人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

寝技在りのフリースタイル・・・EUとギリシャのレスリング

2015-06-30 10:35:00 | 時事/金融危機
 

■ ギリシャ危機は米国債の転機に必ずクローズアップされる ■

ギリシャ危機の端を発するユーロへのマイナス圧力は、ドルや米国債に圧力が掛る時に発動する傾向が見られます。

リーマンショック後、危機の本丸はアメリカの金融業界でした。アメリカは投資銀行を商業銀行に吸収合併させ、商業銀行に税金を注入して金融崩壊を回避しました。さらにはQE1、QE2、QE3を実施して、信用不安の解消に努めました。

この過程においてドルの信頼性に何度か疑問が提示されましたが、同時期にヨーロッパではギリシャ危機や南欧債危機が発生していたので、相対的のドルがまともに見えていました。

当時、ギリシャ国債や南欧債をを攻撃していたのは米国のHFや銀行でした。

■ 米利上げ前に再びギリシャ危機がクローズアップされる ■

FRBは年内利上げを目指している様ですが、アメリカの経済指標はパッとしません。利上げが来年にずれ込むという予測も有ります。

利上げは確実の緩和資金の低下を招きますから、緩和資金の支えられた市場は動揺するはずです。そこで利上げを確実に実施する為には、ドルや米国債が他の資産に比べて魅力的に見える必要が有ります。

そのタイミングでいつもクローズアップされるのがギリシャ危機です。

■ 過剰なリスクをふるい落としたい中央銀行 ■

イエレンFRB議長も、ドラギECB総裁も、IMFのラガルドも昨今の市場が過剰なリスクテイクしている事に警戒を発しています。ボラティリティーの増大に注意を呼び掛けています。

これは一見すると市場や経済にとってマイナス効果が有る発言ですが、米利上げを成功させる為には、過剰なリスクを低減させておきたいというのが本音かと思います。

その意味においてギリシャ危機は便利です。ギリシャを救済し続けるか、それとも見放すかはドイツとECB、そしてIMFの腹積もり一つで決まります。


■ ギリシャの経済に圧力を掛けた欧州債権団 ■

ギリシャではツィプラス首相が国民投票を実施して自身の政治的責任から逃避しようとしていますが、これに対して欧州各国は流動性支援の停止という強硬手段でギリシャを追い込んでいます。

結果的にギリシャの銀行から資金流出が起こり、銀行を1週間閉鎖する事態に発展しています。ATMに市民が並んでいますが、ATMの中は既にカラッポです・・・。

これに対してギリシャ国民は暴動を起こす事も無く冷静に受け止めています。国民投票という維持表示の場が設けられていので、それが終るまで騒ぎは起きないのかも知れません。

ただ金融セクターの機能が喪失したギリシャでは今後まともな経済活動が出来なくなって行きます。

■ 既に地下化しているギリシャ経済 ■

もっとも度重なる危機で国民の耐性も高まっています。そもそもギリシャ経済は地下経済の規模が大きく、欧州各国の支援は地下経済に染み出してしまって実体経済の回復に役立たないという点が指摘されていました。

さらに自給自足経済もそれなりに生き残っているので、欧州各国による経済圧力で困るはは公務員達なのかも知れません。

■ 欧州の脅しは効くのか? ■

それでも、欧州各国が本気の「脅し」を掛けた事は、国民投票の行方に大きな影響を与えるでしょう。ギリシャ国民が財政再建を取るのか、それとも逆ギレするのか大いに注目される所です。

一方、欧州各国としては、仮にギリシャ国民が緊縮財政を受け入れたとしても、地下経済に支援資金が漏出する状況では、ギリシャ支援の出口は全く見えて来ません。結局、根本的な問題が解決しないので、ギリシャは何処かの時点で見放される運命なのだと思います。

その場合はドラクマが復活し、格安観光地としてギリシャは多くの旅行者を集める事になります。

■ IMFはギリシャをデフォルト認定するのか ■

今後注目されるのはIMFの出方です。返済期日である6月30日にデフォルト認定する事は無いでしょうが、国民投票の結果次第では、ギリシャに引導を渡すかも知れません。

これでユーロに混乱が波及すると・・・・間接的にドル支援が達成され、米利上げの援護射撃になるかも知れません。

■ ドイツ銀行が発行したギリシャ債権のCDSがハンパナイという噂 ■

少し気になるのが、ギリシャ国債を元にしたデリバティブ商品が大量に発行されているという噂(100兆ユーロって・・・まさかね・・・。)。出所はベンジャミン・フルフォードの様なので、話半分ではあるのですが、どうやらドイツ銀行(ロスチャ系の銀行)が、ギリシャ債権のCDSを大量に発行している可能性が有るらしい・・・。

