■ 変なアニメが始まった ■
前期アニメが名作・秀作ぞろいだったので、今期アニメはあまり期待していませんでした。だいたいシーズン初めはひと通りチェックするのですが。1分とか5秒で視聴中止の判断をする作品が多い。
そんな中で、普通なら3分で切りそうな作品を最後まで観てしまったのが、『アクションヒロイン チアフルーツ』

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
女子高生達の町興しの話の様ですが・・・・1話目冒頭は変なアクションヒロイン物で始まります。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
「おいおいダイミダラーかよ!!」と思わず突っ込みを入れてしまいましたが、昭和臭プンプンのオープニング部分は、どうやら出雲のご当地アクションヒロイン「カミダイオー」のヒーローショーらし。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
「日本全国でご当地ヒロインが人気を博し、カリスマ的存在までが現れた今、政府はついに故郷ヒロイン特例法案を可決させた。この物語はその流れに乗り遅れた地方都市を元気にしようとする少女達の物語である。」
という冒頭ナレーションですが、このカリスマこそがカミダイオーの様です。
このアニメ、カミダイオーのショーのTV放映のエンディングまで創り込んでいます。これがもう抱腹絶倒、フォントまで昭和アニメの再現で、歌もまさに・・・。実は今作の制作スタッフやスポンサーがさらりと入れ込んである辺り、かなりの曲者と見た。
脚本は荒川 稔久。『仮面ライダークウガ』を始め、東映の特撮ヒーローを多数手がけ、その筋では超有名なお方。そして監督は草川 啓造。私は『アスラクライン』が好きですが、最近は『風夏』が好印象でした。
脚本が荒川 稔久ならば冒頭の異常?なまでもツボを押さえた作り込みも納得というもの。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
この「カミダイオー」国民的カリスマヒロインらしく、子供達はもちろんの事、「大きなお友達」のファンまで居ます。これ、今作の主人公の一人赤来杏ですが、彼女はカミダイオー・オタク。部屋は抱き枕やフィギアを始めとするグッズで溢れ、ブルーレイは全て持っている。上の画像、コスプレじゃなくて「お面」ですよ・・・。
彼女達の住む陽菜野町にカミダイオーショーがやって来ます。大ファンの杏は学校を抜け出し、お面を頭の後ろに被って一目散で会場に走って行きます。その後頭部にお面を付けて走る姿のの何とシュールな事か・・・・。そして躓いて転びそうになった彼女は空中で一回転して着地、そして上の写真の決めポーズ。もちろん顔に見えるのは後頭部のお面です。
「バカだ、こいつ本物のバカだ!!」と突っ込みを入れる一方で、何十年とアニメを見て来た中でベスト3に入るショッキングな映像です。「これこそがアニメーション」と喝さいを送りたくなります。だって、これ実写じゃ絶対ヤラナイ・・・と言うか出来ない。アニメキャラクターの「絵としての顔」と「お面という絵」が表裏になる事で生まれる何とも言えないシュールさ・・・・。これが実際の役者やお笑い芸人がお面を後頭部に被ってやっても確かに笑えるのですが、アニメで感じた不気味なまでの感じを生み出す事は難しい。このシーンだけで今期の視聴継続が確定しました。
そもそも1話冒頭のカミダイオーの番組自体、作中劇の入れ子構造な訳ですが、それが街にやって来るあたり、メタ的な要素を多分に含んでいる訳で、物語の構造としてはなかなか複雑で面白い。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
第一話の大まかなストーリーは、何の特徴も無い地方都市の陽菜野町で開催されるイベントにカミダイオーショーが呼ばれます。女子高生の黄瀬美甘は妹を連れて出かけますが、なんとイベントは「調整の都合で中止」・・・。落胆する妹に、「お姉ちゃんが何とかしてあげる」と約束してしまったものの、どうしたら良いのやら皆目見当も付きません。
そんな折、カミダイオーのお面を被って疾走して行ったクラスメイトの赤来杏の「決めポーズ」を思い出します。二人でカミダイオーショウーをやるしか無いとお願いすると、何と杏は即決で快諾。
そこから二人の特訓が始まります。元新体操部の杏はとにか身体能力が高い。チアリーデイング部だったミカンもそこそこの動きが出来ます。放課後や昼休みを使って猛練習する二人、アクションシーンの連中でミカンの体は痣だらけですが、妹を喜ばせる為に必死です。
衣装、音響、舞台装置と手作りして、いよいよ妹とその友達達の前でカミダイオーショーを披露する二人ですが、その後大変な事が・・・・。
えええええーーーー、これちょっといい話じゃないですかーーーーぁーー。そして滅茶苦茶面白い。
■ 行って来ました、聖地巡礼 ■
ところでこの作品の舞台、何か既視感が在る様な・・・

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
私、このカットで確信しました。これは千葉県を走る「いすみ鉄道」。そして、このホームは・・大多喜ダァーーー!!!

