人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

夏も終わりですね・・・鴨川では海の家が閉店

2014-08-31 03:40:00 | 自転車/マラソン
 


■ 雨の合間を縫って鴨川にGO ■

8月10日に台風の逆風を突いてMTBで養老渓谷まで往復して以来、忙しくて3週間も自転車に乗れていません。お腹の辺りが脂肪でブヨブヨしているのが自分でも分かります。200Km程度のロングライドでシェイプアップしたい所。しかし、秋雨前線が南下しており、例年より早い秋の長雨。

土日も雨と諦めていましたが、土曜日は10時前から雨が上がり、雲が切れてきました。速攻で準備を整え、カーボンのレモン1号君で出発します。行先は勿論鴨川。出発の時間が遅いので、日没まで走って後は輪行です。

■ 脚が回らない。心拍もすぐにレッドゾ-ン ■

さすがに3週間ぶりだと脚が回りません。心拍も直ぐにレッドゾーン。そこで、本日は鈍り切った体に刺激を入れる為、53-17tでギアを固定して行ける所まで行ってみます。巡航速度も35Kmになるべく近づけます。

20Km位走って、ようやく体に自転車が馴染んで来ます。ただ、40Km程で早くも電池切れ状態。ペダルが思うように回りません。養老清澄ラインに入る前に、上総牛久でカップラーメンで昼食。普段は養老渓谷まで一気に走りますが、鈍った体では、ここで一服入れないと後半が持ちません。

養老清澄ラインの上り坂はダンシングでクリアーして、養老渓谷では5分休んだだけで、老川十字路の先から、麻綿原高原の登りに取り付きます。10%を超える斜度で始まるので、ここで仮想固定ギアーモードを解除。インナーに落します。・・・・・・登らない・・・。39-28tのインナーローまで落として・・・足着き。もう、脈拍が限界。

一度足を着くと、心が折れるので、この後2回の小休止を入れて、麻綿原にようやく到着。山一面のアジサイの花はは茶色く枯れて、観光客も居ません。頭がボーとするので、山頂のベンチで仰向けに寝転ぶと、流れる雲の向こうに青空が顔を出しています。もう、空は秋の色。

■ ウリ坊 ■

しばらく休んでから、海に向けて下り始めます。時折小雨がパラツイテいたので、路面はウェットで滑り易い。慎重に下ります。

道際のアジサイの斜面が所々崩落して赤土が覗いています。害獣ネットもなぎ倒されています。昨夜、大雨でも降ったのでしょうか?

鴨川方面と会所方面の分岐に差し掛かった時、何やら動くものが・・・・。何とウリ坊(イノシシの子供)。子犬程に大きさでしょうか。私を見つけると、チョコチョコチョコと10m程逃げて振り返ります。写真を撮ろうとしたら、藪の中に逃げ込んでしまいました。さらに2匹が飛び出して、藪の中に引き換えします。

カワイス~~~。

でも要注意。あれだけ小さいウリ坊ならば、近くに親が居るハズ。イノシシは自転車に突進して来ますから、急いでその場を離れます。

さっきの崩落はイノシシが食べ物を探して土を掘り返したものだったのですね。害獣ネットも全く効果がありません・・・。山間の農業はイノシシやシカ、サルとの戦いです。

■ イガグリ地雷原 ■

内浦県民の森への下りは雨で小枝や小石が散乱しています。路肩もだいぶ崩れているので注意して下ります。

先方に何かコロコロした物が沢山落ちています。石?
いいえ、イガグリです。風で青いイガグリが沢山落ちた様です。まるでイガグリの地雷原。間違って踏んだら、パンクです。こんな場所が突如、何か所も現れるので、スピードは出せません。

内浦県民の森を通過するとようやく路面は乾いてきます。ここからは全開で、前の軽自動車を煽りながら、海まで一気に下ります。本日の太平洋は波は穏やかですが、曇り空を写した鉛色です。

■ 海の家は店じまい ■



夏休み最後の土日ですが、あいにくの長雨で海岸は人手も疎ら。本来は最後の掻き入れ時の海の家も、早めの店仕舞いで、解体を始めていました。(冒頭写真)

