマイクロ波などで加温する事が可能ですが、体の奥のガンはこれが難しく、消化器系のガンなどでは体内に小さな加温装置を挿入してガン組織を直接加温する方法も取られる様です。

加温に対抗してガン細胞はヒートショックプロテイン70というたんぱく質を大量に合成して加温によって破壊されたタンパク質を修復してしまいます。その為、連続的な加温は身体的ダメージに対して効果が薄れる為に、HSP70が減少する期間(2日程度)を置いてから再び加温を繰り返す方法が取られています。

最近では41度程度のマイルドな加温でも効果が有る事が分かっており、放射線や抗がん剤との併用される事も増えている様です。

加温によって免疫系が活性化される為、抗がん剤などの副作用が低減し、自己免疫によるガン細胞への攻撃も亢進します。

低線量率放射線の全身照射や、加温は体にストレスを掛ける事によって免疫を活性化させる事で、他のガンの治療方法の効果を高めたり、或いは副作用の影響を抑える効果が有る様です。全身の加温にはそれなりの時間と、患者の身体のダメージを伴うので、低線量率放射線の照射による免疫の増進の方が患者には優しいのかも知れません。

秋田の玉川温泉は天然の放射線源としてがん患者が訪れる事で有名ですが、放射線の効果だけでなく、温熱療法的な効果も同時に行っているとも言えます。

何れにしても「自己免疫」の働きに期待する治療だけに、免疫の低下した人には効果が薄いのかも知れません。結局は、日頃の生活習慣で免疫が活性化している人は、そもそも日々体内で沢山発生するがん細胞をことごとく駆逐しているのでガンにはならない。

ジョギングなどは大量の活性酸素を発生させる事で体にストレスを掛け、低線量率放射線照射同様の免疫活性効果が有るはずです。

良く食べ、良く動き、良く眠る。そして体を温める・・・「体を冷やしちゃいけないよ」と昔の人は良く言いましたが、きちんとした効果が有るのですね。

ガンは根性で治る!?・・・熱に弱いがん細胞

2015-10-28 10:43:00 | 分類なし
 

■ ガン細胞は高温に弱い ■

ガンの温熱療法は古くから行われています。これはガン細胞が熱に弱い事を利用した治療ですが、1978年に国立予防衛生研究所は子宮頸がんの細胞が39.6℃の温度に10日間さらされると完全に死滅する事を発見します。この時、正常な細胞は生きていました。

以前より梅毒患者やマラリア患者でガンが治癒するケースが知られていましたが、高熱によってガン細胞が駆逐される為と考えられています。

■ ヒートプロテインの存在 ■

真夏に自転車で熱中症になる事を繰り返す私は、熱で体のタンパク質が変性してしまうのでは無いかという恐怖に駆られます。実際に体細胞が高温状態になると、タンパク質合成に異常を来す様で、異常たんぱく質を合成する様です。

この異常たんぱく質を正常に戻す機能を持つたんぱく質(ヒートプロテイン)の存在が知られています。ヒートプロテインは体温が上昇するにつれて合成されます。

ヒートプロテインの働きは異常たんぱく質の補修だけでなく、正常に戻す事の出来ないタンパク質を分解する事を助けている様です。このプロセスがガンの治療に役立っているのではないかと考えられています。

■ 38.5℃で活性化するマクロファージ ■

マクロファージは白血球の一種で、アメーバー状の細胞です。体内で異物を取り込む事で免疫として機能します。このマクロファージは38.5℃の体温で活性化する事が知られています。

ヒートショックプロテインが分解した異常タンパク質はマクロファージのエサになます。ここからは推測ですが、ガン細胞は異常タンパク質を大量に合成しますから、ヒートショックプロテインが分解した異常タンパク質がマクロファージの指標となる事で、マクロファージがガン細胞を選択的に貪食する様になるのでは無いか・・・・。

