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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

調達金利が上昇して来た・・・バブル崩壊のカウントダウン

2018-03-29 06:21:00 | 時事/金融危機
 



上のグラフは銀行間で資金のやり取りがされるロンドンのインターバンク取引の金利です。これをLIBOR「ロンドン銀行間取引金利」と呼びます。

銀行は現金を手元に大量に保有している訳では無いので、手元現金が足りなくなるとインターバンク市場から金利を払って資金を調達します。

様々な返済期間の取引がありますが、上のチャートは最短期のオーバーナイト金利。要は翌日返済の金利。

その金利が1年間の間に0.9%程度から1.7%と倍近くに上昇しています。他の返済期間のLIBORも同様に上昇しています。LIBORが上昇し始めたのはFRBが利上げに踏み切った2015年末頃から。

リーマンショックの直前のオーバーナイトのLIBORが約2%。現在が1.7%。

単純には比較出来ませんが、FRBの利上げと、資産縮小で世界の金融機関の調達金利は着実に上昇しています。これが昨今の株価の乱高下の原因の一つ。

金融緩和バブルは金利上昇で確実に終焉を迎えますが、この時の金利がどの位かのかは神のみぞ知る。

実際には金利上層はバブル崩壊の「ベース」であって、「〇〇ショック」と言われる様な事件がトリガーとなるのですが。

「そのトリガーを握るヤツが勝つ!!」とカッコ良く決めて本日の妄想は終了。(BGMは『キリングバイツ』のOP)


カレイドスコープさんの推測が一番しっくりくる森友事件

2018-03-29 05:01:00 | 時事/金融危機
 

■ カレイドスコープさんの記事を読んでスッキリ ■

陰謀論者の間ではファンも多い「カレイドスコープ」というブログ。我々の様な「なんてちゃって陰謀論」では無く、調査能力に優れています。

その「カレイドスコープ」が森友事件の真相について、かなり説得力のある記事を書かれています。これを読んで、私の中でのこの事件に関するモヤモヤがかなり解消しました。同時に興味も消えてしまいましたが・・・。

要約するとこんな感じでしょうか・・


・ 大阪維新の会、日本維新の会は〇和系の人々の政党(ここがミソ)
・ 維新の会の松井代表を始めとする面々が、私立学校の補助金利権に目を付ける
・ 日本会議に繋がりのある籠池氏の小学校新設を後押しする

・ 「借地に校舎を建てられない」という条例が邪魔になる
・ 本来、府知事の認可である小学校設立認可ですが、問題が有るので審議会を設置する
・ 審議会に「借地でも認可に相当する」と答申させる

・ 近畿財務局が定借など特殊な条件をなかなか認めない
・ 籠池氏は鴻池井氏などの政治家に陳情して財務省に圧力を掛けるが近畿財務局は変わらず
・ 籠池氏は安倍昭恵夫人を担ぎ上げ、その関係を近畿財務局に見せびらかす
・ 近畿財務局にとって〇和(維新)絡みの「特殊案件」が「安倍案件」に代わる
・ 近畿財務局の態度が一変し、土地売却に積極的になる
・ 国交省大阪空港局が埋設ゴミを理由にした値引きスキールを提案する

・ この間、維新の会関係の弁護士、建築会社などが籠池氏の周りに集まって来る
・ 校舎の建設に絡み、いくつかの補助金を水増しした見積もりで獲得する
・ 3種類の見積もりが存在するのは、補助金申請の相手に合わせたもの

・ 小学校設置認可を前に、〇和系の土木会社や建築会社が先行して工事を開始する

・ 朝日新聞が森友問題の第一報をスクープする
・ 国会で追及が始まり、埋設ゴミの件が問題視される

・ 松井府知事が森友学園の設置認可を断念して逃げ出す
・ 〇和系の工事業者が工事費を確保出来ない可能性が濃厚になる
・ 「ゴミは無かった」と新聞記者の質問に答えていた造園業者の社長が「自殺」


