人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

東芝とフォルクス・ワーゲン・・・陰謀論的妄想

2015-09-30 07:32:00 | 時事/金融危機

フォルクスワーゲンのディーゼル車の不正問題が世界的に波紋を広げていますが、10年以上も前から続けられていた不正が何故今頃になって明らかにされたのでしょうか?

「泳がせていた」との記述もちらほらと見受けられますが、ならば何故、今になってそれを摘発したのでしょうか?

世界的に株価が不安定な現在、フォルクスワーゲンの不正事件の発覚は確実に株価に下落圧力を掛けています。ドイツ市場はもちろんの事、アメリカ市場にも悪影響を与えて、それが世界の株安に影響しています。

実は今回の事件と同様の効果が「東芝の不正経理事件」にもあったかと思います。発覚は5月頃でしたが、事態の重大さが明らかになる時期と上海株式市場の暴落に日本株市場が道連れになった時期が重なります。

モチロン「偶然」というのが正解なのでしょうが・・・もし、仮に恣意的に時期を選んでいたとするならば・・・その目的な何か・・・。

FRBの利上げが年末に伸びそうな事でドル安、米国債金利上昇に振れやすい状況ですが、為替も米国債金利も大きく動いていません。米国債金利は低く抑えられています。

これだけリスクオフの動きが高まると、ドルや米国債への資金還流が加速します。これがFRBの利上げの準備であるならば・・・フォルクスワーゲン事件ももしや・・・・そんな妄想が頭をもたげてしまいます。

軍隊としての自衛隊・・・『GATE自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』

2015-09-29 08:53:00 | アニメ
 




注) 本日はネタバレ全開でお送りします。全話放映が終了しておりますので、興味を持たれた方は是非ご覧になって頂きたい!!


■ 自衛隊推奨アニメ ■

冒頭の画像は、最新の自衛隊の隊員募集ボスターです。
良識ある方々は目を疑うかもしれませんが・・・。

先日放映されていたアニメ『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』は「自衛隊とのコラボレーション」によって制作され、そのキャラクターが隊員募集のポスターに使われています。

http://www.mod.go.jp/pco/tokyo/tokusetu/tokusetu.html

上のURLは自衛隊東京地方協力本部のホームページですが、「話題沸騰中!テレビアニメ 「GATE」 と奇跡のコラボ」の文字がページ冒頭に踊っています。

■ エーー、自衛隊推奨のオタクアニメ!? ■

自衛隊推奨というからにはどんな硬派な作品かと思えば・・・なんだろう・・このエルフや魔法少女やゴスロリ少女は・・・。何とこの作品、自衛隊が剣と魔法の『異世界』に遠征するというファンタジー作品なのです。

自衛隊がタイムトラベルする作品は過去にも存在します。『戦国自衛隊』を思い浮かべる人が多いかと思いますが、演習中の自衛隊の小隊が戦国時代にタイムスリップしてしまうお話。「刀や槍で戦う戦国時代に近代兵器が現れたらどうなるのか?」というシミュレーションを楽しむ作品ですが、圧倒的な戦力を有する彼らは図らずも「織田信長」の役割を演じてしまったというオチが秀逸でした。

最近では「かわぐちかいじ」の『ジパング』が同様の作品で、演習中のイージス艦一隻が太平洋戦争当時にタイムスリップしてしまいます。こちらはエンタテーメント色よりも「思想色」の強い作品で、タイムトラベル物としては珍しく「逡巡」のあげく「歴史を変える事」を選択する「修正史観」を象徴する様な内容になっています。

これらの作品で描かれる世界は比較的にリアルです。「武士や米軍といった歴史上に実在した戦力と現代の自衛隊の装備が戦闘したら・・?」という興味を満足させる為には、敵がリアルである必要があるのです。』

『GATE』は自衛隊が前時代の軍隊と戦闘するという設定こそ過去の作品に共通ですが、戦う相手は「異世界の軍勢」。ローマ軍さながらの軍隊に、ドラゴンや異形の怪物達が相手です。「魔法」が普通に存在するファンタジーの世界と自衛隊は一見「ミスマッチ」に見えますが、これがこの作品を「素晴しい」ものに仕立て上げる最大のトリックなのです。