前回のギリシャ危機の際にはアメリカの投資銀行が大量にギリシャ国債のCDSを発行していましたが、こちらはギリシャがデフォルト認定されなかった為に、ギリシャ国債が溶けてしまってもCDSの支払義務は回避されています。

しかし、今回ギリシャは明らかにデフォルト認定されそうなので、ギリシャ国民の選択次第ではドイツ銀行が欧州発の金融危機の着火点になるのでは無いかと噂されています。

ドイツ銀行は日本銀行の様な中央銀行にその名前から見えてしまいますが、完全なる民間の銀行です。(中央銀行はブンデスバンク)

ドイツ銀行は1989年にロンドンのモルガン・グレンフェル銀行を吸収合併していますが、実際には経営をモルガンに奪われたと噂されています。最近は自己資本の積み増しをドイツ金融当局から指導されたり、不適切な融資が問題視されたりと悪い噂が絶えない様です。

もしドイツ銀行が明らかに「危ない」ギリシャ国債に大量のCDSを発行していたとするならば、それはリーマンブラザーズ並お危機の発信源になる可能性があります。

折しもイギリスがEU離脱を仄めかす状況で、ロスチャ系のドイツ銀行はドイツに仕掛けられた時限爆弾となる可能性も否定できません。まさに自爆攻撃です。

まあ、この辺は「怪しい陰謀論界隈の噂」なので、信憑性は???


■ ギリシャの火遊びで世界の金融崩壊では情けない気がするのだけれど・・ ■

陰謀論的には、ギリシャの火遊びから世界経済が崩壊するのはちょっと情けないかなと思っています。それとも、プロメテウスから授かった火の威力は予想外に大きく燃え広がるのか?

どうやらEUとギリシャの攻防はグレコローマンスタイルの投げ技で一気に「借金チャラ」を目指すギリシャに対して、フリースタイルのEUが下半身に強烈なタックルをかまして寝技に持ち込んだといった所でしょうか・・・。


なんとなく筋書のあるプロレス臭いので、今に凶器やら場外乱闘やら飛び出してきそうで楽しみではあります。

前回も肩が付いてもレフリーはノーカウントでしたし・・・一番怪しいのでレフリーなのですが・・・。




ギリシャ問題・・・注目すべきは南欧債の金利

2015-06-29 12:40:00 | アニメ
 

ゼウス   下界が何やら騒がしいようだが?

ポセイドン 人間共が金を返せだ返せないだと騒いでいるようだ。

ハデス   金など冥府ではクソの役にも立たんのにな。

ゼウス   わが子らから借金を取り立てているのは誰なんだ?

ポセイドン 太ったドイツ女と、ひからびたフランス女らしい

ゼウス   未開の森の民に金を借りるとは、わが子らも地に落ちたわい

ハデス   時代は変わったのさ。今じゃ彼らの時代だ。

ポセイドン わしらの世界には金融なぞ無いからな・・・。

ハデス   そう、奪うか、騙すか、殺すかだ。

ゼウス   もうひと頑張りして金融の神を作っておけば良かったかの?

ポセイドン 遠く、ヘブライの地にその様な神が居たな・・・その後どうしたか・・

ハデス   やつなら最近は西の大陸で宜しくやっているらしい。

ゼウス   力を借りる事は出来ないのか?

ハデス   いや、自分の事で手一杯らしい。

ゼウス   今下界には誰を遣わしておるのだ?

ポセイドン アテナが向かいました

ゼウス   おう、勇ましき我が娘ならドイツ女に引けは取るまい





アテナ  ああ、もうあのクソ爺い共の御遣いなんてまっぴらよ。

メルケル せかっくだから少し観光していらしたら?

ラガルド そうよ、パリは素晴らしいわよ。刺激に満ちているわ。

アテナ  いい男は居るの?