ここからは、皆さんが良くご存じの展開となる訳です。

■ 維新の会のチンケな学校建設詐欺に、首相夫人が担ぎ出された ■

森友問題で元維新の上西小百合氏などが、「この問題は維新の会の問題」とTwitterで発信するなど、どうも維新の会周辺の動きが活発です。

足立康史議員などは「辻本清美氏が国交省の副大臣だった時代の公演建設への補助金に絡む汚職事件だ」というデマを国会でもまき散らし、これがデマである事を維新の会の党本部が確認して、足立議員に自粛を求める始末・・・。

私は森友学園建設に関しては、初めに日本会議繋がりで、安倍首相から維新の会に「お願い」が有り、松井府知事が無理やり設置認可を出そうとしていたと考えていました。

しかし、真相はその逆で、維新の会のチンケな「学校建設補助金詐欺」に首相夫人が担ぎ出された・・・。

ただ、安倍昭恵夫人が学校建設に積極的だった事も事実で、塚本幼稚園で講演会をしたり、視察したり、さらには籠池氏に100万円を渡したり、かなり積極的に関わっています。

■ 安倍首相との関わり ■

「安倍首相は無関係だろう」とネトウヨ諸氏に突っ込まれそうですが、経産省のノンキャリアの谷査恵子氏が財務省のキャリア官僚にファックスで問い合わせをし、それに財務省が丁寧に答えるなど、異例の対応が見られます。

谷査恵子氏の上司は首相の右腕と言われる経産省出身の今井直哉秘書官で、谷氏は彼を無視して財務省に問い合わせる事は出来ないというのが官僚機構に詳しい人達の見解。そうなると、今井氏の関与は濃厚になります。

今井氏に関しては、安倍首相の大阪出張に同行していた事が国家で追及されており、その際に近畿財務局と接触したのでは無いかと疑われています。この件を国会で追及された安倍首相は相当動揺していたと報じられています。

安倍昭恵夫人が積極的に森本学園の小学校建設を後押しし、今井直哉氏もそれに関係していたとなれば、これを安倍首相が知らない訳が無い。

■ 根本的には日本会議の事件 ■

籠池氏や安倍昭恵夫人のキャラが前面に出がちなこの事件ですが、基本的には日本会議の事件です。

「籠池氏は日本会議を退会しているから関係無い」とおっしゃる方もいるかと思いますが、安倍首相や鴻池氏や平沼氏らと籠池氏との接点は日本会議以外に有りません。

籠池氏の自宅でのインタビュー映像の背景には「生長の家」の創始者の谷口雅春の写真が額に入れて飾られていました。「生長の家」は日本会議の母体となった宗教団体です。(現在は袂を分かったと主張しています)

気が付いた時には自民党や維新の会に浸透していた日本会議。時代錯誤のアナクロ主義を主張する団体に何故これ程までに多くの政治家が関係しているのか不思議でなりません。

辞任した稲田元防衛大臣はスピーチで「谷口雅春氏の教えをずっと生き方の根本にしてきました」と語るなど、祖母の代からの信者だった様です。

では、日本会議系の議員が皆「生長の家」の信者かと言えば答えはNOでしょう。平沼氏らは関係が深いとされていますが・・。

日本会議の母体あ神社本庁を始めとする幾つかの宗教団体です。ここがミソだと私は考えます。宗教団体は非課税ですから、資金の流れが不透明です。これ、裏の政治献金の温床です。

例えば、日本国民が神社に初穂料や玉ぐし料を払い、その何割かが神社本庁に上納され、それが政治家に分配される。怪しい新興宗教が怪しい壺を打って、その内の幾らかが政治家に上納される・・・こんな構図が思い浮かびます。

それぞれの宗教団体個別では大した政治的影響力は有りませんが、それが集まると資金力の有るロビイスト団体が出来上がります。

日本会議の母体は「生長の家」の過激な若者達の活動に始まります。「生長の家」の教祖である谷口雅春は「日本人は世界の支配者として神から選ばれた聖民である」との優秀民族思想の持主だったと言われています。彼は戦前の軍国主義は皇道思想を強く支持します。