■ 銀座で日本人が殺戮される ■



ある日、銀座に突如として「異世界」との「門(ゲート」が開きます。そこから現れたのはローマ軍さながらの大軍勢。そして彼らに付き従うのはドラゴンやオークといったファンタジーではお馴染みの異形の怪物達。

彼らは「日常」の銀座に突如出没し、躊躇なく一般人を殺戮します。「映画の撮影?」なんてのん気に眺めている人達を惨殺しながら、敵の将官は敵の警戒心の薄さに戸惑いを覚えます。一瞬にして殺戮の場と化した銀座界隈ですが、非番の自衛官、伊丹 耀司(いたみ ようじ)は一般人を皇居の中に非難させ多くの人命を救います。彼はその後「銀座の英雄」と呼ばれます。

殺戮の限りを尽くす異世界の軍勢ですが、剣や槍では近代兵器に敵うはずは有りません。出動した警官や自衛隊に一気に殲滅させられ、6千人が捕虜となります。

多くの犠牲者を出した「銀座事件」の後、政府は3ヶ月の審議を経て、自衛隊を「異世界=特地」に派遣する事を決定します。専守防衛の日本において、積極的に他国に自衛隊を派遣する事は異例ですが、いつ又、門を通って異世界の軍勢が襲って来るか分からない状況で、自衛隊の派遣は「防衛行為」と解釈されたのでしょう。

一方、日本に開いたゲート(門)にアメリカやその他の大国も興味深々です。ゲートの向こうには手付かずの資源が眠っているからです。彼らにとってはゲートはフロンティアに通じるドアなのです。

■ 容赦なく「非対称の戦闘」を開始する自衛隊 ■

「異世界=特地」に派遣された自衛隊の装備は74式戦車など旧式ですが、衛星の無い特地では最新装備はむしろ役に立たないからだと推測されます。さらに撤退を余儀無された時に旧式兵器なら破棄しても損害は少ないとの判断もある様です。

特地に派遣された自衛隊の眼前には、敵の10万のい代軍勢が待ち構えています・・・が、近代兵器を前にして敵は人馬の屍の山を累々と築くだけでした。

アメリカ軍が中東で繰り広げる「非対称の戦闘」を自衛隊が遂行する・・・アニメと言えどもその映像はショッキングです。しかし、自衛隊は軍隊ですから「戦闘」となれば手加減はしません。敵が攻めてくるならば全力を持ってそれを排除するのは軍隊としては当然の行為です。「手加減」するという事は、自軍の損耗を増やし、人的被害を拡大する事に繫がるからです。

■ 「自衛」の限界 ■

特地に駐留した自衛隊は、ゲートのあるアルヌスの丘に陣地を築きます。しかし、そこから積極的に戦線を拡大する事はしません。あくまでも「自衛行為」である以上、ゲートを防衛していれば、敵軍の日本への侵攻は阻止できるからです。日本の法律では自衛隊が出来る事はこれが限界で、積極的に敵の首都を攻めることは出来ません。

自衛隊や政府は相手国政府との交渉と停戦、そしてその後の交流を模索します。それをアメリカを始めとする他国は観察しています。「日本は何をしているのだ!!」とジレったく思う一方で、「火中の栗は日本に拾わせるのが一番」と・・。

「銀座事件」をアメリカに置ける911事件と置き換えるならば、アメリカ軍は容赦無く相手国(本当は関係が無くとも)の政府を崩壊させます。一方、自衛隊は仮に国民に犠牲者が出たとしても「自衛の為の戦闘」以上の行動に出る事は許されません。同じ戦闘でも「自衛隊の戦闘」と「米軍の戦闘」は根本的に目的が異なっています。「自衛」か「侵略」か・・・。

