人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

米商業不動産市場に注意…足元から崩れる危機

2024-02-06 06:23:19 | 時事/金融危機

🔳 米商業不動産市場の悪化 🔳

ニューヨークの地方銀行のニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)の株が急落するなど、銀行危機の第二幕が始まった様です。シリコンバレー銀行の破綻は米国債の下落による含み損の急拡大でしたが、今度は米商業不動産市場向け融資の不良債権化が原因で、日本のバブル崩壊に似ています。

アメリカはコロナ以降、オフィスの空室率が高止まりし、商業不動産関連のデベロッパーが危機に陥っています。地方銀行の多くはこの様な企業に融資していますが、借り換え金利の上昇で融資が焦げ付く可能性が出てきた。また商業不動産関連の債券も下落して、多額の含み損が出ています。

アメリカの地方銀行の多くが、ニューヨーク・コミュニティー・バンコープ(NYCB)同様のリスクを抱えているので、アメリカの地方銀行の破綻がコレから続く可能性が高くなります。

🔳 機器は米国限定では無い 🔳

米商業不動産市場の下落は、日本や他国の銀行にも影響を与えています。ドイツ銀行は融資に占める米不動産向けが1.5%有り、ここでの損失が拡大しています。

日本のあおぞら銀行も、3月期の最終赤字を発表ぢていますが、米金利上昇による有価証券の含み損の拡大と、米商業不動産向け融資の貸し倒れ引当金を上積みした事が原因となっています。

ドイツ銀行やあおぞら銀行に限らず、世界中の銀行が同様のリスクを抱えています。米商業不動のデベロッパーの破綻が連続すると、不良債権が大量に発生します。コレらの融資は債券化れて世界中にばら撒かれていますから、リーマンショック同様の危機が発生する可能性も有ります。

 

🔳 借り換え金利の上昇がジワジワと首を絞める 🔳

米商業不動産関連のデベロッパーは、空室率の増大と同時に、借り換え金利の上昇に苦しめられています。FRBは利下げに慎重ですが、多少の利下げは焼石に水でしょう。日銀が金利を必死に上げずに「最後の貸し手」の様になっていますが、日人の利上げは国内だけで無く、海外の市場にも大きな影響を与えるはずです。

 

🔳 ネガティブな価格上昇に浮かれる市場 🔳

BRICSを始めとした非西洋諸国が、元や自国通貨決済を拡大する事で、ドルの実需が低下して、余ったドルは資産市場に流入しています。米株や日本株などが値上がりしているのは、このようなドルや、債券市場から逃避したドルがが流入している事が原因ですが、コレはネガティブな価格上昇と言えます。

 

🔳 足元から崩れる危機? 🔳

米商業不動産市場は、どこかでサブプライム危機と同様の崩壊を起こしますが、コレをトリガーとして銀行危機が連鎖すると、バブル崩壊が起きるリスクが高まります。

リーマンショックは、レバレッジを掛けまくったヘッジファンドの破綻によって危機が急拡大しました。コレはピラミッドが上から崩壊する様な危機でした。

しかし、今度の危機は地方銀行や中小の金融機関の破綻の連鎖によって、地域経済が足元から崩れる様な危機になるかも知れません。

リーマンショックの反省から世界は高いレバレッジなどの過大なリスクを避けて来ましたが、一方で金融緩和の長期化は、あらゆる所にリスクをこっそりと仕込む結果となった。米国債の様な「安全資産」が原因となってシリコンバレー銀行が破綻した様に、健全な融資や投資が危機の引き金になるのが、金融緩和バブル崩壊の特徴でしょう。黒い白鳥では無く、灰色の白鳥が湖に突然群れを成して出現すると私は予想します。

追記

リーマンショックは「金持ちバブルの崩壊」が実態経済に影響を及ぼし増したが、地銀や中小の金融機関が破綻する危機が発生すると、地域経済が崩壊します。拓銀の破綻が北海道経済の悪化に大きく影響した様に、日本の地銀に危機が広がれば、中小企業の倒産が拡大して、失業者も増えます。

金融緩和というぬるま湯に長い間浸っていた日本ですが、そろそろ本気でリスクと向き合う時期が来た様です。


テキサス州の事実上の独立宣言…アメリカ内戦?

