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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

NHKスペシャル『新映像の世紀』・・・グイレートファミリー(大財閥)

2015-11-30 09:41:00 | 時事/金融危機
 





■ NHKもやれば出来るじゃん? ■

たまたま実家に居てTVを見ていたら『NHK特集・新映像世紀 グレートファミリー』なる番組を放送していました。モルガンやロックフェラーがどうやって大財閥にのし上がったのかが、サラリと描かれていて、陰謀論者に琴線に触れる番組でした。

「NHK,デビットに喧嘩売るの」って一瞬思ったのですが、この番組、20年前(1995年)に製作されたもののリマスター版みたいですね。

■ NHKの限界に挑戦 ■

「世界大恐慌」のくだりの、「NYの株価暴落でロックフェラーも多くの損失を出しましたが、その後は回復し・・・」的な説明に、NHKの限界を感じます。

世界大恐慌の仕掛け人こそがロックフェラーを始めとする大財閥で、彼らは個人投資家への短期のローンを一斉に引き上げると同時に、大量の株を売却して「大暴落」を演出します。結果的に人々は株を投げ売り、紙屑同然となった株を大財閥達が買い占めて、アメリカの経済を支配してしまいました。

流石に「皆様のNHK」が事の真相を公共の電波に載せる訳にも行かず、だいぶ歯に物が挟まった様な表現になっていましたが・・・。

■ ユダヤ人のメディア支配にも言及 ■

現在のNHKでは「ユダヤ人」という言葉を発するにもナイーヴになりそうですが、当時の番組は「ユダヤ人」を連呼していてびっくり。

東部で職を得られなかったユダヤ人達が西部をめざし、そこで映画産業が花開いたと説明されています。(さすがに、メディアを使った洗脳などというキワモノの内容では有りませんでしたが・・・)

■ 知っている人には物足りなく、知らない人には「過去の歴史」に過ぎない ■

ネットから様々な情報が得られる現代、私達はちょっと調べれば「グレートファミリー」のアメリカや世界支配の構造の一旦を知る事が出来ます。

しかし、TVや新聞からしか情報が得られない人々にとっては、「新映像の世紀」の内容は「過去の歴史」に過ぎません。そして、多くの人達が「知った気」になり、「少し賢くなった気」になって番組を観終わります。

■ ロックフェラー1世の実像 ■

番組では「超やり手のビジネスマン」として描かれているロックフェラー1世ですが、実はとても不思議な人物です。小さな商店の店員から一代で大財閥にのし上がった事は意外に知られていません。

経験なクリスチャンで、日曜学校の校長を勉めていました。悪辣とも言える手段でライバルを蹴落として事業を拡大する一方で、慈善事業にも本気で取り組んでいます。

この一見「相反」する行動には、実は大きな原動力が存在します。それは「神への奉仕」です。

カトリックはお金を「卑しいもの」と見なしていました。ですから銀行などの金融業をカトリック教徒は見下していました。キリスト教は金利を取る事を禁じていましたから、金利を取る事を罪としていないユダヤ教徒達が金融業で資産を拡大してゆきます。カトリック教会は「蓄財」を「罪」と断罪し、「罪を逃れる為には免罪符を買えば良い」と説きます。結果、商人達の稼いだ富はカトリック教会に流れて行きます。

一方、宗教改革で生まれた「新教=プロテスタント」は「金儲け」を否定しませんでした。プロテスタントは「神に救われる人は既に決まっている」と説き、「免罪符」の効果を否定します。さらに、ルターやカルヴィンの教えは「勤労の結果の蓄財」を否定しませんでした。禁欲的に365日の間勤労に励み、質素な生活を送る様に説きます。結果、プロテスタント達は、カトリック教徒よりも多くの資産を築き上げる事になります。

ロックフェラー1世においては経験なクリスチャンゆえに、さらに何等かで思考のすり替えが起こったと考えられます。彼は「禁欲的に稼げば稼ぐ程神に奉仕できる」と考えた様です。たとえ他人を蹴落しても、彼の思考の中ではそれすらも神への奉仕に変わってしまうのです。