■ 「難民警護」と「突発的」な戦闘 ■

「銀座の英雄」の伊丹も特地に派遣され、小隊長として現地調査に当たります。実はコテコテのオタクである伊丹にとって特地は「夢」の様な場所です。そんな彼の小隊は、火を吐き村々を焼き尽くす強大な「炎龍」に行き当たります。焦土と化した村からたった一人助け出したのはエルフの少女・・・。

そして炎龍から逃れ村を捨てた人々を警護する事態に陥ります。これ「難民」ですね。その「難民」の隊列を炎龍が襲います。「怪獣と戦うのは自衛隊の伝統だから・・」というイキなセリフと共に炎龍と交戦する伊丹の隊ですが、軽装備では装甲車に匹敵する炎龍のウロコは撃ちぬけません。からくも炎龍を撃退したものの、村人の3/1が命を失います。

この内容を「ファンタジー」として観ているとこの作品の本質を見失います。「炎龍」は「難民」の隊列を襲う敵の戦闘機以外の何物でも有りません。仮に自衛隊が戦闘地域で難民警護の任務に就いた場合、をれを襲う敵との交戦は十分に想定される事態です。その際にイラク派遣の様な軽装備で難民や自衛隊自体を守れるのか・・・。実はこのシーンは現実的な問題提起を私達に突きつけています。

■ 安保法案国会を再現したような証人喚問 ■



「特地甲種害獣(炎龍)との戦闘によって民間人に犠牲が出た」事は国会で問題となり、野党の要望で伊丹と現地人が国会に証人として呼ばれます。

「民間人の1/3に犠牲が出て、自衛隊に犠牲者が出なかったのは何故ですか?」「自衛隊は自分達の命を優先したのでは無いか?」という女性議員の質問に、現地の神官のローリーは答えます。「なあた、オバカァーー?」「兵士が自分の命を守らないで、誰があなた達の命を守るの?」「あなたたちがここで意味の無い議論が出来るのも兵士が戦場で戦っているからでしょう?」

・・・これ、安保国会の不毛な議論を聞いている全ての自衛隊員の本音でしょう。多くの自衛官がこのシーンに喝采した事と思います。


■ 「治安維持要請」による戦闘 ■

伊丹隊は何故か戦闘に巻き込まれることが多い。難民の生活自立の為に戦闘で死んだ龍のウロコを売りに来た街は盗賊との戦闘の最中。篭城戦の指揮を取っているのは自衛隊が交戦している相手国(帝国)の第三皇女。彼女は勇敢で聡明ですが戦い慣れしていません。追い詰められた彼女達は敵軍である伊丹に救援を求めます。

野盗の集団の中には、先般の戦闘で敗走した兵士達が多く居ます。彼らは「戦いの中」に生きる場所と死ぬ場所を求めています。この時代の戦闘は命のやり取りであると同時に、社会のシステムの一つとして大きな意味を持っています。

一方、救援を要請された伊丹は「圧倒的な戦力差を見せ付けて、帝国の戦意を削ぐ」ことを計画します。駐屯地に連絡して、救援部隊を要請します。救援に駆けつけたのはヘリコプター部隊。彼らは『地獄の黙示録』さながら、大音響でワグナーを鳴り響かせ、城壁の外の野盗に銃弾の雨を降らせます。





この光景を見て皇女は恐怖します。「我々はとんでも無い敵を招き入れてしまったのかもしない・・・。」「もし、彼らが望むなら私は跪いて彼らの足にキスする事も厭わないだろう・・」

異世界においては「命のやり取り」において戦いは「神聖な儀式」の一つとも言えますが、銃弾の雨を降らせる自衛隊の戦闘は「合理的な殺戮」です。ここでも「非対称」の戦闘は真正面から描かれており、それを象徴するかの様に『地獄の黙示録』の冒頭シーンがトレースされます。

戦闘に勝利した自衛隊は駐留する事無く撤退します。「要求の無い」戦闘に、現地人は困惑します。「彼らは勝者の当然の権利を放棄するというのか・・・」と。

一方、自衛隊は捕虜の「人道的な扱い」を求めます。「人道的とは捕虜を有人知人の如く扱う事だ」と説明します。これを聞いた交渉役は語気を荒げます。「あなた方は家族や友人を殺した者達を友人の様に扱えと言うのか?!」

