人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

雨の日に聞きたい・・・湿度の高い日本の名曲

2013-05-31 11:25:00 | 音楽
 



関東も例年より早く梅雨に入りました。



「雨が好き」という人は少数派ですが、実は私は雨が嫌いではありません。

夏の夕立は大好きで、雨の臭いを感じたら、仕事そっちのけで空を眺めています。



シトシト降る梅雨の雨も嫌いではありません。

園芸が趣味の私は、夏を前に雨を一杯吸い込んで成長する草木を見るのが好きです。



アジサイ(紫陽花)の何とも言えない柔らかな色彩が変化するのも楽しみの一つです。

梅雨時に咲く、アジサイや菖蒲(しょうぶ)などの青や紫系の花は、

晴天で見るよりも、雨の中で見る方がより青色が引き立ち、深みのある色合いになります。




雨の日を楽しく過ごす方法の一つに、雨の歌を聴く事をお薦めします。

しっとりとした曲が多く、心に響く名曲が意外と多いのも特徴です。

私の一番のお気に入りは、小谷美佐子「儚い紫陽花」



密かに想う男性の車の助手席で、彼が他の女性にプロポーズする相談を受けた女性の心境を、

車の外で雨に打たれる紫陽花に重ねた名曲です。

これ、男の私でも、乙女心にズキンときます。

小谷美佐子さんについては、以前紹介しています。

小谷美紗子・・・声の力(人力でGO 2009.09.21)





こちらも定番。

荒井由美の「ベルベット・イスター」

当時小学生だった私は、この曲大好きでした。

マセガキだったんですね。

ユーミンには「12月の雨」という曲もありますが、

こちらは、題名程には「雨」を感じさせない曲ですよね。





丸山圭子の「どうぞこのまま」

この曲、私の個人的な「神曲」認定曲なんです。

ボサノバのリズムに乗せて、微妙に字余りな歌詞がボサノバ本来の味わい。

この時代、荒井由美の「あの日に帰りたい」と双璧を為すボサノバの名曲です。



[[youtube:Ko-Y9EyY-nk]]

八神純子と言えば「みずいろの雨」。

サンバのリズムに合わせて、土砂降りの雨に打たれる様な名曲ですが、

梅雨空にはこちらの方がお似合い。

「雨のひとりごと」

やはり、しとしとと降る雨には、ボサノバが似合う様です。






歌が下手なのが魅力の太田裕美の「9月の雨」。

松本隆と筒美京平のコンビですが、このサビは凄いですよね。

9月の雨は、冷たい・・・。







スピッツの「あじさい通り」は、古き良き日本歌謡のエキスが詰まっていますね。

GSとフォークソングの良いとこ取り。








この時代の桑田圭介って神がかっていますよね。

研ナオコの「夏をあきらめて」

海辺の雨に思い出のある方も多いのでは?







これも雨の名曲ですよね。

振られる歌が多い雨ソングの中では珍しく幸福感に包まれる曲ですね。

こういう雨だったら、雨にうたれても構わない・・・。

Asukaの「はじまりはいつも雨」





少し新しめの歌で選ぶと・・・

息子のお気に入りのRADWIMPSの「雨音子」
ボーカルの野田洋二郎は帰国子女だという事で英語の歌詞ですが、

丁度日本語訳の付いている画像がありました。

[[youtube:OG0lrHvYV-M]]





おっと、この曲を忘れる所でした。



かせきさいだぁ の 「さいだぁぶるーす」

この一曲だけで雨が待ち遠しい・・・。


雨、降らないかな・・・。





コメント欄にお薦めの「雨ソング」をドシドシお送り下さい!!

アップルの不調の原因を報道しないメディア・・・iPhoneは中国方式のLTEを採用するのか?