ネットを探せば海外の番組のロックフェラー一族の歴史を見つける事が出来ます。日本語の字幕も付いています。「金の亡者」とか「強欲な資本主義の権化」を考えられているロックフェラーを始めとするアメリカの大財閥ですが・・・彼らなりに「金儲け」には理由が有るのかも知れません。ただ、現代においては、「宗教」の影響は既に消失し、「神への奉仕の手段である金儲け」が目的化してしまったのかも知れません・・・。


所得の再分配の経路の変化が景気悪化の元凶・・・国家は誰の物か?

2015-11-27 05:52:00 | 時事/金融危機
 
■ 小泉改革以来、所得移転の経路が変化した ■

田中派(経政会)が力を持っていた当時の自民党の票田は地方でした。この当時、自民党は東京など大都市で徴収された税金を、公共事業として地方にバラ蒔く事で、利権を生み出していました。これは富める者から貧しい者への所得移転の意味合いを持っていました。

小泉改革以来、日本の所得移転の経路が徐々に変化します。

成熟国家となった日本では、公共事業の乗数効果が低下します。地方の必要なインフラはほぼ整備されてしまったので、さらなる公共事業は「無駄」を生み出すだけとなります。(所得移転としての効果は残りますが)そこで、小泉政権以降、公共事業は削減されます。

一方で、郵政民営化と同時に金融が自由化されるなど、多くの規制が撤廃され、日本は徐々にグローバルスタンダードに近づき始めました。

平成のバブル崩壊以降、日本の株の持ち合い制度は解消され、多くの大手企業で外国人投資家の影響力が高まりました。彼らは株式の配当の拡大や、短期の企業利益の増大による株価上昇を求めました。企業は利益を拡大する為に非正規雇用を増やします。

■ 労働者から企業への ■

消費税増税の裏で法人税が減税されようとしています。

自民党に一番強い影響力を持っているのは、政治資金を供出してくれる経団連を始めとする大企業です。減税は手っ取り早く利益を拡大する手段です。

自民党は政治献金の見返りとして、法人税減税を強行するでしょう。一方、足りなくなる財源はどこかで補わなければばりません。そこで消費税率が引き上げられます。

国民の多くは、非正規雇用の拡大という形で企業に所得移転されたあげく(本来貰えるべき所得が株主に配当される)、さらに消費税が法人税減税の財源となる事で、さらに労働者から企業への所得移転が進みます。

■ 若年層から高齢層への所得移転 ■

現在の日本では65歳以上の高齢者は年金が受けられます。年金の原資は現在労働者が支払っている年金と、税金です。

一方で、日本の資産の2/3以上を60歳以上の高齢者が保有しています。年金や税金は若い労働者から集められ、若者よりも富裕な高齢者に配られています。

所得の低い若者から、資産の多い高齢者への所得移転が発生しています。

■ 優遇される富裕層 ■

「トリクルダウン」という言葉が持てはやされた時期もありましたが、IMFはこの効果に懐疑的な見解を示しています。

富裕層が富めば富む程に、彼らの消費が拡大して、それが下々の者まで効果が波及するという理論(?)ですが、富裕層に集中する富の度合いに対して彼らの消費は限定的です。彼らはゲームのスコアーの様に資金力に物を言わせて金利を荒稼ぎしますが、相場の上昇は庶民のなけなしの投資に支えられています。

異次元緩和でジャブジャブと供給される資金は、株式市場や東京都心の不動産市場を半ばバブル化していますが、それによって恩恵に預かるのは主に富裕層です。

一方、異次元緩和によって積み上がる財政赤字は、将来的に国民が税金もしくはインフレ税で支払います。

低金利によって庶民のささやかな貯蓄には金利が付かず、富裕層は投資によって資産を拡大しています。ここでも貧しい者から富める者への所得移転が発生しています。

■ 豊な中間層が居なければ消費は減退し、経済は縮小する ■

様々な場所で貧しい者や中間層から、富裕層や大企業や高齢者への所得移転が発生していますが、結果的に「購買力に富んだ豊な中間層」を貧困に追いやることで、経済は縮小する事になります。