現代の戦争の「ダブルスタンダード」を見事に表現しています。戦闘は「合理的殺戮」として感情の入る隙は無く、戦闘が終われば「人道」が重要視されます。戦争の理由は「平和」や「民主主義を守る」事とされ、その本質である経済的利益は巧妙に隠蔽されるのです。そして「治安維持要請」などの相手国の要請があれば「戦闘の大儀名文」が成り立ちます。

■ 自衛官達の気持を代弁する作品 ■

この作品、表面的にはファンタジーの皮を被っていますが、本質は「安保法制後の自衛隊の姿」をシミュレートしたものです。これはSFの常套手段です。

自衛隊の銃火に惨殺されるのが「アラブ人」では世間の反感を買いますが、オークや異世界の兵士ならば抵抗感無くファンタジーとして見る事が出来ます。誰かが「ケシカラン」と言っても、「ファンタジー作品に何ムキになっているんだよ・・・」とさらりとかわす事が出来ます。

旧共産圏ではSFは体制批判の手法として活用されていましたが、この作品は「考える事を止めてしまった日本人」に、自衛隊が戦闘地域に出動する「リアル」を突きつけています。

そしてこの作品の素晴しさは「戦闘」や「戦闘に至る状況」を客観的にシミュレートしている事で、そこに「正義」の入る余地は有りません。ここら辺が『ジパング』との大きな違いで、この作品は自衛隊の海外派遣を「批判」も「肯定」もしていません。

ただ、日本の安全保障上の理由から自衛隊が海外派遣されたら、彼らは法律をどのように厳格に運用し、あるいは現場単位で柔軟に運用して事態を打破するのか・・・この問題に注意が集中しています。

実は原作は元自衛官の「柳内たくみ」氏がネット小説で発表したもので、最初は政治色の強い作品だった様です。出版に当たり、政治色をだい薄めたとか・・・。多分、現代の日本で自衛官を務める方達の気持がこの作品には凝縮されていると思います。

■ ゴールデンタイムに放送してみたい作品 ■

「アメリカの戦争に巻き込まれる」「自衛官の家族はどれ程心配か・・」など反安保論者が常套的に口にする事場ですが、「軍人」である自衛官やその家族はそれなりの「覚悟」が有るはずです。日本を守る為にアメリカと共闘する必要があると国家が判断するならば、軍人としてそれに異を唱えることはしないでしょう。但し、彼らとて出来る事ならば「正義」の側で戦いたい。

ただ、国際社会において正義とは相対的かつ一方意的である事に私達よりも自衛官の皆さんは自覚的だと思います。



作中、証人喚問に同行した帝国の皇女達を狙う米中露の工作員と日本の特殊部隊の間で戦闘が発生します。するとアメリカの大統領から日本の首相に電話が入ります。「私の手元に日本の内閣のウラ金の資料が有る・・・工作員の邪魔を止めて欲しい」と。

首相は特殊部隊の作戦中止し支持しますが、同時に首相を辞職し、内閣を解散します。これでアメリカの政治カードは効果を失います。伊丹達が自力で難を逃れる事に掛けたのです。

・・・「あなたとは違うんです」と言い残して辞任した福田元総理や、「お腹が痛い」と言って辞めた第一期の安倍総理が脳裏に浮びます。


この作品、本当はゴールデンタイムに放送して欲しかった。でも、上の様なシーンが有るから、無理だったとは思います。


■ エンタテーメントとしても楽しめる ■





本質的にはかなり「硬派」な作品ですが、異世界との交流物としてもなかなかの出来栄えです。異世界の人達が現代の文明に触れて驚くというのは良くある表現ですが、魔法少女、エルフ、神官といった美少女達のキャラ立ちを上手く使った数々のシチュエーションが秀逸です。