2013-05-30 12:39:00 | 時事/金融危機
 


http://www.assioma.jp/?p=3902 より

■ アップルの不調の原因は中国や新興国で採用されるTD-LTEを採用しないから ■

アップルの不調が報道さてていますが、その最大の原因は何故か報道されません。

iPhone5から採用されたLTE方式の高速通信。これがiPhone5の最大の売りでもあります。しかし、LETの通信方式には2種類ある事は意外に知られていません。

FDD-LTE方式

NTT Docomoやau、アメリカのAT&Tが採用する高速通信方式
下りと上りで別々の周波数帯を使用
周波数のリーソースに無駄が生じる
上の地図の黄色の国で採用(日本も)

TD-LTE方式

SoftBankがiPhone5導入前まで整備を進めた
中国やロシア、インドなどの新興国と、イギリス・ボーダフォンが採用上りと下りで同じ周波数を時間を区切って使用
周波数の有効活用が可能
上の地図の赤い色の国が採用

世界最大のスマホ利用者が居る中国市場や新興国市場でiPhoneを使用しても、LTE高速通信に対応していないので魅力半減です。アンドロイド携帯に市場が流れるのは当然です。

中国はiPhone5の発売に当たり、長期に渡ってアップルにTD-LTE方式を採用する様に働きかけましたが、アップルは採用しませんでした。チップを1枚追加するだけで巨大市場で有利にビジネスが展開できるのに、それを見送った事の背景には、通信方式を巡るアメリカと中国の激闘が存在している事が伺えます。

■ アップルが中国と交渉と脱税問題 ■

現在、アップルのい副社長が中国の携帯電話大手と条件について交渉を始めていると、ロイターが報じています。(すみません、ソースが見つからなくなりましたI

多分、交渉の中心はTD-LTE方式の採用を巡る話し合いなのだと思います。

時を同じくしてアップルの脱税が問題になっています。
タックスヘブンのペーパーカンパニーに利益を移して米国の税金を節税する方法は、アメリカでは一般的で、大企業から大金持ちまでが利用する節税方法です。

それが、何故かアップルだけが槍玉に上がっています。

私は陰謀論者なので、アップルがTD-LTE方式を採用しない様に、議会の一部勢力が圧力を掛けているのだと思います。

業績低迷が懸念されているアップルが中国方式のTD-LTEを採用すれば、新興国市場を中心にアップルは売り上げを大きく伸ばす事は必至です。それを、どうしても阻止したい勢力がアメリカには存在するのでしょう。

■ スプリントネクステルの価値は、TD-LTE方式を整備しているクリアワイヤの価値 ■

アメリカの携帯電話3位のスプリントネクステルの買収をソフトバンクが発表した時、ソフトバンクが欲しいのは、スプリントが5割の株を持つ、業界5位のクリアワイヤだと一部が報道し、ソフトバンクの孫社長も否定はしていない様です。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK067035920130507

現在、ソフトバンクとディッシュがスプリントネクステルの買収を巡って熾烈な戦いを演じています。本来ならソフトバンクで決定している所を、ディッシュが横槍を入れていいる格好ですが、行政側もソフトバンクを中国と繋がりのある企業と名指しで攻撃して、買収の進展を妨害しています。
http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTJE94N01A20130524

一方ディシュはクリアワイヤにも直接買収を持ちかけていますが、こちらはスプリントネクステルが5割の株を握っています。要は、ディッシュの本当の狙いはクリアワイヤで、これはソフトバンクも少なからず同様に思えます。

ディッシュはクリアワイヤの買収額を引き上げ、クリアワイアに買収提示額の30%上乗せしました。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94T00620130530

どうも、米国内でもTD-LTR方式を巡り、熾烈な争いが繰り広げられている様です。
ソフトバンクがクリアワイヤを傘下に収めれば、ユーザーの声を背景にアップルにTD-LTE方式の採用を強く要求するでしょう。中国の要求は拒否出来ても、アメリカ国民の要望をアップルが無視出来るかは、微妙です。

孫氏のスプリントネクステル買収は、アップルのTD-LTE方式の採用の為の先兵の役割を担っているのでしょう。


あくまでも、陰謀論者の憶測に過ぎませんが、アップルの脱税問題と絡み、裏では巨大な通信利権が暗躍していたら・・・面白いな・・・なんて、本日の妄想でした。

日本SF漫画の頂点・・・たがみよしひさ『化石(いし)の記憶』

2013-05-29 11:23:00 | マンガ
 



■ これ程再読に耐える漫画は珍しい ■


世の中の漫画は、たいがい一度読めば内容が理解出来ます。

しかし、中には何回も読まなければ分からない様な作品もあります。その様な作品の多くが、、セリフの言外を推測しなければならないなど、表現様式が難関なのに対して、たがみよしひさ『化石(いし)の記憶』は、その内容において難解とされる作品です。