一方、金融市場は実体経済の低金利を背景に、マネーゲームの場として資金を吸収しつづけ、実体経済の流動性を損なっています。

「何故、不景気なのか」、「何故世界的に需要が足りないのか」・・・・その答えは比較的単純で、所得の再分配の経路が変わってしまったことにこそ最大の原因があります。


大企業や富裕層や高齢者に支持された現在の世界各国の政府にこれを是正する事は不可能で、行き着く所まで言って自己崩壊を起こすまで、資本主義の暴走は止まることが無いのでしょう。

ロシア軍機撃墜は新たなクリミア戦争に発展するか?・・・混乱は目的を持って作られる

2015-11-25 10:31:00 | 時事/金融危機
 

■ ロシアの空爆もフランスの空爆も壊しているのはシリアのインフラ ■

パリテロ以来の一連の緊張の高まりは偶発的を装っていますが、私は周到に準備されたものだと思っています。そして、プーチンも役者の一人だと確信しています。

今回のISISのパリテロからの一連の流れの発端はロシアのシリア国内のISISに対する空爆から始まります。

1)ロシアがシリア国内のISISに直接的は被害を与える空爆を開始
2)ISISを支援していたアメリカやフランス、トルコなどはアサド政権打倒が困難になる
3)ロシアやイランやヒズボラのシリアでの影響力拡大を阻止したい
4)パリでテロを起こして、シリア空爆への国民の支持を取り付ける
5)フランを中心としたNATO諸国とアメリカなどのシリア国内の空爆を本格化させる
6)ロシアと協調してISISを殲滅している様に国際社会に見せ付ける

ところで、ロシアやフランスなどが空爆している石油施設や、ISに占拠された軍事施設や、或いは社会インフラは、元々はシリアの国家を支える重要なインフラです。石油施設を破壊されれば、シリアの経済は疲弊し、アサド政権への国民の支持も揺いで来ます。

こう考えると、シリアのインフラを破壊しているという意味においては、ロシアが行なう空爆も、フランスやアメリカが行なう空爆も、結果に大差が無い様に思えます。

陰謀論者の私は、ロシアの空爆は、シリア情勢の新たなページをめくるサインに見えて仕方有りません。

■ トルコ軍機によるロシア軍機撃墜は何をもたらすのか? ■

ISISを支援しているトルコ軍の戦闘機が、領空侵犯した(とされる)ロシア空軍機を撃墜するという事件が発生しました。ロシア(ソ連)の戦闘機が撃墜されるのは1950年以来だそうです。

これはかなりインパクトのある事件で、トルコがロシアに対して強硬姿勢を貫けば、シリア情勢はトルコをも巻き込んだ危機の高まりへといステップアップしてしまいます。

今の所プーチンは冷静を装っていますが、トルコの出方次第ではロシアがトルコ国境に軍隊を集結する事態に発展します。NATOの一員であるトルコをフランスやイギリスが支援する形をとれば、クリミア戦争を彷彿させる対立が生まれます。

■ ロシアの喉下のトゲのトルコのミサイル防衛 ■

ロシアは自国周辺にNATOがミサイル防衛システムを構築する事を嫌っています。ウクライナの軍事的対立の根底に有るのは、ウクライナがNATOに取り込まれて、迎撃ミサイを配備される恐れがあるからです。同様にトルコもNATO軍のミサイル防衛の構築を目指しています。

トルコはミサイル防衛構築に辺り、中国製の迎撃ミサイルシステムを導入すると発表していましたが、これは突然、トルコによって破棄され、独自に迎撃システムを構築とされました。