さらには、真面目な皇女とその部下が「腐女子」に落ちる様など、もう抱腹絶倒です。

来年1月から第2期がスタートする様ですが、この作品、「オタクアニメ」とバカにしないで是非色々な方々に見て頂きたい。


「戦闘する自衛隊」の姿を観て、そして各人が何かを感じていただけたら、作者もスタッフも、そして現役自衛官の方々も喜ぶのではないでしょうか。


<追記>

自衛隊の募集と言えば、かつては夜の繁華街をウロツイテいる青年にリクルーターが声を掛けるというものが主流というイメージが有りますが、昨今は「ミリオタ(軍事オタク)」の入隊が多いと聞きます。

ミリオタをターゲットにするならば、硬派なポスターよりもアニメの絵柄の方がウケが良いのかも知れません。今や、各地方部隊のマスコットキャラがアニメ風のキャラクターですから。

以前の記事ですが参考までに。

http://green.ap.teacup.com/pekepon/1240.html



「リスクの振るい掛け」は利上の準備・・・12月に利上げだろう

2015-09-25 05:17:00 | 時事/金融危機
 

■ 急激なリスクオフは利上げへの準備体操 ■

株式を始め市場が相当荒れていますが、これはバーナンキショックの時も同じでした。ただ、今回は量的緩和によるリスク投資が当時より膨らんでいる為、リスクオフの規模が大きくなっているだけ。

バーナンキショックが成功した理由は、12年5月頃からのリスクオフによって12月までに過剰リスクがある程度整理されていた事の効果が大きいかと思います。要は市場がリスクをある程度振るい掛けした後に、さらりとテーパリングに入りました。

ただ、その直前の日銀の追加緩和のサポートも大きく貢献しています。FRBが減らす分を日銀がカバーすると市場が判断したのではないでしょうか。

実際にテーパリングによってFRBの量的緩和は終了に向かいましたが、FRBのゼロ金利政策は解除されていませんでしたから、市場は半年を掛けて「緩和マネーが減らない」事を理解し、バーナンキのテーパリングは成功しました。

■ 現在の状況を予告していた中央銀行 ■

6月頃、FRBやECBは一部市場が加熱している事や、ボラテリティーが拡大するであろう事を予告しています。これは各中央銀行がFRBの利上げ前にリスクオフをしておけよと警告していた様なもので、現在の動きはまさに中央銀行の思惑通りだとも言えます。

■ ボラティリティーの拡大で設けるヘッジファンド ■

先頃まで続いていた右肩上がりの世界的な量的緩和バブルは「誰もが儲かる相場」ですが、ヘッジファンドなどが大儲けできる相場ではありません。

彼らはボラティリティーが拡大している時こそ、空売りを含めて大儲けします。ですから、右肩上がりの相場で積み上げたポジションを利用して、実弾と先物を絡めて相場に揺すりを掛け市場を乱高下させています。この流れは10月頃までは続くと思われます。

特に日本株市場はGPIFと日銀の日本株の買い上げ枠を満タンにするまでは揺さぶりを掛けて来ると思われます。そして日銀を追加緩和へと追い込みます。

■ FRBの利上げは12月だろう ■

イエレン議長は10月利上げの可能性を否定していませんが、これはもう少しリスクオフの流れを継続させる為のブラフでしょう。中国経済の減速は、利上げ先延ばしの理由に使われているだけで、アメリカは中国を慮っているのでは無く、現状のリスクテイクはまだ高すぎると判断しているだけだと思います。もう少しリスクを軽減しないと「FRBショック」が起きる可能性が有ると考えているのでしょう。

■ 「底感」が生まれた頃から市場のゆるやかな反転が始まり、利上げをサポートする ■

ダウが15000ドル台、日経平均も16000円台になれば「底感」も生まれて来ます。そこら辺で一旦底打ちした後、10月頃から市場はゆるやかに上昇に転じて、何だかスルりとFRBの利上げが12月に実行されるでしょう。

さすがに10月を過ぎれば「FRBの利上げは12月に行われる」と大方の人が予測しますから、市場に揺さぶりを掛ける要因とはなり難くなります。ヘッジファンドはここら辺の空気は読むはずです。

