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温暖化対策の効果はどのくらい?

2009-06-15 13:10:00 | 温暖化問題


金融危機と地球温暖化は、全く逆の構造をしていて興味深いものがあります。
微細な数値の変動を、希望的に解釈して「危機の終焉」を演出する金融危機。
一方、微細なデータの変動を最大限に拡大して「危機を煽る」温暖化問題。

いずれにしても、データを正しく検証し、
一人一人が自分なりの展望を持つ事が、必要になります。
例えば、温暖化対策に社運を賭けていたら、
「温暖化は実はウソだたんです」なんてなったら困ります。

尤も、国家的ウソはばれません。
誰も責任も取らずに、いつしかフェード・アウトしていきます。

■ 世界の平均気温が低下しているって本当? ■


先日も取り上げた「世界の平均気温が低下している」という件、
確認の為に気象庁のホームページからグラフを拝借しました。





http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/an_wld.html

確かにここ3年程、世界の気温は低下傾向にあるようです。
下図の日本の平均気温は、昨年こそ低下していますが、
バラ付きが大きく、これだけでは「下がっている」と断言出来ません。

それはそうと、世界の平均気温が比較的スムースに推移しているのに対し
日本の気温変動は、かなりバラツキが目立ちます。
ちなみに、日本の観測点下記の理由から、17都市のデータの平均です。

  「1898年以降観測を継続している気象観測所の中から、
   都市化による影響が少なく、特定の地域に偏らないように
   選定された以下の17地点の月平均気温データ。」

   網走,根室,寿都(すっつ),山形,石巻,伏木(高岡市)
   長野,水戸,飯田,銚子,境,浜田,彦根,宮崎,多度津
   名瀬,石垣島


結局、日本程度のスケールで平均しても、
局地的バラツキを補正出来ないという事ですね。

■ 世界の平均気温の求め方 ■




それでは、世界の平均気温はどのどのように求めているのでしょうか?
詳しくは気象庁のホームページにお任せしますが、
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/temp/clc_wld.html

上図のように、世界各地の測定点と、
下図の海洋上の測定点を用い、
それぞれ緯度・経度の5度毎のグリットの中の数値を平均化したものだそうです。
測定点の多いヨーロッパも、測定点の少ないシベリアも、
5度毎のグリット同士は、同じウェイトで計算されます。
(一部、測定点のバラツキを問題視する向きもありますが、
 精度はともあれ、データの重さとしての関係は平等だと思います。)

さて、この様に測定・算出された5度毎グリットのデータ平均が、
世界の平均気温と言われるものです。

測定点毎のデータを見ると、
温暖化が決して全地球規模では起きていない事が確認出来ます。
地域的バラツキを平均化すると、
「地球は温暖化していると」結論付けられるようです。


だからと言って、「今年も東京は暑いね、温暖化だからね。」って会話はダメ。
すっかり時候の挨拶となってしまった「温暖化」ですが、
温暖化は全地球レベルの話で、
東京の気温だけ切り取って温暖化しているかどうかは判断出来ません。
東京が暑いのは、ヒートアイランド現象の影響の方が大です。


■ 温暖化が収束して寒冷化に向かっているのか? ■

ここ、3年の世界の平均気温が低下に転じても、
全体としての温暖化の傾向は、依然継続すると思います。
千年来続いた温暖化のダイナミックな動きが、寒冷化に向かうのは、
金融危機が収束して、世界景気が上向くよりもレアな事象だと思います。



■ 二酸化炭素犯人説に対する疑念 ■



上のグラフはICCP(国連の「気候変動に関する政府間パネル)の
第4次報告書に掲載された中世以降の気温変動の資料です。
このグラフを見ると、世界の気温は持続的に上昇しています。
さらに、近年の上昇率は、産業革命以前よりも急激です。