2024-01-29 09:58:26 | 時事/金融危機

🔳 テキサス州知事とバイデン政権の対立 🔳

11月のアメリカの大統領選挙の最大の争点は「不法移民問題」ですが、不法移民に寛容なバイデン政権とテキサス州のアボット知事との間でバトルが繰り広げられています。

バイデン政権は「不法移民」という言葉も禁じて「書類の無い移民」と言い換えるなど、不法移民問題を野放しにして来ました。メキシコと国境を接する州では大量の不法移民が流入して、移民に厳しいテキサス州などは、彼らをバスに載せて、不法移民を取り締まらないカリフォルニア州やニューヨーク州に送り込むというイヤガラセで対抗していた。

テキサス州のアボット知事は、2021年にバイデン政権が発足して以来、不法移民を取り締まらない国境警備隊に変わり、州軍を国境警備に当たらせ、国境に有刺鉄線を張り巡らせました。45万人の不法移民を摘発し、大量の麻薬を押収しています。

コレに対してバイデンは、州軍を撤退して有刺鉄線を撤去する事の合法性を裁判所に問いました。そして1/22に連邦最高裁は有刺鉄線撤去を合法とする判決を下し、撤去を命令します。

この決定に対してテキサス州知事は「バイデン政権が移民を野放しにし、又、国境を超えてメキシコから麻薬が大量に流入している事は、合衆国の安全を損なっている」とし「テキサスは侵略されている」と宣言。侵略に対する「防衛」を正当化する為に、州の憲法を発動し、侵略時には連邦法より州の憲法が優先するとして、州軍の配備を正当化しています。

コレは半ばテキサス州の独立宣言にも等しい。

テキサスは南北戦争に敗れて合衆国に統合されましたが、独立心が旺盛な州として知られています。かつては住民投票が一票差で独立が否定された事もある。経済規模もテキサスが国家ならば世界第8位のGDPを誇っている。そして全米の大企業の本社が多い事でも有名。

南軍だった諸州は合衆国憲法を「協定」と読んでおり、約束が果たされ無ければ協定は破棄される(独立)という認識を持っています。アメリカの南部諸州には、今でも連邦政府への加盟を面白く思わない独立派(リバタリアン)が多く残っています。

 

🔳 25人の州知事がテキサス州を支持🔳

テキサス州の行動に、トランプが「全州がテキサスに州兵を派遣すべきだ」と発信し、25州の知事達がテキサス州知事を支持すると連盟で表明します。

更に11の州が「州兵を派遣する用意がある」と表明して、アメリカは現在、不正移民を目ぎり真っ二つに分断されました。

 

🔳アメリカ 内戦 でネットには情報が錯綜 🔳

現在「アメリカ 内戦」と検索すると

「下記の検索結果は、急速に変化しています。このトピックが新しいトピックである場合は、信頼できる提供元が情報を公開するまでに時間がかかることがあります。」

というメッセージが表示され、ネットではこの情報が急速に広がっている事が伺えます。

 

🔳 大統領選挙を左右する可能性 🔳

11月のアメリカの大統領選挙はトランプとバイデンの戦いになりそうですが、コレに水を差す動きも出始めています。

コロラド州の裁判所は、「トランプの名前を投票用紙に記載してはいけない」という事実上、トランプの被選挙権を剥奪する判決を下しました。他に10州程度で同様な裁判が進行中の様です。

現在コロラド州の判決が合憲かどうか連邦裁判所で審議が行われている様で、コレが合憲とされた場合、追随する州も現れてトランプ支持者の怒りが爆発するでしょう。

 