■ 日銀の再追加緩和は日本株の購入枠拡大が中心になるはず ■

日本株の反転の切っ掛けは日銀の追加緩和でしょう。既に日本国債の購入枠拡大は需給バランスからも、財政の健全性からも限界でしょうから、日本株の買い入れ枠の拡大が中心になるかと思われます。

これで日本株は再び上昇しはじめ、19000円台を目指すのではないでしょうか。ヘッジファンドや外国人投資家にとっては、「日本株暴落」の為の最後の仕上げが始まるのでしょう。外国人投資家達が日本株をグイグイと吊り上げて行くと思われます。

11月4日の郵政3社の株式公開までには、それなりに相場も回復しているはずです。ここから逆算すれば10月初旬に日銀の追加緩和が発表される可能性が高いと思われます。

■ 中国市場の鎮静化は利上げに不可欠 ■

習主席が訪米して何やらモニョモニョやっている様ですが、FRBの利上げを成功させる為に中国市場を鎮静化させる策略が練られているのでしょう。中国バブルが本格崩壊するにしても「今は困るからどうにかしろ」という事では無いでしょか。当然、ヘッジファンドも空気を読んで上海市場の安定化に強力するものと思われます。

結局、上海の市場の暴落を仕掛けた事によって、世界的なリスクオフの流れを加速させ、過剰リスクの整理を世界的に進める事が、今回の市場の混乱の目的だったのでしょう。ヘッジファンドはその旗振り役を見事に務めているのです。当然利益目的ではありますが・・・。



電子通貨に関する考察・・・属性を持った通貨

2015-09-23 03:08:00 | 時事/金融危機
 

■ 消費税還元にマイナンバーを利用する計画は否定された様だが・・・ ■

財務省は消費税が10%に増税された場合、一人当たり最大4000円のキャッシュバックをマイナンバーを利用して還付する方法を検討していましたが、これには3000億円程度のコストが掛る事が判明して国民が反発し、この案は白紙になった様です。

ところで唐突に「個人番号カード」の活用が浮上しましたが、私は違和感を禁じ得ませんでした。もっと簡単な還付方法が有るにも関わらず巨額の投資をする理由が他に有るのでは無いか?

ネットでは「財務官僚の天下り先」とか「ITゼネコンへの利益誘導」などの理由が噂されていますが、私は財務省の本当の目的はもっと深遠なもので無いかと邪推しています。それはズバリ「円の電子マネー化」。

■ 現在の電子マネー ■

「ビットコイン」で注目される電子マネーですが、現代でも通貨の一部は電子マネー化しています。

1)金融機関の決済
2)クレジットカード
3)SuicaなどICカード
4)ビットコインなどの「電子マネー」



1)「金融機関の決済」では口座間の決済や金融機関同士での決済では実際のお金は移動しません。電子的な帳簿の間でデータのお金がやり取りされます。これは金融機関の間で共通の「オンライン・インフラ」が確立されている事で実現しています。

2)「クレジットカード」もオンライン・インフラによって成り立つサービスです。サービスとしては「短期の信販」ですが、小売店と信販会社の間の決済はデータのやり取りで行われるので電子マネーと考える事が出来ます。

3)ICカードは現金の代用品として一番電子マネーに近い存在と捕えられがちですが、これの原型は「商品券」です。それが「テレフォンカード」や「オレンジカード」と言った磁気カードに進化し、さらに非接触型に進化したものが「Suica]に代表される「ICカード」です。

4)「ビットコイン」などは電子マネーと呼ばれますが、法的には通貨としては認められていません。通貨はその国の中央銀行が発行した物しか認められないからです。ですがらビットコインなどは「商品」と考えた方が理解し易いでしょう。現在はLineのアイコンやネットゲームのアイテムなど、「電子データ」が「商品」として流通しています。ビットコインもこの様な商品の一種で、それを「通貨」で売り買いしているに過ぎません。現在では「商品」の購入の決済をビットコインで出来る様になっていますが、これは「物々交換」に近い行為です。ビットコインの利用が拡大すると、通貨の代替としての機能を持ち始めるので、その時点で「私造貨幣」として法律に抵触して来るかと思われます。そもそも現在でも相当グレーな存在なのですが、当局が摘発しないのは「取り締まる法律が無い」事も原因ですが、「電子データに信用を付与する事が出来るのかという実験」を観察している様にも感じられます。

