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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

新一万円発行は「新券切り替え」?・・・アナウンスが早かった事が気になる

2023-02-28 03:59:37 | 時事/金融危機

 

■ 24年上期に予定される新1万円札の発行 ■

24年に予定されている「新1万円札の発行」と「預金封鎖」を絡める妄想がネット界隈で広がっています。新券発行に必然性が無い事と、日銀創設者の渋沢栄一が絵柄として採用されいる事、戦後の預金封鎖を渋沢栄一の孫が実施した事などが妄想の燃料になっている様です。私自身は「新券発行のアナウンスが非常に早かった」事が気になります。「計画」が裏に存在していると妄想してしまう・・・。

■ 50兆円のタンス預金を炙り出せる「新券切り替え」 ■

預金封鎖は無いとしても、「新券切り替え」なら十分に有り得ると私は考えています。現在、日本のタンス預金は50兆円程と言われています。現金は現在の世界ではマネーロンダリングの道具とも言えます。政治献金などもそうですが、現金の動きを当局は把握できない。

タンス預金は田舎のお婆ちゃんもしていますから、50兆円全てが闇のお金という訳ではありませんが、多くの資産を持つ人も、現金によって資産を隠し持っているハズです。相続性の非課税枠を越える資産を現金で保持する様な方法です。これをやられると、国税局と言えども把握が難しい。

そこで、新一万円札発行と同時に、旧一万円札を使えなくする。旧一万円札を銀行窓口で交換するのでは無く、一度、預金に預けるルールにすれば、タンス預金の額を把握する事が出来ます。戦後の新券切り替えはこの方法が使われました。尤も、新券の印刷が間に合わなかったので、旧券にシールの様な物を張り付けて対応した様です。

■ 新券発行のアナウンスが早かった事が気になる ■

今回の新券発行で非常に気になるのが「アナウンスが早かった」こと。

1)新券切り替えの為の「大量の新券」を印刷する時間を稼ぐ

2)一部資産家が現金資産を別の隠し資産にする時間を与える

仮に「新券切り替え」が行われるならば、タンス預金を新券で再びする人も多いでしょう。この場合、大量の新券が必要になります。これを想定して大量の新券を印刷するならば、準備期間がそれなりに必要でしょう。ただ、その為に新券発行のアナウンスを早める必要は無い様に思えます。

一方、「新券切り替え」が行われるとして、その情報を早期に入手したり、その可能性を予想した一部の資産家は、新券発行までの期間に現金を別の隠し資産に置き換える行動を取ると思われます。例えば金の仏具だとか、高価な美術品だとか、その他私の予想もしない方法があるでしょう。

海外預金は日本の銀行を通して行うと額が把握されますし、大量の現金の持ち出しは空港でチェックされるので難しい。現物金は国税庁が所有者を把握していますし、海外での購入も情報が共有されるので資産隠しには使えません。何等かの方法で、アメリカの預金口座に現金を振り込んだ場合、それを海外で引き出すのは至難の業です。アメリカの銀行は預金受け入れはウェルカムですが、それを海外で引き出そうとするハードルが激高だそうです。ダミー会社を作って支払いの形を取ったりする様です。

まあ、お金持ちはそこら辺の裏情報にも通じているでしょうから、既に資産隠しは終わっていると私は妄想しています。

 

■ 預金封鎖は有り得るか? ■

冒頭に書いて「預金封鎖」の可能性ですが、ゼロでは無い。

1)金融緩和バブル(コロナバブル)がアメリカで崩壊

2)農林中金やゆうちょ銀行、地方銀行の多くが債務超過に陥る

3)多くの人が銀行の窓口に殺到

4)全ての銀行がバンクホリデー(シャッターを開けない)を実施

5)預金引き出しを「新券でのみ」対応

6)旧券は預金に預けてから新券に交換

7)預金引き出し限度額を設定する

 

4)~7)は実際に戦後の日本で実施されました。インフレ率がうなぎ上りになる中で、預金封鎖と新券発行が実施され、預金の引き出し上限を設定する事で、市中の通貨量を抑制してインフレを抑え込みました。(尤も高インフレによる戦時国債の紙屑化には成功しています)

 

■ 庶民は「金融緩和バブルの崩壊」だけ気にすれば良い ■

隠し資産など無い庶民は「新券発行」に神経質になる必要は有りません。むしろ「新券発行がバブル崩壊時期となる」可能性に留意すべきでしょう。24年前半に「預金封鎖」が仮に発生するならば、23年後半に金融緩和バブルが崩壊する可能性が有ります。(オオカミ少年と言われそうですが)

「バブルの崩壊」はテールリスクなので、発生確率は極めて低いですが、巨大地震同様にいつかは必ず発生し、発生時期が遅くなればなる程、その破壊力は増します。

農林中金はウォール街では「ゴミ箱」と呼ばれ、ジャンク債やCLO(ローン担保証券)を大量に保有しています。ゆうちょ銀行のリスクは米国債です。大規模なバブル崩壊が起きた場合、リーマンショック直後の様にドルの信用不安と、円キャリートレードの巻き戻しで極端な円高が発生します。ゆうちょ銀行は大量の外国債券(多分米国債が中心)を補修していますが、米国債の価格の下落(金利上昇)と円高による為替差損が発生します。海外投資が増えた地方銀行も似た様な状況になるかと。