メルケル アポロン程では無ければそれなりにね。

ラガルド ギリシャの男にも飽きたわね。

メルケル ツィプラスもヴァルファキスも見かけだけだったわ。

ラガルド そろそろ潮時ね。




メルケル そういえばヘスティアはどうしてるの、この間見かけたけれど?

アテナ  どうも日本っていう島国に居るみたいなの。人気が出たとかで・・・・

メルケル あのオチビちゃんが?

ラガルド でも、出る所は出てるわよ・・・。





その頃、ヘスティアは・・









・・・・す、すみません・・・・。ネタが思い浮かばなくて・・・・。




ギリシャがデフォルトした所で市場にはあまり大きな影響は与えそうにありません。ギリシャ国債の保有者は欧州の中央銀行か、大穴狙いの投資家が中心でしょう。EUとしても南欧債の金利をECBは抑え込んでいるのでギリシャに譲歩を繰り返す事は無いでしょう。

ただ、ギリシャは将来的にはロシアからのパイプラインと、中東からのパイプラインの中継点になる可能性が有るので、エネルギー安全保障の点からは一方的にギリシャを切り捨て難い所もあります。ウクライナと同様、欧州にとって大事な地域なのです。


文化的価値も含めて、たかがギリシャ、されどギリシャ。



このどうしようも無い記事、「アニメ」の分類という事で悪しからず・・・。

今季アニメベスト・・・今回は「ベスト回」でお送りします。

2015-06-29 05:50:00 | アニメ
 

■ 作品としててはダントツで『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 続』なのだけれど・・・ ■

今期アニメもとうとう終わってしまいました。なんだか印象に残らないシーズンでしたが、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている 続』だけが突出していた印象。

ただ、この作品、原作が素晴らしいのであって、決してアニメの出来が良い訳ではありません。確かに丁寧には作られていますが・・・吉村愛が監督した一期の方を支持する人が多いのは、2期が重い展開の内容だっただけとは限りません。ここら辺、アニメという表現手法がリアリズムよりも別の何かを魅力としている事に起因するのかもしれません。

アニメ最終話を出版されたばかりのオリジナル小説11巻の内容で尻切れトンボに終わらせたこの作品、シリーズ構成としてはアリエナイとファンも怒り心頭ではありますが、原作者が次作の12巻でこの作品を終わらせる強い意志の表れと私は見ました。アニメを綺麗に終わらせてしまうと、3期が期待されて原作もずるずると引き伸ばされる可能性が有るので・・・(私の妄想ですが)。

本当は10巻を2話構成にして、最終話に10.5巻の「いろはすデート」をもって来るべきですが・・・これを否定した所に原作者の強い意志を感じてしまいます。(勝手な妄想ですが)

■ 今季は「ベスト回」でお送りします ■

今季アニメは『やはり俺の・・・』が突出していて、後の作品が霞んでしまうので(個人的に)、いつもの作品ベストでは無く、「ベスト回」のランキングでお送りしようと思います。



第一位 『響け!ユーフォニアム』 第8話 「おまつりトライアングル」



吹奏楽で真剣に全国大会を目指す高校生達の日常を描く作品。京アニ作品に少し飽きていましたが、この作品はイイ!!

特に8話は、構成も作画も実写映画を完全に凌いでいます。

夏祭りに誰と行くかでソワソワする部員達。幼馴染の久美子に淡い好意を抱く修一と、修一に人目惚れした久美子の親友の葉月。いまいち恋愛に興味が持てない久美子はトランペットの玲奈の強い意志に我知れず惹かれています。葉月が修一をお祭りに誘う事を知っている久美子は、修一の誘いをはぐらかす為に、たまたま隣にいた玲奈とお祭りに行くと言ってしまいます。

お祭りの晩、葉月は浴衣を着て決戦モード。一方、久美子は何故か重たい楽器を背負って真っ白なワンピースを着た玲奈と山道を登って行きます。お祭り会場を見下ろす展望台で夜景を背景にして立つ玲奈に久美子は思わず見惚れます。それは同性への恋愛感情では無く、「強い意志への憧憬と美しいものへの無条件の服従」に近い感情ですが、二人の少女の会話と仕草はなまめかしく、羽化したばかりの蝉を覆わせる神秘さを湛えています。このシーンは近年の実写映画が束になっても叶わない表現の高みに到達しています。