■ 個人のお金の流れをトレース出来る電子マネー ■

現代の技術を持ってすれば、全ての小売店などに電子マネーの読み取り機を設置すれば紙のお金を廃止する事は技術的には問題有りません。ただ、家庭内で子供に小遣いをあげる時に不便は有るでしょう。飲み会で割り勘する時にも不便ですが・・・。

「電子通貨」の利便性は「清算」の速さです。ICカードやクレジットカードの利用が増えているのもこれが大きな理由になっています。

一方、「電子通貨」が「個人番号」とリンクした場合には、全く違う利用価値が生まれて来ます。本来お金には「匿名性」が有ります。自分の手元に有る紙のお金が、どういう経路で自分の手元に来たかを知る事は不可能です。

ところが電子通貨を個人番号で管理した場合、お金の流れのトレースが可能になります。要は「国家が全てのお金の流れを特定」出来るのです。誰が何処で何を買ったとか、どこの会社に支払をしたなどというデータを国家が握る事になります。

これは結構重要な事で、会社の取引内容もスケルトンになるので、「二重帳簿や裏口座で売り上げを隠す」などという初歩的な脱税が出来なくなります。マイナンバー制度は大昔から導入が検討されて来ましたし、法案も国会に提出されて来ましたが、その都度廃案になって来た最大の理由が「事業者の反対」です。特に商工会議所を支える個人商店などが反対したので自民党議員もこの法案に賛成しなかったのです。

■ 税金や年金の強制徴収も可能になる ■

電子通貨を国家が管理する場合、国家は様々な利用方法を生み出す事が出来るでしょう。例えば税金や年金の強制徴収などという事も可能になります。現在でも法的な強制力で悪質な滞納者の口座を凍結する事は可能ですから法的にも問題は無いでしょう。

「紙のお金」ならば「タンス預金」で隠す事も出来ますが、電子通貨ではこれも不可能です。電子通貨導入時点で全てのタンス預金が炙り出されます。

■ アングラマネーに課税出来る ■

通貨の流通をトレース出来れば所謂「アングラマネー」の流れもトレース出来てしまいます。パチンコ屋や暴力団のビジネスに課税する事も容易です。日本の地下経済の規模は20兆円程度とされていますから、これに課税すれば少なくとも2兆円程度の税収になるでしょう。

尤も、違法なビジネスが多い地下経済自体、電子通貨が普及すれば存続が難しくなります。

■ アングラマネーが出現するだろう ■

仮に通貨で電子通貨され、マイナンバーとリンクした場合、必ずや「アングラマネー」が生み出されるはずです。「ビットコイン」などは既にそういう使われ方をされており「マネーロンダリング」の手段となっています。

例えば誰かがエロ本を買おうしますが、電子通貨で購入すると足た着くので躊躇したとします。しかし、「商品券」を購入してそれでエロ本を買えば、電子マネー上の取引は「商品券の購入」になります。

地下経済で共通の「商品券」を利用すれば、これはアングラマネーとして機能するでしょう。「商品券」はビットコインの様な「電子マネー」の形を取るのでしょう。

■ 将来は電子通貨になって行く ■

利用者の利便性と、国家の利便性を考えると将来的に電子通貨は実現するでしょう。その為のハードルは偽造と不正利用ですが、これも技術の向上で克服されるかと思います。

仮に個人や企業の資金の流れが国家に把握されたとすれば、経済の流れがリアルタイムに観察され経済運営などにも役立つかも知れません。何処にお金が滞留しているかなどが一目で分かるからです。