グラフの黄色の網掛けは、中世の温暖期。
水色の網掛けは、近代の寒冷期です。(私が色を付けました)
グラフの上で、傾向は見えますが、
近年の温度変化に比べて、緩やかな変化である事が分かります。
これだけを見ると、「温暖化で大変な事になる」と思ってしまいます。



上の図は、氷河期以降の地球の温度推移です。
地球は10万年周期で、氷河期と間氷期を繰り返しています。
グラグの横軸の100が10万年を表します。

このグラフを見ると、現在は間氷期の最温暖期にさしかかる途中で、
気温が年々高くなる事は、地球のダイナミックな動きから、
何ら不思議な事象ではありません。

■ 気温が先か?二酸化炭素が先か ■



従来の温暖化の定説では、
「二酸化炭素の増大が気温を上昇させる」というものでした。
上図は、人為的に排出される二酸化炭素の推移です。
二酸化炭素の排出は産業革命以降コンスタントに増え続けています。

温暖化の犯人探しをした時に、
人為的に顕著に増えていて、温室効果を持つ物質が二酸化炭素だったので、
二酸化炭素は温暖化の犯人とそて急浮上してしまいました。



それでは、大気中の二酸化炭素濃度はどうでしょうか?
こちらは1976年以降の気温と二酸化炭素の相関図です。
微分値ですので、変異量の比較になります。
何と、二酸化炭素濃度は気温の変動から1~2年遅れて推移しています。



ちなみに上図は、海水温と二酸化炭素の関係。
気温よりも、さらに顕著な変異の相関を示しています。
海水温は気温の変異に、半年から一年先行して変異しています。

二酸化炭素は大量に海水に溶け込んでいます。
ご存知の様に、二酸化炭素は冷たい水には良く解けますが、
暖かい水には溶けにくくなり、気化してしまいます。
ですから、海水温度が上昇すれは、海水はより多くの二酸化炭素を放出します。

以上の事柄から
「気温上昇が二酸化炭素濃度の増減を決定する。」と言う事も出来ます。
むしろ、これらのグラフから逆の仮定は不可能に思えます。
 
(但し上のグラフは、変異量である事に注意が必要です。
 一貫して気温は上昇していますが、微分すると上昇は見えなくなります。
 変異量のみが抽出され、気温や海水温との相関が明らかになります。
 この手法自体、現在の景気回復の徴候探しに似ていなくもありません。
 失業者数は増大しているのに、失業率の増大が止まるという表現方法と類似。
 社会現象においては眉唾の解析方法ですが、
 自然科学では線形的な変異を取る数値には、意味を持った解析方法です。)
 

海水面と大気との二酸化炭素交換は、
気温、水温、大気中の二酸化炭素分圧で決定します。

気温・水温が高くなれば、二酸化炭素は海水に溶融されにくくなり、
海水から気体の二酸化炭素が放出されます。

一方、大気中の二酸化炭素濃度の高まりは、二酸化炭素の分圧を上昇させ、
海水への二酸化炭素の溶融量を増大させます。



上図での人為的に排出される二酸化炭素7Pgは、
気温上昇が二酸化炭素上昇に先行するという立場を取るならば、
温暖化や二酸化炭素濃度上昇による植物の吸収増を除けば、
人為起源の二酸化炭素は、ほぼ大気中に残存するはずです。
陸地から海へ二酸化炭素が到達した時には、
既に平衡状態が成り立ってしまっています。

但し、人為的な二酸化炭素と自然由来の二酸化炭素は
混ざりあえば区別が付きません。

「気温上昇と二酸化炭素排出の効果で、過去200年に、
 二酸化炭素濃度は280ppmから345ppmに増大した」事のみが事実です。

これら増大した二酸化炭素のうち、気温上昇による増加量を
全体から差し引けば、人為起源の二酸化炭素の増加量が求められます。
気温上昇による二酸化炭素の放出量を計算する事は、
さして難しい事とは思えません。
これさえ可能であれば、二酸化炭素の増加分の人為起源分を算出する事が出来ます。