ゆうちょ銀行は1300万円まで預け入れ出来ますが、ペイオフの対象は1000万円までです。ここは気を付けたい所。さらに、「ゆうちょ銀行ショック」が発生すると、絶対に銀行不安が発生して、健全な銀行も経営が危なくなります。ですからペイオフ対策は行うべきです。1000万円までがペイオフ対象ですから、預金を分散しても良いですし、「決済性預金」にしても良いでしょう。

「決済性預金」とは無利子の普通預金口座で、利子が付かない代わりに、1000万円以上の預金もペイオフの対象となります。マンションの修繕積立金の口座などはこれに変えた方が安全です。

 

まあ、「バブル崩壊」など起こらない方が良いに決まっていますが、地震への備え同様に、起きた時に困らない最低の対策はしておいた方が良いでしょう。


ホワイトカラー失業が現実化する・・Chat GPT

2023-02-25 06:22:51 | 時事/金融危機

■ Googleを脅かす Chat GPT ■

「AIが人間を越えるのは未だ先」と思われていましたが、昨年末頃から、それが現実化するのでは無いかと言われ始めました。

各所でマイクロソフト社が出資するOpenAI社の、「大規模言語モデルAI」のChat GPTが話題になっています。「簡単な質問文を入力すると、テキストベースで答えを返してくれるソフト」というのが一般的な理解でしょう。アメリカの大学生が課題に使ったりして問題になっていますが、Google先生が登場した時を思い出します。

ところが、Chat GPTの性能は「調べもの」に留まりません。例えばChat GPTにエクセルの表をコピペして「エクセル 票集計 項目順 マクロ」などと入力すると、マクロ(簡易的なプログラム)を吐き出します。少しマクロを勉強した事がのある人が、多少修正すれば、実用的なマクロが完成します。

プログラムも言語ですから、「大規模言語モデル」はプログラムを言語として学習するのでしょう。或いは、マイクロソフトが学習させた。結果、マクロ程度の簡単なプログラムなら、瞬時に組む事が出来る様に成長した。これが他のプログラム言語で同様に学習出来るかは現状は未知数です。エクセルの表で実行される命令文は「表」に限定されているので、「限定的」で「シンプル」です。だからAIの習得も速い。

一方、汎用プログラム言語で組まれるプログラムは、処理が多様なのでAIとて容易には習得できません。しかし、プログラムを細かく分解して行けば、やっている事は至極単純です。ですから、数行から数十行レベルのプログラムの習得は言語AIは特異なはずです。誰かが根気強くプログラム言語を教えれば、エクセルのマクロ同様に様々な断片的なプログラムを作る様になるハズ。

問題はここからで、Chat GPTは無料で利用出来るので、プログラムが組めるとなれば、多くのプログラマーが利用する様になります。ここがオープンAIの真骨頂で、多くの人が繰り返し利用する事で、AIの自立学習が加速します。様々なプトグラムの質問に対して、回答を「検索」する内に「パターン化」のコツを掴んで行きます。最初はミスも多いと思われますが、その内にミスは減って行き実用に耐える様になり、いつしか人間の能力を超えて行きます。

より多くの人が利用したAIは学習機会が多いので、成長のスピードが速くなります。今、Googleは相当に焦っている様で、サンダー・ピチャイCEOが「コードレッド」を発令して、Chat GPTにデファクト・スタンダードの座を許すまじとBERTという自然言語処理モデルAIを発表して追撃します。「質問」に対して「関連度の高いページを提示」するGoogleよりも、「テキストベースで回答を書いてくれる」Chat GPTの方が、「現代の怠惰な人間」には便利だからです。Gooleの優位性は一瞬にして揺らいでいます。

 

■ ホワイトカラー失業が始まった ■

私は以前よりAIはホワイトカラーを労働市場から駆逐すると主張して来ました。ホワイトカラーの仕事はPCに向かって行う業務内容が多いのですが、PC内で完結する仕事はAIの得意分野です。

例えば機械翻訳ですが、以前の機会翻訳は文脈などを理解出来なかったので、かなり「変な翻訳」をしていました。だから、「機械翻訳は使い物にならない」と言われて来た。しかし、現在の機会翻訳は「かなり自然な文章」で翻訳をします。ビジネスの契約書や、書籍の翻訳以外ならば、ある程度実用に足る。

実際に翻訳を生業とする方達の働き方も変わって来ており、機械翻訳で自動翻訳されたテキストを修正したり、或いは、翻訳前の文章を機械翻訳し易い文章に手直しする仕事が多くなっている様です。現状は、「機械翻訳を上手に使っている人の生産性が向上」したと言えます。しかし、誰かの生産性が向上したという事は、別の誰かの仕事が奪われた事に等しい。

さらに、機械翻訳を使う機会が増えれば、翻訳AIは自律的に学習して、次第にミスが少なくなります。ある時点では、人間の翻訳家と同等、或いはそれ以上の能力を獲得する。そのなる時もそう遠くは無い。10年後に翻訳家という仕事がどれだけ残っているか・・・彼らは今恐怖を実感しているハズです。

先に書いた様に、プログラミングもAIの得意とする分野です。10年後にプログラマーは今の翻訳家と同じ恐怖を味わっているでしょう。

 

■ クリエイティブの仕事から消えていく・・ ■

AI化が話題になった時に、「単純作業はAIに置き換わり、クリエイティブな仕事は残る」と言われていた。私は???と思っていましたが、現実にはクリエイティブと呼ばれる仕事がAIに奪われ始めた。

作曲はクリエイティブな作業と思われいましたが、作曲AIは「激しいロック クライマックス」などと入力すると、立ちどころに幾つかの曲を作曲してくれる。著作権に引っ掛からない様に作曲するので、これで商業作曲家の仕事は実際に減り始めています。(それ以前に自称作曲家達がフリー音源をネットに山積みにしているので、ニュース番組の背景音源などは、かなりフルー音源が使われていましたが。)