普通に考えれば「トランプを選挙から排除」するという露骨な手は民主主義のアメリカでは否定されますが、今回のテキサス州の問題で、「トランプが内戦を煽っている」と裁判所が判断した場合、トランプ排除の可能性もゼロでは無い。

 

🔳 ちらつくダボスの影 🔳

テキサス州知事とトランプは仲が良く、今回のアボット知事の行動は、選挙戦で不法移民問題を最大の争点にする戦略と見る人も多い様です。

しかしアボット州知事がダボス会議のメンバーであるとの情報も流れており(真偽は不明)、その場合は、バイデン、アボット、トランプのプロレスで、アメリカを内戦に誘導していると考える事も可能です。(私は元々、トランプはアメリカの分断の為の仕掛けだと考えています。)

今の所、日本ではトランプが女性問題の裁判で莫大な賠償金を言い渡された事が報道されていて、テキサスの問題は最高裁判所が州軍の撤退を命令したという控えめな報道がされるのみです。

 

🔳 飛び交う噂 🔳

ネットでは「トラック70万台がテキサス州に向かっている」とか「連邦軍の装甲車が列車に乗せられてテキサス方面に移動中」など、真偽の分からない情報が錯綜しています。

ダウも日経平均も全く反応していないので、市場はこの問題をリスクとは捉えていない様です。

 

果たして、「テキサス州知事の反乱」は、選挙に向けたパフォーマンスなのか、それとも「アメリカの内戦」の始まりなのか?久々に陰謀脳が喜ぶニュースだったので、記事にしてみました。

 

ウクライナ以降、陰謀論的には「出来レース」感が強い事ばかり起こるので、ブログもサボリ気味でしたが、今年はアメリカの大統領選挙が大荒れになると予想されるので、振り落とされない様に情報を集めて行きたいと思います。

 


「やり過ぎ」のハマスとイスラエル・・・その目的を妄想する

2023-11-07 04:30:40 | 時事/金融危機

共同通信 より

■ ハマスもイスラエルも不自然にやり過ぎじゃねぇ? ■

ハマスのイスラエル攻撃に端を発した、イスラエル軍のガザ侵攻ですが、地上部隊も投入され、「皆殺し」や「民族浄化」の状況になっています。アラブ各国を始め、西側を除く多くの国がイスラエルを非難し、西側でも一般市民からは批判が高まっています。

陰謀論的には、「イスラエルが影で操るハマスが大規模な先制攻撃を仕掛け、その仕返しにイスラエルがガザに進行して、ガザ地区を制圧する」といのが一般的?な見方となっています。イスラエルの目的は海底ガス田(油田)と運河とも言われています。

しかし、今回の大規模攻撃の応酬は、不自然さが付きまといます。ハマスはこれまでもイスラエルに散発的にロケット弾を撃ち込むなど、イヤガラセを繰り返していましたが、ロケット弾を大量に一気に発射して迎撃システムを無効化する様な飽和攻撃を避ける事で、イスラエル側の被害を最小限に抑えていました。いわば、攻撃はパフォーマンスだった。イスラエルが、空爆などで10倍返しをして紛争は一段落していた。

ところが、今回ハマスは、大量のロケット弾の飽和攻撃で、確実にイスラエル人の被害を狙い、且つ、壁を越えイスラエル領内に直接攻撃、多くの人質を取りました。これは明らかに「やり過ぎ」で「自滅的」な行為です。

一方で、イスラエルの反撃も「やり過ぎ感」が強い。地上部隊の投入は予測されていた事とは言え、女性や子供達が多数残っている状況で、ビルを破壊しまくり、犠牲者を不必要に増やしています。名目は「ハマスの拠点を叩く」事としていますが、明らかに殲滅戦を仕掛けています。当然、民間人の犠牲者が増えれば、周辺のアラブ諸国を不必要に刺激し、国際世論も敵に回します。「空気を読まない事で有名」なイスラエルですから、目的の為に手段を選ばないと言えばそれまでですが、その目的が「油田利権の確保」だとしたら、もっと平和的な方法でも達成可能で、不必要に周辺アラブ諸国を煽る必要はありません。あきらかに目的を持ってやり過ぎている・・・。