タイムトラベルを扱ったSF作品ですが、エンタテーメントとして、素晴しいクオリティーを維持しながらも、タイムトラベルの構造の重層性において、一読で理解するのが難しい作品です。

しかし逆に言えば、これだけ再読に耐える漫画も珍しいと思います。

確かに現代の「主観概念的世界観」というSFの潮流からすれば、タイムとラベルだとか、恐竜などという設定は古さを感じずにはいられません。しかし、だからと言って、この作品に込められたSF的トリックの面白さが、決してあせる事は決してありません。

私は敢えて言いたい。

日本のSF漫画の中で、一番面白いのは、『化石(いし)の記憶』だと!!

■ スタイリッシュな『軽井沢シンドローム』のノリのガチのハードSF ■

たかみよしひさと言えば真っ先に『軽井沢シンドローム』を思い出します。

二頭身の若い男女達が、延々にイチャコラする漫画ですが、時々絵柄がリアルになる瞬間があります。その時の描写やセリフは、とてもクールでナイフの様に鋭い。

捉えどころの無い作品でしたが、「ミニタリーオタク臭」もプンプンして、まさに、「ごった煮文化」の80年代を象徴する様な作品でした。

この『軽井沢シンドローム』のスタイリッシュでシリアスな描写で、タイムとラベルSFにチャレンジしたのが『化石(いし)の記憶』です。

■ 「ぬし」と呼ばれる巨大生物 ■

美袋(みなぎ)竜一は、無職のオタク。
下宿には所狭しとモデルガンやフィギアが並べられています。
しかし、竜一は、男前でモテる。
女とは何故か関係が出来てしまう・・・それが女子中学生でも・・・。
そんな、いい加減を絵に描いた様な竜一は、ある日のニュースに目を止めます。
彼の田舎の赤森で、熊らしきケモノが出没したというニュースです。

彼は「ぬしが覚醒(おき)たのか」と呟きます。

彼は、彼の部屋に入り浸る女性中学生とのセックスのビデオをネタに、
会社の重役の彼女の父親を脅迫します。
「300万よこせ」と・・・。

ダメ人間を絵に描いた様な竜一ですが、
彼は手にした金でモデルガン屋に実弾を注文します。
そして、故郷の縞(しま)へと彼は向います。

縞には1000年以上前から「ぬし」と呼ばれるケモノが出没します。
「ぬし」は村の家畜を襲うだけで無く、民家に侵入して人をも襲います。
その現場は凄惨を極め、人は原型を留めない程に喰い散らかされてています。
「ぬし」の正体を巨大な熊だと考える人が多いのも頷けます。

同じ頃、縞に一人の大学の研究者が来ています。
本庄哲也は古生物学の研究をしていますが、
彼は縞の赤森(あかのもり)から恐竜の化石が出ると信じています。

縞の地層の年代(白亜紀末期)、日本列島は海底に沈んでいました。
ところが、縞からは陸上恐竜の化石が出ると、本庄は信じています。
それは、以前、縞から出土した陸上恐竜の化石が縞の旧家に伝わっていたからです。
今では火事で所在の分からくなった、この化石を根拠に、
本庄は日本の学界を覆す様な発掘を夢見ているのです。

旅館から散策に出た竜一は、発掘中の本庄と出会います。
お互いに軽く自己紹介を済ませた時、本庄は化石らしきものを発見します。
それは、明らかに人間の頭部の化石に見えるものでした。
それも、ホモサピエンスの・・・・。

白亜紀の地層から、ホモサピエンスの化石が出る事は絶対に在り得ません。
しかし、それは明らかに目の前に存在する・・・・。
本庄はその化石を持って、東京の研究室に急遽戻ります。

■ 「ぬし」を母親の敵と狙う竜一 ■

竜一は「ぬし」に母親を食べられています。
父親は縞の赤森に、本庄の父親と調査に入り、消息を断っています。

本来なら、名家の長男として何不自由なく育つはずであった竜一は、
両親を失った後は、北海道の施設で中学生まで育ちます。
彼は、彼の人生を一変させてしまった「ぬし」に根源的な敵意を抱いています。