一方、修一に告白するも思い叶わなかった葉月は親友の翠に笑顔で報告しますが、その後涙が止まりません。このシーンは一切のセリフは無く、山の上での久美子と玲奈の合奏がエンドロールに被さる中で描かれます。重い足取りの葉月の足元のアップで始まる一連のシーンは、アップとロングのカットを見事に組み合わせて葉月と翠の心の動きを描き切ってゆきます。

地上のお祭りの雑踏の中で散った淡い恋物語と、山の上で密やかに結ばれる清らかな約束。この二つの出来事を同時進行で対比させる演出の妙味にただただ感服するばかり。そして、この素晴らしいシーンを作画がしっかりと支えます。

京アニ、恐るべし!!


エンデインロールのバックで演奏されているのは奥華子の『愛を見つけた場所』ですね。彼女は私の実家の近くの津田沼駅のペデッキで路上ライブを良くやっていましが「時をかける少女」のエンディングの『ガーネット』から全国区の人気が出たアーティストです。




直ぐに消されると思いますが、文字では伝わらないと思いますのでネットにアップされた動画をちょっとだけ・・・。


第2位 『響け!ユーフォニアム』 第12話 「私のユーフォニアム」



第二位も同作品から11話をセレクト。ドラマチックな8話とは対照的に、11話は淡々と進行します。低奏部を厚くする為にコンバスパートをユニゾンする事になったユーフォニアムの二人。田中先輩はさらりとこなしますが、久美子には難しいフレーズです。真夏の暑い校舎裏でひたすら練習する久美子ですが、なかなか思うようには吹けません。それでもなんとか形になってきますが、顧問の滝先生から、コンテストの予選は田中一人が吹く様にと言い渡されてしまいます。

悔しさを抑えきれない久美子は、帰り道の橋の上でいきなり駆け出します。そして「上手くなりた~い!!」と川面に叫びます。それを橋の反対側で目撃した修一が「俺だって上手くなりたいー!」と叫び返します。

この久美子の走り出すシーン。これ、明らかに映画のカメラワークです。固定カメラの前を人が走る過ぎる様をパンして追うカメラワーク。カメラの直前を通過する時にはピントが外れますが、それすらも克明に再現されています。

Aパートの淡々としたロングショットを中心にした進行は、『桐島、部活やめるってよ』のシーンを彷彿とさせます。

どちらも実写映画では普通に見られるカットですが、これをアニメーションでやるとカットの意図がより明確になる様な気がします。プレスコ手法や原恵一の「完全演出」とは異なるベクトルで、アニメが実写映画の技法を消化する事の意味を深く考えさせられるシーンです。

京アニ・・・恐るべし!!



第三位 『血界戦線』 第8話  「Zの一番長い日 前編」



『京騒戯画』で一躍注目を浴びた期待の若手「松本理恵」の話題作。

もともとストーリーテーリングが下手で、映像で語るタイプの監督ですが、原作が「活劇」でバタバタしているので、どうも全体的には纏まりに欠ける作品という印象。

ただ、現在のアニメ表現の限界に果敢にチャレンジする姿は見ていて惚れ惚れします。特に第八話は、テクニカルな演出手法の見本市の様相を呈しています。

冒頭のリズムの良いカットアップ。中盤の活劇。終盤のどんでん返し。とにかく、これでもかという程のアイデアの奔流に圧倒されます。

内容はともかくとして、「アニメーション=動く絵」と定義するならば、この一話には現在最高の表現があふれていると言えます。


第四位 『血界戦線』 第11話 「終わりの始まり」



またもや同作から11話をチョイスします。漫画原作回は動き中心の演出で押しまくる松本監督ですが、オリジナル回は固定カメラ的な演出で魅せてくれます。

上のシーンなどは細田守が『サマーウォーズ』で見せたカメラワークですが、空を背景にした上り坂を下から煽って長回しで人物の動きを追い続けます。これも元は実写映画の手法。水戸黄門のラストシーンはいつもこんな感じかも。

この他にも、固定カメラのコマ飛ばしの様な演出を見せたり、とにかく色々な演出手法のオンパレード。基本的には静的な絵作りの連続ですが、決して飽きさせる事が有りません。