■ 水蒸気の温室効果は二酸化炭素の2倍強 ■



上図は、気体分子の光の吸収を示しています。
温室効果ガスの寄与度としては、水蒸気が62%、二酸化炭素が26%です。

実は、意図的に隠蔽された感もありますが、
水蒸気の温室効果は、二酸化炭素の二倍以上あります。

■ 水蒸気も気温上昇によって増大する ■

ここで忘れてはならないのは、水蒸気量も気温上昇によって増大するという事。
最強の温室効果ガスも、気温変動の影響をモロに受けます。

仮に気温変化による二酸化炭素と水蒸気の増加比率が同じであるとすると、
水蒸気62%、二酸化炭素26%の温室効果寄与率は変化しません。

そこで、気温上昇に対する、人為的二酸化炭素の寄与率を仮に、
26%の半分、13%だとします。
(1/6とする説もあります)

■ 50年に2度気温が上昇するとすると ■

気温の上昇が、二酸化炭素の増加より先行するという仮説上では、
二酸化炭素の温室効果による温度上昇を議論する事自体が矛盾しますが、
仮に50年で2℃、気温が上昇したとします。

先の仮説から、人為起源の二酸化炭素の温室効果寄与度を13%とすると、
0.26度が、人の発生した二酸化炭素による温度上昇です。
(仮定の仮定で、かなり変になってきていますが)

先に日本政府案の様に全世界が15%の二酸化炭素を削減すると、
0.26℃のうち、0.039℃の気温を下げる事が出来ます。

仮に人為起因の二酸化炭素による温暖化寄与率が100%だとしても、
水蒸気がによる温室効果の寄与率の増大考慮する限り、
15%の二酸化炭素の削減は、0.078℃の温度抑制効果しかありません。

■ 0.039度にの改善に幾ら必要か ■

地球は宇宙空間に浮かぶ解放形の天体です。
地球に降り注ぐ太陽のエネルギーはほぼ100%、
宇宙に再放射されます。

この様な開放系で定常状態を破るには、
大きなバランスの変更が必要です。
地球と宇宙は太古の昔より、
この大きなバランスの変動を繰り返して来ました。

それに比べて、人為的に増加する、
あるいは人為的に削減出来る二酸化炭素の影響は、
あまりにも微細です。

しかし、この、「たった0.039度」の為に
世界は巨額な資金をつぎ込もうとしています。

あまりに大きなウソは、バレ難いとも言います。
温暖化はその最たる物なのかもしれません。

■ 科学よりも感情を優先する代償 ■

人間は科学よりも感情に流され易い生き物です。
目の前にある儲け話に飛びつく感情と、
氷の上にたたずむシロクマを可哀想と思う感情は良く似ています。

目の前の儲け話の後ろには、巨大なソステム崩壊が控えているかもしれません。
シロクマは遠くを見渡す為に、氷の上に登っているのかも知れません。

確かに北極の水温は上昇し、
流氷は消失しています。
しかし、今よりも気温が高かった時代もシロクマは生き抜きて来ました。

そして、人間も今より6度も寒冷な時代を生き抜いて来ました。
しかし、文明は比較的温暖な今から6000年より以前は発達していません。
温暖になって、農耕という生産性の革命が起きなければ、
文明は発生し得なかったのです。

恐れるべきは寒冷化であって、温暖化ではありません。
莫大な予算を賭けても地球と宇宙には太刀打ち出来ません。

■ 石油が枯渇すれば ■

石油は50年程で枯渇すると言われています。
石油が枯渇すれば、二酸化炭素の排出も止まります。
しかし、その時は産業を動かすエネルギーが不足します。
製品を作る原料が枯渇します。

ですから、「二酸化炭素による温暖化」などというウソの事象に予算を投入せず、
来るべき「資源枯渇」の時代に向けて、技術は開発すべきです。

そして人は体を鍛えて、自転車とジョギングで移動し、
夏はエアコンを使わない!!
あれ、私の今の生活と変わらないや・・・

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