 

■ 中東戦争、或いは第三次世界大戦のトリガー役を演じるハマスとイスラエル ■

世間的にはハマスの攻撃に対するイスラエルの報復という図式ですが、ハマスは元々、パレスチナの主流派だったアラファト議長率いるファハタに対抗する為にイスラエルが支援して作った組織と言われています。今回のハマスの攻撃で使用されたロケット弾はアメリカ製で、ウクライナに送られた物が闇ルートでハマスに流されたと噂されています。

又、世界最高の情報網を持ち、ハマスにも浸透するイスラエルの情報機関(モサド)が、大規模攻撃を事前に察知していない訳がありません。エジプト政府もアメリカ政府も、ハマスの大規模攻撃の可能性をイスラエル政府に伝えていましたが、イスラエル政府はこれを無視します。

ハマスが壁を越えてイスラエル領内に入り、攻撃を初めてから、イスラエル軍が到着するまでの時間も不自然に長い。壁を壊してハマスがイスラエルに侵入した時点で、イスラエル軍は航空部隊を出動させ初期の対応に当たるべきですが、これを行っていません。要は、ハマスの攻撃時間をイスラエル軍はあえて与えていた。

イスラエルの目的としては、ガザ侵攻の大義名分の為に、敢えてイスラエル国民の被害を拡大したとも思えますが、ガザへの大規模侵攻は周辺アラブ諸国を刺激して、中東戦争に発展するリスクが高い。アメリカが空母機動部隊を地中海に入れて、イランやその他の国を牽制していますが、仮にイランがイスラエルを攻撃して、これに対してアメリカがイランに直接攻撃を加えたら、ロシアと中国がイランに加勢せざるを得なくなります。これを見逃すと、ロシアや中国は中東利権の橋頭保を失うからです。

陰謀脳の私からは、今回のハマスとイスラエルの一連の軍事行動は、イスラエルがイランを始めとした中東諸国を挑発している様にしか見えません。一方で、イランもサウジアラビアもトルコも、この挑発に安易に乗りません。口喧嘩レベルで留めています。イスラエルがイランやサウジアラビアに直接ミサイルを撃ち込まない限り、中東戦争に発展する事は無さそうですが、イスラエルの行動は予測不能です。

■ 中東の不安定化の為に作られた国家 ■

そもそもイスラエルという国家自体が、欧米諸国が中東利権を維持する為に建設した国家です。

表向きの目的ははユダヤの地の奪還(シオニズム)ですが、ロスチャイルドなどがこれを利用して、中東地域の火種としてイスラエルを利用している事は、イスラエル建国からの中東情勢を見ていれば明らかです。

ロスチャイルドはイギリス政府に戦費を貸す代わりに、イスラエル建国の約束を取り付けますが、国土だけあっても国民が居なければ国家は成立しません。そこで、ヒットラーがユダヤ人を弾圧して、ヨーロッパで豊に暮らしていた彼らの財産を奪い、収容所に連れ去って、ユダヤ人のヨーロッパでも生活基盤を破壊します。戦後、ユダヤ人の多くが、イスラエルに移住せざるを得なかった。ちなみにナチスドイツの資金援助をしていたのはアメリカの銀行です。

■ いつまでアラブ諸国は我慢できるのか? ■

エルドアンの演説の動画がネットに上っていますが、アラブ諸国の首脳達は、口ではイスラエルを非難しますが、今の所、積極的にイスラエルに戦闘を挑む気配は有りません。むしろ、政権の指示向上の為に、イスラエルを「口撃」している様に見える。