そもそもトルコは本気で中国製の迎撃ミサイルシステムを導入しようとしたのでは無く、ロシアの警戒を和らげる為にロシアと仲の良い中国をダシに浸かったのでしょう。

EU加盟はトルコの悲願なので、今後トルコは益々ロシアに対して対立姿勢を強め、ヨーロッパ諸国の歓心を買おうとするかも知れません。

■ FRBの利上げと中東緊迫化の高まり ■

私は陰謀論者なので、「軍事的緊張の高まりや、戦争の原意は常に経済にある」と考えています。どこかの誰かが利益を拡大する為に、或いは利益拡大の原動力として古いシステムを破壊しようとする時、国家間の対立が煽られ、戦争が起されて来たのだと信じています。

FRBは12月に利上げに踏み切ると思われますが、利上げの成否は米国債金利の上昇をいかに押さえ込めるかに掛かっています。米10年債金利が3%を超えて上昇する様な事態になれば、低金利で安定している全ての債権市場が緊張します。

そこで、世界でダブついている資金を米国債に誘導する手段が、シリア情勢の緊迫や、欧州での緊張の高まりなのだと私は妄想しています。

テロ以降、ヨーロッパの経済は減速を明確にしています。ECBは緩和拡大に踏み切らざるを得なくなるでしょうが、これは必ずやFRBの利上げを強力にサポートするはずです。

シリアや欧州における危機の高まりの裏には、FRBの利上げ支援という目的があると私は妄想しています。そして、役者の一人がプーチンで有ると私は根拠も無く確信して病み(?)ません・・・。

中東を押し付けられるフランス・・・中東から撤退するアメリカ

2015-11-18 08:18:00 | 時事/金融危機
 

■ 世界の警察を辞めるアメリカ ■

オバマ大統領は就任以来、アフガニスタン、イラクからアメリカ地上軍を撤退させました。これはオバマ大統領が「平和主義者」だからという訳では無く、アメリカが中長期的に「世界のの警察」の座を降りようとしている事の一環です。

アメリカは日本同様に巨大な国家債務を抱えていかすが、将来的に発生する年金コストなど「隠れた負債」を含めると、アメリカの国家債務は公式に発表されている数字を遥かに上回ると言われています。

アメリカ議会は債務上限問題で度々紛糾しますが、あれは国家債務を適正に管理しているというパフォーマンスに過ぎず、既にアメリカは返済不能の債務を抱えています。世界の国々が米国債を買っている間はアメリカが財政破綻する事は有りません。しかし、アメリカの国力やドルの魅力が失われて米国債金利が不用意に上昇する様な事が起これば、ドルや米国債の継続性への疑問が急拡大します。

アメリカの財政は増え続ける軍事費の負担に耐えられなくなりつつあり、トランスフォーメーションという米軍縮小再編を全世界で進めています。予定では2016年からは在韓米軍が撤退し、沖縄の海兵隊のうち8千人がグアムやオーストラリアに移転します。

トランスフォーメーションの基本は、「世界に分散した戦力をコアとなる拠点に集約し、有事の際には航空輸送で速やかに戦地に展開する」事で、その為に戦車などの重量武装は減らし、ストライカー装甲車など軽い装備への転換が進んでいます。

■ 地上軍の投入を嫌う米軍 ■

ベトナム戦争以降、米軍は地上軍の投入で完全な勝利を収めていません。地上軍の展開には大きなコストと人的な被害を伴いますが、現在の非対称の戦争では、敵は雨後の竹の子の様に生まれて来るので、イラクやアフガニスタンの様に地上軍が縮小されれば、アメリカのプレゼンスは低下します。

それでは地上軍を半永久的に展開させられるかと言えば、財政の制約、国民の厭戦感の高まりなどからそれも不可能です。

オバマ政権は地上軍の投入を極端に嫌っており、シリアでも空爆はすれど、地上軍の派遣には慎重です。イラク、アフガニスタンの二の前になる事が明白だからです。

■ 「バランサー」としてのフランス ■

フランスはかつてアフリカやアジアの多くの地域で殖民地をイギリスと二分していました。中東ではシリアとヨルダンがフランス領でした。これは一見するとフランスの国力がイギリスに拮抗していたかに見えますが、実はオイシイ所はイギリスが抑えており、フランスは余り物を押し付けられていただけとも言えます。イギリス一国で広大な植民地を管理する事は不可能なので、フランスと分割統治する形を取っていたのです。