竜一は「ぬし」を敵として殺そうと、赤森にやって来たのです。
「ぬし」は何十年か周期で現れ、そして消えてしまいます。

調査を進める過程で竜一はとうとう「ぬし」と遭遇します。
ところが、彼が遭遇したのは・・・何と小型の肉食恐竜。

彼が襲われたのは、小型のディのニクスですが、
近辺には大型恐竜の痕跡もあり、どうやら「ぬし」は一匹では無い様です。

現実とは思えない事態に、竜一は戸惑います。
それでも、彼の「ぬし」への敵意は消える事はありません。

■ 赤森の伝承に伝わる「竜哭」 ■

縞には「ぬし」の他に「竜哭」という伝承があります。

戦国時代、村上一族の長、村上逸馬は、
時谷貞光の持つ、雷を呼び、雨を降らせるという「竜哭」を手に入れる為、
時谷に攻め入ります。
「竜哭」を手に、逃げる時谷貞光は、いつしか赤い竜に姿を変え天に昇ったと伝わります。

「竜哭」は時谷の埋蔵金とも、或いは古美術的価値のあるものとも噂されます。

この「竜哭」争奪を巡り、いくつかの勢力が暗躍しています。
竜一の中学生のセフレの父親も「竜哭」を追う一人です。
そして、本庄の恋敵の大手研究機関の小室もそれを追う一人です。

さらには、政界の大物や、大銀行の頭取まで絡んで、
「竜哭」を追う勢力同士が、お互いを潰し合います。
敵ばかりでは無く、見方をも裏切る壮絶な戦いが繰り広げられます。

「竜哭」の正体どころか存在すらも知らない企業の社員達が、
争いに巻き込まれて、次々と命を落としていきます。


■ 運命に翻弄される様に赤森に引き寄せられる人々 ■

一方、東京に戻った本庄を、研究室の教授は相手にしません。
「理解不能な事には手を出さない」と言い切ります。
本庄は仕方なく縞に戻りますが、発掘中に消息を断ちます。

一方、東京の研究室では発掘された人骨化石に肉付けして復元を試みます。
そして、復元された人物の顔を見て人々は驚愕します。
そこには、本庄の顔があったからです。

恐竜と人骨化石と、伝承の「竜哭」を求めて、多くの人達が縞に集まって来ます。
竜一を追う刑事、研究所の研究員、大学の研究班、暴走族。
それぞれが、それぞれの目的を持って縞を目指しますが、
その目的とは、「竜哭」を手に入れる事。

「竜哭」には、何か重大な秘密が隠されているのです。

そして、縞に集う人々は、何らかの形で縞と繋がりがある事も分かって来ます。
これが偶然なのか、それとも「竜哭」が人々を引き寄せているのか・・・。
人々は逃げる事の出来ない運命にからめ取られ、
そこから逃げる事が出来ない無力さ翻弄されます。

「竜哭」とは何か、何故、恐竜が現れるのか?
そして、本庄の化石が何故、白亜紀の赤森の地層から出土したのか・・・

多くの謎を残しながら、人々は「竜哭」に導かれるかのごとく集まり、そして・・・。

これ程多くの人達が、複雑に関係しながらも、
一つの焦点に見事(強引)に収束してゆく作品を私は他には知りません。

一人として部外者は存在しないのです。
これは、ご都合主義にも思えます。
しかし、人々がそこに集う事自体が目的なので、妙に納得させられてしまいます。
そして、それぞれの人物に用意された事件の結末は、どれも意外でショッキングです。


イヤー、文章で書いても何だか分かりませんね。
これは、読むしか無い。
それも、何回か読まないと、正確には理解出来ません。

■ 日本SFの名作 ■

あまり世間では話題にならない作品ですが、
私はこの作品は『ジュラシックパーク』にも勝るとも劣らない名作だと思っています。

マイケル・クライントンの『ジュラシックパーク』は最新の生命工学を駆使したお伽噺ですが、
『化石の記憶』は、タイムパラドクスを駆使した御伽話です。
同じ恐竜をテーマにした作品ながら、全く志向の異なる作品ですが
どちらもSF的なアイデアの宝庫と言えます。

ちなみに『化石の記憶』が発表されたのは『ジュラシックパーク』の5年前の1985年。

謎の生物や恐竜、タイムとラベルや宇宙人(?)。
歴史の伝承と、人々の因果・・・・。


タイムマシンというアイテムをこれ程、活用した話を私は他に知りません。
あるとすれば『涼宮ハルヒ』シリーズくらいでしょう。


今でも文庫版は手に入ると思います。
興味を持たれた方は、AmazonにGO!!