しかし、彼らとて国民の非難が自分達に向かえば、行動をせざるを得なくなります。今はイスラエルを非難している群衆が、弱腰の政府を批判する様になると、アラブ諸国も何等かの攻撃をイスラエルに加える可能性がある。これにイスラエルが10倍返しで反撃したら、中東戦争は避けられない。

■ 中東戦争になれば、イスラエルが地図から消え、アメリカが中東から撤退する ■

キッシンジャーは2012年頃に、「10年後頃にはイスラエルが地図から消える」と周囲に話していたそうですが、まさに今の状況がそのイベントなのかも知れません。

ハマスの攻撃に端を発する、非常に不自然な今回の紛争ですが、「計画されていたもの」ならば、今後の展開は、中東戦争へと進むでしょう。アメリカ軍が、アラブ諸国に攻撃を加えたら、BRICS諸国がアメリカ国債に攻撃を掛けるでしょう。同時に中東有事で原油価格が爆上げすれば、世界のインフレ率は爆上げで、コロナバブルが大崩壊します。

事、そうなれば、アメリカは戦争継続が不可能になります。中東からアメリカ軍が尻尾を巻いて撤退する日が来るかも知れません。そうなると、イスラエルが地図から消える可能性も無くは無い。そうならない為に、イスラエルはサウジアラビアと関係改善をは図っていましたが、今回のガザ侵攻で、イスラエルとアラブ諸国の共存は難しくなった。

はたして、世界の経営者は、中東をどうしたいのか?アメリカをどうしたいのか・・・・・

 


世界大戦は「リセット」を容易に達成させる….「戦時下」と言う最強カード

2023-10-17 13:15:47 | 時事/金融危機

◾️安い労働力を提供する移民 ◾️

先の記事で楽譜さんが紹介して下さった様に、アメリカの治安悪化はひどい。資本主義の帰結として貧富の差は避けられません。特に「自己責任社会」のアメリカは顕著。先進国の中に途上国を抱え込んでいるのがアメリカですが、国内の貧しい人たちは安い労働力としては魅力的なです。

ヨーロッパは移民にもある程度の社会保障を提供するので貧困化した移民は社会の重荷になります。中東やアフリカで絶えず紛争が起きるのは、移民を生み出す為と私は妄想していますが、企業は安い労働力の恩恵だけ受けて、移民のコストは国家に付け替えている。まあ、法人税や社会保障のコストも負担しているので丸投げというのは語弊があるかも知れません。

日本は国連の基準に則れば世界4番目の移民大国ですが、「研修生」「留学生」と言った「すり替え」で、移民の定住を制限しているので、「ズルい」と海外から言われますが、移民の安い労働力はヨーロッパ同様に一部の国民の仕事を奪ったり、賃金上昇を阻むので、これらの人達の社会的コストが増大します。

 

◾️戦後システムが限界に達した西側世界 ◾️

先進国は様々な制度疲労を抱え、高齢化によってどの国の財政も日本同様に悪化して行きます。人口や消費に頼る社会は、限界を迎えているので「リセット」が計画されてるのでしょうが、リセット後の世界がなかなか見えてこない。

 

◾️「封建社会2.0」と言うよりは「スマートなファシズム」◾️

一説には「封建的な世界」にななるとも言われていますが、これは「資産保有を限定」すると言う意味ならば、社会主義に近い。さらに「国家資産の最適化」と捉えるならば「統制主義=ファシズム」と呼ぶ方が相応しいかも知れない。ファシズムを独裁と勘違いしている方が多いが、一部のす優れた人達が国家を正しく管理すると言うのがファシズムの本質。「AIという統治者を戴くファシズムは」、SF小説が何度も描いてきた未来です。

ソ連など旧社会主義の失敗を踏まえ、ある程度の格差を残して、ランクアップを向上心維持に利用するならば、チラホラと噂される国民のランク分けは有効かも知れません。ベーシックインカムと、電子マネーによる徴税を組み合わせれば、コンパクトな行政システムを構築出来ます。