午後3時を回っているので日没が心配です。「すき家」で牛丼をかきこんで、すぐに帰路に着きます。

アレ!?、何だか後輪が重いぞ・・・と思ったらパンクです。空気が抜けた感じなので、小さな穴が開いたのでしょう。きっとイガグリ地雷を踏んでいたのですね。スペアーチューブに取り換えて、鴨川を後にします。

帰りは初めて鴨川有料道路を走ってみます。
それなりの登りは覚悟していましたが、200mの標高まで一気に登ります。斜度は5%を超えているので、我慢のペダリングです。

登りきる手前に料金所があります。料金は軽車両20円。

ここからは多少のアップダウンはあるものの下り基調。快調に飛ばして、久留里のセブンイレブンで最期のオニギリ補給。ペットボトルの水を頭から掛けてリフレッシュ。

すると、こんな物を見つけました。エヴァのポスターではありませんよ。よーく見て下さい。ほっぺたに何か付いています。これ、マツムシです。「チンチロ、チンチロ」と鳴くやつ。



■ 久留里線が丁度ホームに居た・・・・ ■



久留里駅前で名物の名水をペットボトルに詰めようと思い駅に向かいます。すると、丁度、登り列車がホームに居ます。(電車ではありません。ディーゼル車両です)

現在5時33分。電車の発車は37分。

んん、まてよ。今から1時間走ると日が暮れます。姉ヶ崎までは30Km程あるので、最後は夜間走行になりますが、眼鏡を持って来ていないので、サングラスで夜間走行は危険です。まして街灯の少ない道はほとんど見えません。

後半は電車のコースから道は外れてしまうので、日が暮れても輪行出来ません・・・・。

そこで急遽自転車を輪行バックに詰めて、久留里線に飛び乗ります。のんびり走る列車なので、自転車とあまり時間は変わりません。木更津まで1時間。

初秋の日没後は一気に暗くなります。遠くの山並みや、線路脇の田圃がだんだんと墨色から暗闇に溶け込んで行きます。

本日の走行距離は140Km。
獲得標高は1600m。

後半ダレダレだったので、平均速度は24Km/h。
本当は170Kmは走りたかったのですが、出発が遅かったので、仕方無いか・・・。






NHKの朝の連ドラで対決・・・菅野よう子 VS 梶浦由紀

2014-08-29 08:28:00 | 音楽
 

■ NHKの朝の連ドラの音楽で激突!? ■

アニメ音楽の世界で人気を2分する女性作曲家と言えば、菅野よう子梶浦由紀。(大島ミチル先生、ゴメンなさい・・・)

最近ではMHK朝の連ドラ『ごちそうさん』の音楽を菅野よう子が担当していましたが、現在放映中の『花子とアン』の音楽は何と梶浦由紀が担当しています。古臭いと思っていたNHKですが、意外にも時代の流れに敏感な様です。(『あまちゃん』の大友良英の起用には度胆を抜かれましたが・・・)


[[youtube:kGEjD_XoB-g]]
菅野よう子 インタビュー

花子とアン 梶浦由紀インタビュー (NHK)
梶浦由紀インタビュー (毎日新聞)


■ アニメファンの琴線に触れる梶浦音楽 ■

菅野よう子派の私は、梶浦由紀さんの評価が低かったのですが、今期の新作アニメ『アルドノア・ゼロ』のオープニング『Hevens Blue』で、ちょっと梶浦由紀を見直しちゃいました。



Kalafinaというボーカルグループは『空の境界』の為に結成されたテンポラリーのユニットの様ですが、その後メンバーが変わった後、パーマネントなグループとして活動している様です。

それにしても、マドマギのテーマを思わせる重厚なAメロがら、流麗なBメロ、そして力強いCメロと次々に使い捨て、さらに梶浦語によるゴージャスな間奏を挟んでバリエーション・パートに。ずっとコーラスパートが寄り添っていて、贅沢な曲ですよね。中二病的歌詞が曲調に合っています。(褒めてます)

アニメファンの間で梶浦由紀の評価が高いのは、「キレイなメロディー」とか「重厚な音楽」といった「分かり易さ」に起因している事が、この曲から良く分かります。「分かり易いカッコ良さ」というのは、アニメの世界では重要な事だと思います。

昨今のニコ動系のめまぐるしく転調を繰り返す若手の作曲家達とは対照的な、ある種「平凡」さは、意外にも人々の共感を生むのかも知れません。

一聴して梶浦由紀と分かるメロディーは、マンネリを通り越して魅力の域に達しているとも言えます。ただ、それを支える和声の上手さがあって初めて成り立つのでしょうが・・。(褒めてます!!)