F35の垂直離着陸・・・アポロって・・・

2013-05-28 07:52:00 | 時事/金融危機
 

ちょっとカッコイイので紹介を。



F35はロッキードマーチンが開発中の米軍の次世代ステルス機です。
日本も導入を決定していますが、イギリス軍はシー・ハリアーの後継機として選定しています。当然、垂直離着陸の性能が必要になります。

F35の垂直離着陸の映像が公開されています。
機体中央部に離着陸用に下向きのエンジンを備え、後部ノズルも下向きになる様ですですが、・・・うん、なんだかウミガメの産卵を見ている様な微妙な感じが・・・・。

水平を保つシステムは、機体中央部の下向きエンジンの排気と、推進用のメインエンジンの排気ノズルを下向きに調整し、さらに排気を左右翼下部の下向きノズルにも振り分けて、系4つのノズルの出力調整に行なう様です。

この垂直離着陸機能を有するのはF35Bというタイプで、日本が導入予定なのはF35Aという通常離着陸タイプ。




ところで、現代の最新システムでも噴射で水平を保つのは至難の業。ハリアーはこれを1960年に実用化していたのだから、驚きです。

アポロの月着陸船って、エンジン排気よりも複雑な挙動をしそうなロケット噴射をコントロールして、月面にゆっくりと着陸していましたが、この技術は多分F35の比では無く難しい。流石はNASAと言うべきか・・・或いは。

低重力下で、空気による揺らぎが無いので、現在の技術ならば精密なジャイロと制度の高い姿勢制御ロケットと高速のコンピューター制御によって軟着陸も不可能で無いでしょう。しかし当時の技術で、月周回軌道の速度から徐々に減速して水平方向の対地速度をゼロにしながら、垂直に着陸するのは無理では無いでしょうか。

「アボロ疑惑」は「真空中で旗がハタメイテいた」とか「影の方向が」とか、瑣末な点で議論が交わされていますが、単純に「月面軟着陸」が当時の技術で実現可能か検証するだけで決着は付いてしまいます。

当時のジャイロとコンピューターの技術を再現して、「軟着陸」が可能かどうか再現する事は容易なはずです。あるいはスーパーコンピューターでシミュレートする事も出来ます。これを実行する科学者が居ないといいう事は、多分、タブーなんでしょう・・・。

最近、月面着陸映像って見ないですよね。多分、今見ると「円谷プロの特撮」の方が、クオリティーが高いかも知れません。



非常に興味深い映像がニコ動にアップされています。アポロに先駆けて月面探査を行なったサーベイヤーが、どの様なシステムで月面軟着陸をするかが克明に記録されています。

姿勢制御には窒素ガスの噴射を用い、減速には固体燃料ロケットを噴射します。レーダーによって対地高度を計測し、噴射の開始をコントロールすると同時に、噴射によってレーダーユニットを吹き飛ばして機体を軽量化します。

落下速度が充分減速した後で、3機のロケットエンジンを利用してさらに減速します。この制御にはドップラーレーダーが用いられ、対地速度(落下速度)と高度を正確に計測します。

最終段階は、地表13フィートでエンジンを切り、落下しますが、重力が1/6なので、落下の衝撃は60cmから落下して程度です。脚部のハニカム状のショックアブソーバーが潰れる事で、衝撃を吸収します。

13フィートの高さから「落下」するのは、ロケット噴射で月面の表面の砂などを蒔き上げない為の配慮です。

非常に合理的に考えられてシステムですが、サーベイヤーは1966年から1968年まで7回打ち上げられており、5回成功、2回着陸に失敗しています。

アポロ11号が月面に着陸したのは1969年の事で、月着陸船のテストもアポロ10号で行なわれていますが(1969年5月)、この時は地表まで10Kmに到達しただけで、軟着陸はしていません。


アポロ11号は有人で、それこそぶっつけ本番で、月面着陸を敢行した訳ですが、サーベイヤよりも遥かに重量のある着陸船を、無事着陸させる確率は高くは無かったのではないかと思います。