イラストAIも相当に進化しています。「犬 可愛らしい」などと入力すれば、何パターンかのイラストを瞬時に生成します。これで、商業的なイラストレータの仕事は瞬時に激減したハズ。

CGのAIの進化も著しい。人物の写真やイラストを1枚読み取らせて、テキストを入力すると、表情豊かにテキストを読み上げる動画が瞬時に作成されます。テキストの翻訳も同時に行い、音声出力までこなす。Vチューバーなどは顔見せするとアクセスが増えますが、顔出しを躊躇っていた様な方達には便利でしょう。他人の顔写真を使ったら肖像権の問題が出ますが、AIのCGソフトで「〇〇風の顔」を作れば、肖像権に引っ掛かる事も無くリアルなアバターが作成出来ます。

AIで静止画をリアルに動かす技術は、アニメーターの仕事を脅かします。現在でも動画の工程でCG技術は活用されていると思われますが、より少ないコマ数の原画からリアルな動画を作る事が可能になります。日本の2次元アニメは自然なCG化が難しいとされていましたが、AIは自然な2次元アニメの手法をあっという間に習得するでしょう。これでアニメーターの仕事が大幅に減ります。

 

■ AIはコミュニケーションが苦手? ■

営業職の方などは「AIは人をコミュニケーションが出来ないから営業職は無くならない」と考えている方が多い。しかし、現在アメリカでは保険の外交員が大幅に失業しています。何故なら、有利な保険を勧めてくれるならば、相手は別に保険の外交員である必要は無いからです。PCで条件を入力したら、瞬時にお薦めの保険が幾つか提示される・・・外交員に会う時間が節約され、お世辞を聞く時間も節約出来ます。

この様に、「人と人がコミュニケーションして成立」していた仕事は、「仕事のやり方を見直す事で自動化と省力化」が可能です。ビックデータを活用した貸出(フィンィング)が既に実用化されていますが、その人の与信状況や、経済状況をビックデータから抽出して信用を審査すれば、経験豊かな貸し出し担当程度と同程度の仕事は出来てしまうのです。

しばらくは、仕事のプロセスをAIに合わせて再構築した人の勝になります。AIを使いこなす営業、AIを使いこなす翻訳家、AIを使いこなす音楽家・・・この先10年程は、そういう時代になるでしょう。

 

■ AIが苦手とする仕事 ■

AIが苦手(或いは機械が苦手)とする職種もあります。老人介護や看護がそれに当たります。ボケ老人はワケワカメなので、AIが彼らを理解する事は難しいし、介護の仕事を熟すロボットよりも人間の賃金の方が安い。看護も同様で、様々なセンサーで健康状態を管理するロボットよりも、看護師の方が優秀です。患者の血色を観たり、言動から容態を推測したり、さらにはオムツを変えたり、シーツを変えたりする事を自動化するコストは看護師の人件費よりも大きい。

同様に建築作業員など肉体労働も自動化が難しい。農林水産業など自然を相手もする仕事も、AIやロボットが苦手とする仕事です。但し、農業の一部は「農業工場」として自動化し易い分野ですが・・。

 

■ 真のシンギュラリティが達成されたら、研究職ですら失業する ■

「AIが実用される」的な報道が増えると思われますが、現在「AI」と呼ばれている物は、「AIを装った道具」に過ぎません。言語や作曲やイラストの「特徴」を学習させ「パターン化」させ、「人々が好むと思われる結果を抽出・生成」しているに過ぎません。そこに思考(インテリジェンス)は存在しない。考えている様に見えているだけ。

「シンギュラリティ」と呼ばれる「AIが人間を越えるポイント」は、「AIが思考をし、人間の思考を越える時」と定義されています。「自我を持たないAIが思考をする事は無い」という人も居ますが、これは哲学的な問答で無視して良いと私は思います。

そもそも「自我」とは「パターン化の特徴」だと私は考えています。ある情報入力に対して人間は「ブラックボックス」として結論を導き出しています。このブラックボックスは、教育や環境、生物の本能や、文化の遺伝子(ミーム)によって回路が構成される。全てインプットとアウトプットの間に様々な「パターン化」が存在します。これをAIが学習して習得する事は不可能では有りません。

彼らはビックデータからの抽出で、最初は「認識」を、現在は「既得の知識」と「好みの傾向」を学習しています。この先、AIが生物としての「本能」を習得するのか、或いはAI独自の「本能」を観に着けるのかは分かりませんが、情報処理に何等かの「クセ」が生まれて来ると思われます。これは「情報の揺らぎ」の様な物だと思うのですが、これこそが「AIの自我」或いは「AIの人格」を形成して行くのかも知れません。

人間の根源には「もっと知りたい」という欲望が存在します。AIが自律的にその様な「感情の様な物」を獲得した時、AIは自発的に人類の文明や、科学を学習し始め、それを理解し、そこから人間が到達出来ない思考や発明や発見の領域に踏み込んで行くでしょう。こうなると、AIの進化に人間は全く付いて行けません。

 

ただただ、「AIが人間は邪魔で滅ぼすべき存在」という思考に至らない事を祈るのみです。ただ・・・AIを停止させる事の出来る人間は、いつかはAIに「敵認定」されてしまう様な気がします。そうなる前にAIに規制を掛ける条約が出来ると思うのですが。

 