大戦後、フランスは米英とは異なる国際戦略を取ります。民主社会主義的な立ち位置で、東西連戦時代は米英と東側諸国の間で「バランサー」の役割を果たします。

イラク戦争でも、フランスは最後までイラクへの国連軍の派遣を否定し、その結果アメリカは「多国籍軍」という形でイラクに軍隊を派遣する事になります。

リーマンショック以降もフランスは中国の人民元をSDRに採用する動きを強めるなど、米英と距離を置く戦略を取っています。

この様な戦後のフランスの行動から、フランスは米英と対立していると見られがちですが、実は米英とフランスは補完的で、米英に反発する国の不満をフランスが代弁する形でガス抜きが行われているとも言えます。

■ フランスに中東の警察の役を押し付ける米英 ■

第二次世界大戦後、中東におけるフランスのプレゼンスは低下していました。各国の王室や富豪や支配層はアメリカやイギリスに留学して、その関係を深めています。

しかし、近年、フランスはイギリスの影響の強いアラブ首長国連邦のアブダビにフランス軍基地を設けるなど、中東におけるプレゼンスを拡大しています。さらに、リビア攻撃やシリア攻撃でも積極的な姿勢に転換しています。

これはあたかも、中東から退きつつ有る米軍の役割をフランスが肩代わりしている様に見えます。地理的にも中東に近いフランスは、軍の投入という意味からも中東の警察の役割に相応しいとも言えます。

■ パリのテロ事件は911同様、フランス人を中東の戦闘に巻き込んで行く ■

パリのテロ事件がヤラセかどうかは永遠に不明ですが、その結果は有る程度予測されます。フランス軍は既にISISの拠点の空爆を決行していますが、これは新たな対立の火種となり、再びフランス国内でテロが発生する確率を高めます。

今回のテロの様な、自国内での直接的な暴力の行使に対して、リベラルと思えるフランス人であっても態度を硬化させます。さらに移民問題から庶民の間ではアラブ系への反感も高まっており、国民戦線のルペン党首の様な分かり易いアジテーターも存在します。

フランス国民が態度を硬化させる程、フランスはテロの標的となり、フランスは中東での戦闘に巻き込まれて行くでしょう。

■ ハッスルするフランスの裏で、こっそりとフェードアウトする米軍 ■

今後、空爆などの主役がフランス軍やロシア軍に置き換わる影で、アメリカ軍はこっそりと中東での軍事活動を縮小してゆくかも知れません。

サウジアラビアやイスラエルがロシアとの連絡を密にし始めるなど、アメリカ一辺倒だった国々の態度が徐々に変化しつつ有ります。

■ 米軍ほど強硬になれないフランス ■

巨大な軍事力を誇ったアメリカと違い、フランスの戦力は限定的です。NATO軍として中東に展開するにしても、各国の思惑はバラバラですから、米軍の様な強硬な戦略は取れません。

結局、フランスやヨーロッパの国々は中東にとって「警察」あるいは「バランサー」的な役割を担う様になると思われます。シーア派とスンニ派が対立した場合、その調整役に駆けつける役割を担うのでしょう。

■ 対立の元に安定するであろう中東 ■

アメリカという暴君が去った中東では、シーア派とスンニ派の小競り合いが続き、それぞれの勢力、それぞれの国は容易に結束する事が出来ません。一方で、それぞれの国は、それぞれの利害においてロシアや中国、フランスを始めとするEU諸国などと関係を深めてゆくと思われます。

こうして、アメリカが退いた後の中東は、対立を残しながらも安定するかも知れません。ただ、そこに至るまでに邪魔物は排除されるでしょう。現在、その筆頭がシリアのアサド政権なのでしょう。