旧共産圏の失敗は、強権と監視によって国民を管理したので国民の不満が高まった事も原因です。そこで、デジタル監視と国民のランクを結び付けると、人々はランクアップする為、あるいはランクダウンを防ぐ為に、自発的に国家の方針に従う様になります。それを如何にソフトにスマートに実行するかが成功のカギですが、メディアで洗脳すれば難しい事では無いでしょう。

 

◾️国家資産の最適化の為に資産保有を制限する?◾️

尤現在の資産を手放すとなると国民は反発します。

預金は通貨の崩壊で無価値化すれば簡単に資産を国家が接収できますが、不動産などの保有の放棄は難しい。そこで、新しいデジタル通貨と引き換えに国が資産を国有化してゆくと言う方法もあり得る。

国民ランクによって資産保有に制限を掛ける方法もあるでしょう。

◾️社会の大変革に戦争は便利◾️

いずれにしても、世界の経営者は、新しい社会システムを既にデザインしていると思われるので、それを「実験」する国家では、既存の社会システムが一回、完全に破壊されます。

その破壊に最も有効なのが戦争です。非常事態宣言や戒厳令など、戦争を口実に、国家の強権を行使した改革を強行する事が可能です。

何故、今イスラエルで戦争?が起き、下手をするとイランの参戦で世界大戦に発展する事態になっているのか…「.ハマスとパレスチナ人の我慢が限界に達した」などという説明で納得しては危険です。


ガザ紛争はヨーロッパへの兵糧攻めか?・・・ガザ沖のガス田

2023-10-16 06:29:44 | 時事/金融危機

東地中海ガス田の行方―欧州向けガス輸出ルートの可能性と課題―より

 

■ イスラエル沖のガス田からエジプトへのガス供給が絶たれた ■

今回のハマスの大規模なイスラエル攻撃と、それを受けたイスラエルのガザ地区への反撃は、イスラエル沖のカリシュ・ガス田からエジプトを経由したヨーロッパへの天然ガスの輸出に影響を与えます。カリシュ・ガス田の権益は、イスラエルとレバノンの間で争われています(一応、話し合いで)。

現在、イスラエルが米シェブロンのカリシュ・ガス田の操業許可を与えて、採掘船が創業を開始しています。ここで採掘されたガスは、パイプラインでガザを経由してエジプトに運ばれ、エジプトのLNG工場で液化された後、ヨーロッパに輸出される計画でした。エジプトは地中海沿岸のガス供給のハブ国を目指して、地中海地域で唯一のLNP工場を建設して、ヨーロッパへの輸出を計画しています。しかし、ガザ沖を通るパイプラインの安全が確保出来なくなったので、計画を変更してヨルダンを経由するを検討している。

今回の戦闘で、イスラエル政府は安全が確保出来ないとして、シェブロンに創業停止命令を出しています。これでイスラエル政府やエジプト政府が目論んでいた、ヨーロッパへの天然ガスの輸出で一儲けという計画が、しばらく中断します。

 

■ ハマスを排除して、海底油田を開発? ■

イスラエルはガザへの地上攻撃に先立ち、ガザ地区の北部からの住民の退去を呼び掛けています。ガザ北部の沖合には別の海底油田が有ります。ここはイスラエルに近いので、明らかにイスラエルの権益となります。ただ、パレスチナ自治政府も当然権利を主張しています。

今回のハマスの攻撃とそれを受けたイスラエルのガザ攻撃を、「イスラエル政府がハマスを裏で操って、ガザ北部からパレスチナ人を追い出して、ガス田の権利をイスラエルが一人占めるするものだ」との憶測が出ています。イスラエルが「わざわざ」ガザ北部からのパレスチナ人の退去を要求している事から、素直に考えればこの読みは正しいかも知れません。ガザ沖の油田からヨルダンへのパイプラインはガザ北部の近くを通っているので、ハマスがこれを攻撃する可能性は否定できない。

 