ちなみに『アルドノア・ゼロ』はこんな作品。(誰かが勝手に劇場用予告のMADを作っています)

https://www.youtube.com/watch?v=g5oTlkr2oh8

■ マクロスのセルフカバー? ■ 

一方、菅野よう子の『残響のテロル』のOPは・・・



おいおい、マクロスじゃないか!!と突っ込みたくなりますが、リズムアレンジの上手さは相変わらず。

『スペース☆ダンディー』で思い切りハジケテいる分、『残響のテロル』のサントラは随分と抑え気味の感じですが、脱走シーンのバックで流れるギターサウンドにはやはり鳥肌が立ちます。

ちなみに、こんな作品。
https://www.youtube.com/watch?v=gBpv2ztxVJY


菅野よう子の歌ものとして、ラーゼフォンのOPの『ヘミソフィア』が一番好きかな。

[[youtube:Y7ZQ-RePFAo]]

フルバージョンで聴くと、最後の展開でゾクゾクします。

この2曲を比べると、意外にも菅野よう子もマンネリな所がありますね。ただ、こちらも技術的にはサブドミナントの宙吊り感が・・・なんて専門的には色々とテクニックを駆使している様です。(私にはさっぱり分かりません)

そろそろ支持率のコントロールが始まるのでは・・・安倍バッシング

2014-08-27 05:25:00 | 時事/金融危機
 

■ 広島の災害が国土強靭化の理由になる事は避けるべき ■

先ず最初に広島の豪雨の被害者の方のご冥福をお祈りします。

平地が少なく、山の裾野を宅地造成した住宅地が多い日本においては、同様な災害は全国どこでも発生する恐れがありますが、その様な住宅地を全て災害対策する事は不可能です。それこそ、津波対策で日本の海岸線を高い防波堤でぐるりと取り囲むのと同様にナンセンスな話しです。

結局、この様な災害を防ぐ事は難しく、局地的豪雨の予知技術の進歩と、それに連携した適切な避難勧告に期待するしかありませんが、地震予知同様にハズレが多いので実際には個人の判断に委ねられるのでしょう。

個人の出来る最大の対策は、危険が予想される物件を買わない、あるいはその様な場所に住まないという事になるのでしょう。

日本のインフラは既に老朽化が進んでいますから、少ない財源は重要性の高いインフラのメンテナンスや更新に優先的に配分せざるを得ず、全国に散らばる災害危険地域の対策に分散配分する余力は有りません。

本来、危険とされる傾斜地や川の扇状地に住宅が出来る様になったのは、日本の人口が増えた事と各家族化が進行した為世帯数が増えた事が原因です。人口が減少し住宅や宅地が余る時代には、危険地域から安全な土地へ移住を促進する様な政策が有効です。

本来政治の役割とは、法案によって危険地域の新たな宅地造成を中止させ、現在居住している人に移住費用の補填をする事であって、あそこも危険、ここも危険と言って対策の為の公共事業費を分捕って来ることではありません。しかし、土建国家で利益誘導型の日本では、災害対策の公共事業は集票になるので、全国で無駄な工事が繰り返される事になります。

■ 広島の災害をそっちのけにゴルフ三昧? ■

今回の広島の豪雨災害では安倍首相がゴルフを中断して官邸も戻る判断が遅かったと一部マスコミが批判しています。

ところで安倍首相は休暇先に河口湖町で誰とゴルフをされていたのでしょうか?

8月16日 秘書官ら

8月17日 榊原定征経団連会長
     キャノン会長・他

8月19日 昭恵夫人
日枝久フジテレビ会長
本田悦朗内閣官房参与
田中一穂財務省主計局長

8月20日 森喜朗元首相
茂木敏充経産大臣
岸信夫外務副大臣
加藤勝信官房副長官
萩生田光一自民党総裁特別補佐
山本有二衆院議員
笹川陽平日本財団会長
日枝久フジテレビ会長

錚々たる顔ぶれですが、日枝フジテレビ会長が2回登場しているのが気になる所。19日は今年末に決定される消費税10%の決定までの粗筋を話し合っている様な気配が・・・。20日のメンツはアメリカの要求をどうイナシテ行くかの相談の様ですね。(妄想です)

しかし、何故ゴルフなのかは昔から気になる所。CIAの盗聴対策でしょうか?