第五位 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 続』 第8話 「それでも 比企谷八幡は。」



原作でもハイライトとなる回ですが、花見川の河口に掛る美浜大橋の上での平塚先生は「カッコいい」の一言に尽きます。「カッコいいか、カッコ付けてるからな」なんてセリフ、なかなな言えません。

アニメの演出としては特筆すべき点はあまり有りませんが、会話劇の「間」が空虚にならない様に配慮されている点は好印象です。今時の子供達には「たるい」演出に見えてしまうかも知れませんが、「間」を動きやセリフで埋め尽くす傾向にある昨今の作品の中で、勇気を持って「間」を演出に取り入れています。


第六位 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 続』第13話 「春は、降り積もる雪の下にて結われ、芽吹き始める。」



葛西臨界公園の水族館のシーンは見応えがあります。とにかく原作も未完の11巻の内容でアニメの最終話を迎えるという無茶苦茶な構成。もうこの「宙ブラリン」状態で12巻の発刊を半年程待つのかと思ったら、原作ファンもアニメファンもまとめて「吊り橋効果」でこの作品を熱烈応援するしか無くなってしまいます。

かなり何だか分からない理由によって独善的に第六位としました・・・。


第七位 『パンチライン』 「パンツパニック」



ほとんど「出オチ」状態のこの作品。凝ったタイムパラドクスと人格入れ替わりで意外に難解。

「80年代のごった煮感」を再現しようとする意欲作ですが、どうもやる気が空回りしました。ただ、1話目の掴みはバッチリで、今期のダークホースを期待させましたが・・・。
ショコタン&でんぱぐみ の意外なコラボの主題歌は今季ナンバーワンでしょう。作詞作曲編曲はひゃだいん。何気に音楽が小室哲也だったりしますが、こちらは何も印象に残りません・・・。

第八位 『グリザイアの楽園』 第8話  「 ブランエールの種Ⅳ」



倉田英之の面目躍如たる作品。エロゲ原作でもここまで面白くなる!!
この作品を見ると、「アニメってこうでなくちゃ!!」と喝采を送りたくなる。バカらしくて、現実感皆無で、ご都合主義で・・・・だからアニメ。されどアニメ。

上位に選出した丁寧で高度な演出を駆使する現代アニメはいつか袋小路に入り込みます。そんな時、「アニメってこういうバカバカしいものだったよね」という暗闇に光る灯台の様な役割を示す作品となるかも知れません。

アニメというジャンルの原点は、『キルラキル』でも『グレンラガン』でも無くてこういった「ばかばかしい」作品では無いでしょうか?



本日は今期アニメの「ベスト回」を独断と偏見で選んでみました。
以外にも8話、11話に集中してしまいました。いわゆる「水着回」などの安易はテコ入れでは無く、12話、13話構成の昨今のアニメで真剣に構成すると中盤の山場は8話、最終話への転機としてのクライマックスは11話辺りに来るのかも知れません。


え、第9位、10位が無いって・・・後はこれとして特に思いつかないんだよね・・・。

セミの初鳴き?・・・MTBで鉄下駄トレーニング

2015-06-29 04:03:00 | 自転車/マラソン


梅雨に入り自転車乗りには憂鬱な日々が続きます。雨予報の土曜日、午前中は家でクサクサしていたら10時頃になって霧雨が止みそうな気配。MTBなら途中多少降られても走れそうなので、10時半に家を出ます。出発が遅いので、養老渓谷まで往復150Kmをサクっと走る事にします。

浜野から国道14号に入りうぐいすラインを目指します。内房線の線路手前の神社からはセミの鳴き声が聞こえて来ました。アブラゼミの鳴き声の様ですが・・・ネットで調べたらアブラゼミの初鳴きは梅雨開け頃の6月下旬から7月上旬だそうで、別段早い訳では無いようです。南房総のヒメハルゼミの大合唱もそろそろピークかも知れません。来週はアジサイを見がてら麻面原高原にでも出かけてみる事にしましょう。

MTBのブロックタイヤをブンブン鳴らして養老渓谷には14時に到着。メーター読みの平均時速は24.1Km/h。またしても25km/h達成は成らず。浦安から南船橋まで歩道を走ったので、これが無ければ25km/h台に乗ったかな・・・。残念。