戦後の民主主義に馴染めなかった谷口雅春は、全共闘など左派系の学生運動の盛り上がりに危機感を覚え、「生長の家」の2世信者を中心に「生長の家学生会全国総連合」を組織し、左派系の学生運動に対抗してゆきます。

この「生長の家学生会全国総連合」の面々が母体となって、いくつかの宗教団体をロビイストとまとめたものが「日本会議」だと言われています。彼らの思想の原点は「天皇中心の美しい日本」というアナクロイムズです。

こんな時代錯誤の思想に政治家達が何故協力するのか・・・・単に政治資金目当てなのか、それとも思想に心酔しているのか・・・?


何れにしても、森友事件を発端としてマスコミではタブーとされて来た日本会議に世間の注目が集まっています。実は世界の国々は「日本の政治を裏で操る謎のカルト」として、かなり以前あ日本会議に興味を持っていまいした。知らなかったのは一般の日本人。

はてさて、森友事件の真相解明が、どこまで日本会議の実態に迫れるのか?安倍首相の政治責任など、この問題に比べたら屁みたいなものでしょう。


ボンド・クラッシュ・・・異次元緩和がハードランニングしたらどうなるの?

2018-03-26 05:21:00 | 分類なし
 
前の記事で日銀の当座預金が日本国債を支えている事を書きましたが、これが一気に現金化されるというのが今回の妄想。


■ ボンド・クラッシュ ■

米国債金利がジリジリと上昇していますが、この要因が将来的な景気拡大を反映しているのか、或いはトランプ政権の経済政策の失敗を予想した悪い金利上昇かの判断が難しい。

ただ、株価が急落するなど、リスクオフの局面でも米国債金利は比較的高い水準を保っており、何となく「イヤな気配」が漂っています。

仮に米国でバブルが弾けた時、同時に米国債金利も跳ね上がると、世界中の国債市場から資金が流出するケースも考えられます。「取り合えず現金が一番安全」となるのです。

こうなると、金融機関はリーマンショックの時と同様に資産を現金化しようとパニックになります。これによって、ドルの需要が一気に高まり、各銀行は手持ちのドルを手放さない為のドルの流動性が一瞬で枯渇して、経営破綻する金融機関が続出します。

仮に上記の様な事が海外で起きた時、「国債危機」や「ボンド・クラッシュ」などという世界的な「国債売りパニック」が発生すると、日本国債市場にも影響を与えます。多分、海外の投資家日本国債を一気に手放すでしょう。

これで、国債金利がポンと跳ね上がると、日本の金融機関もビビリます。「国債金利上昇=国債価格の低下」ですから、運用担当者は国債を売るか売らないかの判断を迫られます。

ここで誰かが耐えきれなくて売り始めると、国内の金融機関にもパニック売りが広がります。しかし、日銀が大量の現金を発行(国債を金融機関から買い取る)れば、金利は抑え込めるかもしれません。金融機関が国債を売却した資金を日銀の当座預金にブタ積する限り、市中の現金は増えず、悪い物価上昇も抑制されます。

■ 本当に怖いのは国民 ■

なーんだ、大丈夫じゃないか・・・と思われた方もいらしゃるかも知れませんが、怖いのは国民です。

仮に海外で「ボンド・クラッシュ」が起きた場合、多くの銀行が破綻する危機のニュースが国内にも広がるハズ。そして、国債発行量で日本国債は世界トップレベル・・・。すると、日本人も「銀行が危ない」と考える人が増えるかも知れません。

「銀行が危ない」と考えた人々は、預金を引き出そうと銀行に殺到します。この連鎖が起きると銀行は手持ち資金が不足してシャッターを開けられなくなります。バンク・ホリデーと呼ばれます。