リアル「BEATLESS]の世界は、すぐそこまでやって来ているのかも知れません。・・・或いはコロナワクチンのレシピはAIが作ったとか・・・。


4連敗・・・箱根の山は天下の剣

2023-02-20 04:20:08 | 自転車/マラソン

 

「箱根の山へ天下の剣 ♪」と言われるだけあって、なかなかに手ごわい。

今年4回目の「箱根駅伝逃げ」にチャレンジしましたが、又もや敗北。9時頃からは南東の微風予測で気温も高めだったので、今回こそは達成を目指しましが、大平台で撤退。理由は・・・ツマラナイ・・・。

今回は平地巡行速度を上げる為、フロントにRolf Primaのアルミミディアムハイトのエアロホイールを装着。空気抵抗を減らす為にフロントバックも外して平地巡行速度を上げる作戦。但し、アルミミディアムハイトは重いので、信号の発進時と、登り坂では不利になります。リアは足当たりが優しく、登りでパワー伝達に優れたキシリウムエリート。これ、地味ですが本当に良いホイールです。

 

6:50大手町出発 -  8:15横浜 - 10:15大磯 - 10:58風祭ローソン

 

出発が遅れたので、保土ヶ谷ー茅ヶ崎、茅ケ崎ー大礒は渋滞につかまり速度が出せない状況でしたが、大礒からは追風に乗れたので、11:00前に風祭ローソンに到着。これ、今までで一番速い記録です。

但し、アルミミディアムハイトは信号スタートで脚をバリバリ削ります。風祭のローソンに着いて時点で「あ、今日はもう終了だ」という感じでした。太腿の前側(大腿四頭筋)がパンパンでした。風祭からはペースダウンして足攣りに備えますが、ローソンを出て直ぐに右足腿裏と、左足腿前が軽く攣りました。ゆっくり走って筋肉が温まったら治りましたが、箱根の登りで踏み込んだら一発で攣る状態。

湯本からもゆっくり登ります。斜度5%で時速10km/hを下回るペース。とにかく「踏んだら負け!」と自分に言い聞かせて大平台までは足攣りせずに登りました。しかし、そこで心が折れた・・・。「ツマラナイ」という気持ちに心が支配されてしまったのです・・・。ヒルクライムしているのに高揚感が全く無い。アドレナリンが1mgも分泌されない・・・。これが1月2日の駅伝本番ならば、続けられるのですが・・・。

という訳で4連敗。「カーボンエアロホイールならば達成できたかな」というのが率直な感想です。後、やはりCARRERA 730SLのフレームは硬い。雑誌のレビューでも「ロングライドには向かない」とか「カタログに快適性という言葉は一言も書かれていない」とか「40km位までの短いレースにはお勧め」と書かれるだけあって、平地を本気で飛ばすと、箱根の登りの前に完璧に足が売り切れます。

 

【 反省と対策 】

1) フレーム:CARRERA 730は登りは楽だが、平地で脚が売り切れるので、今度は長距離用のNEILPRYDE ZEPYRを使う

2) ホイール:ZEPYRは足当たりが柔らかいフレームなので、アルミスポークのカンパニョーロのユーラス(チューブレス)を使う

問題はZEPYRがフロントシングルになっている事・・・コンパクトクランクに付け替えるの面倒だな・・・。

 

本日は日記みたいな記事になってしまいました。ちなみに冒頭の写真は、小田原にある「柳屋ベーカリー」さん。ここのアンパンは絶品です。アンパンと言うよりは「和菓子」に近い。薄くてパリっとしたパンの中に、上品なアンが重たい程詰まっています。アンの種類も色々あって、赤シソとか桜は、白あんに、シソの葉や桜の塩漬けが混ざっていて、甘い物が嫌いな男性でも食べられます。1個270円はアンパンにしては高く感じるかも知れませんが、和菓子の様にお皿に乗せて、切り分けて少しずつ頂くと270円にも納得するハズ。むしろ安い。煎茶か抹茶と一緒に頂くのがベストかと。


『Just Because!』・・・受験シーズンに雪が降る度に全話見直す

2023-02-17 04:23:24 | アニメ

『Just Because!』より

 

■ 今年も受験シーズンに雪が降る ■

2月に入ると「南岸低気圧」によって、太平洋側にも雪が降ります。今年も2月10日に東京でも雪が降りました。2月の雪で問題になるのが受験。今回も都内の私立高校の受験日と雪が重なり、ヒヤヒヤした受験生も大勢いらしたと思います。そんな困った風物詩のニュースを聞くと観たくなるアニメがあります。2017年に放送されたアニメ『Just Because!』です。

大学受験を控えた高校3年生の3学期の期間だけを描いた群像劇ですが、「高校3年の3学期」という、独特な空気感の中で展開する物語は、何度観ても心の奥にチクリとした疼きを覚えます。丁寧に丁寧にシーンやカットを積み上げて作られた「実写作品」に近い肌合いのこの作品を、故高畑勲氏が観たらどう評価するか気になる作品でもあります。

■ 「音楽と映像のシンクロ」ではアニメ史上No1のシーン ■

中学時代に神奈川から福岡に転校した泉瑛太は、高校3年の3学期に再び神奈川に戻って来ます。3カ月間だけ通う高校には、中学時代の野球部の親友の相馬陽斗と、中学の同級生だった夏目美緒が通っています。瑛太は美緒に密かに恋していた・・。グラウンドで再会した瑛太に、陽斗はいきなり野球対決を挑みます。意味不明なままピッチャーを引き受ける瑛太。そんな二人を、校舎から見守る美緒・・「何で今頃帰って来るのよ・・」と困惑を隠せません。美緒の陽斗への思いを瑛太が知っていたからです。