ただ、コンピューターを人間は補助する事が出来たので、当時のコンピューター制御に比べ、有利だったのかも知れません。

この時代のエレクトロ技術の水準は、この映像の後半から伺い知る事が出来ます。サーバイヤーの伝送映像は荒いスキャン映像が繰り返し送られて来ますが、それを合成してある程度精密な画像を合成します。そのプロセスは多分、投影画像か、残光性のモニターに次々に映像を重ねて行く方法の様に見えます。
バッファーメモリーという、デジタル技術が無い時代、非常にアナログな手法で画像合成を実行していた様です。

この時代の制御技術は、複雑な演算処理では無く、単純なフィードバックだったと考えられます。


100%ウソとも言い切れないのが「アポロ疑惑」の陰謀論的な楽しさなのですが、はたして真相はいかに!?


もしアポロ計画がウソならば、巨大なウソ程、露呈しない事の見本みたいなもので、世界が幻想の上に成り立というのも、あがなち「陰謀論者の誇大妄想」では無くなる訳です。




最後に、あまり陰謀論ばかり書くと「夢」が無いので、宇宙開発史に詳しい、素晴しいサイトをご紹介します。

スペースサイト!

萎んだ夢が、又膨らみます!!

映画に見るヨーロッパの移民社会・・・ニュースでは無く映画を見よう!!

2013-05-28 05:21:00 | 映画
 



■ 積極的な移民政策がもたらした弊害 ■

スエーデンで移民達が暴動を起しています。

スエーデンは一時期人口の減少が著しく、移民を積極的に受け入れて来ました。ところが、景気の悪化で失業率が高まると、スエーデン人の失業率が6%なのに対して、移民の失業率は16%となりました。さらに、移民達は、インターンや短期の労働、単純な肉体労働にしか付けず、彼らの不満は高まっていたと言います。



スエーデンではアラブ諸国からの難民も受け入れていて、上の写真の様な光景が日常化している様です。移民達の反感の多くは、「自分達がいつまで経っても「移民」としてしか見られない」という苛立ちが少なく無い様です。長い間、白人主体の国家であったヨーロッパ人にとって、「移民」はいつまで経っても「エイリアン」にしか見えない事も原因ですが、上の写真の様に、母国の宗教や習慣を守り続ける移民達は、やはり社会にとって異質な存在です。

そもそも欧州は意味の階級社会で、身分は半ば固定的です。貧乏人の子供は、ロックスターかサッカー選手にならなければ貧乏を脱出出来ない」というのは、イギリスに限定した事ではありません。中にはサルコジ氏の様に、移民から大統領に上り詰める人も居ますので、あくまでも「そういう傾向がある」という範囲の話になりますが・・・。

その点、アメリカは貧乏人や移民にもある程度の機会が与えられるだけ、健全な社会と言えます。アメリカは世界最大の貧富の差を誇りますが、ある程度暴動が抑制されている背景には、「アメリカが移民の国」という国民のコンセンサスが大きく作用しているのでしょう。黒人大統領からして、元を辿ればアフリカ移民です。(奴隷でしたが・・・)

日本にも在日朝鮮韓国人や、中国人留学生の様な外国人が暮らしています。池袋西口などは、さながらリトルチャイナの様相を呈していますが、景気悪化と日韓・日中関係の悪化によって、人種差別的言動がネットを中心に高まっています。

ただ、アジア系の人達は、私達と見た目も生活習慣も似ているので、かつて上野の西郷像の回りに集まっていた中近東の労働者達程、異質な存在ではありません。反中・反韓の根底には、同類嫌悪的感情もあるのかも知れません。半ば、兄弟喧嘩に近いものなのかも知れません。

■ 映画の中に見るユーロッパの貧しい社会 ■

最近はめっきり映画館に足を運ぶ事も無くなりましたが、かつては単館上映の映画が好きで良く見ていました。

80年代から90年代初頭のヨーロッパ映画には、貧しい人達を描いた秀作が沢山ありました。今回の暴動はスエーデンですが、フィンランドのアキ・カウリスマキとミカ・カウリスマキ兄弟は、フィンランドの貧しい人達を、独特のペーソスに溢れたタッチで描いて印象的です。


