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バブル雑感・・・経済のジェット気流

2018-10-02 05:25:00 | 時事/金融危機
 

今年の異常猛暑ですがジェット気流の乱れが原因だとか。ジェット気流が大きく蛇行する現象は知られていますが、今年はさらに乱れてスムースに流れなくなってしまった。その原因をシカゴ大学の日本人研究者らのグループが交通渋滞のシミュレーションと同様の手法で解析した結果、気流の流量が閾値を超えると蛇行や乱流が発生するらしい事が分かった。但し、何故気流の流量が増えるのかという原因は分かっていません。

感覚的ではありますが、経済も似たような物ではないかと妄想してしまいます。金融緩和によってマネーの流れが活発化すると通貨流通量はどこかで限界を迎えます。以前は物の売買が主体の経済で、貨幣のやり取りが介在する経済でしたから、貨幣は「ある物」に滞留しやすくなりバブルが発生し易かった。チューリップの球根であったり、鉄観音茶であったり、土地のバブルがそれに相当します。

一方、貨幣や証券などの金融商品が半ば電子化され、国境を軽々と越えて取引される時代には「物バブル」に比べてバブルが発生し難く、特に債券の金融商品化以降は借金によって投資の対象が増え続けるという「疑似永久機関」の様な状況が生まれています。これによって増え続ける緩和マネーを市場は貪欲に吸収する事が出来ます。

では、あたかもジェット気流の様な現在の貨幣循環に蛇行や乱流は発生しないのか?どこかで渋滞が発生する事は無いのか?中央銀行は通貨供給量の調節や金利によって貨幣のジェット気流の流量をコントロールできると考えています。これが出口戦略。

面白い事に、貨幣のジェット気流の流量はアメリカの実態経済に依存するとは思えないのに、FRBは表面上はアメリカの実体経済や雇用統計を指標に金利のコントロールをしています。(実際には市場の過熱感にも結構敏感だとは思うのですが)。その結果、通貨の流量が過剰傾向になり、どこかで金利の均衡点が崩れると通貨のジェットストリームはスムースに流れる事が出来なくなる。

面白いのは流体には粘性があり、それによって予測を裏切る。身体の重さが羽の面積に比して重いクマバチは物理学的に飛行は不可能と考えられていた、だからクマバチをして「不可能を可能にする事」の代名詞としていますが、実は空気の粘性によってクマバチの飛行は可能だった。

経済の流れも同様で、「勢い」や「欲望」というある種の「粘性」が不可能を可能にしている。ピークアウトしてもしばらくは流れ続ける。これがバブル慎重派が予測を間違える原因。儲けはこのラグの中に転がっている。但し、多くの投資家が引き時を一瞬にして失うのがバブル崩壊。

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