■ 半端なく熱い風呂でガンを直した?! ■

ネットの情報なので鵜呑みにはできませんが、45度、46度というハンパ無く熱い風呂に長時間浸かる独自の療法で自力でガンを治療した人が以前新聞に載っていたそうです。

http://www.d2.dion.ne.jp/~kishin/sub19.htm

■ ガンは根性で治る ■

ここまで書いて来ると、もう「ガンは根性で治る」と叫びたくなって来ます。

真夏の炎天下、自転車でヒルクライムを繰り返し、目の前が白く霞んで来る時、実は体の中でガン細胞が駆逐されているのかも知れません・・・。絶体温40度近くになっていそうですから・・・。

と言う訳で、今年も「ガン細胞をイッパイ駆逐した」という脳内イメージが出来上がりました。こういうイメージが免疫を高め、実際にガン予防に役立つのかも知れません。


ところで、この「根性によるガン予防」ですが、残念ながら若い方、体力のある方にしかお勧め出来ません。だって、熱中症でマジ死にそうですから・・・。さらに、ヒートショックプロテインの合成は年齢と共に低下してきます。


・・・そう、「歳を取って死ぬ」事は生物にとって自然な事なのです。ガンとて、「生命の死」を司る大事な機能なのだと私は考えています。

重要なのは「長生き」では無くて、「熱く生きて、熱く死ぬ」事・・・。なんんて、ダラダラ気味の自分にハッパを掛ける今日この頃・・・。


まあ、自転車で遊びに行く時の言い訳に「ちょっとガン細胞を駆逐して来るわ」なんてのは通用しないのでしょうが。

<追記>

人間の細胞は42.5℃に加温されると死滅します。これは正常な細胞もがん細胞も一緒ですが、正常な細胞組織では加温に対抗する為に血管を拡張して血流を増やす細胞の温度上昇を防ぐ機能が働きます。一方、がん細胞はこの機能が働かない為に選択的にがん細胞が駆逐されます。

温熱療法には全身を加温する方法と、ガン組織周辺を局所的に加温する方法が有ります。体表に近いがんは局所的にマイクロ波などで加温する事が可能ですが、体の奥のガンはこれが難しく、消化器系のガンなどでは体内に小さな加温装置を挿入してガン組織を直接加温する方法も取られる様です。

加温に対抗してガン細胞はヒートショックプロテイン70というたんぱく質を大量に合成して加温によって破壊されたタンパク質を修復してしまいます。その為、連続的な加温は身体的ダメージに対して効果が薄れる為に、HSP70が減少する期間(2日程度)を置いてから再び加温を繰り返す方法が取られています。

最近では41度程度のマイルドな加温でも効果が有る事が分かっており、放射線や抗がん剤との併用される事も増えている様です。

加温によって免疫系が活性化される為、抗がん剤などの副作用が低減し、自己免疫によるガン細胞への攻撃も亢進します。

低線量率放射線の全身照射や、加温は体にストレスを掛ける事によって免疫を活性化させる事で、他のガンの治療方法の効果を高めたり、或いは副作用の影響を抑える効果が有る様です。全身の加温にはそれなりの時間と、患者の身体のダメージを伴うので、低線量率放射線の照射による免疫の増進の方が患者には優しいのかも知れません。

秋田の玉川温泉は天然の放射線源としてがん患者が訪れる事で有名ですが、放射線の効果だけでなく、温熱療法的な効果も同時に行っているとも言えます。

何れにしても「自己免疫」の働きに期待する治療だけに、免疫の低下した人には効果が薄いのかも知れません。結局は、日頃の生活習慣で免疫が活性化している人は、そもそも日々体内で沢山発生するがん細胞をことごとく駆逐しているのでガンにはならない。

ジョギングなどは大量の活性酸素を発生させる事で体にストレスを掛け、低線量率放射線照射同様の免疫活性効果が有るはずです。

良く食べ、良く動き、良く眠る。そして体を温める・・・「体を冷やしちゃいけないよ」と昔の人は良く言いましたが、きちんとした効果が有るのですね。

期待を裏切る「サプライズ」・・・中央銀行総裁は役者揃い

2015-10-27 11:17:00 | 時事/金融危機
  


クロダ     マリオ、見事なマジックだったよ。恐れ入ったよ。

ドラギ      なあに、ハルヒコ、君に注目が集まっているから効いたのさ。

フィッシャー   後はハルヒコの出番だが、手はあるのかい?