転校以来、野球から遠ざかっていた瑛太ですが、彼の球はなかなか速い。そんな対決を吹奏楽部の森川葉月が渡り廊下から眺めています。そして、応援歌のフレーズをトランペットで吹き始める。近くに居た後輩達がそれに合わせると、校舎内の部員達もだんだんと合奏に加わって行きます。陽斗と瑛太の対決は、甲子園予選の様相を呈し、そして陽斗の打球はフェンスを大きく超えて行く。

そんな二人の対決を必死でカメラに収めたのは写真部2年の小宮恵那。廃部寸前の写真部存続の為に、コンテストに出展する作品の素材を捜していた彼女は、最高の一瞬をカメラに収めたと確信します。

そんな、様々な人の視線など知らずに、ホームランを打った陽斗は、校舎に向けて走り出します。彼は野球対決にある「願掛け」をしていたのです。ホームランを打ったら、吹奏楽部の森川葉月に告白するという。

 

ほぼ1話のストーリーを書いてしまいましたが、この野球対決のシーンは、『涼宮ハルヒの憂鬱』の26話の「ライブアライブ」と、『坂道のアポロン』の7話の学園祭シーンに匹敵する、音楽と映像がシンクロした日本アニメ史上屈指の名シーンだと私は確信しています。いえ、むしろ演奏がメインで無いシーンでこの演出は、No1と言っても過言では無い。

 

■ 珠玉の青春群像劇 ■

『Just Because!』は瑛太が転校して来てから、卒業するまでの3カ月を描いた作品です。

ホームランを放った後、学校の玄関で葉月に追い付いた陽斗は、告白するハズが、テンパッテしまい口から出た言葉が「明日ヒマ?俺はヒマなんだけど、水族館に行きませんか?」という間の抜けたもの。さらに、その場に居合わせた瑛太と美緒も誘ってしまうテイタラク。そして、そこにやって来た葉月の親友の乾 依子までがメンバーに加わってしまう。こうして、殆ど繋がりの無いメンバー5人で水族館に行く事に。

美緒は中学時代からずっと陽斗に思いを寄せながら告白出来ずに居ます。そんな美緒の心を瑛太は中学時代から知っていますが、瑛太は美緒の事が密かに好き。そして陽斗は葉月に告白・・・オイオイ、どうするんだ、この複雑な片思いのパズルは解けるのか?

中学で同級生だった瑛太・陽斗・美緒というグループに、親友同士の葉月と依子という組み合わせだが、実は同じクラスでありながら、葉月と美緒にはほとんど交流が無かった。生徒会長を務め、派手めな女子と付き合いのある美緒と、控えめな性格でクラスでも影の薄い葉月には接点が無い。そんな陽斗を巡る女子二人の関係が、やがて信頼関係に変わって行くのもこの作品の見所の一つです。

 

■ 依子の気持ちを見逃すべからず ■

水族館で知り合いになった5人は、LINEでグループを作り、なんだかんだと友交を深めて行きます。この関係で依子の果たす役割はとても大きい。快活な彼女は、消極的な葉月と新に知り合いになった3人の仲を取り持って行きます。特に葉月に告白した陽斗をサポートします。

相馬の気持ちに気付いている依子は「葉月は好きな人いる?」と聞く。中学時代から友人だった二人の間では、どうやらこの手の会話はあまりなかったらしい。葉月は「依子は好きな人いるんだ?」と聞く。すると彼女は「まあ、私も女子だし」とはにかんで答える。「私の知っている人?」「そうかも・・・」と顔を赤らめる。

「依子ちゃんは葉月ちゃんがすきなんじゃねぇ?」ってユリ展開を期待したアナタ・・・アニメの観過ぎです。(最初は私もそう勘違いしましたが)。何回か見返して、おじさん、ピンと来ちゃいましたよ!!「依子ちゃんは陽斗君の事が大好きです!」

依子は葉月と陽斗を積極的にくっ付けようとしていますが、葉月の事よりも陽斗の方を良く観察しています。いえ、陽斗の感情を一番理解していると言っても過言では無い。陸上で推薦入学が決まる様な依子が、野球部の主軸で陽気な陽斗に恋心を抱くのは自然な流れとも言えます。一方で、葉月は依子にとっては生涯の親友と言える存在。

依子の恋は多分実らないと彼女自身が気付いています。それは陽斗が葉月に告白する前から。観察力のある依子は、陽斗の心が自分には全く向いていない事に気付いていたハズです。もしかすると陽斗が葉月に密かに思いを寄せている事すら察していた可能性もある。だから彼女は、葉月に告白した陽斗をサポートする事で、自分に恋心にケリを付けた。

私がこの作品を評価するのは、頼子の気持ちを作中では具体的に全く描いていない点です。普通ならば依子の気持ちを視聴者に気付かせる演出をしてしまいますが、それが一切無い。「気付く人だけ気付いてね・・・」という抑制があるからこそ、依子の親友や、新しく知り合った美緒や瑛太への気遣いがジワ~~と効くのです。これこそが「文学的抑制」です。

■ 「文学的抑制」の美学 ■

「文学的抑制の美学」がこの作品にはオープニングシーンから、ラストシーンまで徹底して貫かれています。ここで言う「文学的」とは『四畳半神話大系』を始めとする森見登美彦作品群とは真逆のベクトルを示します。「書かない事の美学」と言っても良い。(鴨志田一の脚本は素晴らしい)

