去年のクリストファー・ノーラン『プレステージ』はそのアホ過ぎるオチに驚愕したが、今回のこの映画の甘いラストも、なんだか納得がいかない。マジックを題材にした映画なんてけっこうめずらしいが、それは仕掛けがどんなに凄くても映画としてそれを見せられると、あまり刺激的ではないからだろう。やっぱりマジックってライブでしょ。目の前で現実に起こっているとてつもないことを、騙されないように、目を皿のようにして見つ . . . 本文を読む
1日1組しか客をとらない食堂。事前にお客に来てもらいじっくり面談したうえで、レシピを考える。相手のためだけのオリジナルメニューの料理を考え、誠心誠意のおもてなしをする。ここで食べるだけで、人を幸せにする。そんな料理。それは自分の喜びのための料理でもある。お金儲けのためではない。今、ここで生きているということを実感するために働いている。自分の店を持ち、自分の持てる力を最大限に発揮して生きる。
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とてもいびつな恋愛を描いた小説を2冊続けて読んだ。この2つに『ジュノ』を加えると、偏った恋愛三部作の誕生だ。ジュノは、妊娠出産する16歳の少女の驚きの日々のスケッチというよりも、大好きな男の子に「好きです」と告白して、2人で初めてデートするまでを描いた初恋物語のように、僕には思える。
ジュノはポーリーにうまく気持ちを伝えきれないので、セックスを先にしてしまう。話も出来ない彼に対して、まずセッ . . . 本文を読む