クロダ      いや、手詰まりだよ。下手に動くと失望される。

フィッシャー   市場は夢を見すぎだよ。ちょっとの粉でどこまでも飛ぼうとする。

クロダ      そもそも俺は夢を売るようヤツに見えるか?むしろ逆だろう?

ドラギ      あばたもエクボさ。金をばら撒くヤツは神様に見えるのさ。

フィッシャー   中国とは話を付けてあるからハルヒコは一回休むかい?

クロダ      期待を裏切るのがサプライズだからな・・・。

ドラギ      私のマジックも直ぐに消えるから、ハルヒコ、何か無いのかい?

クロダ      いや、下手な手を打つより、FRBが年内利上げのサプライズの方が効果的だ。

フィッシャー   クロダがパスすれば、FRBの年内利上げ予測も遠ざかるか・・・。

ドラギ      そしたら年末にジャネットの出番だ。

クロダ      赤いコスチュームが似合いそうだ。世界にサプライズのプレゼントだ。

フィッシャー   俺は見た事あるけどな・・・・FRBのパーティーで・・・。

クロダ・ドラギ  エ!?、マジ?!









最近アクセスが多い気がします。

皆さん気に掛けているのは「黒田バズーガ3」はあるのか?という事では無いかと・・。

これだけは「サプライズ」が必要なので、皆が「ある」と思えば「無い」。

皆が「無い」と思えば「或る」・・・そんな気がします。



注目すべきは米国債金利で、ここ最近はリスクオフの流れで低位安定しています。



もう一つ気になるのはイギリスが中国を厚遇している事。

ロイターやブルームバーグにもSDRの構成に元が入るのではないかとの予測記事が。

中国は南沙諸島問題でアメリカと緊張が高まっているかに見えますが、

中国は外貨準備を減らしていますが、米国債は手放していない様です。

ここら辺、米、英、中の密約があるのか分かりませんが、

中国が米国債を積極的に支援するのであれば、無理な日銀の追加緩和は不要でしょう。

そもそも、日銀は既に緩和手段を使い果たしている感が有り、

これ以上の国債購入は、市場の日本国債が品薄になる事から受給バランスに問題が出ます。



仮に、株式市場や景気のテコ入れとして追加緩和を発表するにしても、

不動産や株のREITの枠を少し増やす程度では無いかと。

むしろ、失望売りを招く恐れもあります。

郵政3社の株式公開を控え、日銀も下手に「ショボイ緩和」は出来ない状態。



一方、「ドラギマジック」がクリンヒットした事から、市場は緩和を好感しています。

年内のFRBの利上げ予測も後退していますが、利上げを急ぐ理由は市場の過熱感です。

昨今のリスクオフで市場はだいぶ調整を進めたので、確かにFRBの利上げは先延ばしできる。

ただ、利上げのタイミングを逸すれば逸する程、見えないバブルは拡大し続けます。



中国の元が国際化するとしても、現状直ぐという訳ではありません。

中国は国内金融機関の金利上限を撤廃するなど、元の国際化の準備を着実に進めていますが、

少なくとも元が円に匹敵する信用を獲得するには、後数年は掛ると思われます。




ただ、元が信用を確立してから、グローバルクラッシュが起きるとドルが弱くなり過ぎるので、

元をSDRに入れてしばらくしたタイミングでクラッシュが起きる可能性が高いと思われます。



まあ、いつもながら適当な予測ですが、「追加緩和に一喜一憂」している時点で、誰かの手の上に載せられているというのが現実的な見方では無いでしょうか。


FRBの利上げに関しては、「年内利上げは在り」と見ています。中央銀行の大きな政策変更は、「充分に起こる可能性が有るけれども、確実では無い」という雰囲気を市場が共有している事が重要で、だからこそ「テーパリング」や「利上げ」で市場が反応出来ない状況を生みます。