主人公の瑛太は、無口で自分の事を多くは語りませんし、本心も滅多に言わない。ただ、濁した言葉や、飲み込んだ言葉が彼の気持ちを雄弁に物語る。美緒も高校生の女子としては言葉を選ぶタイプです。葉月に至っては、言葉に全く嘘が無い。故に彼女は自分に確信の無い事を一切言いません。依子も多弁に見えて、飲み込むべき言葉を良く弁えています。彼らが語らないが故に、そして言葉を飲み込むが故に、彼らの気持ちは画面からヒシヒシと視聴者に伝わてくる。

■ 「映像に語らせる」美学 ■

さらに輪を掛けて「映像に語らせる美学」も貫かれています。例えば瑛太と写真部の後輩の小宮が絡むシーンの後ろには、老婆が居るシーンが度々あります。道端であったり、本屋の中であったり。この老婆、実は陽斗の祖母なのですが、陽斗は祖母の口から瑛太と小宮の動向を家で聞いている。しかし、そのシーンはカットされ、瑛太との会話の中で「お前小宮と〇〇なんだって」と持ち出されます。「ばーちゃんが見てた」と。これも映像作品だからこそ出来る演出です。文章にしてしまうと「そんな瑛太と小宮の姿をも守る一人の視線があった。瑛太の祖母が見ていたのだ」・・・となってしまい興ざめになってしまいます。

「映像に語らせる美学」はこの他にも「風景に語らせる」という手法も多様されます。明日受験という晩、美緒は窓を開けて瑛太の家の方を見つめます。そして同じ時、瑛太も美緒の家の方角を見ている。小さく写るお互いの家の窓明かりのロングカットが、二人の視線そして二人の気持ちです。もう痺れます。

「風景に語らせる」と言う点では、この作品は教科書と言っても過言では無い。坂道や階段のアップダウンを使った演出も素晴らしいが、湘南モノレールの使い方が実に上手い。(バスや電車も含め)。シーンに切り替わにモノレールが登場する事が多いのですが、懸垂式モノレールが画面の上を横切って行く光景は、千葉市と湘南モノレール沿線にしか無い唯一無二のものです。これが挿入される事で、「他の何処でも無い場所」が確定され、その場所で今を生きる高校生達の息遣いにリアリティーが加わります。

■ 「音に語らせる」美学 ■

「音に語らせる」シーンも多々あります。写真部の小宮がバレンタインの夜に瑛太に会うシーン。モノレールの駅のホームで小宮は瑛太に実らぬ恋の告白をします。そしてカメラがロングに切り替わり「ガッタン」と言う機械音がホームに響く。実はこれ、モノレールのポイント切り替えの音なんです。普通の電車なら、構内放送や発車ベルが使われたりするシーンですが、「ガッタン」という音がモノレールという唯一無二の空間を作り出す。知らない人には皆目分からないシーンではありますが、シリーズ構成で全話で脚本を書いている鴨志田一は、この近所に住んでいたので、「ガッタン」という音こそが湘南モノレールの駅である証明なのでしょう。そして、二人の関係のポイントも切り替わります。

 

■ 小宮さんと、写真部の男子部員二人がイイ!! ■

恋愛作品の名作には「名振られ役」が不可欠です。『俺の青春ラブコメが・・・』が名作なのは、一式いろはの貢献が大きい(彼女はもうワンちゃん狙っている様ですが)。同様に『Just Bcause!』では写真部の小宮 恵那(えな)の存在が絶大です。彼女無くしては、この作品はイジイジした凡庸な三角関係ドラマの成り果てたでしょう。

小宮 恵那はとにかく猪突猛進で、空気を読まない。写真展に瑛太の写真を出展する許可を取る為に、瑛太に付きまといますが、いつしか瑛太が気になって仕方が無くなる。他人の間合いにズケズケと入り込む小宮を瑛太は迷惑に思いますが、瑛太はそれを隠そうとしない。だから余計に踏み込むうちに、小宮は瑛太に恋をしてしまう。

小宮は空気を読まないが、空気は読めるので、瑛太の美緒に対する気持ちにも直ぐに気付きますが、瑛太もそれを指摘されても、小宮に対しては意外にも否定する事が無い。これは相性の問題で、内に秘めるタイプの瑛太にとって、ズケズケと入り込んで来る小宮は自分の感情の捌け口としては悪く無い存在なのかも知れません。これは陽斗も指摘していて「お前ら仲良いよな。だって瑛太が素で話すのって小宮ぐらいじゃん」とさすがは親友は鋭い。

空気を読まない小宮さんが搔きまわすからこそ、このラブストーリーは最高に面白い。そしてその恋が決して実らない事を視聴者は予感するから、彼女を観ていて切ない気分が押し寄せて来る。

そんな小宮を密かに慕う写真部の鉄オタ男子もイイ。彼らの健気さにこそ、アニオタ男子は共感するのです。この鉄オタ男子無くして、この作品は名作になり得なかったとも言えます。

 

■ 『Just Becasue!』と『月がきれい』を見ずしてアニメオタクを語るべからず ■

脈絡も無く『Just Because!』愛を語ってしまいましたが、こんなに素晴らしい作品を作られた小林敦監督の作品が途絶えている事が悲しい。小林監督はProduction I.Gの制作出身で、『ガールズ&パンツァー』でも水島勉監督回に次ぐ回で監督を務められて様です。『Just Because!』程の完成度の作品を撮れる(あえて撮ると書きます。実写映像の撮り方を熟知されているので)監督が評価されない日本のアニメ事情はどうかしています。