天気も心配なので養老渓谷で15分程休憩してから、さっさと帰路に付ます。往路と同じルートでうぐいすライン経由で潤井戸に到着。ここで国道14号を左折する所を、興味本位で直進しておゆみ野方面に行ってみようとしたのが運の尽き・・・。なんと、誉田の駅までは結構な上り下りが続きます。おまけに道もチョー分かり難くて、どこをどう走っているのか見当もつきません。

外房方面に向けて逆走していないか心配になる頃に誉田の駅前に到着して一安心。後は大網海道を千葉方面に向かいますが・・・路肩が狭くて走り難い・・。こんな時MTBは歩道も走れるので便利です。後ろで車がつっかえた気配がする度に歩道に退避して車を先行させます。

千葉に出てからは勝手知ったるコースです。稲毛で海沿いに出ますが、美浜大橋の登り坂で左太ももが完全に攣ってしまいました。ペダルを漕ぎながらストレッチして痙攣が治まったので、浦安まで走れなくは無い感じでしたが、お腹が空いたので、津田沼の実家で冷蔵庫でもヤサガシする事にしました。

本日の走行距離は150km、獲得標高は1200mを超えているので、まずまずのトレーニングになりました。雨は結局降らず、ロードバイクでも走れた様な気もししますが、たまには鉄下駄トレーニングで鈍った精神に喝を入れなきゃね・・。





ところで、蝉の声を聴くと思いだすのはこの歌。野狐禅の『フライング蝉』。6月上旬に鳴き出したフライング気味の蝉の声は、実は隣の部屋の壊れかけた洗濯機の音だったという落ち。たったそれだけを題材にしてこんんな名曲が書けてしまう竹原ピストルの才能に脱帽。



蝉をテーマにし曲では長淵剛の『蝉』も有名です。極道稼業の儚さを蝉に例えた少々物騒な蝉ではありますが・・。



ちょっとムサクルシイ歌が続いたので、お口直しには、こんな曲は如何でしょうか。

[[youtube:-O_jcpg7Fns]]

Berrys工房の『蝉』という曲ですが・・・おいおいセミ1回しか出て来ないじゃないかい。

米政策金利の推移とバブル・・・バブルでしか成長を成し得ない米国

2015-06-24 07:17:00 | 時事/金融危機
 



■ サマーズ氏のバブル必要論(長期停滞論) ■

近年、サマーズやクルーグマンは「自然利子率がゼロ以下になった経済ではバブルでしか成長が達成できない(私の意訳)」と発言しています。

http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304894104579207101943246992 より

<要約して引用します>


1) 米国を含む複数の経済は「長期停滞」に陥っている
2) これらの経済は貯蓄過剰と技術変革によって自然利子率がマイナス2~3%で推移
3) 名目金利の下限はゼロ%なので、実際的には金融引き締め状態になっている
4) 自然利子率(実質金利)をプラスにする為に各国中央銀行は超緩和的金融政策を実行


ここまでは従来のリフレ政策の目的の説明です。

5) 初期の成長を促す効果が資産効果を通じたものであれば中銀は資産バブルを煽る
6) 富が偏在している状況で資産効果が実需に影響を与えるには現在のバブルでは不足
7) 既に貯蓄は取り崩されているので資産売却や資産を担保にして消費が加速する
8) 資産価格の値上がり分まで景気が拡大すれば問題無い
9) 資産価格が本来の水準に縮小すればバブルが崩壊する
10) リーマンショックでは資産価格の縮小が発生した


要は、成長力の低下した先進国ではバブル生成をもってしか経済成長が達成できず、中央銀行は意図的に資産バブルを作り出していると説明しています。 

実態経済が資産価格の上昇分だけ成長すれば問題は無く、資産価格が本来の水準に下落すればバブルが崩壊すると説明しています。


11) 現在の所過剰なバブルとは言えず、将来的な成長を見込んだ相場と判断される
12) 予測が間違っていたら将来において過度なインフレが発生し資産価格は正当化される
13) 中銀は将来の過度なインフレを招くリスクが、現在の微々たる成長よりマシと判断


どうやら各国中央銀行は物価安定の使命を既に捨て去っている様です

14) 低調な成長の中で中銀が急騰した資産価値を維持できるかに掛っている
15) 日本は過去20年間に渡りこれを達成している
16) 長期的上昇傾向は何度かあったが全体的には下落傾向である