■ そろそろ始まった安倍バッシング ■

一時のアベノミクス・フィーバーも醒め、マスコミ各社はお決まりの「バッシング」の時期に入っています。

日本のマスコミは政権発足時は持ち上げ、しばらくするとバッシングします。

なんとなく風物詩の様になっている「政権バッシング」ですが、これは重大な目的が隠されていると私はかねてより邪推しています。

日本の政権はアメリカの要求に対してNOと言えません。ただ、アメリカの無理な要求を呑むと政権維持が出来ない場合のみ、要求を拒否出来ます。この場合は拒否するわけでは無く、法案が国会で廃案になったり、審議切れになる訳ですが、ネジレ国会ではこの手が容易に使えました。

一方、衆参で安定過半数を占め、安倍政権の支持率が高い現在は、自民党は強硬採決が容易なので、反面、アメリカの要求が通り易くなります。

安倍政権は衆参の安定過半数と高い支持率を背景に、黒田緩和を実現し、アメリカの強く要望するTPP交渉を開始し、さらに集団的自衛権も閣議決定で認めました。さらには消費税率の8%への引き上げも実施しています。

アメリカ、財務省の目的はだいたい果たしましたので、そろそろ構造改革や規制緩和と言った痛みの伴う改革の実施時期に入って来ます。ところが、これは既得権を損なうので財界も官界も政界も抵抗が大きい。

そこで、安倍政権の支持率を少しずつ下げる報道をする事で、安倍政権が強引に改革を遂行出来ない状況を生もうとしているのかも知れません。

ここら辺は、「政財官+マスコミ」の阿吽の呼吸で行なわれるのだと思います。

かつて福田首相はアメリカの要求を政権を放棄する事で退けました。
それが「あなたとは違うんです!!」という発言に表れたと思っていますが、退陣の時に晴れやかな顔が印象的でした。

今後、「安倍バッシング」がエスカレートすると思われますが、はたして消費税率の10%引き上げが断行されるかどうか、支持率が大きく影響を与える事でしょう。



『ばらかもん』と『信長協奏曲』・・・アニメとは何か

2014-08-25 05:53:00 | アニメ
 



■ あまりに素晴らしい『ばらかもん』 ■

書道アニメ(マンガ)の『ばらかもん』があまりに素晴らしい。

書道家を父に持つ半田清舟(はんだ せいしゅう)は期待の若手書道家。ところが、大御所の書家に「型にはまった実につまらん字だ・・・」と酷評され、彼を殴ってしまった事から東京に居られなくなります。彼は五島列島の離島に一軒屋を借り、そこで自分と書に向き合う事になりますが・・・・その家は島の子供達の秘密基地だったのです。

小学校1年生の琴石 なる は座敷童子の様にその空き家に半ば住み着いているし、女子中学生二人は壁にポスターを貼るし・・・静かに書道と向き合うはずの生活は、子供達に蹂躙されます。

都会暮らしでカブトムシも触れない青舟(子供達は先生と呼びます)は、子供達のペースにすっかり巻き込まれながらも、知らず知らずの内に島の生活と島の人達に溶け込んで行きます。

基本に忠実ですが面白味に欠ける彼の書に、少しずつ変化が現れます。そして、内向的で独善的な彼の性格も、次第に変わって行くのです。

あらすじを書くと「ありきたり」な話なのですが、先生と子供や島の住民との触れ合いが瑞々しく描かれ、私達視聴者は「先生」の感動を画面を通して実感する事が出来ます。

■ オーソドックスだけどアニメらしい演出 ■





この作品の最大の見所は7才の少女の「なる」の純真で奔放な言動です。特に「なる」の動きのに一つ一つにスタッフのこの作品に掛ける意気込みと愛情を感じます。

アニメの特徴は絵が動く事ですが、アニメの動きには実写の様な制約はありません。宮崎駿の『カリオストロの城』アニメ的動きを考える時の最適な作品の一つです。壁を駆け登ったり、飛んだり跳ねたりはアニメの得意とする所。