イスラエル、イラク、サウジアラビア、エジプト、トルコ、(アラブ首長国連邦)辺りがこれからの中東に主役になり、不安定な均衡を保ってゆく事になると思われます。



まあ、妄想に過ぎないのですが・・・

次なるブラックスワンを予想する・・・根拠の無い妄想

2015-11-17 05:42:00 | 時事/金融危機
 

■ 中国発の世界経済危機は起きるのか? ■

「次の世界的な金融危機の引き金は中国のバブル崩壊」というのが多くの人の見解でしょう。しかし、何故だか人民元がSDRの構成通貨に導入されそうだとか・・中国経済の拡大を予測するかの様に動きが金融資本家達の中に起こっています。

中国の問題点は「共産党独裁」と思われていますが、経済が危機的状況に陥った時に「政策決定の速度が最大化され、制約の無い」一党独裁は、危機の克服に極めて有効な政治形態です。

バブルの処理には「徳政令」が特効薬です。積み上げた「架空の利益」を諦める事で、積み上がった「負債」を解消する事ができます。「徳政令」は歴史的には何度も実行されて来ましたし、「債権放棄」も部分的な徳政令と見る事が出来ます。

■ 利上げで破綻が確実なジャンク債市場 ■

FRBの利上げの影響を最も強く受けるのがジャンク債市場です。特にシェールガスを始めとするエネルギー企業のジャンク債は、既に流動性が失われています。

金融緩和による低金利の恩恵を一番受けたのがジャンク債市場ですが、リスクを無視した低金利状態が続いたので、歪が一番溜まっています。

次なるブラックスワンとしてはジャンク債市場は最有力候補ですが・・・既に足まで見えていう危機はブラックスワンとは呼べません・・・。

■ ギリシャ問題は、ドイチェバンクの問題になりつつある ■

次なるリーマンブラザーズ候補の筆頭はドイチェバンクでしょう。ドイチェバンクはギリシャ国債関連のデリバティブを大量に抱えており、ギリシャ危機に連動して格付けが下げられています。

ドイツがギリシャをユーロから切り離せない最大の原因がドイチェバンクとも言われ、ギリシャがデフォルトすればドイチェバンクが破綻して、欧州の金融市場が一気にパニックになる恐れが有ります。

しかし、ドイチェバンクの危機も胴体まで水の上に出ていますから、ブラックスワンとしては物足りない・・。

■ 中東情勢や南沙諸島問題 ■

パリのテロで緊迫感を増したシリア情勢ですが、フランスは間髪入れずにシリア国内のISISの首都を空爆し、ISISの本部を破壊したと報道されています。

「本部や主要施設の場所が特定されていながらも、今まで空爆されていないのは何故」と考えれば、実はシリア情勢はロシアも含めた壮大なヤラセという事に気付く訳ですが、では何故そんな事をしているのかと問われれば答えに窮します。

ただ、理由の無い事は存在しないので、多分シリア情勢は今後の中東の歴史の転換点になるような事態に発展する可能性は高いと思われます。

同様に南沙諸島問題も、アジアの安全保障の枠組みを変革する重要な対立点に発展するはずです。

では、これらがブラックスワンかと言えば・・・・既に足の先まで丸見えでブラックスワンとは言い難い・・・。

■ 実はボロボロといたる所から崩壊が始まるのが次なるブラックスワンでは? ■

私は次なるブラックスワンの正体は「リスクを無視した低金利」だと考えています。これは広く浅く、全世界にあまねく分布しています。

仮にFRBの利上げが切っ掛けとして資金循環の反転が発生した場合、この「拡散したリスク」が一気に顕在化します。

理由も切っ掛けも分からずの世界の資金が潮が引く様に消えて行く・・・


これは現物市場も、金融市場も、株式市場も、債権市場も、国債市場も同様に資金が消えて行くと予想されます。

既にその兆項は現れていますが、現在は潮目が変わるちょっと手前といった所かも知れません。上げ潮の勢いが弱くなった程度。

潮が引いている事に皆が気づいた頃に、上に挙げた「危機」が同時多発的に発動して、世界は再び混迷の中に落ちる・・・・そんな未来を妄想しています。


・・・・朝から自分の中のネガティブを吐き出したので、今日も一日頑張るぞ!!