はい、大当たりでした。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より


『アクションヒロイン チアフルーツ』より

彼女達が通う高校はこのカットで「大多喜高校」だと一目で分かります。お城を背景にした高校なんて全国にそう沢山は在りません。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より
ところで杏が学校をエスケープするシーン。3階の廊下の窓から外に飛び出して、視聴者をびっくりさせますが、何やら瓦屋根の上に降り立って、地上に着地します。何だか意味不明のシーンですが・・・



実は後者の脇に、江戸時代に二ノ丸に建っていた門が移築されて残っているのです。彼女はこの屋根に飛び降りてエスケープしたのです。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より


車寄せのシーン。アニメではお城が見えますが、実際には同じアングルでは見えません。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より


橋も特定しました。夷隅川に掛かる「外廻橋」です。

『アクションヒロイン チアフルーツ』より

新聞配達店も町の中心部にあって簡単に見つかりました。
ところで作中では何の特徴も無い地方の街として描かれる大多喜町ですが、江戸時代の建物が多く残る城下町です。大多喜は武田氏、里見氏の支配の後、徳川家康が徳川四天王の一人、本多忠勝を入城させ、里見氏に備えます。
本多忠勝は城下を整備し、市を開くなど大多喜の発展の基礎を築きます。





自然も豊富で、房総の小江戸として観光客が集まる街なのです。聖地巡礼のついでに大多喜観光など如何でしょうか。
今回は、聖地巡礼一番乗りを目指し、炎天下を自転車で行って参りました。熱中症一歩手前・・・。
人力様、前回の川越からせわしないですねw聖地を事前知識なしに特定するとは筋金入りじゃないですかw
『チアフルーツ』、シリーズ構成は特撮ファンなら知らぬものは居ないベテラン荒川稔久。
声優陣には元戦隊イエローのMAO、元プリキュアの渕上舞、そして『ろこどる』の伊藤未来。
とコンセプトは明らかに「ニチアサ×ろこどる」のパロディですね!私も一目ぼれしましたw
2話のサブタイトルが「普通の【ろこ】がヒロインやってみてもいいんだけど」とはw
1話の掴みの良さは「メイド・イン・アビス」と並び今期トップです。ベクトルは真逆ですがw
「火をつけなさい。胸のエンジンに(ギャバン)」等特撮のパロディを多分に含んでますが
突拍子もない展開ながらも最後は熱く感動できるシナリオは実にニチアサチックで万人向きで荒川先生の本領発揮で
す。
お手製カミダイオ―ショーがネットに晒され話題になる展開は『キック・アス』ひいては『サムライ・フラメンコ』
を髣髴させて、中盤本物の悪の組織と戦う展開にならないかと不安になりますが…
聖地が実在する以上滅多なことはしないだろうかと…
私も、これ、直ぐ切るなと思いながら見ていたのですが、結局、最後まで見てしまい、結構面白かったです。町興し物は「サクラクエスト」を引き続き見ておりますので、こちらは取り敢えずいいかぁという感覚だったのですが、いい意味で期待を裏切ってくれたように今のところ(KADOの失速感がありましたので。)思っています。
これに対して、「月がきれい」は、OPだけで視聴決定したのですが、最後までよかったと感じた作品でした。中坊時代にタイムスリップして、「はねてる君」と同じように、照明灯の紐相手にシャドーボクシングをやりましたし、また、好きな子に対しては、何だか意地悪をしたことなどを思い出しました。
ところで、私が気になった登場人物が、「茜」の親友である「千夏」なのですが、遊園地に行く回で、千夏さんは、茜さんと比良くんをくっつけようと試みたと思ったのですが、あれが素なのか策略なのか、今となってはどうでもいい事なのですが、女子の心がいまいち読み切れない(だから、モテナイとも言えます。)自分としては気になってしまうのです。
それでは失礼致します。
敵キャラの雰囲気とカミダイオーはまさに俺ツイ。
(ヒロインがツインテールなだけという噂も。笑)
※調べたら、俺ツイも荒川さんでした(笑)
でもまあ、なんとなくラブライブそっくりだったりとか、
大多喜駅が間野山駅と区別がつかなかったり、とかはおいときます(笑)
草川啓三監督は、私の中ではDOGDAYS一択なのですが、
今回も似たような感じになると嬉しいな、と。
それにしても「ろこどる」2期、やって欲しいのですが、
円盤の売り上げが厳しいのかなぁ。。。