100m競争のピストルの撃ち手が、何度か撃つふりをして、さらりと本当にピストルは発射しちゃった・・・みたいなフェイントが大事。色々な思惑で頭一が一杯になっていた市場関係者は、タイミングを外されて、とりあえず皆と一緒に走るしか無い状況になります。


まあ、サクラで出走している参加者も多いのでしょうが・・・・。

高い山の無い千葉でグランフォンド・・・祭りに邪魔されて挫折

2015-10-26 08:33:00 | 自転車/マラソン
 



■ 千葉県でグランフォンドは可能か? ■

自転車で長距離を走る事を「ロングライド」などと呼びます。「サイクル○○」などというイベントで一般市民も100Kmを走ったりするイベントも盛んです。

自転車先進国のヨーロッパのロングライドイベントには「自然の中を、自転車で長距離走るイベントやレース」が多くあります。これは「グランフォンド」と呼ばれています。ツール・ド・フランスも山岳コースが文字通り「山場」となりますが、やはり「人力」で大自然に立ち向かうというイメージに「山登り」はピッタリなのでしょう。

日本でも近年グランフォンドのイベントが盛んですが、八ヶ岳とか安曇野といった高い山のある地域で開催されるのは当然と言えます。

一方、日本で一番高い山の無い千葉県ではグランフォンドは不可能の様に思われます。ところがネットで調べてみると「清和の森サイクリング」というイベントがヒットします。参加者のコメントを読むと「サイクリングとは名ばかりの過酷なグランフォンドでした」と有ります。

100Km余りのコースで獲得標高は2,200m・・・。これ、完全に「グランフォンド八ヶ岳」並のイベントじゃん!!

しかし、高い山の無い千葉でどうしたら2000mのコースを作れるのか・・・。

清和ロマンの森→鹿野山(秋元口)→もみじロード→愛宕山→鴨川→清澄山→三石山→清和ロマンの森

エグイ・・・「塵も積もれば山となる」とはまさにこの事。さらに、結構劇坂コースが紛れています。最初の鹿野山の秋元口からの登攀は平均勾配8.6%、10%越えが所々に有ります。最初にここで足を削られて、はたして一日山道を走れるのでしょうか・・・。

■ 一人「グランフォンド千葉」を敢行 ■

一度参加してみたいと思っている「清和の森サイクリング」ですが、出発地点の「清和ロマンも森」は房総半島のど真ん中。車の無い私には自転車で行って前泊するしか大会出場の方法が有りません。さらに、イベント後も自力で君津まで走る必要が有ります。・・・これは無理です。

そこで、「グランフォンド千葉」を勝手にコース設定してみました。

浦安 → 鹿野山(宝竜寺口) → 更科 → 志駒川もみじロード → 大山千枚田 → 愛宕山 → 鴨川 → 清澄山 → 養老渓谷 → 大福山 → 上総牛久 → うぐいすライン→曽我(輪行)

どーだ!!  これなら獲得標高は2000mを超えるでしょう。さらに走行距離も200kmを超えそうです。これを一日で走れば、立派なグランフォンド。

■ 2回挫折している ■

実はこの企画、先々先週、先週とチャレンジして二回とも挫折しています。山登りのコースが多いので久々にカーボンのレモン1号君を持ち出したのですが・・・・いい気になって飛ばすと鹿野山の入り口で既に足が終ってしまい・・・結局もみじロードから長狭街道で鴨川に行って、娘の下宿でマッタリして電車で帰る事2回・・・。

そこで土曜日は「七分目」の力で鹿野山を目指します。朝6時半に浦安を出て、君津到着は9時半。メーター読みのAVが27.2Km。ようやく体がカーボンバイクの乗り方を思い出してきて、クロモリよりは2段軽いギアーで「クルクル回す」走法で体力を温存。

鹿野山も普段は使わないインナーギアーに最初から入れ放しで7分目の力で体力を温存して山頂に。それでも、タイムは21分台。意外に後半に足を残せるので、クルクル走法は効果的かも知れません。