しかし、ばらかもんに見られるアニメ的動きはそれ程現実から逸脱はしていません。「なる」の動きは『トトロ』の「めい」の動き同様、現実の子供の動きを少しデフォルメする事で成り立っています。バタバタと走る時の足の跳ね方や、飛びあがる時の、ほんの些細な動きに、実際の人間の動きに無いデフォルメを加える事で、アニメ的な動きは雄弁に「なる」の心の動きを反映するのです。

特にオープニングの映像は、アニメ的動きのパッケージの様です。終盤のなるが手をバッっと広げるカットは、何度見ても鳥肌がゾワっと立ちます。



『ばらかもん』の演出はアニメとしては比較的オーソドックスなものですが、シリアスとギャグの一瞬の変化など、アニメである事の利点を最大に活用している点において、スタッフはアニメの特性を良く理解しています。

田舎の景気の中で子供のキャラクターが動くという点では『のんのんびより』も共通の作品ですが、『のんのんびより』は、より記号的なキャラクターをリアルに動かすという演出を試みており、『ばらかもん』とは異なるクトルを示しています。どちいらが良いと言う訳ではありませんが、『ばらかもん』はオーソドックスな演出でも十分魅力的な作品が生まれる事を証明している点で注目に値します。

そしてキャラクターデザインと作画総監督を担当する「まじろ」さん(若手の女性)の今後に注目したいと思います。OPの神作画も彼女の手によるものです。素晴らしい才能です。

OPとEDは中村亮介さんという方ですね。この方も巧い。



■ 「アニメをなめるな!!」と言いたくなる『信長協奏曲』 ■



「アニメ的な演出」が余りにも素晴らしい『ばらかもん』に対して、「アニメの何たるか」が全く理解出来ていないのが『信長協奏曲』です。

ストーリーやプロット、アイデアは素晴らしく、原作の漫画が優れた作品である事が分かります。

ところが、これをアニメ化する時点で問題が発生しています。監督は冨士川祐介という方らしいのですが、ドキュイメンタリーやドラマなど実写畑の人を起用しています。アニメは『西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~』の一話で演出と絵コンテの経験をされただけの様です。

富士川監督が『西洋骨董洋菓子店~』ので絵コンテを切ったら250カットになったそうです。通常は30分アニメで200カット程度ですので、これでは完全に予算オーバーになります。実写ではカメラのアングルを変えれは容易に出来るカットの変更ですが、アニメでは背景も変わりますし、動画も新たなアングルで書き起こす必要があります。

さらに富士川監督の描いた絵コンテのアングルで絵を動かせるのはジブリくらいだとスタッフに指摘されます。そこで富士川監督の取った手法は「ロトスコープ」。実写を先取りして、それをアニメに書き起こす手法です。ディズニーの白雪姫で有名なロトスコープですが、最近では『悪の華』のアニメ化で、我々アニメファンを驚愕させた手法です。

ところが、『信長協奏曲』のロトスコープは絵がヌルヌル動くだけで気持ち悪いだけです。1話冒頭に教師が振り返って黒板に板書するシーンだけは、「オー、これってロトスコープじゃん!」ってワクワクしましたが、その後のロトスコープシーンには全く魅力がありません。

■ 私がTVドラマが嫌いな訳 ■

私はTVドラマをほとんど見ません。何故なら演出が雑だからです。適当な風景の前に俳優を立たせ、適当にズームしたり、クレーンでカメラを動かしたり、モンタージュしたりして映像を繋げば、何となく1時間のドラマが撮れてしまいます。ただ、映像が垂れ流されるという量産感が私にはたまらなくイヤなのです。

ドラマでも『北の国から』などの映画並みの演出を試みた作品も多数ありますが、毎週垂れ流されるドラマの多くは、見ていてイライラするレベルの物がほとんどです。要は、映像に対して「無神経」なのでうs。

■ 映像に対してセンシティブで無ければアニメは成り立たない ■

アニメは絵を動かす事に対して大きな制約を負っています。ですから、ジブリは別にして多くのアニメプロダクションは少ない予算の中で如何に効果的なシーンを作るかという問題にスタッフは真剣に取り組んでいます。

「口パク」などは一つの例ですが、アニメのシーンを良く観察すると、意外にも絵が動いている時間は短いのです。特に体全体が動いているシーンは少ない。ズームやパンなど、画面全体が動いて間をつないだり、静止画のモンタージュを挟んでとにかく絵の動きを節約します。