銀行は預金解約に備えて日銀の当座預金を切り崩して現金を手当しようと考えます。

さて、ここで問題です。日銀のバランスシートの国債の反対側にあるものは何か・・・銀行の当座預金です。これが減った場合、本来日銀は日本国債を売却してバランスを取るのですが、既に国債の買い手は存在しません。

そこで、日銀は日銀券をガバガバ発行してこれを補います。この日銀券は銀行を介して、銀行の窓口に殺到した人達に渡るので、一気に何十億円という現金が市中に出回る事で、「悪いインフレ」が加速します。


これを防ぐ手立ては一つだけ。預金封鎖です。


台湾から金を密輸するというニュースが続いていますが・・・通貨を信用していない人が増えているのでしょうか・・・・。


異次元緩和の実態・・・積み上がった当座預金の恐怖

2018-03-26 03:54:00 | 時事/金融危機
 

日米で株価が急落していますが、米中貿易摩擦が原因なんて・・・ウププ。FRBの利上げに反応したと素直に考えるべきです。妄想記事にもならないので、本日のテーマは異次元緩和の実態とは・・・。

■ 日銀のバランスシート ■

アベノミクスの実績として第一に挙げられるのが日銀の異次元緩和。その実態を異次元緩和前と異次元緩和後の日銀のバランスシートを比較確認してみましょう。


2012年12月20日
 《資産の部》     《負債の部》
国債  112兆円|発行銀行券 84兆円 
その他 45兆円|当座預金   48兆円
           |その他    25兆円
計    157兆円|計      157兆円

2017年12月20日
 《資産の部》     《負債の部》
国債  417兆円|発行銀行券 99兆円 
その他 72兆円|当座預金  356兆円
           |その他    30兆円
計    490兆円|計      486兆円


1) 国債は   305兆円増えた
2) 日銀券は   15兆円増えた
3) 当座預金は 308兆円増えた


あれあれ、日銀当座預金が国債の増加分に相当するだけ増えてるぞ・・。

■ マイナス金利でもブタ積みは続いていた ■

デフレ時代に指摘されていた日銀当座預金へのブタ積。本来ではれば、低金利やマイナス金利によってブタ積が解消され、市中に資金が流れる事で景気回復するというのが理想。

ところが、実体は日銀当座預金のブタ積は解消しておらず、異次元緩和で買い入れて供給された現金に相当する額が日銀の当座預金に積み上がったままです。

■ 名目GDPは50兆円拡大したが・・・ ■

異次元緩和が始まって以降、銀行貸し出し残高がどの位い増えたかと言えば、大雑把な数字ですが400兆円ていどから450兆円程度と、50兆円程増えています。

この間にマネーサプライ(M2)は約800兆円から1000兆円弱まで、200兆円程拡大しています。M2とは「現金通貨と国内銀行等に預けられた預金を合計」で、市中の通貨の量に相当する。

この間名目GDPは494兆円から544兆円と約50兆円拡大しています。

異次元緩和以降、日銀は329兆円のマネーを供給し、その結果市中の通貨量(M2)が200兆円増加し、名目GDPが50兆円増加した事になります。

これ、乗数効果という点からは非常に効率が悪い。一方、過剰に供給されたマネーの多くは資産市場に流入して株価や不動産価格を押し上げています。


■ 日銀の実験によってリフレ論は否定された ■

異次元緩和以前から日本の金利はゼロ金利でしたから銀行の調達金利に基本的に変化は有りません。

リフレ論者の主張は、「通貨発行量を増やす事で将来的なインフレ予測を高め実質金利を引き下げて投資を促進させ、景気を回復させる」というものでしたが、これはほぼ否定されています。

「いやいや、物価は高くなっているじゃないか!!」というご指摘はごもっともで、異次元緩和は円安を発生させる事で輸入物価の高騰を招き、結果的に輸入原材料やエネルギーコストを押し上げる事で「値上げ」が発生しています。異次元緩和初期には原油価格が高かったのでコストプッシュの効果で物価上昇の幅も大きかったのですが、原油価格の低下によって物価上昇の勢いも止まりました。