山頂で休憩する事無く、マザー牧場で写真を一枚パチリ!! 直ぐに更科口にダウンヒル。

■ 「不動の名水」を堪能 ■



「志駒川もみじロード」をしばらく走ると「不動の名水」が現れます。



自由に水が汲める様になっているので、車でいらした方が大型のペットボトルに何本も水を詰めています。飲んでみると・・・とても柔らかで美味しい。「志駒川沿いの断崖岩を切り抜いた不動様の岩の割れめから沸き出している霊水」なのだそうだ。

房総の名水は「上総掘りの深井戸」から出ている水も多く、これらの水は地下400m程の堆積物を含んでいるので硫黄臭がきつい。「久留里の名水」も半硬水で硫黄臭がします。しかし、「不動の名水」は「表層水」の様で、とても柔らかな軟水。

ペットボトルに水を汲んでいたオジサンは、ご飯とお茶用に2週間分を汲んで行かれるそうです。



「もみじロード」は君津市の志駒川沿いを走る県道です。ゆるやかなアップダウンを繰り返し、山里の間を抜けて行くコースですが、とても素晴らしい景色が続き、走っていても楽しい道です。11月下旬には「もみじ」が見頃を迎えるでしょう。

■ 大山千枚田は「千枚田の夜祭2015」の準備がされていた ■



もみじロードは長狭街道に横根峠で突き当ります。そこから鴨川方面にしばらく登り、少し下りを楽しんだ後、県道88号線を右折して「大山千枚田」を目指します。

鴨川市の「大山千枚田」は「東京から一番近い棚田」です。機械が入れないので近年は耕作放棄されていた所を「棚田トラスト制度」で東京近郊の人達に貸し出した所、沢山の応募が有り、昨今では故郷再生の拠点として、都会の人々と農業の接点を提供しています。

この棚田ですが、毎年秋口から新年までLEDキャンドルでライトアップされます。そして、10月の末には「棚田の夜祭」というイベントが開かれれいます。3000本の松明が棚田を縁取る中、様々なステージイベントが3日間に掛けて繰り広げられます。

本日の千枚田は、松明もセットされ、祭りの準備は万端です。ところで・・・祭りはいつなんだろう・・・?

■ 何と、同行の方が出現 ■

棚田の写真を写メしていたら、自転車乗りさんが登って行かれました。ここから先は愛宕山に向かうコースですが、ナビの無い私はきっと道に迷います。これはグットタイミングとばかりに、自転車乗りさんを追います。

話しかけてみると、この方も「清和の森サイクリング」のコースの下見だそうです。「清和ロマンの森」に車をデポして、コースを正確に巡っているのだとか。愛宕山に至る道は「劇坂」と聞いていたので、これは嬉しい。同行者がいれば勇気百倍です。

そんなこんなで、道に迷う事も無く、劇坂も話している内に知らず知らずにクリアーして、どうやら愛宕山まで来た様です。

■ 日本一低く、そして日本一登頂が難しい「県の最高峰」 ■



愛宕山は標高408.2mで千葉県の最高峰。ところが、これは日本の都道府県の中で一番低い最高峰です。沖縄ですら石垣島が526m有ります。

ところが、この一番低い最高峰は、一番登頂が難しい最高峰とも言われています。その理由は、山頂一帯が自衛隊のレーダー基地になっているので立ち入りが出来ないのです。事前の申請を行えば入る事が出来る様ですが、本日は門の所で引き換えします。

門はシェパード犬と若い隊員に守られていましたが、門の写真を撮る許可を頂きました。

この「峯岡山分屯基地」は入間基地の分駐屯地ですが、首都圏に接近する敵航空機を監視すると同時に、パトリオットミサイルの誘導も行う様です。要は首都圏防衛の要。

■ 鴨川までは快調に到着 ■

「同行の氏?」とは長狭交差点で分かれ、私は一路鴨川を目指します。途中、ブルベの集団とすれ違います。朝、幕張メッセで、ディスクホイールを履いたブルベ参加者と話をしましたが、200Kmブルベの皆さんの様です。既に100Km以上を走られているはずです。