構図も上から俯瞰したり、下から仰ぎ見るシーンは少ない。ほぼ真横からのカットが続きます。これは動画を書く上で、普通の技能でも書きやすいからです。エヴァなどで見られる特殊なアングリや特殊な画角では原画も動画も相当技量が無ければ書けません。まして、それを動かすとなると大変です。

このように様々な制約のあるアニメだからこそ、スタッフは知恵を絞って様々な演出方法を考えだし、独特な構図やカメラワークを模索します。その積み重ねが、現在の日本のアニメの標準的水準の高さを産み出して来ました。

アニメ制作の素人である冨士川氏はアニメ制作を全く理解していないらしく、ロトスコープならば思い通りに絵を動かせると考えた様です。

ところが、その元になる実写の出来栄えが良くなければ、ロトスコープは安っぽいドラマをさらに安っぽい絵で動かすだけの悲惨な結果に終わります。実際に『信長協奏曲』では「悲惨」の実例を見る事が出来ます。

■ 「動かす事」以外にやる事があるだろう!! ■







『信長協奏曲』に関して許せないのは、ドラマとアニメのタイアップという事で、ドラマの映像をアニメの元ネタにするという安直な発想です。

ロトスコープと言えどもヌルヌルと動く動画には手間が掛かります。そのしわ寄せは色々な所に現れます。先ず、実写の俳優の顔と、マンガのキャラクターの顔は違うので、顔や表情の部分でロトスコープの手法は活用出来ませ。

そこで主要登場人物の顔はマンガ原作をアニメ的にモディファイしたものと成りますが、これが「日本昔はなしか!!」って突っ込みたくなる様なキャラクターデザインです。

マンガの絵柄はアニメではそのまま使えないのでキャラクターデザイン担当が存在し、アニメにしても違和感の無い絵柄に調整します。ところが、『信長協奏曲』では、マンガの絵柄をシンプルにした顔が、ヌルヌル動く体の上に載っているから、その気持ち悪さと言ったら言葉では表現できません。「能面を被った役者が演技している」気持ち悪さと言えば伝わるでしょうか?

ところが、庶民などのモブキャラは実写から書き起こしているので結構表情がリアルで一体感があります。メインキャラクターの不自然さとの差が際立って、もう抱腹絶倒のレベルです。

さらにロトスコープの元になる実写が無いシーンでは作画のクオリティーが極端に低下します。もう見るのが辛いレベル。

■ 実写を意識しながらもアニメとして素晴らしい『クレヨンしんちゃん 戦国大合戦』 ■

実写を意識した演出が悪いのかと言えば、そんな事は全然ありません。同じ戦国物で言うならば、原恵一監督『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国対合戦』は、白黒映画時代の時代劇の絵作りをかなり意識しています。

ところが、原恵一が時代劇の映像に求めた物は、古い映画の映像が持つある種のストイックさです。引いた位置からの長回しの固定映像であったり、動き回らない画面にその特徴が表れています。

その一方で、最後の敵の大将とヒロシの一騎打ちのシーンでは、アニメ的なデフォルメされた動画の魅力が炸裂しています。

BALLAD・・・アニメと実写

一方、原恵一は映画の『カラフル』においては、ロトスコープかと思わせる様な写実的な演出を見せています。『カラフル』においてはアニメである必然性は相当希薄で、実写との違いは監督のイメージを完璧に再現出来る手法がアニメであっただけとも言えます。

非凡とは何か・・・原恵一/カラフル

こういった優れた作家達がゴロゴロ居るアニメの世界にあって、『信長協奏曲』はあまりにもデリカシーに欠ける作品と言えます。

■ 制作スタッフの投げやりな気持ちがストレートに伝わって来る ■


「フジレテビからアニメを知らないディレクターが来たよ。」
「250カットだって、冗談じゃないよ。素人が!!]
「え、ロトスコープやるの、本気ですか?」
「まあ、確かにドラマ部分の実写が進行していますからその部分はコスト掛からないけど・・」


こんな現場の空気が伝わって来る様に感じます。

原作のストーリーやプロットが素晴らしいだけに「アニメなめんな!!」と言いたい。


原作が可哀そうです。
ドラマも酷いんだろうな・・・・。


本日はオーソドックスなアニメの演出でも素晴らしい作品が作れる事を証明する『ばらかもん』と、ロトスコープという特集な技法を使ってもアニメが何たるかを理解していなければ悲惨な結果にしかならない事を証明する『信長協奏曲』を取あげてみました。