■ 低金利の長期化がバブルを生み出す ■

異次元緩和が全く効果が無かったかと言えば、バブルは生み出しました。

「日銀が大量にゼロ金利で現金を供給し続ける」というメッセージは、市中金利を抑制する効果はあります。そこで、低金利の資金を借りて投資をする人や企業、不動産を購入する人達は少なからず存在します。

その結果、日本の株価は上昇し、マンションやアパートの建設ラッシュが生まれました。これを「バブル」と呼べるかは「バブルが弾けてみて初めて分かる」のですが、私はバブルだと妄想しています。

日本株市場の主なプレーヤーは外国人投資家なので、アベノミクス初期の株価上昇は円安によって発生したと考えます。これは一旦調整が入りましたが、その後はGPIFの資金や日銀が底値を支える形で継続し、トランプ政権発足後は米株に連動する形で株価が再び上昇しました。

不動産市場の活況のシンボルだったタワーマンションブームの主役は中国人投資家と相続税対策の富裕層です。しかし、マンションの売却に伴う税金が購入から5年経過すると安くなるので、中国人投資家達は、タワーマンションを売却し始めています。売り物の増加は価格の低下を招きますから、タワーマンションの価格を天井を打ち下落に転じます。

一般庶民向けのマンションは新築ブームが東京の中心部から始まり、川崎横浜方面、そして多摩地区から埼玉へと広がり、千葉に到達すると終焉するのが従来のパターンです。既に千葉県の不便な場所での新築が相次いでいるので、こちらもブームはピークを過ぎつつあります。




■ アベノミクスの幻想はバブルの崩壊で霧散する ■

リーマンショックから10年。世界的な金融緩和バブルもそろそろ限界を迎えています。多分、アメリカ発のバブル崩壊に日本も巻き込まれるハズ。

そこでアベノミクスの夢ははななく消え去ります。普通の知性を持った人達ならば、アベノミクス効果と呼ばれていたものの多くが「金融緩和バブル」であったと気付きます。景気に支えられていた安倍政権の命運もここで尽きます。

但し、ネトウヨ諸氏は別でしょう。彼らはアベ教への信仰心を示す為に「金融緩和の規模が足りなかった」とか「マイナス金利の深堀が不足した」とか「モリカケ問題でアベノミクスが邪魔された」などと言い出すに決まっています。こいつらは無視してヨシ!!



政治の問題は政治が解決する・・・長期戦は安倍首相に不利

2018-03-23 09:49:00 | 時事/金融危機
 

■ 大阪府の森友学園小学校の認可は「極めて特殊」な事情 ■


大阪市の私立小学校・中学校の認可基準では借地の上に校舎を建設する事は認められていません。この緩和を籠池理事長は11年から訴えていましたが、大阪府は15年1月27日に特例的に森友学園の小学校に設置認可を与えています。

ところが、森友学園が近畿財務局と土地の定借契約を交わしたのが15年5月29日。大阪府は未だ土地の定借契約すら結んでいなかった森友学園にフライングで小学校の設置認可を与えています。これは異例中の異例。

■ 土地の賃貸契約を結ぶ為に認可が必用だった? ■

大阪府はこれまで「他県にその様な基準が無い」事を理由に認可を与えたと説明していましたが、ここに来て橋下氏が近畿財務局から早く認可を出して欲しいと圧力があったと説明し始めました。

近畿財務局としては定借契約をする上で、森友学園の経営が将来的にも保障されている必要が有りますから、小学校の設置認可は定借契約前に絶対に必要な条件だったでしょう。

ただ、近畿財務局がそこまでして土地を売る相手の為に走り回る必要は全く無く、本来は適切な買い手で無いと判断したら事務的に断るのが彼らの仕事です。

ところが、近畿財務局はさらには土地を値引きする為のスキームを国交省に相談するなど、どんな無理をしても森友学園に土地を売らなければならない様な動きをしていました。これは、異例中の異例ですから、細かに記録を残したのでしょう。