電子通貨化の最大の関門は、個人の経済活動が国家に掌握される事ですが、多分個人情報の保護の観点から、電子通貨の最大の争点になるハズです。国家は電子通貨をマイナンバーなどとリンクさせたいと考え、国民はこれに反対します。

軽減税率を巡る財務省の唐突な案の背景には、電子通貨とマイナンバーのリンクの既成事実を作る事が本来の目的では無いのか・・・陰謀論者の私はそう邪推してしまいます。

そして将来的に日本の財政が破綻しかけた時、アングラマネーにアクセス出来る人以外は、一網打尽にされるのでしょう・・・。

尤も納税は国民の義務ですから、それをチョロマカせる現在の方式に問題が有るのですが・・・。そして、それが政治家への裏金作りに使われているというジレンマ・・・

「損して得取れ」・・・シタタカさに欠ける日本人

2015-09-17 17:37:00 | 時事/金融危機
 

思わずGucci Post にコメントを・・・(チキンだから投稿出来ませんでした・・・)


コメント欄が上品なので・・・・天にツバしてみます。



台湾の国会中継かと思ったら参議院でした。こういう時代錯誤を喜ぶ人が居るのかね・・・。TV局さん、若い社員に聞いてみたら如何でしょうか。

野党は対案を出して、中東などに自衛隊が容易に派兵される事態を防ぐべきで、世論もその筋で盛り上げれば十分に勝算があった>のに、何故か憲法9条に拘って現実的な議論を避けてしまいました。

尤も、小沢氏にしても岡田氏にしても自民党時代の持論は集団的自衛権の容認や、国連軍への積極参加でしたから・・・。

日本国民はマスコミと政治家に徹底的にナメラレテいるのです。自分で判断する事を放棄した国民の当然の末路です。自国の安全を守り、同時に世界の平和を守る事は両立すると考えている時点で思考停止しています。利益とは相手の損失によって生み出されるのは投資も国家も同じではないでしょうか。

戦後、自民党の政治家も官僚も日本の国益を良く守って来ましたが、膨らんだ財布を見逃してくれる程世界は甘くは有りません。

「金出さんか....」
「これっぽっちしか無いんか!?」
「じゃあ、ちょっくら鉄砲玉をやってもらおうか・・・」

まあ、下品な表現をすればこんな所でしょうか?

国民が,貧しくなる事を受け入れるならば、
「財布の中身ならいくらでもクレてやる。その代わり暴力だけは許さない」
と漫画の主人公の様なタンカも切れるのですが・・
だれもが貧乏は嫌ですから・・・。

デモを「スノッブ」で「スタイリッシュ」と勘違いしてしている若者よ、もっとシタタカになろう!!日本には「損して得取れ」と言う良い言葉も有るからね。君たちを担ぎ上げているマスコミに良く教わると良い。

彼らは新聞の販促の違法行為を排除しようとする官僚を排除するくらい朝飯前なのだから。


これ、当然「非公開」になっちゃいますから・・・。(多分・・・・)



<追記>


民主党が対案を出せない原因は、有効な対案が「集団的自衛権の容認」を前提とした先に存在するからで、「憲法9条に反するかどうか」に議論をすり替えられた時点で民主党を始めとした護憲派野党は有効な対案の提出が出来ない状態になっています。

自民党が推薦した長谷部恭男教授の発言は非常に大きな意味を持っていたのかも知れません。マスコミも彼が「違憲」と発言した途端、憲法論争に論点を見事にすり替えてしまいました。

それに乗せられて大騒ぎした人達には「良い思い出」になったかと思いますが、はたして国会前のデモに参加された方のどれだけが先に衆議院選挙に行かれたのが興味がある所です。


反対派の一部が主張する様に自衛隊は縮小されるアメリカ軍を補う形でシリアへの出動を求められると思いますが、これをどう阻止するかが今後の現実的な争点になるかと思われます。

「損して得取る」ならば、東アジア情勢の将来を見据えて安保法制は整備しますが、アメリカの戦争に巻き込まれない為に、ここらで「決められない国会」に戻す事も大事かと・・・。

そろそろ「安倍下し」が始まるかな・・・。