鴨川には13時に到着。ここまで135Km、浦安を出てから6時間半。「7割の力」を意識して走ったせいか、脚は十分に残っています。2週間程、あんなに苦しんだカーボンバイクにも体が順応しました。むしろクルクル走法で登りは快適。これならば、清澄山と大福山もクリアーは確実です。

■ 痛恨のDNF ■

娘のアパートに立ち寄って弁当を一緒に食べていたら、「お父さん、今日明日って大山千枚田のお祭りだよ」と言われた。

「えええーーーーー!!。どうりで準備が出来ている訳だぁ!!」

鴨川に自転車で来たのはこのブログの第一回目を書いた2008年の7月でした。それから7年間鴨川に通っていますが、未だに「千枚田の夜祭」を見た事は有りません。夜のイベントという事もあって、泊でないと見れない事もさることながら、毎年の様に「忘れて」しまうのです・・・。

何というラッキー。娘よでかした!!

しかし、なんという不幸・・・。「千枚田の夜祭」を見に行ったら「一人房総グランフォンド」はここで中断しなければなりません。

逡巡したあげく、「一人房総グランフォンド」は来週以降に再チャレンジする事にします。体力が余っているのに、ここで痛恨のDNF(Did Not Finish =途中棄権)です・・・。

■ 松明に縁取られた幻想的な棚田はまさに幽玄の世界 ■





棚田の夜祭は4時半頃から始まります。鴨川駅と鴨川市の総合スポーツ施設からシャトルバスが運行されていますが、10Km程度なので自転車でGO。夜間走行になるますが、長狭街道の交通量は少ないので大丈夫でしょう。

18時半頃に棚田に到着すると、辺りはもう真っ暗。3000本の松明と、10000個のLEDキャンドルが棚田を縁取っり、それはもうこの世の物とは思えない光景。

iPhoneで写真を撮りましたが、どうしてもピントが合いません。上の写真はネットからお借りしました。

観光客の方々は千人以上はいらっしゃると思うのですが、田の畔道に座っているので、ほとんど視界には入りません。(暗いので)。ただ、大勢の人の気配だけがしています。空には月が登り、ひんやりとした夜風が時折吹きぬけて行きます。

いわゆるテキヤの屋台は出ておらず、有志団体や地元の食堂がテントで出店していました。熱々の磯汁とサンガ焼きを食べて体を温めます。

■ 三味線と和太鼓のコラボに鳥肌 ■



棚田には特設ステージが設けられていて、7時頃から三味線と和太鼓の演奏が始まりました。

三味線は星野通映(みちやす)さん。和太鼓は熊谷傅治郎さんという組み合わせです。ステージに二人が登場するとステージ前に陣取ったオジサン、オバサンから「みちやすーーー」とか「でんじろーーーー」という掛け声が掛ります。二人ともこのイベントの常連の様でしっかりファンが付いています。

演奏は・・・なんととても現代的でした。和太鼓もドラムセットの様な音域の広い太鼓を組み合わせていますが、何と言っても三味線のソロが素晴らしかった。

ちょっとNYのアンダーグランド辺りのギタリスト達がやりそうなスタイルですが、弦を強く弾く時の附帯音や、弦を抑える微妙な力加減によって倍音を出している様で、星野さんは「伝統的だけど癒しを感じる音楽」と表現していましたが、現代ギタリスト達の演奏スタイルや、インド辺りの弦楽器のスタイル、或いはアフリカのコラーを思わせる素朴な音色を自在に駆使する演奏は、聴いていて鳥肌が立ちました。

いわゆる伝統的な津軽三味線の名手は沢山いらっしゃると思いますが、現代、あるいは世界の音楽とコミットする奏者というのは珍しいのでは無いでしょうか。日本で演奏させておくのは勿体ない・・・むしろNY辺りで尖ったミュージシャン達と一緒に演奏させたい。