■ 今さら「隠蔽」されていた1枚のメモ ■

財務省は「改竄」発覚後には80ページに及ぶ決済資料を公開していますが、その中からさらに「添付資料」が漏れていた事が19日に発覚します。

この資料は「森友学園事案に係る今後の対応方針について」と題する文書で、2016年4月4日付。

毎日新聞の報道によると、このメモの内容は次の様なものらしい。

 メモによると、学園は同年3月11日、国有地から大量のごみが出たと国に連絡。6月の棟上げ式に向けた工期がずれ込んだ場合は損害賠償を請求する。国がごみを全て撤去するか、撤去費を引いた売却価格を提示する--などの対応を近畿財務局に要求した。(引用)

1) 篭池氏は棟上げ式までに売買契約が完了しなければ工期遅延の損害賠償を起こすと近畿財務局を脅す
2) さらに、棟上げ式には昭恵主人も出席すると脅す
3) 近畿財務局が本省に対応を問い合わせする
4) ゴミの撤去費を予め値引く形でゴミの撤去工事は行わずに売買契約を完了する

■ 森友学園はゴミの撤去を行わず、安く土地を手に入れた ■

森友学園問題の犯罪性はここに在ります。

1) ゴミは実際には9mまで埋まっていなかった
2) 業者がゴミが埋まっていると虚偽の申告を森友学園に強要された
3) 近畿財務局はウラを取らずに申告されたまま、ゴミの撤去費用を算出し値引きした
4) 国土交通省大阪航空局は過去のボリング調査の結果を知りながら、それを無視した

これらの埋設ゴミを理由にディスカウントするスキームは、近畿財務局から相談を受けた国土交通省大阪航空局 が提案したものとも言われています。

国有財産を不当に安く売却する為に、役人が知恵を絞る必要がどこに在るのでしょうか?

籠池氏という怪しい人物が首相夫人との関係をチラつかせながら脅したとして、普通の役人が率先して「犯罪」の加担するでしょうか?


強い政治的な圧力を抜きにしては、理解できない状況です。近畿財務局は本省に対応を問い合わせをしていますから、最強官庁である財務省の本省ですら敵わない強い権力からの圧力があったと考えるのが妥当です。

昨年の2月依頼、全ての状況証拠は首相やその周辺からの財務省への圧力の存在を示唆していますが、物的証拠も、決定的な証言も存在しないので、未だに森友問題は決着していません。

■ 政治の問題は政治が解決する ■

佐川氏が国会の証人喚問で全てを証言する可能性は極めて低く(首相と刺し違えるかも知れませんが普通は家族の命を優先します)、昭恵夫人や谷氏の証人喚問の実現性も薄いので、森友事件はこのままでは昨年同様に「限りなく疑わしいけれど、証拠が無い」状態が続きます。

その間に、安倍首相が金正恩総書記と電撃会談をして、未帰還の拉致被害者が帰国するなどというウルトラCが実現すれば安倍首相の勝ち。「私達の圧力が勝利した」と宣言するでしょう。

或いは、米朝会談が失敗に終わり、日本の領海に北朝鮮がミサイルを撃ち込んでも安倍首相の勝ち。この場合は「憲法改正の実現」という特大なオマケが付く「E難度」の大技となります。

一方、安倍首相がウルトラCやE難度を繰り出せなかった場合、野党の攻撃が決定打に欠けても、ボディーブローの様に政権支持率を着実に削って行きます。

「国会を空転させてケシカラン」という批判は、さすがにネトウヨも口にし難い状況でしょう。今まで1年間、国会を空転させて来たのが、安倍政権だという事がバレてしまっていますから。

安倍政権の支持率が30%台に低下していますが、これが20%に入れば流石に自民党内からは安倍辞任を求める大合唱が起こるでしょう。


結局は、政治の問題は政治が解決するのです。