真夜中の虹  アキ・カウリスマキ

フィンランドの炭鉱労働者カスリネンが失業して、たまたま手に入れたキャデラックで南を目指すというロードムービーの『真夜中の虹』

序盤の炭鉱の街の煤けた感じが、何とも陰鬱で、「南を目指す」という南も、パラダイスには程遠い・・・。1980年代は石炭産業の衰退期に当たったので、炭鉱労働者の失業の映画がチラホラと散見されました。炭鉱労働というのは、危険と背中合わせなのに所得は高くありません。こういった人達を描いた映画が撮られる一方で、ヨーロッパ映画と言えば、貴族達の華やかな生活を描く作品も多かった。


ぼくのエリ

最近見たスエーデン映画は、200歳の少女の姿をした吸血鬼の話。
愛すべき吸血鬼映画・・・「ぼくのエリ」(人力でGO 2010.07.25)

ストックホルムの郊外の集合住宅に住む男の子オスカーが知り合ったのは、女の子のエリー。でも、彼女には秘密が・・・・。この映画必見です・・・美しくてそして怖い。
吸血鬼の少女は中近東からの移民の娘の様です。さらに、この映画、年金で生活する老人達が沢山出て来ます。年金と言っても、慎ましやかなものですが、昼間から酒を飲むくらいのお金は支給されている様です。いつも誰かに酒をねだる連中は、もしかすると生活保護を受けているのかも知れません。寒い国だけに、路上で寝たりすれば冬場は死に直結します。そういう意味において、ヨーロッパの年金や社会保障の充実は、厳しい自然環境が生み出したシステムなのかも知れません。
(ハリウッドでリメイクされている様ですが、スエーデン版がオリジナル)


BIUTIFUL

移民の生活が描かれるという意味で最近衝撃的なのは、スペイン映画の『BIUTIFUL』
映画を越えた何か・・・BIUTIFUL(人力でGO 2011.07.02)

スペインには大量のアフリカや中国からの不正移民が入国していて、それこそ想像を絶する様な貧しい暮らしをしています。いつ警官に摘発されるか分からないので、絶えずビクビクと怯え、安い賃金で働き、うわまいをチンピラ達にはねられる・・・・。社会の底辺に生きる人達が、支えあい、或いは奪い合いながら生きて行く姿をこれでもかと見せつける映画です。



TAXI

フランスも以前アフリカ系移民の暴動が発生していました。リュック・ベンソン製作のヒット映画『TAXI』の主人公ダニエルも北アフリカからの移民。エンタテーメント作品なので、暗さはありませんが、フランスの移民社会の一端を垣間見る事が出来ます。

■ ニュースでは分からない生活の臭い ■

映画の優れている点は、私達が実際にその場所に行かなくても、その国に生きる人達の生活の臭いが感じられる事です。それは、ニュース映像やドキュメンタリー映像では中々感じられないものだったりします。

ヨーロッパの移民やアメリカの貧困と聞いても、なかなかピンと来ませんが、映画の中には、彼らの生活がかなりリアルに描かれています。

■ 日本の中の移民 ■

日本政府は外国人の単純労働を許可していません。ですから、スーパーのレジやファーストフードで働いている片言の日本語を話す方達は、研修生という名目で入国しています。

これは中々ズルイ政策で、移民として扱わないので、永住権を要求されることも有りませんし、就学ビザが切れれば帰国するので、日本で子供を生む確率も限りなく低い。社会保障費や失業手当を彼らに支払う必要もありません。

日本の若者は「仕事が無い」と嘆いていますが、コンビニのレジの様なアルバイトの仕事を、外国人労働者と争う事もしていません。時給が安い仕事に日本人の若者は就きたくないのです。この様な、労働市場の受給ギャップを埋める形で、安い外国人労働力が利用されています。

国際的には「不正」に近い、研修生システムですが、これが国連などで問題視されると、日本は一気に安い労働力が枯渇するか、あるいは不正に入国する外国人が増える事になります。

今後、少子高齢化で若年労働力が不足する中で、日本もかつてのヨーロッパの様に、移民を受け入れざるを得ない時期が必ずやってきます。その時、移民を自国民として対等に受け入れる事は、単一民族国家の日本人にはハードルが高いと思います。きっと、ヨーロッパの様な軋轢が生まれてきます。

かといって、移民を受け入れなければ、日本は老いて縮小するだけの未来が待っています。

ヨーロッパの移民の暴動は、対岸の火事では無く、何十年後かの日本の姿なのかも知れません。