成田山の「弦まつり」の映像があったので紹介しておきます。



鴨川の自然の中で、夜風に吹かれながら素晴らしい音楽を堪能しました。

■ もしかして日本で一番近くで見れる打ち上げ花火? ■

フィナーレは棚田の底から打ち上げる花火でした。これ、恐い程近くで炸裂するので迫力満点です。もしかしたら日本で一番近くで観れる打ち上げ花火かも知れません。

ドローンが空中から花火を撮影するというオマケ付でしたが、ドローを花火が直撃するのではないかと見ていてハラハラしました。

19時過ぎにイベントは終了し、一路鴨川に戻ります。

本日の走行距離は167.5Km。獲得標高は1521mでした。

■ 「グランフォンド2日目」は・・・体が重い ■








翌日は10時頃に鴨川を出発します。二日連続でロングライドは初めてですが、昨日の疲れが筋肉に残っているので、体のキレが有りません。

安房天津の街を通り抜けたら、大きな白木の鳥居が目に留まります。天津神明宮の鳥居です。先日の「鳥居曳」の祭りで20年ぶりに造り替えられました。街の人達が磨いた表面はツルツルです。清澄の山から切り出された杉の巨木は、1年の間、様々な神事を経て、立派な鳥居となり、街を見守ります。



丁度「房総ジャンボリー」が開かれていたので、境内は人で賑わっています。古物を扱う店や、自然食を扱う店など、ちょっとしたフリマ感覚です。本堂の前のステージではイベントに参加するミュージシャンが音合わせをしていました。エレキギター、結構上手いのですが・・・神社の境内でブルースの短いフレーズを聴くのは・・・シュール。本番はボサノバデュオらしいのですが、この方、ギンギンのブルースギターが弾けるのでしょう。


■ 麻綿原高原を登る ■

昨日、痛恨のDNFとなってしまったので、本日は気合を入れる為に麻綿原高原を内浦県民の森側からヒルクライムします。後半にかけて斜度が増すコースです。クルクル作戦でスピードは抑え気味に登った所、結構楽に登れました。頂上で休憩せずに、そのまま下りに突入します。

麻綿原から養老渓谷に抜ける林道は小石が浮いているので下りは細心の注意を払ってソロソロと走ります。コーナーでブレーキを掛けると前後輪とも簡単にドリフトします。

■ 大福山にも登って行こう ■

順調に養老渓谷に到着して一休みした後、まだまだ登れそうだったので、大福山にヒルクライムを敢行します。

養老渓谷側から登ると序盤に20%はあるのでは無いかという急斜面が一か所ありますが、ここさえやり過ごせば、後は大した事の無い登りです。さすがにダンシングすると腿の裏側が攣りそうになりますが、なんとか頂上をクリアーしてそのまま下ります。

月崎方面への下りは、登り返しも多くてライフポイントを削られます・・・。

■ 向かい風との戦い ■







月崎の駅で一休みします。山間を抜けたら強風が向かいから吹いていました。一瞬、小湊鉄道で輪行しちゃおうかという誘惑が頭をもたげましたが、列車は1時間は来ません。やはり、追い風に向かって走るしか無い様です。

駅舎の近くの小屋の表面は山野草に埋まっています。まるでトトロの小屋の様な趣ですが、野菊やサラシナショウマなどが満開でした。

■ 仕上げは「うぐいすライン」 ■

向い風に悩まされながら、30kmを切るスピードで上総牛久に到着。まだ明るいので、「うぐいすライン」の登り下りを最後に加える事にします。

軽めのギアーでクルクル回せば、結構スルスルと登るもので、茂原街道まで楽に着いてしまいました。ここからはモロ向かい風・・・楽しくありません。

体力よりは気力が削られて・・・曽我からは輪講で新浦安に。

思わぬアクシデントで痛恨のDNFに終わった今回の「一人グランフォンド」。

一応、二日目は83.3km走って、獲得標高は1310mでした。

二日合計で250.8km走って、獲得標高は2831mでした。


いつもは1日で走る距離を、初めて二日に分けて走りましたが・・・二日目は体が重くてキツかったです。来週はもう一度チャレンジしたい・・・。