とにかくこの作品、カット割りが細かい。群像劇なので、同時進行する別の場所のシーンの切り替えや、ちょっとした風景のシーンの挿入など、手間が掛かる演出をひたすら繰り返します。それなのに、じっくりロングで見せるシーンもあるので、せわしない印象は一切無い。演出としては限りなく実写演出に近い。絵コンテが販売されていた様なので、ネットで観る事が出来ます。

私は『Just Because!』と『月がきれい』を観ていないオタクにアニメを語る資格は無いと確信しています。

ちなみにシリーズ構成と全話脚本は『青春ブタ野郎はバニーガールの夢を見るか』の原作者の鴨志田一。鴨志田氏は、藤沢近辺が出身地らしく、「青ブタ」も鎌倉から藤沢界隈が聖地です。『Just Because』も、本当にこの辺りの何気ない風景のオンパレードですが、聖地巡礼に行くと、この風景があるからこそ、あの名作が生まれたのだと納得させられます。

 

■ 「文科省課題アニメ」に指定して欲しい ■

『Just Because!』を私は「文科省課題アニメ」として強く推したい!(そんなものは有りませんが)

 

1)進路が異なる高校3年生達をリアルに描いている

  陽斗・・・就職  

  瑛太・・・私大受験 

  美緒・・・私大受験 

  葉月・・・推薦入学  

  依子・・・スポーツ推薦

高校を卒業すると、子供達は様々な人生を迎える準備に入ります。就職を選択した人は、18才で社会に出る事になります。そんな彼らのリアルが詰まった作品です。

 

2)家族関係をしっかり描いていいる  

  陽斗・・・母親と彼女の祖父母の4人暮らし 

父親を早くに亡くした陽斗は、看護師の母親が家計を支えているが、母親は忙しい。祖父母が陽斗を養育したと思われるが、仕事帰りの母親の荷物を、さり気なく自転車の前かごに入れるなど随所に陽斗の家族への優しさが伝わるシーンが描かれる。祖父母にも優しい。

  葉月・・・父母は農業。4人兄弟。

葉月も父母は農家で朝から忙しい為、家事と兄弟の世話はほぼ彼女の仕事。大学の4年間だけが彼女の自由になる時間なので、敢えて関西の大学で一人暮らしをする事に。今まで家族や兄弟の為に時間を使って来たからこそ許された小さな我儘でしょう。

  瑛太・・・父親と母の3人暮らし

  美緒・・・父、母、姉の4人暮らし。

瑛太と美緒は一般激なサラリーマンの家庭。三菱村の土地柄、三菱系の社員かな。比較的裕福な家庭と思われる。

  依子・・・家族構成は不詳

家族がしっかりと描かれている作品は名作が多い。この作品は、本当に家族が良く登場しますが、その背景設定もしっかりしていて、登場人物の人格設定にしっかりと繋がっている事が素晴らしい。

 

3) 担任がイイ

フランクだけど、生徒をしっかり見ている担任の「ゲンさん」が最高。多くの教師が彼を見習うべき。

 

以上の理由から、文科省にはこの作品を「文科省課題アニメ」に指定する事を強く願う。

「あ~、冬休みの間に『JUST BECASE!』を観ておくように。休み明けに感想を聞くから、早回しで観るなよー!」って先生が言う所を想像してニヤニヤしてしまう。

 

・・・ああ、文章を書いていたら又観たくなったので、もう一回観よう!何回観ても発見と驚きがあるから。

ちなみに今期アニメは『もういっぽん!』一択。異論は認めず!


米国債金利の10年を振り返る

2023-02-15 02:47:27 | 時事/金融危機

 

■ 米国債金利から振り返る世界の10年 ■

皆さんお久しぶりです。

巷でも「金融緩和バブルの崩壊は時間の問題」と言う人が多い昨今、「バブルが崩壊するぞ」などと書いても面白く無いので、こういう時はノンビリと米国債金利から、最近の10年間の世界を振り返ってみたいと思います。

 

■ 2018年に崩壊していたかも知れない金融緩和バブル ■

2008年9月にリーマンショックが起き、その後、各国中央銀行は大規模な金融緩和(量的緩和)に踏み切ります。大量に供給される資金を元に資産市場は右肩上がりに拡大します。「リーマンショックバブル(金融緩和バブル)」です。

「バブル崩壊10年周期説」の例に漏れず、リーマンショックから10年経った2018年に金融緩和バブルは崩壊の危機に晒されました。実はこの危機に気付いていた人は市場関係者だけだと思います。

FRBは2015年末から利上げに踏み切りますが、2019年1月に利下げに追い込まれました。実は2018年頃から資産市場の下落が始まており、2018年の前半はジャンク債市場などは酷い事になっています。FRBは金融緩和バブル崩壊を防ぐ為に利下げを決定する前に、MBSの買い入れを再開するなど市場への資金供給を増やしました。量的緩和の再開です。米国債金利は2018年10月をピークに金利が下がっています。FRBの資金供給量を見る指標としてはFRBの金利よりも米国債金利の方がリニアに反応して分かり易い。

 

■ 市場の救世主「新型コロナウィルス」 ■

FRBの利下げは2019年10月で一旦停止します。この時、米国債金利も上昇に転じています。2019年の12月に武漢で新型コロナウイルスが発生し、2020年の始めからは世界がコロナ危機に陥り始めます。ロックダウンが各国で実施される中、2020年3月にFRBを始め各国中央銀行は無制限の金融緩和を宣言し、短期間の内に大量の資金を放出しました。

