どうしてこんなにも悲しい気持ちを描こうとするのだろうか。ひとりぼっちで生きていくことに痛みをこの小説はとても静かに描いていく。物語としてではなく、情景として切り取っていく。
27歳から40歳までのいくつかの時間。6つの短編。姉と妹。それぞれの風景。最後にはふたりがいる風景まで。
27歳、30歳、37歳。この10年間を通して、紗絵はひとりを生きていく。キャンプ場での孤独。男が部屋に連日のよ . . . 本文を読む
『ハムレット』を使ってこんなにも真剣に遊んでしまうなんて、伊藤さんはなんて素敵な方なのだろう、と改めて彼のファンになってしまった。今までもずっとFrance_panは大好きだったが、なんだかタイミングがあわなくて、全然見れないでいた。今回だって連絡を頂かなかったら、また見逃していたかもしれない。でも、これからはちゃんと全部見るから。全てに優先して見ようと心に決めた。(大袈裟だなぁ)それくらいに、 . . . 本文を読む
ウイング・フィールドを中心に上演していた初期の頃の作品はすべて見ている。扇町ミュージアム(懐かしい)に拠点を移してから少しずつ違和感を感じてきた。でも『水嶋さんのストライキ』(再演)まではほぼ欠かさず見てきた。だが、その後、疎遠になり今回である。
久々のウイングということにも興味を惹かれた。この狭い空間は、今の蟷螂さんにとってどういう意味を持つのかも、今回の興味の焦点だ。僕が飛ぶ教室を見れな . . . 本文を読む
三谷幸喜の第4作は、かなりヤバイ映画だ。興行的にも作品的にもとても危険な綱渡りをしている。映画のバックステージものは絶対ヒットしないという定説があるが(あると思うが)敢えてそんな禁を破り挑戦したのは、それでも映画が好きだという彼の熱い思いであろう。
楽屋落ちになりがちだし、へんな薀蓄は一般の人の興味を削ぐことに成りかねない危険がある。そんなこともわかった上でやはりこの題材で作ろうと思ったのは . . . 本文を読む