■ 短期的にはヨーロッパへのガスの供給を絶つ ■

私は、もう少し穿った妄想をしています。短期的にではあれ、創業が開始されようとしていたカリシュ油田の操業を止める事で、ヨーロッパ諸国はガスの供給先の一つを失います。ウクライナ戦争以降、米英は裏で、ヨーロッパへのエネルギーの兵糧攻めを画策している様に見えるます。ロシアからドイツにガスを供給するノードストリーム1,2の破壊の背後には米英の影が色濃くチラつく。

但し、カリシュ油田の操業停止が、国際世論や中東諸国を敵に回してのガザ侵攻と吊りあうかと言えば・・疑問です。長期的に見れば、ガス田やパイプラインからハマスを遠ざける目的と考える方が自然です。

 

■ イスラエルの地上侵攻をイランは見逃すのか ■

イスラエルは期限を切ってガザ北部から住民の退去を宣告しています。今の所、期限を過ぎても地上戦力を投入していませんが、退去が完了する前に地上戦力を動かすと、ガザ地区の一般人の被害が拡大するので、中東諸国を必要以上に刺激します。イスラエルとしては「ハマスとの戦闘」に限定する為にも、一般人の非難完了を待つ必要があります。

アメリカは完全にイスラエルを支持して、空母を地中海に配備しています。流石に直接戦闘に参加する事な無いと思いますが、イランへの圧力にはなります。イスラエルのガス田で操業するのは、アメリカの石油大手となるでしょうから、ここはイスラエル政府を前面バックアップです。G7では日本とカナダを除く5か国がイスラエル支援を明確にしています。ここら辺にも利権の影がチラつく。

問題はイランがイスラエルのガザ地区の侵攻にどう反応するかですが、ヨルダンのヒズボラがイスラエルを攻撃しして、ハマスを支援するでしょう。ヒズボラの後ろにはイランが着いています。しかし、イランが直接イスラエル軍と衝突したら、イスラエルやアメリカのイラン攻撃の口実を与える様なものなので、イランは動きが取れない。

イランがイスラエルやアメリカやNATOに攻撃されたら、中露は黙って観ている訳には行きません。中国はイランとの関係が深く、そこを起点に中東の石油利権に喰い入っていますし、ロシアとしても、関係の深いイランを見殺しにしたら、面目が立ちません。さらにドサクサに紛れてシリアを攻撃されて、租借してるシリアの軍港を失うのは戦略的な損失が大きい。

イランの参戦は、第5次中東戦争や、第三次世界大戦の引き金を引きかねないので、無いのでは無いかと・・・・。但し、イランが参戦するかも知れないと考えられるだけで、原油価格は上昇します。私はイランが口先でイスラエルを「口撃」して、中東の緊張を高めると妄想しています。イランはそういう役回りなのだと。

■ 対岸の火事では済まされない西側諸国 ■

アメリカを始め、ヨーロッパ諸国や日本では、中東は対岸の火事の様で、人々の議論は「人道的」な内容に終始しがちです。「今回はハマスが先に手を出したけど、イスラエルもガザ地区の住人を殺すだろうから、双方が悪い」という不毛な議論を繰り返すでしょう。

しかし、原油価格次第では、西側諸国のインフレ率はさらに上昇して、金利の上昇はバブルの息を止め、米国債金利の上昇は、米地銀を危機的な状況に追い込みます。実はガザ地区の紛争で尻に火が着くのは、西側諸国の可能性が高いと私は妄想しています。

問題は、バブルが崩壊して経済が大混乱に陥った時に、戦争が起こされて、全てがウヤムヤにされるケースです。世界大恐慌の後の、第二次世界大戦の様に、「強引なリセット」が計画されていないとも限りません。核兵器を保有する世界で、核保有国同士の戦争は、基本的には起こらないハズですが・・・フォークランド戦争の様に、イギリスは意外に血の気が多い。自分の得物に手を出されるとマジ切れします。