大多喜の後、猛暑の中、鴨川まで足を延ばして『輪廻のラグランジェ』の原画展を見て来ました。
鴨川郷土資料館がアニメの制作資料一式(段ボールで40箱程)の管理を委託された事を記念した展示会です。手描きロボットアニメとしては最後の時期の良質な作品の制作資料がまとまった形で公的に保管される事の重要性がどれだけ館員に理解されているかは分かりませんが、50年後にはそれなりに価値の在る資料となる事を私は確信しています。(エヴァンゲリオンの制作資料などは展示会が開かれる位いだから価値を認める人は多いのでせようが)
『チアフルーツ』と『メイド・イン・アビス』は方向性こそ真逆ですが、今期尤も期待できる作品ですね。『チアフルーツ』は『ラブライブ』や『ルコドル』など昨今の作品の寄せ集めで一見安易な作品に見えますが、実はご「当地ヒロイン」や「ゆるキャラ」による地域振興の闇は深い。広告代理店ががっちりと利益を取るので、つまらないゆるキャラのイベント出演で結構高額の請求があるとか。中身は単なるアルバイトなのですが・・・。フナッシーはその問題点を見事に看過していて、「ゆるキャラという無個性」に個性を与える事で代理店の無能さを証明したとも言えます。
はたして『チアフルーツ』がその様な社会性を持つ作品となるのか、単なる美少女の奮闘を愛でる作品で終わるのか・・・市場のニーズとしては圧倒的に後者ですが・・・私は何等かのブレークスルーを期待してやみません。(『サムライフラメンコ』みたいなスルーは御免ですね)
『メイド・イン・アビス』は画一的なキャラクターに支配されつつあるアニメ業界において、オリジナリティーの重要性を問う作品になるでしょう。原作マンガが素晴らしいのだと思いますが、マンガというジャンルの奥深さに対して、アニメはまだまだ足元にも及んでいません。個人の創作活動の延長性にあるマンガ業界と、企業活動としてのアニメーションの違いでもあるのですが、そこら変の垣根を強引に取り払う作品として『Re:creaters』の二期も目が離せませんね。
ラノベやアニメでヒットを狙う場合、「普通では無い展開」に頼る傾向が強い。これは既存の小説などもそうですが、読者や視聴者は「新しい何か」に飢えています。ハリウッド作品は観客のニーズをかなり分析していて、「ヒットの方程式」の様なものを構築していますが、結果的にどれも似たような作品になってしまいました。
『月がきれい』は恋愛ものとしては「王道」で、一切の変化球を交える事もなく、そして最高のハッピーエンドまで物語が緩む事無く展開するという、昨今の作品では忘れられてしまった作風で堂々と勝負した点に最大の魅力を感じます。制作スタッフの力量無くしては無しえない「奇跡」だと思っています。
「千夏」のキャラクターの掘り下げが私にもちょっと不満が残ります。ただ、中学生の初恋だから、恋が何かもわからない「好き」の延長の失恋なので、千夏の行動や感情を掘り下げても案外に何も出て来ないのが実際的なのかも知れません。
彼女は最初は茜が比良を好きだと思っていますが、遊園地に行った時には既に茜の小太郎への気持ちを知っています。クラスの女子達は女子特有のお節介と、それにちょっと混じるある種の悪意で茜と比良をくっつけようとしますが、それに便乗した千夏の行動は決して無自覚なものでは在りません。この身勝手さは 別の通学生女子特有のものでは無く、男性も含め人が皆持っているものだと思います。「自分が手を下さなければ、物事が自分に都合の良い方に転がってくれるのはOK」的な・・・。
>「ろこどる」もそうですが、なぜ「俺ツイ」をとりあげてくれないのかと
「ろこどる」は途中から見て、直ぐに挫折してしまった・・。アイドルという存在にピクリとも反応出来ないオヤジにはローカルアイドルは敷居が高いのかな。
「俺ツイ」は1話の掴みは良かったのだけど・・。今回がそうならない事を期待しています。ターゲットは私達の様な「高齢者」では無いので、安易な萌えに走る可能性の方が高いですが・・・。
挙げられた作品の他にも、『ビビットオペレーション』など肌合いが似ている感じます。今時のアニメの持つ「空虚な躁」と「安易は鬱」をベテランの書き手がどう回避するのか、興味津々で見守りたいと思います。
(普通の家庭で見るには問題があるので。笑)
sin7つの大罪が、11話で放送中止になりました。
ただし、ATXでは最終12話を放送予定。
民放では今のところ放送予定はありません。(ATX入っててよかった。笑)
なぜそうなったかというと、制作会社が倒産したから!
いや、大変です。
思うに、神と悪魔の最終戦争なんてテーマにしたので、
祟りにあったのではないかと。
制作会社も経営が苦しかったようですから、
制作前に、神様に御供えとか、御祓いは必須だったと思います。