これはアメリカを始めとする先進国経済が「日本化」する事がリフレ政策の「成功」とさせると読み取る事が出来ます。

<引用終わり>

■ バブル経済の成果を評価するサマーズやクルーグマン ■

以下のクルーグマンの発言も興味深いものがあります。

http://blog.livedoor.jp/sowerberry/archives/34147176.html より

1) 1985年から2007年まで家計の負債は急激に拡大したのにインフレは起きていない
2) この時期は人口増加率が低位安定しているので需要が低くインフレが抑制されている
3) この様な低成長な経済においては従来の美徳はむしろ経済を縮小させる

要は、FRBのQEや異次元緩和の様なラディカルな金融政策を取らなければ先進国の経済は縮小すると指摘しています。

彼らは結果的にバブルが弾けても、投資の結果次の産業や技術の芽が残るから問題は無いという趣旨の発言もしています。

ITバブルの結果、現在のIT産業の成長がもたらされた。バブルによって生み出されたインフラは将来の経済発展の元になっている・・・こう主張します。

■ 1985年以降、アメリカは意図的にバブルを生み出し続けて来た ■




「ひろのひとりごと」さんのコメント欄でベテランズさんに「金利の上昇でバブルが崩壊する」事を証明するデータが有るかと聞かれたので、私なりに作ってみました。

1) オイルショックの物価高騰は収束に向かい1982年に金利が引き下げられる
2) レーガノミクスの減税と規制緩和によって資産家の投資意欲を高める
3) 1980年代中盤から1990年代初めまでアメリカで不動産バブルが起きる
4) 株式市場も上昇を続ける
5) 1987年9月にドイツが金利を引き上げ、アメリカの利上げ観測が広がる
6) 金利上昇予測から株式市場が暴落して「ブラックマンデー」が起こる

この時期、FRBは意図してバブルを作っていた訳では無いと思われます。ただ、人口増加率の低下によって米経済のインフレ圧力が低下した事で金利は低調に推移していました。その結果、不動産バブルが発生し地方銀行を中心にリスクを高めて行きました。この時期、金融自由化によってアメリカでは多くの地銀が経営破たんし、バンカメなどの大手銀行に買収されて行きます。(これが目的のバブルでは無いかと陰謀論的には妄想しています)

80年代低金利のバブルは1987年10月の「ブラックマンデー」で一時幕を閉じます。

7) 1989年にアメリカの住専とも言える貯蓄金融機関・S&Lの大規模は破綻が起こる
8) 1989年6月からFRBが金利を引き下げて危機回避を図る
9) 1990年代前半まで、商業不動産バブルが続く

10) 1994年にFRBが金利を引き上げる
11) 1994年、債権市場や証券市場で損失は発生する
12) 1994年、メキシコから投資資金が引き揚げられ「テキーラ危機」が発生する
13) 1997年、アジアから投資資金が流出して「アジア通貨危機」が発生する

14) IT産業が勃興し、IT株に資金流入が起こり「ITバブル」が発生する
15) 1999年6月にFRBは利上げするが、日銀のゼロ金利マネーが市場を支える
16) 2000年8月い日銀がゼロ金利を解除する
17) 2001年、バブルが崩壊する

18) ITバブル崩壊の影響を緩和する為にFRBが大幅な利下げに踏み切る
19) 2004年6月、FRBは住宅市場を安定させる為に利上げに踏み切る
20) 日銀が2001.3から2006.3まで量的緩和を実施していた
21) 日銀の緩和マネーは円キャリートレードを通して米国市場に流入
22) MBSやCDOなどの金融商品市場を日銀マネーが支え、米住宅バブルが膨らむ
21) 2006.3に日銀が量的緩和を停止
22) 2007年秋頃からサブプライム層のローンが破綻し始める