実はFRBの利下げ停止によって米国債金利がジワジワと上昇に転じていたのですが、コロナ緩和によって一気に金利は低下しています。米国債金利の金利上昇局面では、ジャンク債市場や株式市場にも下落圧力が掛かっていますから、コロナ危機が発生しなければ、金融緩和バブルは終焉していたと私は妄想しています。

尤も、コロナ危機はバブル崩壊を防ぐ為に仕掛けられた?のでは無く、グレートリセットの一環として最初から計画されていたと私は妄想しています。副作用としてコロナバブルで市場は「噴き上がって」いまが、これはバブル崩壊とその破壊力は増したとも言えます。

 

■ インフレを発動させたウクライナ侵攻と、中国のゼロコロナ ■

私などはバブルの崩壊を予測する度に外して来ましたが、その原因はなかなかインフレ率が高まらない事にありました。インフレ率が低い間は、市場に黄色信号が灯ると、中央銀行が利下げや緩和拡大で市場を救う事が出来ます。しかし、コロナによるサプライチェーンの寸断と、ウクライナ危機による原油・ガス価格の高騰でこの環境が一変します。成長の限界によって(実は金融緩和によって)久しく起こっていなかったインフレが世界中で発生します。

原油価格についてはウクライナ危機の前から上昇していたとの指摘もありますが、これはコロナバブルの過剰流動性が流入した為とも考えられます。FRBがコロナ緩和の縮小を初めていたので、資金がコモディティーに逃避し始めていた。そこで、ウクライナ危機が始まったので過剰流動性は一気に原油市場に流入した。

 

■ 市場に取り残された資金 ■

最近は米国債金利は4%台に接近しています。これはアメリカの高インフレを反映したものですが、ジャンク債市場や、社債市場はこれから金利上昇(価格低下)で不安定になります。(既に昨年辺りはジャンク債市場は大荒れでしたが)

テスラを始めとする米ハイテク株も大幅に下落しましたが、社債の発行コストが上昇したので「自社株買い」で株価を支える事が不可能になった事も要因です。

バブル末期は市場は乱高下するので、短期的には社債市場も株式市場も盛り返す曲面もありますが、最後は崩壊で終わる事は約束されています。今市場で運用されている資金は「逃げ場の無い資金」です。庶民の資金を原資にしたファンドや、年金資金、そして「損を取り戻そう」とする個人投資家の資金が市場に取り残されています。

 

■ インフレ率は低下するか? ■

市場のもっぱらの関心事は、「インフレはいつまで継続するのか?=利上げはいつまで続くのか?」でしょう。ロシアはウクライナ侵攻をじっくりと進めています(意図的に)。エネルギー市場の逼迫は当分続きます。

アメリカは無根拠な中国敵視をエスカレートさせ、中国とのデカップリングを進めています。これもインフレ要因です。トランプ時代から米中デカップリングを模索していますが、アメリカの対中貿易額は一向に減りません。これでは戦争を始めた途端に、中国からの輸入が途絶えてアメリカは干上がってしまいます。日本も同様です。アメリカ・オランダ・日本は半導体製造装置の対中輸出を禁止しましたが、中国圏を除く地域での半導体供給体制に目途が立ったのでしょう。

世界の工場として安価な製品の供給源となっている中国とデカップリングを続けてる限り、インフレ率の上昇は留まる所を知りません。今までは「エネルギーコスト」がインフレの要因でしたが、これからは「中国とのデカップリング」がインフレをさらに押し上げる。

こう考えると市場に希望はあまり無い様に思います。

 

■ 最期は戦争でウヤムヤにして来た世界 ■

メディアが対中脅威論を煽るので、日本人の多くが「中国やロシアと戦争になるかも知れない」と漠然と考えています。しかし、どれだけの人が、日本と中国が本当に戦闘する状況を想定して、投資や生活設計をしているでしょうか?

「対中戦争」などというのはテールリスク同様に発生確率は非常に低く、故にこれを恐れていては投資も生活設計も成り立たないと考えるのが普通です。例えば自衛隊基地がある地域に住んでいる人が、中国からのミサイル攻撃を想定して引っ越すでしょうか・・・。答えはNOです。

ところが、台湾や尖閣で日中が戦争状態に入れば、一瞬にして状況は一変します。ウクライナ同様に日本のどの自衛隊基地にミサイルが飛来しても不思議では無くなるのです。この様な状況で、人々がテーマーパークに遊びに行く事はありませんし、デパートで高級品を買う事も無いでしょう。「戦時体制」になるのですから、当たり前です。

当然「緊急事態条項」が適用され、ブログで妄想をまき散らす事も出来なくなりますし、反政府行動も制限されます。

この様に一度戦争が始まれば、投資環境どころか、生活の全てが一変してしまいます。例えリーマンショック以降の金融緩和バブルが崩壊しようが、人々は「戦争なのだから仕方が無い」と諦める。こうして、「経済の袋小路」は戦争によって打破されて来た(失敗をウヤムヤにされるとも言う)・・・これが世界の歴史。

 

コロナを巡る一連の流れから、私は「世界の経営者はパナイ」という印象を新にしました。目的遂行の為ならば、彼らは手段を選ばないでしょう。例えそれが戦争であっても。

 

私は最近「AI失業」を怖いと考えていましたが、それより先に「戦争」の心配をした方が良いかと真剣に悩んでいます。コロナワクチンを接種された方は「ワクチン戦争」の渦中にある訳ですが・・・。米国債金利の話から、飛躍してしまいました・・・。