残念だが、これでは独りよがりの失敗作というしかない。その実験精神はわかるし、こういう冒険を今でも自由自在に出来てしまう鬼才、若松孝二監督は凄いと思うが、それだけでは映画として成立しない。とても現代の映画とは思えないアプローチである。
『略称連続射殺魔』を思わせるようなスタイルだが、これはドキュメンタリーではなく一応劇映画の形をとる。主人公の少年の見た風景を、同じようにカメラが追いかけていくと . . . 本文を読む
この呆れるほどにつまらない映画をわざわざ見たことには理由がある。
大阪でアマチュアとして8ミリ映画を撮っていた頃からずっと、三原光尋監督の映画を見てる。(そんへんの詳しい事情については『スキトモ』のところに書いてるからそっちにあたって欲しい。)決して大ファンと言うわけではないが、彼の、とても真面目で一生懸命な姿が好きだから、ついつい今も応援してしまうのだ。
今回の作品にも彼の真面目さはよ . . . 本文を読む
BEGINの『恋しくて』にインスパイアされた青春映画。彼らの自伝的ストーリーを中江裕司監督は、誰にでもある青春の1コマとして、石垣島という特別な場所を舞台に普遍的な恋物語にして描いてみせる。
これはBEGINの3人の話でなくてもいいし、石垣でなくても成立する。だが、それを、この子たちで、この場所でしか成立しない映画として見せる。どこにでもありそうな特別なこと。彼らは僕たちでもあるが、彼らは彼 . . . 本文を読む
ワンシーン、ワンカット。フィックスで長廻し。どこかで見たようなスタイルだが、挑戦的な映画ならよくあることだ。気にしない。
音楽はなく、現実音のみ。セリフもほとんどない。 だが、中国語と韓国語を微妙に使い分け、自分と他者との距離感、孤絶する思いが表現されてある。寒々とした風景の中、朝鮮族の女とその息子の日常が、中国の東北部、架空の町を舞台に描かれていく。
季節は夏のはずなのに、誰一人とて汗 . . . 本文を読む