1985年以降、アメリカ経済は低金利によるバブルと、金利上昇によるバブル崩壊を繰り返して来ましした。

最初のバブルは住宅市場で発生していますが、これは有る程度は実需に裏打ちされたバブルと言えます。ただ、アメリカ国内での金融自由化と連動した形でバブルは拡大します。

ただ、1994年のS&L危機以降のアメリカは金利が低位で推移し、ほぼ10年周期でバブル生成とバブル崩壊を繰り返す様になります。

そして、バブル崩壊の規模はその都度増大し、サブプライム危機に連なるリーマンショックで金融市場が崩壊する手前にまで至るのです。

■ アメリカのバブルを支えた日銀マネー ■

興味深いのは、アメリカのバブル崩壊の前にFRBは利上げを実施しています。市場の過熱感を警戒しての事です。

しかし、ITバブルではFRBの利上げ後も日銀がゼロ金利政策を実施していたので、この資金がITバブルを支えていたと考えられます。日銀がゼロ金利を解除した後しばらくしてITバブルは崩壊します。

リーマンショックも同業で、アメリカは2004年には利上げに転じていますが、日銀が2006年まで量的緩和を実施していたので、サブプライムローンの破綻は2007年まで引き伸ばされました。

■ バブルとは「利上げによって維持不可能になる市場」の事である ■

株式市場などは利上げに敏感に反応する様ですが、債権市場などは利上げからしばらくして崩壊する様にも思えます。それは株式市場などから逃避した資金が債券市場などに流入する為とも考えられます。

しかし、債権市場の低金利を支えるだけの資金供給は減少しているので、ある時点で債権市場からも資金流出が発生して、バブルは完全に崩壊します。

この様にアメリカ経済をFRBの政策金利の推移と共に眺めていると、サマーズやクルーグマンが指摘している様に。1985年以降、バブルによって経済が成長している事が見てとれます。そして規模の大小は別として、金利上昇からしばらくしてバブルは終焉しています。

グリーンスパンは「バブルかどうかは弾けた時に分かる」と発言していますが、どうやらFRBを始めとする中央銀行は意図的にバブルを作り出して来た事が分かるかと思います。

■ バブル崩壊のスイッチはは中央銀行の手の中に有る ■

ゼロ金利の元、各中央銀行はインフレを作る事に苦心していますが、資産バブルは容易に作る事が出来る様です。

ただ、日本は「平成の大バブル崩壊」に記憶が生生しく、なかなかバブルが拡大しません。さらには少子高齢化が極端に進行する中で経済成長が抑制され、異次元緩和の様な極端な金融政策の元でも資産バブルはなかなか膨らみません。

結局、GPIFやゆうちょ、かんぽマネーで「官製バブル」を生み出そう必死ですが、個人投資家達は政府や日銀の手の内を呼んでいるので、日経平均が2万円を超えた辺りで利確してリスクを軽減し始めています。

その一方で、日本国債市場から締め出された資金は、アメリカに流出し、新興国市場やジャンク債市場で確実にバブルを膨らめています。ジャンク債市場や社債市場の金利の低下は、「自社株買い」というスキームによって、米株市場の高値を支えています。

この状況の中で、市場はFRBの利上げに恐怖しています。結局、現在の相場が利上げによって崩壊するバブル相場だと分かっているからです。

ただ、FRBの利上げの幅は微々たるものですし、日銀とECBが量的緩和を続ける限り、多少の利上げの影響は緩和され、市場が直ぐに崩壊に至る事は無いはずです。

ただ、日銀にしてもECBにしてもいつまでも量的緩和を継続する事は出来ませんので、どこかの時点で金利は上昇に転じ、今回のバブルは崩壊するのでしょう。


サマーズやクルーグマンが指摘する通り、先進国の経済は長期停滞に陥っており、中央銀行は意図的にバブルを作り出して成長を演出して来ました。

その結果、日本を除く先進国では有る程度のインフレを確保して来ましたが、徐々にインフレ達成のリスクの方が大きくなっています。

サマーズは「結局は将来的な大幅なインフレによって資産価格の差は解消される」と発言しています。彼は言葉をにごしていますが、これは「通貨の信用喪失によって高いインフレが達成される」事に他なりません。

インフレを神の様に崇める「一部のリフレ派」と違い、サマーズやクルーグマンや黒田総裁は、需要拡大を伴わないインフレのリスクを十分に理解しながらも、バブルを巧みに操って先進国経済を舵取りしていうるのでしょう。


バブル崩壊のスイッチはいつでも中央銀行の手の中に有り、好きなタイミングでそれをい押せる事は私達は忘れてはならないのです。