どちらの作品も原作物ですが、アニメ化において成功するかしないかは監督がアニメを理解しているかどうか、そしてアニメを愛しているかどうかに掛かっているのかも知れません。



政府はこっそり為替介入していないか・・・謎の投資家

2014-08-22 05:29:00 | 時事/金融危機
 

■ 円高が進行すると現れる謎の投資家 ■

ウクライナで旅客機が撃墜された翌日の7月18日。為替市場では100円/1ドルを超える水準で円高が進行しつつありました。海外の投資家達は一気の円高を仕掛けましたが、「謎のドル買」が入り、101円を超える事はありませんでした。

海外の投資家達は円高を阻止した「謎の投資家」の存在を指摘し、「準公的資金」が動いた形跡があるという声も聴かれました。

この日を境に円高に流れが移る気配が有り、それを阻止された海外投資家達の怨嗟の声とも言えます。彼らは円高と同時に日本株売りを仕掛けるつもりだったハズですから、恨み言の一つも言いたくなるでしょう。

焦点:「謎の投資家」が円高抑制、反発力奪うとの指摘も ロイター(7/18)
http://jp.reuters.com/article/jpUkraine/idJPKBN0GI0PV20140818?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

■ 7月の一カ月間で日本の米国債保有残高が5.2兆円増えた ■

7月の一カ月間で日本の米国債保有残高が5.2兆円増えています。これは政府だけでなく民間の保留も含まれので、これだけで政府が米国債を買い増したと言う事にはなりません。

ただ、財務省が発表した6月末の政府短期証券残高は前年度末(3月末)から5.2兆円増えています。

これは偶然の符合でしょうか?

日本政府が為替介入する場合、政府短期証券を発行して日銀から円を調達し、円売りドル買介入を行います。

購入したドルは、たいがいはアメリカ国債に姿を変え、政府短期証券の償還には国債を発行してこれに当てます。要は、為替介入は政府が国債を発行してアメリカ国債を買い支える隠れ蓑とも言えます。

■ 円高が進行して、株が売られそうになると反転する為替相場 ■

為替相場を眺めていると、円高が進行して株が売られ始めると、スーと円安に振れる時があるます。常々、不自然な動きだなと思っていましたが、こういう時に数千億単位でこっそりと為替介入が行われていのでは無いかと私は疑っています。

日本株売りを仕掛ける海外の投資家達には迷惑な話ですが、政府は株価と円相場をある水準で維持したい様です。

■ ウクライナ危機でドル安と米国債高が同時進行する不自然さ ■

左近は地政学リスクが高まると、有事のドル買では無く、有事のドル売りが発生します。一方、米国債金利はリスクオフの流れから金利が低下します。

本来は米国債を購入する為にはドルを買う必要があるのでドル高に振れるはずですが、海外の投資を米国内に引き上げる際に、為替差益を拡大する為に、投資家達はドル売りを仕掛けているのではないかと私は邪推しています。

その様なタイミングで、日本政府は円売りドル買い介入を影で行い、株売りを阻止しているのではないか。

結果的の米国債を購入するので、アメリカも黙って見過ごしているのでは無いか・・・。

■ 消費税増税分が為替介入で消えているとしたら・・・ ■

6月に増えた日本の米国債保有残高5.2兆円は、あくまでも政府と民間の合計ですから、為替介入の結果と断定する事は出来ません。しかし、政府短期証券の増加分と符合するのが・・・私、気になります・・・。


<追記>

本日の「闇株新聞」さんに「ゆうちょ銀行」と「かんぽ」の米国債購入の記事が出てますね。年金の積み立て資金(GPIF)もどうやら日本株よりも外債と外国株を中心の買増す様ですし、安倍政権は本当にアメリカの言いなりですね。

逆に言えば、金利正常化の過程において、世界経済と米国債に相当圧力が掛かると言う事でしょうか。大規模な金融緩和自体が巨大な官制相場ですから、実体経済との乖離が拡大するすればする程、その反動は大きくなります。

市場関係者は、「不気味な雰囲気」を感じ取り始めている様です。